決意❶
あれから屯所に帰ってきた一行…
「申し訳ありません。私がついていながらこの騒ぎ…注意力散漫の結果です。」
『ススム…。』
土方に向かって頭を下げてる山崎…
その傍らに座る雅…
「…君はしっかりやりとげた。報告してくれたまえ。」
「…騒ぎを起こした四名の浪士ですが言葉の訛りからして長人であることは疑う余地はなし。うち一名は偶然居合わせた沖田さんと早弥さんによって斬られましたが残りの三名は娘を助けに入った浪士に敗れその場を立ち去りました。」
「……浪士か。」
『あぁ…浪士だったヨ。』
「…総司たちが居合わせちまったのも不運だったな。…だがまぁ面白いことが一つ分かった。」
「…。」
「お前らはどう思う?その4人の長人…ひどい長州弁でわめき散らしいたずらにガキを恐喝…ご立派までに無知で青い田舎侍だ」
『少なくとも…長く京に潜伏してはないだろうね…。新撰組のことをよく知る者であれば、こんな低俗なことはしない…。たぶんだけど…ヤツラは最近のうちに入京した者…。』
「あぁ…おまけに桝屋も店先で騒ぎを起こされながら通告もしやがらねェ。」
「引っぱりますか」
「いやまだだ。もっと肥えさせる。血気盛んな同志を呼び集め田舎者の華の都見物とくりゃあ話は別だが。“革命”好きの奴らのことだイカれた見世物でも計画してるに違いねェ」
『…なるほど…なら今桝屋を引っ張ってもろくな事を知らない…か…。』
「…あぁ。もっともっと情報を食わせて丸々と肥えさせる。」
「…しかし今回の件で連中も行動を更に内密にするはず。」
『うん…。ススムの言う通りだと思う…。』
――革命好きのヤツら…そういえば、最近の火事…稔麿が居るならつじつまが合うなぁ…
でもそう決め付けるのはちゃんと確認しないとわからないよなぁ…。他にも火が好きなヤローはいるし…。
「…内部調査に支障をきたした上敵の警戒を煽りました。…私の責任です。どうか罰をお与えください。」
『!ススム!…そんなこと行ったら私も…。』
「…言葉使いが戻ってるぞ雅。それに…
…この件では誰も処罰はしない。すべて俺の責任だ。」
「…は。」
頭を下げる山崎
しばらくして山崎が顔を上げ戸を閉めようとすると
「山崎君。俺は甘すぎるのか。」
「…あなたのなさることに間違いなど有り得ません。」
『……。』
黙って事の成り行きを見守った雅
――ススム…歳さん…。
―パタン
『…ススム。俺はコレで部屋もどんな…。』
「あぁ。」
『…そういえば…ススムが怒るなんて所はじめて見たよ…。』
そう言い残し足早に立ち去る雅
「……。」
――“怒った”んは初めてやった。
雅の言葉に無言で自分の手のひらを見て思う山崎
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