狼姫たちの闘い   作:ナユ

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出会い❺

道場に丁度2人がついた瞬間に中から物凄い勢いで少年が吹っ飛んできた‥‥

 

『!?…君大丈夫?』

 

吹っ飛んできた少年に近づき話しかける雅

 

「……。」

 

虚ろな目で雅を見る鉄之助…

 

「しっかりしろ鉄!!オイ!?ああ…くそォー!」

 

雅を眼中にいれず倒れてる鉄之助に駆け寄り抱きしめる辰之助…

 

「…。」

 

周りの誰もが無言になり“終わったな”と思う中…

 

「終わったな…」

 

近藤がつぶやくと…

 

「まだですよ。」

 

沖田が言う

それを合図に鉄之助も立ち上がる…

 

「―…鉄……?」

 

「ヒュゥー…ゴホッ」

 

立ち上がる鉄之助に驚く一同…

 

しかし沖田は鉄之助に止めを刺そうと鉄之助に竹刀を向ける…

 

「!!総司ッ!?」

 

「チッ」

 

『!総司!!やめて!!』

 

「て…」

 

驚きの声をあげる近藤、軽く舌打ちする土方

沖田を止めるべく腕にしがみ付く早弥

 

バキーイッ ザクッ

 

音とともに地に刺さる竹刀の先…

鉄之助の前には、土方が立っていた…。

 

「……あ」

 

――この人は

 

「…何してんだガキ」

 

「…。」

 

「…総司」

 

「――!」

 

「何度目だ?」

 

「ゴ…ゴメンなさい土方さんッ」

 

竹刀を下ろす沖田 気が抜けたのか座り込む鉄之助

 

「わぁ鉄!?しっかりしろ大丈夫か?」

 

「おお…。」

 

必死な目をして沖田を見る鉄之助。

 

皆が沈黙し静かになる…

 

,

 

「素晴らしい…素晴らしいよ鉄之助君!!」

 

感動の涙を流しながら空気を読まず?言う近藤

 

「敵に背を向けることなく最後まで立ち向かう!!幼いながら立派な武士だ!男たるものやはりこうでなければ…」

 

――あぁ、近藤さん、背中の「士道」の文字が見えるよ…

気のせい…?

 

「じゃあ…採用?」

 

座り込んでいた鉄君の顔がぱぁっと明るくなる。

 

が、土方冷たく答えた。

 

「それは出来ねぇな」

 

「な…何故だ歳!?」

 

「弱い上に童じゃあ話しにならねぇだろ」

 

しかし鉄之助も黙っていなかった。

 

「つ、強くなります。稽古を受けて戦って…」

 

『鉄君…』

 

―ここに入ったって強くなんてなれない。ここは強くなる為の場所なんかじゃないから…。

 

雫が鉄の必死さに言葉にできずに思う。

 

「隊士になってもっと強く──…」

 

「だからだ」

 

―ここは、人を殺す場所。他人を殺しても気にしないでいるヒトを作る場所。

 

―ここに入るには…人を捨て、鬼になるしかない。

 

2人のやり取りに考えをめぐらす雅。

 

「ここでは、仇討ちの剣なんぞ身につかねぇ」

 

それだけ言うと去っていく土方…

 

『あっ!待ってくださいよ。歳さん!!』

 

金魚の糞のように、土方について行く雅

 

『…雫。その子をお願いね…。』

 

去り際に雫に言いながら…

 

『…鉄クン…。』

 

気まずい不陰気の中鉄之助に声をかける雫…

 

「………。」

 

『とり合えず、手当てするから…ついてきて…。』

 

 

.

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