よろしくお願いします!
爆豪勝己:オリジン
「うわっ!無個性とザコ個性コンビだ!」
「無個性のクセにチョーしのんなよ!」
そんな心無い言葉が周りから向けられている。
「うるせェ!お前ら個性持ちなのにおれにケンカ負けるくせに!」
「止めろかっちゃん!放っておけばいいよ!」
ツンツンした金髪の少年が殴り掛かりに行くのを緑のボサボサした髪の少年が必死に止めようとしている。
「放せデク!こいつら俺の夢をバカにしたんだ!」
「ただ個性があるだけでオレより弱っちいのに!」
「だからもっかいぶっ飛ばして分からせるんだよ!」
そう叫ぶと、制止を振り切って相手に向かっていった。
「かっちゃん!待ってよかっちゃん!」
金髪の少年の拳が相手に届く瞬間、視界が真っ白になった。
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「はっ!」
パッと目を覚まし周りを確認する。
そこが自分の部屋だと分かると同時にさっきは夢だったと気づく。
目覚まし時計を確認すると午前6時にアラーム設定している時計の針は
午前5時50分を指していた。
そうして自分はあの夢に起こされたのだと自覚した。
「・・・ちっ」
そう舌打ちをすると汗で湿った寝間着に
しているジャージを脱ぎ捨てた。
タオルで体を拭きながら洗面所に向かう。
まだ寝ている両親を起こさないように静かに階段を降りていく。
洗面所に着いて顔を洗おうとした時に鏡を見ると驚いた。
そこには涙の痕がくっきりと映っていた。
(あの夢で泣いていたのか俺は)
そう自覚するとさらに不快感が強まってしまった。
それをかき消すように顔を強く洗った。
顔を洗った後にキッチンに向かった。
机の上に置いてあったバナナを食べながら柔軟体操を行う。
日頃から続けているのが分かるほどその少年の体は柔らかかった。
柔軟体操を終えるとスポーツウェアに着替えて玄関に向かった。
音をたてないように外に出ると腕に着けた多機能腕時計を使って1時間半のタイマーをセットし走り出した。
そのスピードはおおよそジョギングというには速く、さらにスピードを保ったままで走り続けた。
1時間半後家に戻ると
「おかえり勝己」
という言葉がキッチンから聞こえた。
「ただいま」
「朝ご飯出来てるけど先にシャワー浴びてきな」
「おう」
と会話を交わして浴室に向かった。
そうしてランニングによる汗を流すと朝の不快感はすっかり消えていた。
体を拭いてキッチンに向かうとコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる父と朝食の用意をしている母がいた。
自分もテーブルに着こうとすると父が自分に気づいて
「おはよう勝己」
「おう」
「今日もランニングかい」
「ああ」
「最近体がガッチリしてきたな。日頃のトレーニングの成果だね」
「ああ」
言葉数は少ないが会話を交わしていく。
「ハイ、ご飯出来たよ」
そう言って母がトーストとベーコンエッグを運んで来た。
ランニングで空いた腹に一瞬で吸い込まれていった。
食後のコーヒーを飲んでいると玄関のチャイムが鳴った。
一足先に席を立っていた母が玄関に向かった。
玄関を開けるとそこには緑髪の少年がいた。
「おはようございます」
「おはよう出久くん」
「かっちゃんもう用意出来てますか?」
「もうすぐ出てくると思うわ」
そうやり取りをしてくると奥から
「来んのはええよ」
といいながら少年が出てきた。
「おはようかっちゃん」
「おう」
「それじゃ、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい。気をつけていくのよ」
「おう」
そういって歩いていく2人を見ながら1人呟く。
「昔じゃあ考えられないわね」
微笑みながら家に戻った。
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「あ、そうだ。今日って進路相談の日だよね」
「デクはどこにすんだ?やっぱあそこにすんのか?」
「うん、雄英高校にするつもりだよ。かっちゃんは?」
「俺も雄英だ」
「一緒に受かれるように頑張ろうね!」
「・・・ああ」
「どうしたのかっちゃん」
「・・・ンでもねえよ」
「おい、学校遅れんぞ」
「待ってよかっちゃん!」
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「えーお前らも三年ということで本格的に将来を考えていく時期だ!!
今から進路希望のプリントを配るが皆!!」
大体ヒーロー科志望だよね」
そう先生が言うと、皆騒ぎながら『個性』を発動する。
周りを見渡すと個性を発動していないのがデクと俺だけだった。
「うんうん、皆いい個性だ。でも校内で『個性』発動は原則禁止な!」
皆はしゃぐのはいいがどこの高校に行くかはとても大事だぞ。
だから落ち着いてって、お!やっぱり緑谷は冷静だな、
流石雄英高校を志望するだけはあるな!」
そういった瞬間
「「「ええええー!!!」」」とクラス全体が驚きだした。
「国立の?!今年偏差値79だぞ!!?」
「倍率も毎度やべーんだろ?!」
とクラスの視線が緑谷に向いた。
「まあ、模試でもA判定だったし受けるつもりだよ」
「スゲー!流石緑谷!」
「ウチの希望の星だな!」
「個性も『強個性』だしな!」
ガタンッ!
その音の方向には凄い形相の爆豪がいた。
「デクの個性が『強個性』だと?なんも知らねえクセに知ったような口利いてんじゃねえよ!」
「ど、どうしたんだよ勝己いきなり叫んで」
「てめぇだから「かっちゃん!」」
「いいんだ別に」
「っでも、俺は」
「ありがとう、けどいいんだよ」
微笑みながらそう言うデクを見て心が痛んだ。
(デクがどんだけ苦労したかも知らねえで!)
「ちっ」
そう舌打ちを残して席に戻った。
「なあ緑谷俺なんか悪いこと言った?」
申し訳なさそうにそう言うクラスメイトに
「大丈夫だよ」
と声を返す。
パンパン!
「はい注目!」
担任は手を叩いて生徒の視線をよんだ。
「さっきも言ったがこれは重要な時間だ。他人の邪魔はするんじゃないぞ」
「特に爆豪、お前雄英志望だろ?もう少し言動を考えろ」
そう担任が言うとまあクラスがざわつき始めた。
「マジか!勝己!」
「勘違いすんな。俺は・・・普通科だ」
「おい、お前ら!真面目に決めないと将来痛い目見ても知らんぞ!」
その担任の声で教室は落ち着きを取り戻す。
(かっちゃん、どうして『嘘』ついたんだよ・・・)
クラスの中で今の言葉が嘘だと知っているのは緑谷だけだった。
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キーンコーンカーンコーン
最後のホームルームを終えるチャイムが鳴り、クラスから生徒が減っていく。
クラスから生徒が減っていく。
「勝己ゲーセン行かね?」
「今日はいいわ」
「そっか、緑谷は?」
「僕もいいかな、今日塾あるし」
「分かった、じゃあまた明日な」
そういってクラスメイト達は出ていった。
「おいデク」
「何、かっちゃん」
「なんで塾なんて嘘ついたんだ?」
「だって個性のトレーニングしないといけないし」
「ンなもん隠す事じゃねえだろ」
「まあそうだけど。あ、ソレよりも」
「なんでかっちゃん普通科なんて嘘ついたのさ?」
「なんでって、そりゃあ・・・」
「かっちゃんが『無個性』だから?」
「それは・・・」
「大丈夫。かっちゃんがどんなに頑張ってるか知ってる。
オマケに僕の個性の事で君は怒ってくれた。その優しさはヒーローとして大事な事だと思うし、かっちゃんが雄英目指すことはなんも恥ずかしくなんかないよ!それに昔から君は僕のヒーローなんだよ!」
緑髪を揺らしながら熱弁するデクを見て
「バーカ、誰が恥ずかしがってるかよ、隠しといてあとから知られた方がカッコイイじゃねえか」
と笑った。
それを見てデクは「そうだね」と微笑んだ。
「じゃあ帰ろうか」
「おう」
歩き出す緑谷の背中を眺めながら
(昔からお前に助けられてばっかだな。大丈夫、お前が応援してくれる限り諦めねえよ。)
そう思って照れ隠しに背中を叩いた。
「痛っ!何すんだよかっちゃん!」
「いや、叩きやすそうな背中してたからな」
「どんな背中だよ・・・」
ピーンポーンパーンポーン
(3年A組緑谷出久、校内に居ましたら職員室まで来てください)
「デクお前やらかしたのか?」
「してないよ!まあ、多分雄英のヒーロー科の話だと思う」
「なるほどな、待っとこうか?」
俺はデクに提案するが
「いや、時間掛かりそうだしいいよ、先帰っといて」
「帰りにオールマイトグッズ買いに行かないと行けないし」
「やっぱお前ゲーセン断ったのそれじゃねえか」
「そ、それは」
アタフタとしだすデク
「ハイハイ、お前のナード具合は俺がよく知ってるからな」
先帰るわじゃあな」
「分かった。バイバイ」
「おう」
「帰ったらかっちゃん家向かうよ」
「りょーかい」
職員室へ向かうデクを見送って
下駄箱に向かった。
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(さて、あいつが来るまでどうすっかな)
デクが帰ってくるまでの予定を考えながら帰路を歩いていた。
(数学の復習でもすっか、それが終わったら筋トレでもしよう)
「・・・よし」
いつものトンネルの出口に差し掛かった時
「Mサイズの・・・隠れミノ・・・」
と声が後ろから聞こえた。
「なんだ?」
振り返るとそこにはドロドロの体のヤツがいた。
「ヴィラン?!」
咄嗟にカバンを顔に投げ、前に転がった。
「中々・・・いい反射神経をしてるじゃないか・・・」
そういうヴィランの姿から視線を切らないように対峙した。
ヴィランの体にはさっき投げたカバンがズブズブと沈みこんでいた。
(流動体!ってことは捕まったらアウトだ!)
「これならいい隠れミノになりそうだ・・・!」
(考えろ考えろ考えろ!物理攻撃が効きそうにねぇ以上逃げるしかないが・・・)
ジリジリと詰め寄ってくるヴィランはさっきよりも大きくなっていた。
(ここら辺は人通りも少ない、一かバチか叫んでヒーローをよんでみるか?けど来ないなら為す術ねえぞ!)
必死に打開策を考えるがいい案が浮かんでこない。
(こんな時、デクなら・・・)
「お前何が目的なんだ?」
「ある奴に報復したいのさ。そのためにいい隠れミノを探してる」
「俺を乗っ取るってことか?」
「ああ、君ほどの反射神経があるなら『個性』次第であいつを殺せるかもしれない・・・」
「・・・はっ!お生憎様、俺は無個性だ。襲うなら」
「別に構わないさ、君を使って別のを探すだけだ・・・」
(まずい・・・見逃してくれそうにねぇ・・・)
「なあに、苦しいのは45秒ほどさ・・・すぐにラクになる・・・!」
瞬間、ヤツが体にまとわりついてきた。
(息がっ、できねぇ!)
必死にもがくが抜け出せない。
「助かるよ、君は俺のヒーローだ・・・」
ついさっき幼なじみに言われたことを思い出した。
(すまねえデク・・・)
意識を手放しかけたその瞬間
「もう大丈夫だ少年!私が来た!」
「オール・・・マ・・・ィ・・・」
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「・・・ぃ・・・ヘイ!」
大きな声と顔をはたかれた衝撃で目が覚める。
「良かったー!」
「オールマイトォ?!」
「元気そうで何よりだ!
君!良いタフネスしてるね!ヒーロー志望かい?正直もう少し気絶したままかなと思ったけど杞憂だったようだな!」
「ヴィランは?!」
俺はあのヘドロヴィランの姿が見えず
オールマイトに尋ねた。
「それならもう大丈夫!君のおかげで詰められたよ!」
そう言ってペットボトルに詰まった
ヴィランを見せる。
「それじゃあ私は警察に届けに行くので画面の向こうでまた会おう!」
「ちょっ、ちょっと待ってくれオールマイト聞きたいことが」
「すまない、ヒーローは時間との戦いなのさ」
「それじゃ今後とも応援よろしくね!」
そう言うと凄まじい勢いで飛んでいった。
すぐに下に見える街が小さくなった。
しかし、オールマイトは左足に違和感を感じた。
そこにはさっき助けた少年がしがみついていた。
「コラコラ!!熱狂が過ぎるぞ!?」
「お、俺・・・!あんたに直接・・・!」
「オーケー分かったから口を閉じな!」
(この気迫・・・ただ私のファンって訳でも無さそうだな・・・)
そう思いながら近くの降りられそうなビルを探す。
そこで自身の口から血が出ているのに気づいた。
「Shit!!」
———————————————————-
「全く!!私はマジで時間がないのでコレで!!」
「待ってくれオールマイト!」
「No!!待たない」
「俺ヒーローになれるかな?」
「君ほどのタフネスなら「違うんだ」何がだい?」
「俺、『無個性』なんだ・・・」
「なるほど・・・な」
(さっきの必死はそれか・・・てか時間が!ホーリーシット!)
「だからNo.1ヒーローであるアンタにってうぉぉっ?!」
さっきまでオールマイトがいた場所に煙と骸骨みたいな人がいた。
「誰だてめェ!」
「オールマイトさ!」
「はぁ?!」
俺は骸骨野郎の言ってることが
理解出来なかった。
「信じられないかもしれないが本当だ」
オールマイトはため息混じりに呟いた。
「見られたついでだ少年。間違ってもネットに書き込むな?」
そう言ってシャツをめくった。
「っ?!」
そこには息を飲むような手術痕があった。
「5年前・・・敵の襲撃で負った傷だ」
「呼吸器半壊、胃袋全摘、今や私のヒーローとしての活動時間は1日約3時間程なのさ」
「5年前ったら毒々チェーンソーか?」
「あんなチンピラにやられはしないさ!てか詳しいね君」
「幼なじみがアンタの大ファンなんだよ。それでだ」
「そうか、まあつまり私が言いたいのは『プロはいつだって命懸け』って事さ。
個性が無くても成り立つなんてとてもじゃ無いが口に出来ない」
そう言うと少年は俯いてしまった。
(あれほどのタフネスだ。個性があったならきっとヒーローになれただろうに・・・)
立ち上がって扉に向かおうとした時
後ろから
「それでもっ!俺はヒーローを諦めねえ!」
聞こえた声が
オールマイトを振り向かせた。
「たとえNo.1ヒーローであるあんたに無理だと言われても!
応援してくれる、対等に見てくれる奴がいんだよ!
だから俺はヒーローなってあんたを見返してやる!
どんだけその道が厳しくてもだ!」
そう言って私を睨んでくる、その少年の目は
(強い・・・目をしているな)
「少年」
「なんだぁ?!」
明らかに敵意剥き出しと
いった感じで噛みついてきた。
「応援してくれるのは私のファンの子かい?」
「なんでそう思った?」
「勘・・・かな」
「イキナリ意味わかんねえ・・・けど当たりだ」
「その少年とは長い付き合いなのかい?」
「幼稚園からの幼なじみだ」
オールマイトはその少年の言葉に自身を投影する。
誰も隣に並び立つ事のない昔の自分を。
「少年。君は何故ヒーローになりたい?」
私は聞きたかった。
何故そこまでの意思を
持ち合わせているのか。
「そいつが『ヒーローになれる』って言ってくれたから。その約束を守るためにだ」
そう言い放つ少年は何故か誇らしげに笑っていた。
(彼になら・・・いや・・・)
「オールマイト?」
「なんでもない。では私はそろそろ行くよ」
少年に背を向けて言う。
「君へのさっきの言葉は、大人として、No.1ヒーローとしての言葉だ」
肩越しに少年を見て
「これは私個人としての言葉として受け取ってくれ
『その夢を応援している』」
「っ!」
「じゃあな少年」
「・・・時間取らしてすまねえオールマイト」
「いや、大丈夫さ。それでは私は警察にっ!?」
「どした!?」
「ヴィランのペットボトルが無い!」
「なんだって?!」
その瞬間少し離れた地点で大きな爆発音が聞こえた。
俺とオールマイトは顔を見合わせるとその地点に向かって走り出した。
————————————————————————-
爆発音がした場所はいつもの商店街だった。
そこにはやはり
「さっきのヘドロ野郎?!」
「やはり・・・か」
「てことは俺のせいでっ!」
「それは違うさ少年。悪いのはヴィランと注意を怠った私さ。それにしても・・・今はどうなってるんだ?」
すると近くにいた野次馬が
「なんか中学生が捕まってるらしいぜ」
「そいつの個性が強力でプロも迂闊に近寄れねぇらしい」
「中学生?!」
「どうしたのさ少年?」
「この辺で中学といやあウチしかねえはず!俺の知ってる限りあんな個性は1人しか知らねえ!」
「まさか・・・」
「さっきの話のヤツだ!てか、デクがあんなやつに捕まるはずがねえ!なんか訳があるはずだ!」
すると周りの野次馬が
「あの子が女の子を庇って捕まったって聞いたけど」
「っ!?」
その言葉を聞いた瞬間に俺はヴィランに向かって走り出した。
「待て!止まるんだ少年!」
「バカヤロー!止まれ!止まれ!」
オールマイトの言葉も周りの言葉も耳を向けず、ただただ体が動いた。誰かのために自分を犠牲にするお人好しでバカな幼なじみを救うために。
(ただ殴っても意味がねえ!なら!)
道端に落ちてあった消火器を拾いながらヴィランに突っ込んでいった。
「うおおおおぉ!」
そう叫びながら消火器を振り上げる。
(かっちゃん・・・!そいつに物理攻撃は・・・!)
「わぁってるよ!」
「デク目閉じろ!」
言うや否や消火器をぶちまけた。
(気管に入れば危険だがヘドロ野郎は鼻も口も塞いでる!)
「なんだぁ?!粉が目に・・・!」
「今だデク!捕まれ!」
そう言って手を伸ばすが
「よくもやりやがったなあこのクソガキがぁ!」
(闇雲に暴れて近づけねぇ・・・!どうすれば!)
「あとは任せろ少年!」
その声の主であるオールマイトは笑いながら言った。
「君の方がよっぽど私よりヒーローじゃあないか・・・!
君を応援すると言っておいて・・・己が実践しないなんて!!
『プロはいつだって命懸け!!!』
DETROIT SMASH!!!」
空をも割りうる一撃がヴィランを吹き飛ばした。
「スゲェ!オールマイト!」
「拳ひとつで天気を変えやがった!」
「オールマイト!」「オールマイト!」「オールマイト!」
市民達の賞賛を受けながら気絶している少年を見つめた。
————————————————————
目が覚めるとヴィランは捕まっていた。
「君が危険を冒す必要は無かったんだ!」
と俺はヒーロー達からものすごく怒られ
「君が庇ってくれたおかげで助かったよ!ありがとう!」
「ありがとうね!」
「君みたいないい個性の子は大歓迎だ!ぜひ将来はウチの相棒に・・・」
とデクは助けた人達やヒーローから賞賛の言葉を受けていた。
長いお小言を受け終わったらすっかり日が暮れていた。
(デクは先に帰ったか・・・)
(オールマイトには事務所に謝罪の手紙を送ろう・・・)
「バカなことしちまった・・・オールマイトがいなけりゃ・・・結局・・・」
「それは違うさゴホッ!」
「オールマイト?!」
取材をさっきまで受けていたはずのオールマイトが角から吐血しながら現れた。
「取材はどうしたんだよ」
「抜けてきた!私なら訳なゴッホァ!?」
「おわぁ!」
先程より大きな吐血と共に煙をたてて体が萎んだ。
「少年。礼と訂正・・・そして提案をしに来たんだ
君がいなければ・・・君の身の上を聞いていなければ口先だけのニセ筋になるところだった!ありがとう!」
「ニセ筋ってなんだよ・・・それよりそもそも俺が止めるのを振り切って向かって行ったから。『無個性』の俺がオールマイトの邪魔をしちまったんだ・・・」
「そうさ!!
『無個性』だが!それでもヒーローを諦めなかった君だからこそ!」
私は動かされた!!
トップヒーローは学生時から逸話を残している・・・
彼らの多くが話をこう結ぶ!!」
オールマイトは一息おいて言い放った。
「『考えるより先に体が動いていた』と!!
君もそうだったんだろう?!
親友を助けるために!」
「応援するだなんて言葉で濁してしまったことを許してくれ」
君は『ヒーローになれる』」
俺は涙を袖で乱暴に擦り、オールマイトにむかってこう言った。
「あたりめえだ!」
(その言葉をくれたのは初めてじゃねえから)
「フフ・・・やはり君は強いな」
そう優しげに呟いたオールマイトの向こうに
緑髪の少年が見えた。
「っ!デク?!」
「何!?まさか話を?!」
「おいデク!もしかして今の話聞いてたのか?」
そう言いながら詰め寄るとある事に気づいた。
「立ったまま気絶してる・・・」
「・・・てことは」
「ああ、アンタが萎んだのを見てショックで気絶したんだろ」
「なんてこった!どうしようどうしよう・・・」
とブツブツ呟く憧れのヒーローを見ながら
(俺は恵まれてるんだな・・・)と呟いた。
言い忘れていたがこれは俺とデクが最高のヒーローになるまでの物語だ。
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ここまで読んでいただきありがとうございます。ハーメルンで投稿初どころか、こうやってネットで小説を書くのがはじめてなので言い回しがおかしかったり、改行のタイミングが気持ち悪かったしたと思います。そういった場合は感想でどんどん教えて貰えると幸いです!
また、デクの個性のことやかっちゃんの生い立ちや、何故2人が仲良いのに「デク呼び」しているのかとかは追々書いて行くのでよろしくお願いします。
手直ししておきました!