爆豪が無個性でデクが個性持ちなら   作:ウマい棒

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前話だけで80近くの人達にお気に入り登録を
して頂きました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです!

それでは本編どうぞ!
少し短いです。


第一章:体育祭まで
入学までのあれこれ①


試験後から数日。

日課のデクとのランニングから

帰ってきたら、お袋が玄関にいた。

 

「勝己!届いたよ!」

 

その手には雄英高校の印が押された手紙が

握られていた。

 

「おう、やっと届いたのか」

 

俺は手紙を受け取った。

手触り的に紙と何か丸い物が入っている。

 

「・・・何だこれ?」

 

紙は恐らく合否結果を示すものだとして

残りの物体の正体が分からなかった。

 

「とりあえず結果見るか・・・」

 

「どうする?母さん居ない方がいい?」

 

「いや、どっちでもいいけど」

 

「じゃ、じゃあやめとくね!」

 

(俺よりお袋の方が緊張してんじゃねえか)

 

声の震え具合から察したので、

自室で1人で結果を見ることにした。

 

———————————————————

 

椅子に座り封筒の封を解く。

 

『私が投影された!!』

 

「うおっ?!」

 

物体からオールマイトの大声に驚き

机の上に投げてしまった。

 

『HAHAHA!驚かせてしまったかな?』

 

「・・・」

 

録画されたであろうオールマイトに

見透かされたようで腹が立った。

 

「さっさと本題に入れよな・・・」

 

『さて私、オールマイトが何故現れたのか、

それは私も教員として雄英高校で勤めることに

なったからなんだ』

 

勿論知っている。

だが、一応形式的な感じで話しているのだろう。

 

『早速だが本題に入ろう。

君は合格だ!』

 

「ったりめぇだろうが」

 

オールマイトから告げられた結果に

驚くこともなかった。

 

試験の自己採点も合格ラインを超えていたし

実技試験でもあの会場では恐らく1位だろう。

 

だから、聞きたいことはそれじゃない。

 

「早く話してくれオールマイト。

俺は『総合何位』だった?」

 

俺が聞きたいのはそれだった。

 

『合格となれば当然気になるよね!

総合順位!勿論お伝えするがその前に

説明しなければならない事がある。

それはヴィランポイント以外にも

実技試験に関わるポイントがあったのさ!

その名も救助活動ポイント!

それも採点性!』

 

(・・・『やっぱりな』)

 

俺はそれにも驚きは無かった。

 

当たり前だがオールマイトから聞いていた

訳でもない。

 

これはデクがたてた予想が当たっていたのだ。

 

「はあ・・・これでアイツにジュース奢らねぇと

いけねえじゃねえか」

 

元よりそれは自分で言い出した事だか

いざ実際となると腹が立つ。

 

『君はそのつもりは無かったかもしれないが

あのギミックを倒した事で多くの他受験生を

救ったんだ!

久方ぶりらしいぜ!アレに向かっていって

ぶっ倒したのは!

つまり、それ相応のポイントが与えられる!

ヴィランポイント79、レスキューポイント60で

合計139ポイント!歴代記録更新だ!

やったな爆豪少年!』

 

イヤに持ち上げるオールマイトから

俺はその次に告げられる言葉が予想できた。

と、いうより知っていた。

 

『・・・と言いたいところだが、

今回の受験生の中で君のポイントを唯一超えた

者がいた。その差僅か2ポイント。

その名は・・・』

 

「デクか・・・」『緑谷出久くんだ』

 

口から漏れた言葉とオールマイトの発言が

文字通り被った。

 

『ポイントを数値として漏らす事は出来ないから

こう伝える事にする。

レスキューポイントは一緒だったよ。

つまり・・・

彼もあのギミックを倒したと言うことさ!

HAHAHA!いやあヒーローの未来は明るいね!

なんせアレをぶっ倒した卵が2人も

いるんだから!

 

片や周りの受験生を迅速に纏め、

ギミックに向かって行ける冷静さと実力を持ち、

片や誰よりも真っ先に困難に単身で向かえる

勇気と実力を持つ。

 

胸を張ってくれ爆豪少年!

これで君も雄英高校の一員だ!

春からよろしくね!』

 

プツンと音をたてて映像が消える。

 

俺は目を細めた。

 

・・・ヴィランポイントの差は仕方がない。

機動力もロボット一体を無力化するまでの速さ

アイツの方がある。

それは『個性』の話。

 

だが、レスキューポイントは違う。

 

俺はあのデカブツを倒したこと以外

誰かを助けた場面に覚えがねぇ。

 

つまりあのデカブツを倒したポイントだけで

60ポイント。

 

俺は丸顔とメガネと協力してそのポイントだった。

 

が・・・デクは『たった1人で』

あれを倒したのだ。

 

ポイントは変わらないのにも関わらず。

 

(俺も・・・)

 

俺も1人で出来たかもという甘い思考を浮かべる

頭をふって止める。

 

知っているからだ。

 

『独り』であるのと『独りでない』ことには

計り知れない違いがあること。

そして、その差は

『困難を目の当たり』にしたときに

顕著になることを。

 

ポイントには表れない大きな、差。

 

(分かってた・・・

まだまだ俺とデクは対等ではないって)

 

そうだ・・・何を気にする必要がある。

まだまだ『個性』も十分に使いこなせて

いないというのに。

もうデクに勝てるなんておこがましい。

 

と、思える様な人間だったらどんなに良かったか。

 

手が変色するまで固く握りこまれた拳が

自分の心の内を伝えてくる。

 

(悔しい・・・んだな、俺は)

 

最後に悔しいという感情なんてものを抱いたのは

いつかも思い出せない。

 

自分に『個性』が無いと分かったその時からは

『個性』にかまけた雑魚どもを見返す為に

ただひたすらに歯を食いしばって努力してきた。

 

唯一身近にいたデクも、俺と同じで

舗装されていない道を切り開いて生きてきた。

 

だからこそ、どんどんデクが『個性』を

使いこなせていって自分の届かないステージに

行ってしまっても負の感情は一切浮かんでは

こなかった。

 

しかしオールマイトに認められ、自分にも

『個性』が宿り、今までの努力のかいもあって、

今回の試験でも最高レベルの実力を発揮する

事が出来た・・・出来たからこそ!

 

プルルルルルルルル・・・

 

携帯から着信音が鳴る。

そこに表示された名は・・・

 

「デク・・・」

 

今まさにといったタイミングで連絡が来た。

 

「はいもしも『かっちゃんかっちゃん!』うるせえ!」

 

応答した途端に大声が飛び込んできた。

 

『ご、ごめん』

 

「ちっ、何かようか?」

 

『さっきオールマイトから連絡が来てると

思うんだけど、今日の9時に会えないか?って』

 

「まだ見てねぇ」

 

『そ、そっか』

 

さっきのさっきまで色々と考えを

巡らせていて、電話でもなければ気づく余裕は

無かった。

 

「で、それで?

他にもなんかあんだろ?」

 

『うん、それでね。

かっちゃんも合格したでしょ?

だから時間までウチでお祝いパーティでも

どうかなって、お母さんが。

あ、勿論光己さんと勝さんも都合が合えば

呼んでね。』

 

「・・・まだ合格したなんて言ってねえぞ」

 

『かっちゃんの成績で落とされるなら

それはもう、素行のせいだけどね』

 

クスクスと笑うデク。

 

・・・コイツはテスト当日に自分が何をやらかしたか

もう忘れたらしい。

 

「デクおま『まあ冗談だけど』あ?」

 

『そりゃそうでしょ!

僕で落とされてないんだからかっちゃんが

素行で不合格なんてなる訳ないし。』

 

「・・・確かにな、お前ほどやらかしたやつ

なんて他にいねぇだろうしな」

 

『はぁ・・・そうだよね。

なんて言って謝ろう・・・』

 

大きくため息をつくデクから

その心配が伝わってくる。

 

「まあ、そんなくだらん事はそっちで話すわ」

 

『くだらない事じゃないよ!

これからの学校生活に関わる大問題だよ!』

 

「ハイハイ、まだお袋にも合格伝えてねぇんだ。

切るな。」

 

『分かった、待ってるよ』

 

「おう」

 

通話終了のボタンを押す。

 

(デクに何か言ってやるつもりだったのにな)

 

電話はほとんどアイツからの話だけで終わった。

それが嫌とかではないが、デクと話していると

大体はペースを持っていかれる。

 

「ふう、とりあえず報告してくるか」

 

椅子から立ち上がり扉を開ける。

 

するとそこには、涙で顔がくずれたお袋がいた。

 

「うおっ?!」

 

そのお袋にいきなり抱きつかれる。

 

「聞こえてたよ!

合格おめでとう勝己!

よく頑張ったね!」

 

「お、おう」

 

「何よ!お、おうって!

まるで喜んでるのが母さんだけみたいじゃない!

嬉しくないの?!」

 

「いや、嬉しいけど・・・」

 

勿論、嬉しいのは嬉しいのだ。

ただそれに勝つ事情があっただけで。

 

「じゃあもっとシャキッとしな!ほら!」

 

「痛ってぇ!」

 

抱きつかれたまま背中を叩かれた。

 

「はな・・・」

 

「はな・・・何?」

 

「・・・いや、お袋の言うことも一理あるなって

それだけだ」

 

「でしょ?

よし!今日はパーティだね!」

 

袖を捲りながら階段を降りていくお袋。

 

(ったく切り替えのはええこったな)

 

それが母の良いところでもあり、

自分も見習わなければいけない所である。

 

(さてと・・・)

 

「お袋、さっきデクから連絡があって・・・」

 

そう言いながらお袋を追いかけ、階段を降りる。

 

俺とデクの差を埋める術は雄英高校で

学べばいい、ヒーローとして日本で最も成長出来る

場所に通う権利を勝ち取ったのだから。

 

だから両親の前では素直に喜ぶ態度を見せよう。

 

そう思った。




ここまで読んで頂きありがとうございました!
前書きの通り、とても多くの方々にお気に入り
登録して頂き、新しい方にも受け入れられている
という事は、投稿するにおいて励みになりました。

次話の投稿は早く出来ると思いますので
今度ともよろしくお願いします!

p.s.

感想欄などで、作中のわかりにくい部分などを
ご指摘頂く事で私も成長出来るので
気になる所や分からない所など
どんどん聞いて頂けると幸いです。

そしてもっと良いものを書けるように
頑張ります!
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