『やっほー来たよ総司vV』
「おそいですよ雫!」
『ごめんごめん』
あの後早弥は鉄達に言ったとおり、沖田に会っていた
『で、何をしてたの?』
「雫が来るまでサイゾーと遊んでいました」
「ブヒッ!」
サイゾーの返事に微笑みながら早弥は沖田の隣に腰を下ろす
『ところで、何で土方さんの部屋に呼んだの?』
「土方さんを待っているんです」
沖田の言ったことにいまいちよく分からない
『?どうして?』
「土方さんが帰ってきたら京菓子を買ってもらおうと思いまして」
その言葉に、早弥の目の輝きが増した
『京菓子!?私も行きます!!』
「そう言うと思ってましたよ」
早弥の笑顔を見て沖田はつられて笑う
『それで、いつ頃戻ってくるの?』
「分かりません。だから暇なのでコレを読もうと思って」
そう言う沖田の手には、この部屋の主人の大切な物
『あ!〝豊玉発句集〟ですね!?』
「そうですよ」
『私も読みたいです!』
「ダメです!コレは私が先に読むんです」
『え~!読ませて~!』
「嫌です~!」
沖田は句集を頭上に上げて早弥に届かない様にした
『~~~~っ!えい!!』
「ちょっ、うわ!!」
早弥は無理矢理取ろうと沖田に体重をかけながら手を伸ばした
いきなりの事に沖田は耐えきれず早弥が上に乗った状態で後ろに倒れてしまう
「『………』」
この状況に二人は見つめあったまま固まってしまった
そんな二人だったが
「…何してんだお前ら」
帰ってきた土方の呼び掛けにより二人は飛び起きる
『ひ、土方さん!』
「私達ずっと待っていたんですよ!」
「待ってた?」
上手く話をそらしながら、沖田と早弥は満面の笑みで土方を見つめる
その顔に嫌な予感がすぎる土方
「えへへ~vVちょーど良かったァ!」
「『付き合ってください土方サーンvV』」
「………」
そのまま土方は捕まり、三人で出掛けていった
無論、沖田から句集を取り上げることを忘れずに
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ーーー
「………そこの干菓子を一袋」
「あ──土方さんっこれもっこれも買ってくださーいvV」
『あ──これ美味しそう!土方さんこれ買ってくださーいvV』
「ま、毎度──…ι」
土方は沖田に髪を引っ張られ、しぶしぶ二人の欲しい物を買ってやった
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「土方さんも食べればいいのに、おいしいですよー?」
『そうですよ!これ何て私が見たとおりやっぱりおいしいですよ?ほら、土方さん』
「んなガキの食いもん食えるかよ」
お菓子を買い終えた三人は、今は屯所に帰る途中だ
「あ!!駄目ですよー間違ってまするソレ!京菓子は芸術品なんだから──」
『あ!土方さんはたくわんが良かったんですね?』
「いらねー。──…で、なんの用だ?菓子欲しさにここまで連れ出した訳じゃあねぇんだろ」
「ひどいなァ土方さん、あそこに居たくなさそうだったから理由作ってあげたのに」
『え、そうだったの?』
「………」
沖田の言ったこと、ついでに早弥の言葉に土方は額に手をあてる
「まぁな、なんだって新撰組幹部がガキの話で討論しなけりゃならねぇんだ」
「ん──…でもよく聞いてるとー
本当に鉄クンの話してるのって近藤さんだけですよォ?」
『クスクスッ』
「………」
土方は二人を振り返るがそこには何故かかっこつけている沖田と、それを笑う早弥がいて呆れた
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「…お見通しですよ。あなたのことくらい。ねぇ雫vV」
『ねぇvV』
「///」
沖田と早弥の言葉に土方の頬は少しだけ赤くなった
「──…そーか、そりゃあスゲェな…」
「あ!でもでも、どうしても分からないことがあるんですよねー」
「?なんだ」
「………
どうして鉄クンに刀を握らせないんです」
土方の動きが止まり、少し沈黙ができた
「どうして、選ばせてあげないんです…?」
「………」
『………』
早弥はただ静かに二人を見守っていた
「アホか、たかが十五のガキに──…」
「九つでした」
土方は目を見開いた
「私は、九つでした」
「………」
「…つまり、そういうことですか
私の二の舞は御免ですか」
沖田はゆっくり土方の横をすれちがうさいにそい言い、そのまま歩き続けた
『待って総司!』
慌てて沖田の隣に並び、心配になりその手をとって握り締めた
それに応える様に沖田も繋いだ手を強く握りかえした
「…総司」
後ろで土方がそう呟いたのが、聞こえたような気がした
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