爆豪が無個性でデクが個性持ちなら   作:ウマい棒

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お気に入りが1000超えたってマジっすか?!
本当に有難い限りです!
皆さんの応援があるからこそこうやってエタらずに
投稿を続けられるので感謝の気持ちを忘れずに
頑張って行きたいと思います!

それではどうぞ!




戦闘訓練

「ほ、ホンマに大丈夫やねんな?」

 

「うるせぇぞ、信じられねぇのは

お前の体重のせいだろが」

 

「・・・」

 

「ンだよその顔は」

 

ジトッとした目で見てくる丸顔。

 

『ヒーローチーム侵入まで30秒!』

 

インカムからオールマイトの声が聞こえる。

俺はその言葉を受け、両手を組んで腰元に落とす。

 

丸顔は俺の手に足を掛け、肩を持つ。

 

「舌、噛むなよ。そんなんで怪我されたら

作戦どころじゃねぇ」

「うん、分かっとるよ」

 

丸顔の顔が引き締まり、いや強ばっている。

 

「いや、やっぱお前がやらかしても全部

片付けるから心配すんな。遠慮なく舌噛め」

 

俺の言葉に丸顔の表情が少し緩くなる。

 

「・・・爆豪くんって不器用やねんな」

 

「なんか言ったか?」

 

「いいや、なんも?」

 

「・・・ならいいわ」

 

俺は丹田から力を込める。

体表に電気のようなものが走る。

 

『ヒーローチーム、侵入開始!』

 

「いくぞ・・・3・・・2・・・1、ふんっ!!」

 

俺は丸顔を直上へカチ上げた。

 

------------------

 

〜モニター室〜

 

「んなっ?!ブン投げた?」

「大胆ね二人とも」

 

爆豪・麗日コンビの行動に口々に話し合う。

 

オールマイトは1人モニターを見ながら思案する。

 

(恐らく爆豪少年の案だな・・・!

ビルの立てこもりに対して『挟み撃ち』だって?

それも麗日少女を5階まで投げる発想よ!

個性把握テストの時の君なら無理だったはず・・・

扱える『力』の出力は短時間で変わらないから

使い方が上手くなったんだろうね・・・。

成長速度が速いってレベルじゃないね全く!)

 

オールマイトは人知れず身震いする。

言うまでもなく、その顔は嬉しそうだった。

 

(だが、恐らく成長してるのは君だけじゃないぜ?

・・・最も、君がよく知ってるか)

 

オールマイトの視線はモニターの緑谷に向かい、

その行動に驚きの表情を見せる。

 

「なるほどね・・・」

 

「何がですの?」

 

背後から声が聞こえた。

 

「うひゃあ!って八百万少女じゃないか。

驚かさないでよもう!」

 

「驚かせたのなら申し訳ございません。」

 

腰を折り、綺麗なお辞儀を見せる。

 

「い、いやジョークだよジョーク!

そんなんで謝らなくていいよ!」

 

顔の前で手を振ると、八百万少女は頭を上げた。

 

(先生って難しいね・・・)

だが、顔に出さず笑顔に切り替える。

 

「で?どうしたんだい?」

 

「オールマイト先生がモニターを見ながら

なるほど、と仰っていたので」

 

「ああ、緑谷少年と爆豪少年の発想力の高さに

脱帽していたのさ!」

 

途端、分かりやすく顔が曇る。

が、直ぐに表情が戻る。

 

「そうですか、ありがとうございます。

質問は終わりなので失礼しますわ。」

 

「えっ、あ、ああ、うん」

 

八百万少女は踵を返し大モニターに戻って行った。

 

(なんか・・・やっちゃったのか?)

 

オールマイトは出るはずもない答えを思案するが、

まさか八百万が爆豪に反応したなどと分かる

はずも無く、今日1日頭を悩ませるのである。

 

——————————————————————

作戦会議中、

1階と5階からの同時侵入の作戦を思いついた。

 

それが5分という短い時間の中で出た案の中で

最も可能性がある案だと思った。

 

が、幾つか不安点も残る。

 

1つは5階に二人とも構えていた場合、

これは丸顔の

「いきなり侵入より窓から様子見したら

ええんとちゃう?」によりほぼ解決。

 

2つ目はどうやって丸顔を上に上げるか、だ。

 

俺が上がる手もあったが、丸顔に部屋数の多い

1階2階を任せるのは、機動力の点もあるし、

何よりこの作戦のミソである同時進行が出来ない

問題があった。

 

よって丸顔を上げることになったのだが、

取れる方法は2つ、俺が投げるか、丸顔の超必?に

よるもの。

 

コイツのいう超必とは自身を浮かすこと。

しかしデメリットが大きく、却下。

 

となると俺になるのだが・・・

 

(手だけなら力が足りず、背筋だけなら膝が

やられ、足だけなら高さが足りなく、

全身に回すなら出力不足。なら・・・)

 

「おい丸顔、体重何キロだ?」

「・・・は?」

 

—————————————————————

 

「『全部』使ゃいいだけだ!」

 

丸顔が足を掛けた瞬間、脚に『力』を送る。

そして脚を伸ばしきると、次は背筋。

腕を引っ張り上げるように『力』を込め、

そして最後に腕を振り上げる。

 

(身体は大丈夫だが、どうだ・・・?!)

 

上を見上げると、

屋上の柵に手を掛けた丸顔が見えた。

 

そしてインカムから

『ナイス爆豪くん!5階に人影無し』

と聞こえる。

 

ぶっつけ本番で『ワンフォーオール』の新しい

使いかたが成功したことに顔が緩みそうになるのを

頬を叩いて正す。

 

「なら作戦通りで行く。

俺の突入から5秒後に突入だ」

 

『了解!』

といいインカムから音が消えた。

 

俺は身体に異常が無いのを再確認してから

助走をつけて『窓をぶち破り』ながら入った。

 

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「む?!これはガラスが割れた音?」

 

大きな音に飯田くんが反応する。

 

「恐らくかっちゃん・・・だと思う。

僕が行く。後は作戦通りに。」

 

「ああ!核は任せておいてくれ!」

 

飯田くんがどんと自分の胸を叩く。

 

「うん!頼んだよ!」

飯田くんにそう言い残し、『個性』を使い

1階に向かう。

 

飯田は緑谷が見えなくなると、腕時計のタイマーを

セットした。

 

------------------

 

俺は割れたガラスを踏み荒らしながら歩く。

 

インカムから

『侵入成功、5階の大部屋には核無し』と入る。

 

俺は「続けろ」とだけ小声で言い、足裏に付いた

ガラスを払う。

 

(にしても人の気配がねぇな・・・)

 

俺は核を探しつつ歩く。

2階への階段に続く一際長い通路に差し掛かった時

 

「かっちゃん、そこに居るんでしょ?」

 

と声が飛んできた。

 

「隠れてコソコソなんてかっちゃんらしく無いなぁ

というより、僕の後ろ以外の上に登る階段無いし

どっちにしろ戦わないと、ね?」

 

( 挑発なのは見え見えだが、・・・デクの言う通り

なのも事実、乗るしかねぇか)

 

インカムに手を当て、

「今から緑谷出久と戦闘開始、恐らく核は

2~4階のどっかだ。」

『分かった、頑張って!』

 

丸顔に連絡を残しデクの前に出る。

 

「挑発なんてらしくねぇな?」

 

「僕は今ヴィランだよ?挑発とかもするよ」

 

「・・・確かにな」

 

俺は会話をしながら辺りを確認する。

 

(罠は恐らく無し・・・

デクは通路の真ん中に立ってて、

距離はこっから5mくらいか?

天井はそこそこ高ぇ・・・)

 

かなりデクに有利なステージだ・・・恐らく1階から

侵入された場合ここで迎え撃つ算段だったんだろう。

だが、やるしかない。

 

「ちょうどお前とサシでやりたかったんだよ」

 

丹田に力を込め、全身に流し込む。

 

「奇遇だねかっちゃん、僕もだよ」

 

デクはそう言って構える。

その時『親指が二回曲げたのを』見逃さなかった。

 

瞬間、デクが手のひらを向ける。

そこから放たれた何かを、

首を傾け紙一重で避ける。

それは壁にぶつかり、パァンと音をたてる。

 

「やっぱな・・・そのガントレットになんか

あると思ったわ」

 

デクが着けたガントレットの手のひらには

窪みがあった。

そこから『水』が滴っていた。

 

「流石かっちゃん!」

 

そう言うと両手を此方に向けた。

 

(上等・・・!)

 

俺は『力』を脚に込めた。

 

(しゃがむ・・・跳ぶ・・・跳ぶ!)

 

放たれた3発の水の弾丸を避け、壁を蹴りつつ

一気に距離を詰める。

そこはデクの頭上。

 

「死ねぇ!!」

 

その脳天に踵落としをかまそうとするが、

後ろに急発進し、紙一重で避ける。

踵が床に突き刺さる。

 

「避けんなぁ!」「避けるよ?!」

 

腰を捻り、デクの頭へ蹴りを放つ。

 

(体勢崩れてる!もらったぁ!)

 

「しっ!」

 

しかし、デクから『不可解』な加速で脚が上がり

蹴りを止められる。

 

「ちっ!」

 

お互い、バックステップで距離をとる。

 

「てめぇその靴何仕込んでやがる?」

 

俺が問いかけるがデクは笑いながら

 

「教えない、よっ!」

 

風が起こり、急スピードで突っ込んでくる。

 

(ただの突進・・・?いやデクだぞ?)

 

拳を振りかぶっているがブラフと判断。

 

俺のリーチ内に入った瞬間、手が開く。

 

「ほらなぁ!」

 

俺はデクの手を下へはたき、その反対の手で

殴り掛かる。

瞬間、ガントレットから水が下向きに噴出、

その反動でデクの身体が頭上を越える。

 

(ジジイの・・・!)

 

俺は拳が空を切ると同時に直感から

自身を前へ投げ出す。

背後で何かが空を切る音がした。

 

「避けないでよ!」「避けるわ!」

 

(あっぶねぇ・・・だが!)

 

これでデクと俺の位置取りが変わった。

俺は全身から脚へと『力』を戻す。

 

「じゃあなデク!サシはまた今度だ!」

 

「そうだね!

残念だけど『こっからは1:1じゃない』!」

 

デクの声と同時に目の前の天井の床が

音を立てて抜け土煙を上げた。

そこから人影が飛び出す。

 

「ここは通さんぞヒーロー!」

 

「じゃあぶっ潰してから通るわクソメガネ!」

 

メガネに蹴りを放とうとするが、デクから

水の弾丸が飛んでくる。

 

「ちっ!クソがっ!」

 

(しかもデクはメガネの届かない範囲に撃ち込むから

メガネに当たんのも期待出来ねぇぞ・・・どうする?)

 

メガネへの対処の為にデクに背を向けることも

出来ない。

 

だが一つだけ分かったことがある。

 

メガネは2階から落ちてきたことと、

丸顔から

『4階クリア』とさっき連絡があったこと。

この2つとメガネが核の防御係だとすれば、

核の部屋をガラ空きには出来ないはず・・・となれば!

 

「丸顔、核は2階だ!・・・麗日?」

 

インカムに叫ぶが応答がない。

 

「うららゲフンゲフン、お仲間は拘束済みだ・・・!

負けを認めろヒーロー!」

 

メガネのヴィランの真似が癪に障るが

それどころではない。

 

(丸顔が捕まったんはメガネとの相性もあるが、

俺の作戦ミスだな・・・だったらミス取り返すまでだ)

 

俺は目を伏せ、一瞬だけ『力』を丹田に戻す。

 

「観念したようだなヒーロ「気を抜かないで!」」

デクがメガネに叫ぶが遅い。

 

(持って7~8秒か・・・)

俺は丹田から『力』を放つ。

皮膚の下に火傷を負った様な感覚が全身を駆け巡る。

激痛という言葉を初めて体感した気がする程だが

この痛みが『力』の大きさを伝える。

 

俺は顔を上げた。

『やばい』

2人の思考が一致した。

 

「飯田くんっ!」

「おおお!レプシロっ!」

 

メガネのラジエーターから青い炎が上がり

脚が俺へ向かってくる。

 

それを蹴り返し、逆に吹き飛ばす。

 

「ぐはっ!・・・」

 

メガネを一瞥し俺はデクへ向・・・。

 

「来いよかっちゃん!・・・かっちゃん?」

 

『終了だ緑谷少年、爆豪少年の気絶により

戦闘可能者が居なくなったため』

「ヴィランチームの勝利だ」

 

肩に手が置かれる。

 

「オールマイト・・・かっちゃんは」

 

「気絶しているだけさ、

まあ少なくない負担が身体に掛かったから

大丈夫って訳じゃ無いがな。

無茶し過ぎだぜ全く・・・」

 

オールマイトはかっちゃんを抱えてそのまま、

飯田も抱える。

 

「搬送ロボット二人分、大至急だ。」

オールマイトはインカムにそう言うと僕に

向き直った。

 

「緑谷少年は大丈夫そうだな・・・

なら麗日少女の拘束を解いてからモニタールームに

来てくれ。ホントは総評の時間なんだが気絶してる

のが2人いたらね」

 

「分かりました」

 

僕はオールマイトの言葉を受けて歩き出す。

 

オールマイトに運ばれていくかっちゃんを見送り

2階に向かって歩き出した。

 

身体にダメージは殆どないのに、脚が何故か

重かった。

 

-------------------

 

「おい、飯田の吹っ飛び方ヤバくねぇか?

どんな勢いで蹴りゃあんなに飛ぶんだよ」

「それよりも爆豪でしょ。

完全に白目向いてたよ・・・大丈夫なのあれ?」

 

クラスが騒いでる中、1人

八百万はオールマイトに運ばれていく爆豪勝己を

見送りながら思った。

『勝てない』と、いや爆豪だけではない。

緑谷出久にも、麗日お茶子にも、飯田天哉にも

同じことを感じた。

 

(これが一般入試組だとしたら、推薦入試で

受かったなんて自慢にもなりはしませんわ!)

 

入学初日で爆豪と会った時、

まるでヒーロー志望というのもおこがましい程の

口の悪さに嫌気がした。しかし、その後の

個性把握テストではクラストップの記録を

叩き出し続けた。

しかし自分も負けてはいないと思うレベルだった。

それにまだ頭もあると。

 

だが今日、オールマイトも褒めるレベルの

作戦を立てた。

そして、あの戦いを見せられた。

爆豪勝己という人とは一体どういう人なのか

分からないままだ。

 

「・・・ちゃんとお話ししてみようかしら」

 

そう1人呟いたことに反応する者はいなかった。

 

 




ここまで読んで頂きありがとうございます!

初めて戦闘描写を書くので分かりにくい所も
多々あると思いますが、感想欄にて質問して
頂けたらできる限りお答えさせて頂きます!

次回は総評からです!お楽しみに!
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