爆豪が無個性でデクが個性持ちなら   作:ウマい棒

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お気に入り登録が鬼の勢いで増えていくのを
ニヤニヤしながら見ていたので
投稿遅れました()
アンケの結果、今回はお話回ということでね。

それでは本編どうぞ!


入学までのあれこれ②

俺とデクは海浜公園に向かって歩いていた。

 

「疲れた・・・」

 

「だね・・・」

 

ため息を漏らす俺にデクは苦笑で返した。

 

俺とデク、お袋と引子おばさんで行った

俺とデクの合格祝いのパーティ。

 

比較的楽しかったのだが、

 

「もうお袋に酔うまで酒は飲ませねぇわ」

 

「僕も・・・そうするかな」

 

大人2人に酒が入ってからはいけなかった。

 

お袋は俺らの合格とアルコールでテンションが

上がりに上がり、窓から合格の旨を叫ぼうとしたり、

 

引子おばさんは泣き上戸で、泣きながら

デクの話をひたすら繰り返す。

 

それを2人で今まで押さえ込んでいたのだ。

 

「急ぐぞデク、時間がねぇ」

 

腕時計の時間は8時45分を指していた。

 

「そうだね、スピードは?」

 

「全力」

 

「だと思った」

 

俺とデクは海浜公園に向かって走り出した。

 

————————————————————

 

「ふぅ・・・」「着いたっと」

 

夜の海浜公園。

俺がゴミを片付けてからというもの、

デートスポットとして有名になった。

 

が、時間もあり2、3人しか人影は無かった。

 

そして・・・

1人は金髪ガリガリの長身男。

 

「オールマっ!」

 

「おまっ?!デクてめぇ!」

 

「もがっ?!」

 

オールマイトと叫びそうになるデクの

口を手で塞ぐ。

 

チラリと近くの人の確認すると、今の声に

気づいた様子は無かった。

 

「ふぅ、危なかった・・・てめぇ何してんだ!

バレたらどうすんだよ!」

 

デクにゲンコツをかました。

 

「痛っ!ご、ごめん・・・」

 

申し訳なさそうに俯いた。

 

「ははっ、相変わらず仲がいいね君達は」

 

オールマイトが久しぶりと言いながら

近づいてきた。

 

「すいません八木さん・・・」

 

「いやいや大丈夫さ、彼みたいに

叫んでしまったわけじゃな「ぶり返すな!」」

 

俺はオールマイトを睨むが何処吹く風、

全く気にしていない様子である。

 

「ちっ!・・・サッサと用事言えや」

 

「ほんっとに口が悪いな君は!

・・・とりあえず、合格おめでとう二人とも!」

 

オールマイトが手を差し出す。

デクは笑顔で、俺は普通にハイタッチした。

 

「あ、勿論だけど君達との接点は

根津校長とリカバリーガール以外には

言っていないし私も採点はしていないよ、

爆豪少年も緑谷少年も

そういうの気にするだろ?」

 

「お気遣いありがとうございます・・・」

 

デクがペコりと返す。

 

「ま、二人ともぶっちぎりだったから

あんまり関係ないけどね。

2人が他の受験生と違う点は試験開始時の行動と

ギミックが出現した時の行動だ。」

 

俺はその言葉を聞いて顔を顰めた。

 

「2人ともスタートにいち早く反応した。

・・・まあ緑谷少年はまず上に飛んで

会場に配置していた3Pロボットに

飛んで行ったから、

早く・・・発見したになるのかな」

 

「やっぱ3Pロボットか」

 

「それが1番効率が良いと思ったのもあるし、

それが出来る試験内容と『個性』相性だし

自分を追い込む為にもね」

 

「そう、緑谷少年は空を、爆豪少年は地を

無尽に暴れ、ロボットを壊して行った。

二人とも『個性』を上手く使っていたよ」

 

オールマイトはオレ達を褒めた。

 

「上手く・・・って言われてもな、

あんまり嬉しくねえわ」

 

「僕も・・・かな」

 

デクも浮かない表情を浮かべている。

 

「何故か、聞いてもいいかな?

2人とも他を寄せ付けない圧倒的な成績を

残したじゃないか」

 

オールマイトが尋ねる様な声で言う。

それにデクは挙手で応える。

 

「それなら僕から言うよ」

 

「じゃあ緑谷少年から」

 

「僕は・・・スタミナの無さです。

前半こそ広い範囲をカバー出来たのですけど、

後半につれて、疲れと集中力が落ちてきて

ロボットをあまり倒せなかった・・・です。」

 

(デク・・・)

 

デクの思いを聞くにつれて、アイツもアイツで

悩んでいた事に気づいた。

 

「確かに普段よりも『個性』の出力を上げて

移動していたのはモニターからも見て取れたよ。

その分、いつもよりも姿勢制御に気を使うからね。

オマケに緑谷少年のロボットの倒し方にも

集中力の有無が関わっている・・・そうだろ?」

 

「はい、僕は直接ロボットを攻撃するよりも

『中身』を攻撃する方が素早くロボットを制圧

出来ると思ったので。」

 

砂浜に捨てられていたアルミ缶を手に引き寄せる。

 

「つってもロボットの部品にお前の『個性』が

使えるとこなんてことあるか?」

 

「それは私から説明しようか」

 

オールマイトが俺の疑問に答える。

 

「試験に出てきたロボットは本来は警備用で

長期間の活動と複雑な行動が求められる。

その実、中身は繊細でね。

なのでコア部品には腐食に強い金が使われているのさ」

 

「それにデクは気づいたと」

 

俺はデクをまじまじと見る。

 

「まあね。

ただ当たり前だけどかなり外側から

距離もあるし、それ相応の出力と集中力を

割かないといけなかった。

風をぶつけても3Pロボットは衝撃には

強かったからね。」

 

「そういう意味じゃあデクの『個性』も

あの試験に有利ってわけじゃねぇんだな」

 

「そうなるね爆豪少年。

緑谷少年、他にはあるかな」

 

オールマイトの声に

 

「大まかにはそれくらいです。」

 

デクはそう答えた。

 

「では次、爆豪少年だ。

君も『個性』の扱いについて賞賛されることを

良しとしなかったが、何故だい?」

 

オールマイトは俺の方に向き直り続ける

 

「ヴィランポイントも緑谷少年に続いて2位。

レスキューポイントでも、緑谷少年と並んで

トップの60Pだったじゃないか。」

 

「・・・それだよ」

 

「それ、とは?」

 

オールマイトは真面目な顔で尋ねてくる。

俺はそれに答える。

 

「・・・俺が『個性』、というよりデクとの差を

1番感じたのはレスキューポイント、ギミックに

ついてだ。」

 

「かっちゃん・・・」

 

デクが俺を見る。

 

「今俺は『ワンフォーオール』をマックスで

3割程度しか扱えねぇ、しかもそれは一部だけ。

・・・バランス良くってなると10%が関の山だ。

それ以上は身体が持たねぇしな。」

 

俺はオールマイトとデクを見て続ける。

 

「・・・けどあのデカブツをぶち壊すとなると

ピンポイント出力じゃあ届く前にやられるし、

バランス良くなら止められねぇ。

まぁ平たく言やぁ『1人では無理だった』って

こった。デクとは違ってな。」

 

「それは違うよかっちゃん!」

 

デクが身を乗り出して叫ぶ。

 

「うるせぇぞデク」

 

俺はわざとらしく耳を塞いだ。

 

「僕が1人で突っ込んたのは単に考え無しであって

かっちゃんはちゃんと周りと「わあってる」」

 

ビシッとデクに指差す。

 

「何も自分を卑下してるわけじゃねぇ。

リスク、『個性』、周りの状況、他の奴ら、

そういった環境の中で俺とデクはデカブツに

対して違う行動を取った。

お前は考え無しとか言ったが、他の受験生に

アレに向かっていった奴がいたか?」

 

俺はデクに尋ねる。

 

「・・・いなかった」

 

「・・・だろ?だから単身乗り込んだのは

絶対間違いじゃねぇ。

俺んとこにはまだアレから

逃げることを渋る奴らがいたから協力っていう

手段を取ったんだ。」

 

「僕んちで話してたあの人達だね」

 

デクはそう返してきた。

 

「そうだ、それでさっき言った俺の足りない部品を

カバー出来た。

 

だがもしも俺とデクが反対だったら?

俺は恐らく1人では解決出来なかった。

自傷覚悟の出力オーバーの突撃なら何とかなったか

としれねぇが、間違い無く再起不能になるレベルの

怪我を負う。現実ならそのまま別のヴィランに

殺られて終わり。

 

俺がさっき言った『1人では無理だった』ってのは

そういう意味だ。」

 

「・・・」

 

淡々と流れる俺の言葉にデクは何も答えなかった。

そんなデクから腕を組んで無言のままの

オールマイトに視線を移した。

 

「こんなとこだオール、八木さん」

 

オールマイトが口を開いた。

 

「1つ・・・いいかな爆豪少年」

 

「ああ、何だ?」

 

「君は緑谷少年との差の大きさ、について語ったが

それについて君自身どう感じた?」

 

「・・・質問の意味が分かんねぇぞ」

 

俺はオールマイトを睨む。

 

「何も難しいことを聞いている訳じゃないさ。

ただ、緑谷少年との差を確認してどう思ったかを

知りたいだけだ。」

 

「・・・どうもこうもデクなら仕方ないと「本当に?」」

 

オールマイトが言葉を重ねてきた。

 

「かっちゃん・・・手」

 

デクの言葉を受けて視線を自身の手に落とした。

 

そこには昨日見た様な変色するほど

握りこまれた拳。

 

「・・・ちっ」

 

俺は又、手に感情が出ていることに歯噛みし

2人から顔を背けた。

 

「私はね爆豪少年、それを見ていると君が

諦めの感情を抱いているとはとても思えないのさ。

もう一度聞くよ、君はあの時どう思った?」

 

「・・・・・・そりゃ悔し・・・いわ」

 

「なぜ?」

 

俺はバッとオールマイトを見る。

デクも驚いた表情でオールマイトを見ている。

 

「オール・・・マイト?」

 

デクがもう名前を隠さずに尋ねる。

俺もそれを咎める余裕は無かった。

 

「答えるんだ爆豪少年、なぜ悔しく思った?」

 

それでも尋ねてくるオールマイトの表情は

真剣そのものだった。

 

「それは・・・デクとの差を考えて・・・」

 

俺は絞り出した声で答える。

 

「それから?」

 

「・・・それから、その差を縮める為には

どうしたらいいか考えて・・・」

 

「どうやって超える緑谷少年を、

彼も君と同様に成長するのに?」

 

俺はオールマイトから目を背けたかった。

だが鋭い眼光がそうさせてくれない。

 

「もう止めてください!」

 

「・・・デク」

 

デクが俺とオールマイトの間に入った。

 

「これ以上何も『Shut Up!!』」

 

その声ははデクの大声よりも大きく

熱気を帯びていた。

 

「私は爆豪少年と話しているんだ。

口を挟むな緑谷少年。」

 

「・・・はい」

 

そう言ってデクが離れた。

 

「私から言わせてもらうが努力では

君の言うギミックに向かって行けるかの差は

埋まるものじゃあない・・・」

 

「それじゃあ俺はデクに一生追いつけねぇ

って言うのかよ!」

 

俺は叫んだ。

 

「・・・違う、というより元々そこに『差は無い』」

 

「差が・・・無いだって?俺とデクに?!

慰めなんて必要「違うよかっちゃん!!」」

 

予想外であるデクからの叫びに俺は驚いた。

 

「そういう事だったんですね八木さん」

 

デクは真剣な顔でオールマイトに言う。

 

「分かってくれたか緑谷少年。

すまないね叫んでしまって。」

 

「いえ、八木さんは悪くないですって」

 

「おいデク!慰めじゃねぇってどういう事だ!」

 

俺はデクに叫んだ。

それを受けて俺の方に向き直る。

 

「かっちゃんはさ、オールマイトに初めて話した

時のこと覚えてる?」

 

「当たり前だろうが・・・それが一体?」

 

「じゃあ、どうやってかっちゃんは

オールマイトに『認められたの』?」

 

「それは・・・っ?!」

 

デクは微笑んだ。

 

「思い出してくれたね、僕を助けてくれた事」

 

「あの時確かに爆豪少年には『個性』は無かった・・・

しかし、その代わりに持っていたのさ!

『向こう見ずの勇気』ってやつを!

決して褒められた事じゃ無かったが

君は間違いなくヒーローだった!」

 

手をバッと広げるオールマイト。

 

「・・・今の俺にはそれが無いと?」

 

「違うってばかっちゃん!

ホントにかっちゃんは頭が堅いなぁ」

 

「ああ?!どういう意味だ?」

 

「『向こう見ず』が取れてマジモンの

勇気になったって事さ」

 

オールマイトが続ける。

 

「けど君は緑谷少年との『違い』を『差』と

勘違いしたのさ。

自身がギミックに対して冷静に判断出来た勇気を、

緑谷少年の単身で乗り込んだ勇気より下に見た。

君は卑下してないなんて嘘ついたけども。」

 

「・・・」

 

「だがそんな事は私も緑谷少年も思ってないし、

私は2人が逆の立場でも最大限のパフォーマンスが

出来ると思う。方法は違ってもね。」

 

オールマイトは優しい目をして俺を見る。

 

「爆豪少年は『ワンフォーオール』を継いでから

本当に強くなった。

 

しかし、『個性』を身に付けて初めて目の当たりに

した緑谷少年との『個性』による『違い』は

君には『差』に映って見えたことだろう。

 

だが、君は向上心が人一倍強いからね。

君の言う差を埋めようとどんどんと成長していった。

見ていて気持ちが良かったよ。

 

が、『個性』や環境から生まれる『違い』は

努力で埋まるものではない、故に試験の結果に

君は歯噛みした。

どう努力が足りないのか分からなかったから。

そうだろう?」

 

「ああ・・・」

 

オールマイトの問いに答えた。

 

「私は、それで君が自分の良さを見失ったり、

無茶な努力を重ねるのが想像出来たからね。

早めに不安の芽を潰したかったのさ。」

 

少々不器用な方法になってしまったがね、

と苦笑するオールマイト。

 

「なるほど・・・な

俺とデクは『違う』人間だもんな」

 

(よく考えてみりゃ当たり前だが・・・

その当たり前を見失っていたからデクの言う通り、

お堅かったんだな)

 

「私から言える事は今は一つ。

特色を伸ばせ、自分だけのね。

緑谷少年も爆豪少年も、それを日本で

1番助けてくれる高校に通えるのだから」

 

「「はい!!」」

 

俺とデクは大きく返事した。

 

「なら今日は帰りなさい。

もうそろそろ補導開始の時間だ。

なんなら送っていくが?」

 

時計の時間は10時30分過ぎを示していた。

俺はデクを見合わせてから答えた。

 

「走って帰ります」、と。

 

「そうか、なら気をつけてね。

おやすみ、緑谷少年、爆豪少年」

 

「おやすみなさい!」

 

「じゃあな、あ」

 

俺は言うべき事があるのに気づいて

俺はオールマイトに向き直った。

 

「迷惑掛けて、ごめんなさい」

 

「No problem!!

なんたって師匠なんだからね!

緑谷少年もどんどん頼るんだぞ!」

 

俺はオールマイトの言葉を受けて

 

「意味わかんねぇよ」

 

2日ぶりに笑った。

 

 

 




ここまで読んで頂きありがとうございます!

今回は爆豪の意識を変える+オールマイトの
師匠力アップというコンセプトにしました。

コレで爆豪に更なる強化フラグがたったので
乞うご期待!

また前書きの通り、前話も多くの方に読んで
お気に入り登録して頂いて嬉しい限りです!

感想や質問等あれば送って頂ければ
ネタバレにならない程度でできる限り
お答えします!

次回からやっと入学なのでよろしく
お願いします!
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