狼姫たちの闘い   作:ナユ

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出会い❽

次の日――

 

夜から降り出した雨は止まずにそのまま朝を迎えた。

 

「嫌だなぁ…朝から雨っていうのは」

 

沖田が空を見上げて呟く。

 

『そうだね…』

 

沖田の呟きに答える雫

 

『まるで誰かの感情を写してるみたい…。』

 

「そうですね…。」

 

『まぁそれは置いといてさ…。』

 

雫はガラッと声色を変えて後ろをじろりと見た。

2人は別に雨で感傷に浸るためにココへ来たのではない。

 

本来の目的、それは──

 

『土方さん!いい加減に起きてください!!』

 

いつまでも寝ている土方さんを叩き起こすことだ

 

「そうですよ。ホラ土方さん、早く起きないとおつむにキノコはえちゃいますよー」

 

『プッ……』〈堪笑〉

 

――沖田さん変なこと言わないでくださいよ…

 

笑いを堪える雫

 

「……。」

 

「…そういえば…」

 

総司がふと空を見上げていった。

 

「子犬はちゃんと雨宿りできたのかな…」

 

──昨日

 

鉄は、あのまま放っておいた

 

今は一人で考えさせた方がいいと思ったからだ

 

「…知らねェな…。」

 

『鉄クン…。』

 

雫と土方はほぼ同時に返した。

 

――

 

パシャン

 

「ハァ――――――――――~~~ア…」

 

籠から出て傘を差しながらため息を吐く近藤

 

しかし…

 

目の前に傘も差さずに地に座り込む人物を見て固まる…

 

そして、慌てて土方達を呼びに家の中に走った…

 

.

 

―――

 

 

「歳っ!ちょっと来てくれ!」

 

「……近藤さん?」

 

『?』

 

 

―――

 

 

 

「…―――鉄?」

 

『鉄クン…』

 

鉄は一日中そこに座っていたらしくびしょぬれだった

 

「鬼すら恐れません」

 

静かに土方に言う鉄…

 

その澄んだ瞳はしっかりと前を見ていて

 

何も恐れてなく

 

「俺を鬼にして下さい」

 

意志の光に溢れていた──

 

「小さいせェくせに度胸だけは一人前って目ェしやがって…

 

…総司に似てるなお前…。」

 

そういいながら傘を閉じる。

 

「市原鉄之助」

 

閉じた傘を鉄君に向け言う。

 

「総司と雫に免じて採用してやろう」

 

一瞬間が空き、雫と沖田と近藤の顔が喜びの表情に変わる。

 

「土方さんっ!!」

 

「本当か歳──ッ!」

 

『土方さん!ありがとっ!』

 

「バっ、雫!ひっつくんじゃねぇ!///」

 

『いいじゃないですか、減るもんじゃないし!ってか何赤くなってんです?』

 

「当たり前だろーが!き、気色悪ィ!」

 

――そのワリには噛んでますね…。

 

『土方さん……こんな美少女に抱きつかれて気色悪ぃは酷いです…。』

 

「自分で言うな自分で!」

 

「アハハ、なんかおもしろそうですねー私も混ざります☆」

 

「総司っ!てめェまでくんなっ!」

 

その時…

 

 

べしゃっ

 

 

『………べしゃ?』

 

土方達の動きが止まる。

 

見れば、緊張の糸が切れたのだろう、鉄が正座をしたまま倒れて……いや、寝ていた

 

「…オイ?」

 

「エヘへェ~やったョ~…父ちゃん母ちゃん…辰に…」

 

「似てる、かなぁ…」

 

『沖田さんより…もっと似てる似てる人がいると思いますよ?』

 

「そうですね。」

 

雫と沖田は揃ってその人物の顔を見て笑った。

 

「…?」

 

「おや、雨があがったようですよ。」

 

 

さっきまで降っていた雨がうそのように…

 

空には青空が広がっていた…

 

 

.

 

 

 

 

 




これにて出会い編終了です|ω・)チラ
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