また、予想より多くの人に読んでいただき、さらにお気に入り登録して下さって本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
もっと文章を上手く書けるように努力していくので、気になる所などがあったら感想にて伝えて貰えると幸いです!
前書きはここら辺にして、本編どうぞ!
「おい!とっとと起きろデク!」
立ったまま気絶してる、
ある意味器用な幼なじみを
往復ビンタしながら叫ぶ。
「ちょ、爆豪少年!少し乱暴過ぎやしないかい?」
オールマイトがおれを止めようとする。
「俺のこと似たような感じでも起こしただろうが」
「それは・・・ほ、ほら私時間無かったしぃ」
「指ツンツンすんなオールマイト!」
(え、なになにオールマイトいるの?)
(嘘ぉ、マジで?!)
「少年!リピートアフターミー!『人違いでした!』」
「人違いでした!」
「ったく、ゆっくり話もできねぇな」
「確かに・・・」
(ふーむ・・・どうしたものか・・・)
「人目が気になるなら俺ん家来るか?」
オールマイトにそう提案するが
「それは厳しいな。
これから君に話すことは大いなる危険が伴う」
俺に背を向けて言う。
「体の傷のことか?」
「それは違う。傷による弱体化は
トップヒーロー達には知られている」
オールマイトは俺に向き直り、
「私が話すのは『私の個性の話』さ」
「それはぁ、ここじゃ話せねえな・・・」
それは間違いなく街中で
話していい内容ではない。
「物分かりが早くて助かるよ爆豪少年
私の足にしがみついていた
少年とはまるで別人だな!」
「そ、それは・・・」
思わず言葉に詰まる。
自分がどれだけ危険で向こう見ずな
行動をしたのか分かっていたから。
HAHAHAHAと笑う
オールマイトに対してこう提案した。
「明日以降なら、ダメか?」
「ふーむ、
明日の早朝なら空いているよ。
午前6時から午前8時までは何も予定が無い。」
「なら午前6時に近所の海岸公園で
頼むわ。あそこなら人通りが少ねぇ」
「了解した」
オールマイトが頷く。
「それと・・・」
「・・・どうしたんだい?」
遠慮がちに追加の用件を
伝えようとしている少年を見て
(おおよそ・・・)
「・・・デクも、連れてきていいか?」
「・・・理由を聞いても良いかい?
ケガのことならまだしも、
さっき言った通り、この話には
大いなる危険が伴う。君の一存で
決めていい事ではないと思うがね」
オールマイトは諭すように言う。
「わぁってるよ・・・
デクは隠し事に対して鋭い。
今隠したとしてもいつかはバレる気がする。
それも・・・あんたから」
「おいおい爆豪少年!ヒドイぜ!
・・・完全に否定出来ないところが辛いな」
頭を掻きながら参った様子の
オールマイト。
「て、ことで明日の午前6時に
海岸公園で。よろしくな。」
「ああ」
「じゃあ俺らは帰るわ」
と言うと流れるような動作で
まだ気絶している緑髪の少年を背負った。
「じゃあまた明日だ少年」
「ああ」
夕焼けの方へ歩いていく少年達を
見送りながら1人思う。
(ホントは彼に隠し事をしたくないんだろう?)
「フフ・・・素直じゃあ無いな・・・」
と呟きながら帰路に就いた。
————————————————————-
「やっと起きたな」
「かっちゃん・・・?ここは?」
まだ意識が覚醒していないらしい。
「何言ってんだ。ココはおめえの部屋だ」
「へ?!いつの間に!」
「気絶してるお前をわざわざ
運んで来てやったんだよ!」
「ホントに?!」
慌てて周りを見渡しここが
デクの部屋であることを認識したらしい。
「ありがとうかっちゃん。重くなかった?」
「礼ならいいわ。お前が気絶した原因でもあるしな」
「気絶?」
ガタンッ!と音を立ててデクが跳ね起きた。
「オールマイト!オールマイトは?」
イマイチ状況が掴めてなさそうなデクに、
何故気絶したのか説明することにした。
「デク」
「な、何かっちゃん」
「金髪の骸骨みたいなヤツ覚えてるか?」
「うん、かっちゃんの知り合い?」
真顔で言い放つデク。
(コイツ、ショックで記憶改ざんしてやがる・・・)
「まあ知り合いだが、お前の良く知る人だぞ?」
「誰?」
「オールマイト」
「は?」
「オールマイト」
「それ・・・本気で言ってる?」
「そんな趣味のわりぃ嘘つかねえよ」
「う、ウソだあああ!!」
「うるせえ黙れ!説明すっから!」
そう俺が言うと静かになったが、
デクの顔色は青く体が震えている。
(ムリもねえか・・・
憧れのオールマイトの正体がガリガリだなんて)
俺はまずヴィランとの話を
することにした。
「学校で別れた後、俺もあのヘドロ野郎に襲われたんだ」
「ホントに?!」
「ああ、そこをオールマイトに助けてもらったんだよ」
「オールマイトに?!」
「その後、捕まえたヴィランを
警察に届けに行くオールマイトに
しがみついて近くにビルに降りた。
ここまではいいか?」
「ず、随分無茶するね」
「・・・どうしても聞きたいことがあったからな」
少し言葉に詰まってしまった。
「続けるぞ。そこでオールマイトは
『活動時間』の限界がきた」
「活動時間?」
「オールマイトは5年前、
あるヴィランとの戦いで肺と胃袋を
壊してしまうほどの大怪我を負ったらしい」
「5年前でオールマイトと言えば、毒々チェーンソー?」
「やっぱお前詳しいな」
「まあ、大ファンだからね」
鼻息を荒くさせながら言う。
「ニヤニヤすんな気持ちわりぃ」
「ひどい!」
「まあいい話を戻す。
もちろんオールマイトは
そんなやつには負けねぇ。
もっと強大なヴィランによる傷らしい」
「強大な・・・ヴィラン・・・」
デクの顔も緊張している。
「そこでオールマイトは
『プロの厳しさ』を説いてきた。
無個性でヒーローは厳しいってな」
「まさかオールマイトがそんなことを・・・」
デクは信じられないといった顔だ。
無理もない、さっきから理想と
現実の違いをぶつけられているのだから。
だから俺が言う必要がある。
オールマイトは今も変わらず
憧れ通りのヒーローだと。
「オールマイトだからさ。
No.1ヒーローであるオールマイトで
さえそんな大怪我を負う。
だからこその言葉だったと思う、だが」
デクから目を逸らし
「俺には心から応援してくれる
お人好しなヤツがいる。」
「かっちゃん・・・!」
「うるせえ!嬉しそうにすんな!」
顔を輝かせるデクに叫ぶ。
「名前呼んだだけだよ!」
「ちっ!
・・・まあそんな話をオールマイトと
していた時、爆発音が聞こえた。それが・・・」
「僕だった・・・ってわけだね・・・」
「オールマイトは・・・
ヤツを逃がしたのは俺のせいじゃないって
言ってくれた・・・
けど!ホントは・・・!デク・・・すまねえ」
「かっちゃん・・・僕なら大丈夫だよ」
「それに・・・捕まっていた僕を助けに来てくれたじゃないか!」
「それは「力になれなかったなんて言わないでよ」っ!」
『強い』声に止められる。
「あの場にいたプロ達よりも、
オールマイトよりも先に
助けようとしてくれたじゃないか!」
(ああ・・・いつもデクはそうだ・・・)
「だから!かっちゃんは
やっぱり僕のヒーローだよ!」
(俺の後ろ向きな考えを
真っ先に否定してくれる・・・!)
人懐こい笑みを浮かべながら
自信をもって話す姿を見て
「よっぽど・・・俺の方が・・・」
「どしたのかっちゃん」
顔を覗き込んでくるが
「んでもねえ!」
また照れ隠しにデクの背中をバン!と叩く。
「痛いよ!かっちゃん!」
「いや、叩きやすそうな背中してたから・・・」
「また?!」
そう騒ぐデクを見て気づいた。
(そういや今日は2回目だったな)
似たような誤魔化しかたしか
出来てないのに気づいた。
「今日の出来事については大体こんな感じだ」
「えぇ!?まだ聞きたいこといっぱいあるのに!」
「だろうな。だから後は直接聞け」
「へ?」
「明日の午前6時に海岸公園で
オールマイトに会う。
お前が来る許可も貰ってるから」
「マジで!?やったー!「ただし!」」
「明日の話のメインは
オールマイトの『個性』の話だ。
オールマイト曰く、
大いなる危険が伴うらしい。
それでも来るか?」
「もちろん!」
「即答かよ・・・大体分かってたけどよ」
「ああ、オールマイトに会えるのか!
楽しみだなあ!」
「明日早いんだぞ?
ウキウキで眠れず寝坊とかやめてくれよ」
「もしかしてかっちゃん馬鹿にしてる?」
「ああ、言葉通りだ」
(失礼な!)とちょっと怒った
口調のデクを見ながら
「じゃあそろそろ帰るわ。
明日も早いし・・・何より今日は疲れた・・・」
「そうだね・・・じゃあまた明日!かっちゃん」
「おう」
そう言って俺はデクの部屋を出た。
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家に帰ってすぐ、
俺に待っていたのはおふくろから
バチンッ!
「痛ってえ!何すんだ!」
「それはこっちのセリフだよ!
どこほっつき歩いてんだい!」
腫れた目に崩れた服。
「警察から連絡が来てからもう2時間も経ってんだよ!」
「まあまあ母さん。勝己の話も聞いてやろうよ」
親父が間に割って入る。
「はあ?!
私がどんだけ心配したと
思ってるんだい!
連絡もせずにこの馬鹿息子は!」
親父の手から抜け出そうとするお袋。
「・・・勝己、
母さんが何故こんなに心配しているか、
分かるね?」
お袋とは違い静かに怒るタイプの親父。
「・・・ああ、分かってる」
言われたことにそう返すしかなかった。
「とりあえずお風呂入ってきなさい。
話はそれからで構わないから」
そう言うと親父はおふくろを
連れてリビングに戻った。
浴槽につかりながら今日の話を整理した。
オールマイトのことや、1人で
ヘドロ野郎に突っ込んだことなど、
話せないこともある。
その中で上手く説明出来るように考えていく。
(それにしても・・・
お袋の目、赤かった・・・
泣いていたんだろうか・・・)
いつもは強い姿しか見せないだけに
気持ちが大きく揺らされた。
余計な心配をかけてしまった両親に
納得してもらえるように説明しようと思った。
「さあ勝己。
何してたか洗いざらい吐いてもらうよ」
「別に隠すことじゃねえよ。
・・・捕まってたデクを送ってただけだ」
「それだけじゃこんなにかからないでしょ?!」
バッと机から身を乗り出す。
「少し話してたんだよ、デクと」
「何を?」
「オールマイトと・・・『ヒーロー』について」
俺がそう言うとお袋は大きくため息をついた。
「・・・勝己、あんたが今日何があったか
どうかも詳しくは知らないし
ヒーローになる為に毎日努力してるのも知ってるさ
でも・・・
ヒーローになる事で今日みたいな
日が続くなら・・・私は耐えられそうにないよ」
滅多に見せない弱々しい態度に
おれは少し心が傷んだ。
「それは父さんも一緒だ。
親としてその心配は当たり前の事なんだ。
分かってくれるかい?」
親父も諭す様に続く。
「・・・ああ・・・心配かけてすまねえ」
(けど・・・)
「でも!俺はヒーローになる事を絶対諦めねぇよ」
「勝己!「分かってる!」」
叫ぶお袋の声を更に大きな声でかき消す。
「『無個性』でこの夢を叶える事が
どんなに大変なのか!
俺が1番分かってる!」
心から叫ぶべき言葉を吐き出す。
(心配してくれているのは
自分が1番分かってる・・・!
それでも!胸を張って言うんだ!)
「今日さ・・・ヒーローの1人が
『君はヒーローになれる』ってさ、
言ってくれたんだ。」
「だから・・・なるんだヒーローに!
人の助けになれるように!」
そう言って親父とおふくろを見つめた。
「・・・約束して・・・
もうこんな心配かけないって約束して勝己」
お袋から出された条件は・・・
「母さんそれは!」
親父が珍しく叫ぶ。
「分かってるわよ!
ヒーロー目指すなら絶対には守れないこと!
それでもっ・・・!約束してくれないと私は・・・!」
顔を抑えてうずくまるおふくろと
背中をさする親父を見て
言う決心がついた。
「お袋、親父
・・・聞いてくれ」
2人の視線がこちらへ向く。
「そのさ、
成れるって言ってくれたヒーローってのは
『オールマイト』なんだ」
「「っ!!」」
両親が心底驚いた顔をしてこっちを見ている。
当たり前だ。
日本に彼を知らない人なんていないだろう。
「勝己それホント?」
信じられないといった様子で
こちらを見る。
「ああ本当だ」
「そ、それでも「分かってるさ」」
「だからヒーローになるとかじゃなくて、
行動が『ヒーロー』だって言ってくれたから」
心から言葉が続く。
「だからなってみせる。
心配かけないぐらい立派なヒーローに」
俺がそう言うとおふくろと親父は黙ってしまった。
「・・・おふくろ「勝己、あんたの思いは伝わったよ」」
お袋が俺を見ながら言う。
「別にオールマイトみたいな
凄いヒーローにならなくてもいい。
勝己が目指したいヒーローになって
くれるならそれで十分だよ。」
「そら、ケガがないのが1番なんだけどね」と笑うおふくろ。
「僕は勝己の意思を尊重するよ。それは昔から変わってない。
ただこの先、また心配が勝るときもあるかもしれないけど」
と優しく笑う親父。
そんな両親の姿を見て俺の言う言葉はただ1つ。
「ああ!絶対に!」
「よし!晩ご飯にしようか!
勝己は食器!父さんはサラダ盛っていって!」
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ご飯を食べた後、俺は早朝にデクと出かけることを伝えた。
「ホントに私達起きなくて良いの?」
「せっかくの休日だろ?それならいいよ別に」
「分かった。気をつけなよ!」
「わぁってる」
「何かあったらすぐヒーローを呼ぶんだぞ?」
「わぁってるって!気をつけるから。
・・・じゃあ明日早いしもう寝るわ」
「「おやすみ勝己」」
「ああ」
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布団に潜り明日のことを考えるが、
(明日どんな話をされるんだろうか
・・・オールマイトのこせ・・・い・・・)
直ぐに寝てしまった。
ガチャリとドアの開く音がした。
「まったく・・・寝顔はまだまだ可愛いのにね。
すっかりカッコよくなっちまって」
「子供ってのは知らないうちに成長していくんだよ。
それに・・・
勝己が立派になってくれるのが僕たちの1番の幸せさ」
「ホントにね・・・勝己が『無個性』って
わかったあの頃とはえらい違いだね」
遠い昔の様に思えるよ。と続ける。
「勝己の頑張りもちろん、
出久くんの存在も大きいな
『無個性』ってだけでいじめられる
この世の中であの子だけは最初から
普通に勝己に接してくれた・・・
この子が頼りにしているのも分かるよ」
「そうだね・・・また引子さんとこにお菓子持っていかなきゃ」
「そうね」
我が子の寝顔を眺めながら2人は微笑んでいた。
勝己の布団をかけ直し、ドアから出ていく。
「「おやすみ勝己」」
キィと音を立てて扉が閉じた。
夢にうなされて起きた今日朝とは違い、
爆豪勝己の寝顔はすっきりとしたものだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
今回の話のメインは両親との話し合いです。原作とは違い、爆豪と両親の関係はいたって良好です。しかし、両親は我が子の『無個性でヒーローを目指す』ということに心からは応援出来ないでいたようです。原作でもそうですがヒーローという職業には命の危険が伴います。それをただ見守るだけと言うのは母親である光己さんには酷な話しです。応援する気持ち3割、不安だからやめて欲しい気持ち7割といったところでしょうか。しかし、最期には折れて『出来るだけ心配をかけない』と約束する形で終わりました。爆豪の言動が原作よりも素直に伝えられた事が決め手となりました。
さて、次回はここまでほぼ空気の原作主人公がメインの話になるつもりです。また、次回もよろしくお願いいたします!