女性指揮官と戦術人形達のかしましおぺれーしょん【完結】   作:笹の船

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ネタを振られたので回収をします。



★再会は驚きと共に

 N03地区での作戦のデブリーフィングが終わって二日経ったけれど未だに私は病院のベッドの上だった。

 正直、怪我に関してはもう入院の必要は無いと思う。E.L.I.Dの爪を抜いて傷口も縫合されているから、後は腕を動かさないように気を付けて生活をすればいいだけだ。

 なので、私としてはさっさと基地に帰って自由にしたい。病院食はもう飽きたし。

 

「あああああ! 45、帰りたいんだけど!」

「我慢してシーラ。E.L.I.Dの体組織が体に入ったのよ? 万が一があったらどうするの」

「もうあの作戦から4日も経ったのよ。その万が一があるなら、とっくに私はE.L.I.Dになってるっつーの」

「グリフィンも人手不足だし、億が一の可能性を潰したいんでしょ。私もシーラがE.L.I.Dになった所なんて見たくないし」

 

 ベッドの隣に座った45がちょっとだけ不安そうな表情をして、一瞬ときめいてしまった。

 普段すました顔してるから、たまにこういう表情をするのを見ちゃうとインパクトがデカい。ホント、ズルい子だよなあ。

 まあでも、上の言い分も分からないでもない。私達が戦った個体なんかもそうだったけど、E.L.I.Dっていうのは小火器程度じゃ動きを止めることすらできない存在だ。そんなものが発生する可能性が潰せるのなら、私だって喜んでその可能性を持った人物を病院にぶち込む。

 幸いにも私のいるR06地区とは定期的に通信をつないで状況を確認することが許可されているから、私が直接処理しなければならない案件以外はどうにか回すことが出来ている。

 だから急いで帰る必要っていうのは今のところないんだけど、それはそれとしてベッドの上でじっとしているっていうのがそもそも私の性分に合わない。

 事務仕事ですら辛いのに、特にやることもなくベッドの上でじっとしているとか正直退屈過ぎて死にそうだ。

 隣に護衛として45がいてくれるから話し相手には困らないけど、ぶっちゃけ二人きりになったからって私達は喋るって訳じゃないのよね。

 特にルポライターと初めて一緒に仕事したあの時、ウェディングドレスを着てなんちゃって結婚式をやった時以来からその傾向はかなり強くなってきた。

 前は触れ合ったりしてないと45がどこかに行ってしまいそうな気がして気が気じゃなかったけれど、あの日一緒に将来を誓い合ったことで一種の安心感が出来たのかもしれない。

 45の方からキスとか夜のお誘いが来ることも減ってるし、我慢してる様子もなさそうなところを見るに向こうも同じなのかもしれない。直接聞くのはなんだか恥ずかしいけれど。

 あーでも、ここんところは忙しくて色々ご無沙汰だったからなあ。

 

「よんごー」

「シーラ、どうした……んむっ!?」

 

 声に反応して私の方を向いた45の唇を自分の唇でふさぐ。45は一瞬ビックリしたように肩をこわばらせたけれど、すぐにそれも無くなった。

 キスをするのも、随分と久しぶりの様な気がする。唇と唇が重なる温もりと、私の舌が45の舌と絡みあう感触で体の芯が急激に火照っていくの感じる。

 マズいな。軽い気持ちでキスをしたんだけど、思った以上に昂ってきたかもしれない。こんなところだと万が一誰か来た時言い逃れも何もできないから、堪えるべきなんだけど……。

 唇を放して、開いたままの口でめいっぱい息を吸い込んだ。

 

「シーラ……ぁ」

 

 やっば。私も大概だけど45も結構出来上がってるじゃないの。頬は真っ赤になってるし、息もちょっと上がってる。目もとろけちゃってるし……。

 でも、今日の検査はもう終わってる。来客の予定もないはずだし、肩の傷は動かさなければ特に問題は無いとも言われてる。

 ちょっとだけ。ちょっとだけなら……いい、かな?

 

「よんごー……その、する?」

 

 あ、やべ。言ってみたはいいけど、なんか急に恥ずかしくなってきた。そもそもいつもの勝手知ったる私の部屋じゃないのだ。声を上げたりすれば隣の病室にまで響いちゃうかもしれないのになんてことを言っているんだ、私は。

 いやでもこれは私達の欲求不満を解消する為に必要なことだ。ヤることヤってスッキリすれば怪我の治りも早くなるかもしれない。

 そう。これは必要なことだ。私が早く健康になるために必要なことだから……。

 なんて自分に言い訳していると、45が私の病院服に手をかけてきた。ドキリと胸が跳ねたのが分かった。

 なんだろう。いつもならそんなでもないんだけど、今日に限っては妙にドキドキする。これからしちゃうんだ、私達。誰かが来るかもしれない病室で、いけないことをしちゃうんだ。

 

「あっ……よんごー、今日は優しく……ね?」

「うん……ねえシーラ」

「ん?」

「キス……もう一回、しよ?」

 

 私が答える前に、45が私の唇を塞ぐ。ついばむようなキスから、舌を絡め合わせるような濃厚なキスまで、じっくりたっぷりお互いが相手の唇を堪能する。

 キスをすればするほどそういう気分になってきてしまって、今からすることがいけないことだとか、バレたらヤバいからやめるべきだとかそういうコトが考えられなくなってくる。あっ、服脱がされちゃう……。

 

「コリンズさん。お客様ですよ」

「「~~~~~ッ!?」」

 

 さあいざ、っていうタイミングで軽いノックの音と共に病院の看護婦さんが病室に入ってきた。

 心臓が滅茶苦茶縮み上がって、体も大きくびくりと震える。あんまりにびっくりしたから、怪我をしている左肩まで一緒に力んでしまって、激痛が走った。

 服を脱がされる前だったのは不幸中の幸いか。ちょっと服乱れちゃってるけど、この位なら何とか誤魔化せるはず……。

 

「看護婦さん? 今日はお客さん来る予定あったっけ?」

 

 恥ずかしさと激痛で額に脂汗をダラダラかきながら、平静を装って病室の入口の方へと顔を向ける。45がどういう表情をしているのかは分からない。彼女は入口とは反対の窓際に座っていたからね。

 それはともかく、病室に入ってきた看護婦さんの後ろにはPPKともう一人、小柄なグリフィン制服を着た少女が立っていた。

 うーん? PPKと一緒に行動する女の子の指揮官といったらユノちゃんくらいしか思い当たらないんだけど、なんだかユノちゃんにしては雰囲気が違うような……?

 ああそうか。ユノちゃんと比べると身長が高いのか。あとその、胸の戦闘力が大分増している。前はその、将来に期待するのが吉だったんだけど、今は割と豊かに実っている。

 

「シーラさん、こんにちは」

「こ、こんにちは……。えーっと……ユノちゃんのお姉さん?」

 

 結論。彼女はユノちゃんのお姉さんだ。そうに違いない。ていうか、最後に会ったのは数か月前だったのに、そんな短期間で人間はそこまで成長は出来ない。

 が、現実は非情だった。

 

「あ、えーっと……私、ユノです」

 

 こちらの困惑を察したように苦笑いをしながら、目の前の少女はそういった。

 思わず、45と顔を見合わせる。彼女もかなり困惑した表情をしていた。

 

「PPK?」

「色々事情がありまして……その辺りも追って説明いたしますわ」

 

 ……マジでユノちゃんなのか。一体何があったんだ。

 




今回は「それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!」のユノちゃんとPPKをお借りしました。
とりあえずもう一話続きます。
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