さらに感想や推薦?をいただきました。
こうやって評価していただけると、もっともっと頑張って書こうという気持ちになりました。また、アドバイスもして下さった方もいらっしゃって今回はそれを心がけで書いてみました。
まだまだ拙い文章ではございますが、楽しんで見て
いただければ幸いです!
それでは本編どうぞ!
土曜日の早朝、まだ日が昇ってすぐのこの時間に
住宅地を駆ける2人の姿があった。
「おら!さっさと走れデク!」
「なんだよ!遅れたのはかっちゃんじゃないか!」
「うるせえ!5分ぐらいは遅刻にならねぇんだよ!」
「無茶苦茶だ・・・」
言い合いをしながらとは思えないほどのスピード。
2人の少年が日頃からトレーニングをしているからこそ
成し得る速さ。
身体能力より『個性』が強力かどうかが第一に問われる今の時代にカラダを鍛えるという事は、目標への自らの強い意思が必要不可欠である。
にも関わらず、幼少期からトレーニングを続けているデクと爆豪からは『ヒーロー』への憧れの気持ちの強さが窺える。
「かっちゃん、いま何時?」
「5時50分、まあ大丈夫だろ」
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「ふう、なんとか3分前には着いたね」
腰に手をおいて呼吸を整えるデク。
20分は走り続けたのにあまり疲れたように見えない。
「ああ、そうだな・・・オールマイトはまだ来てないみたいだな」
当たりを見渡して見るが、早朝、オマケに土曜日である
ことも相まって人影は無かった。
「おいおい、オールマイト遅刻か?」
「そんなはずないよ!だってオールマイトは新幹線よりも
速く走れるんだよ?そんな彼が」
「そんなんわあっとるわ!
どこまでオールマイトが好きなんだよお前は!」
少しオールマイトを疑っただけなのに、猛反発するデク。
(コイツのナード具合は昔から重症だな・・・)
俺は知っている。コイツが背負っている黄色いカバンの中に
大量の色紙が入っているのを。
(危険だって話、コイツ忘れてんじゃねえか・・・?)
カチッ・・・ピピッピピッピピッ・・・
俺の携帯からアラームがなる。毎日6時に設定している
目覚ましを切り忘れていた。
アラームを解除しながらデクに話しかける。
「おいデク。もう6時だぞ?」
「そ、それは・・・オールマイトもきっと忙しいんだよ!
ほ、ほら彼はナチュラルボーンヒーローだから人助けをしていて遅れてるんだって!きっとそうだよ!」
していて遅れてるんだって!きっとそうだよ!」
「まあ、ありそうな話だが・・・」
『オールマイト』
その名を知らぬ日本人はいないであろうほどの有名人。
昨日たまたま会うことができ、話すことも出来たから
忘れていたが、彼はNo.1ヒーロー。
自由時間が人助けで削られることもあるだろう。
(気長に待つか・・・)
そう思うとデクと一緒にベンチに向かって歩き出した。
———————————————————
それから30分後・・・
「ごっめん遅れちゃって・・・」
「おっせぇんだよオールマイト!」
「いやさぁ?目覚ましがね?設定したのにね?」
「やっぱ寝坊じゃねえか!」
「う、ウソだァ…オールマイトが寝坊だなんて・・・」
巨大な体を精一杯小さくして言い訳をするオールマイト。
そのオールマイトへ叫ぶ爆豪。
青白い顔でガタガタ震えている緑谷。
そこには今から重要な話を始めるような空気は無かった。
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「さて、まず先に・・・」
そう言ってデクを見るオールマイト。
さっきまでとは違い、纏う空気がヒーローになった。
「緑谷出久くん・・・だったね?」
「は、はひ!」
「爆豪少年から大体話は聞いていると思うが、
これから話す内容はヴィランに知られればこの日本の平和が崩れてしまうと言っても過言ではない。
だから約束して欲しい。ネットではもちろん、友人や『家族』にさえ話してはならない。いいね?」
「もちろんですオールマイト!そんなこと絶対しません!」
「よし!いい返事だ緑谷少年!それでは・・・」
ボフンッ!とオールマイトから煙が出た。
その中からトゥルーフォームのオールマイトが現れた。
「や、やっぱりかっちゃんの話、本当だったんだ・・・」
「なんだよデク、信じてなかったのかよ?」
「信じてなかったというか信じたくなかったというか・・・」
「爆豪少年から聞いている通り、私は5年前あるヴィランとの戦いによってこの傷を負った。」
そう言ってTシャツをめくるオールマイト。
そこにはあの時見せてもらった悲惨な手術痕があった。
「ひっ!?」
「緑谷少年、これが私の弱体化の原因と言うわけだ。」
「じゃ、弱体化って・・・活動時間が減っただけでは 無いんですか?」
無いんですか?」
「ああ・・・実際そう見えないだけで凶悪なヴィランと戦うとなれば、それは顕著になる。」
「じゃあ・・・平和の象徴は・・・」
「そこさ!まさに今回メインの話・・・私の『個性』に繋がる。」
「「っ!!」」
「世間じゃあ私の個性はブーストだの筋力だのと騒がれているが実際は違う!」
「そんな・・・確かにオールマイトの個性についてはインターネット上で度々話題になっていたしオールマイトの言う通り有力説は単純な増強系の個性や体をブーストさせる個性だ・・・だけどそれだけじゃオールマイトの超人的な力を説明しきれないから他にも様々な説が多く考えられていて・・・」
「久々に見たなデクのこれ・・・」
「おーい・・・緑谷少年?」
「無駄だオールマイト・・・
デクは自分の考えを口に出して整理するんだよ。
昔に比べりゃこれでもマシになったんだぜ?
けどまあ、大分衝撃の強い情報が入ってきたから・・・」
「な、なるほど・・・緑谷少年にそんな特徴が・・・
それにしても爆豪少年は冷静だね」
「いや、俺もクソ驚いたけど・・・それ以上にデクが驚くからアレだ、自分より怒る人がいたら怒りが冷めるあれ」
「はぁ・・・そんなもんなのか」
「おいデク!そろそろ終われ!」
そう言って俺はデクの背中をぶっ叩いた。
「痛っ!かっちゃん?!」
「よぉ・・・整理ついたか?またあの状態になってたぞお前」
「・・・マジかぁ、治ったと思ったのになあ・・・」
我に帰ったデクは申し訳なさそうに頭をかいた。
「ゴホン・・・そろそろいいかい二人とも」
「ああ・・・」「はい…」
「何故・・・私がインタビューを爆笑ジョークで
誤魔化してきたか・・・
それは『平和の象徴』であるオールマイトは
ナチュラルボーンヒーローである必要があったからさ・・・」
オールマイトは天を仰いだ。
「その実! 私の『個性』は聖火の如く引き継がれてきたものなんだ。」
「その名は『ワン・フォー・オール』!!」
「引き継がれてきた・・・もの?」
「そうさ!そして・・・」
そう言ってオールマイトは俺の方に向き直った。
「爆豪少年・・・君はこの力を引き継ぐに値する!
いや、『君にこそ引き継いで欲しい!!』
昨日、誰よりも先に『ヒーロー』として動いた君に!」
「オールマイト・・・」
「不安そうな顔をするな爆豪少年、
元々後継者は探していたんだ。」
優しい笑みを浮かべ、ポンと俺の肩へ手をおいた。
その手は痩けていたが、重く、そして暖かかった。
(俺に出来るのだろうか…)
デク、両親、そしてオールマイトに応援されている爆豪であるが、『ヒーロー』と『平和の象徴』が全くの別物であることは十分理解していた。
『緑谷出久』という例外がいたが、『無個性』という枷を背負って生きてきた爆豪に、平和の要になれる自信など無かった。
「別に『平和の象徴』になって欲しい訳じゃない」
オールマイトは爆豪の心情を察したのかそう言った。
「私が『平和の象徴』を目指したように、
君にも目指す『ヒーロー』の姿があるだろう?」
「ああ・・・!」
「ならば君は自信を持っていい!
いつの時代も目標が定まっている人間は強い・・・!
この『個性』をきっと使いこなす事が出来るはずさ!」
「爆豪少年・・・受け取ってくれるかい?」
「かっちゃん・・・」
心配そうに見つめてくるデクと
真面目な顔をしているオールマイト。
(ここまで言って貰えて、不安だから
断るなんてだっせぇマネ死んでも出来っかよ・・・!)
「オールマイト・・・あんたの『個性』
絶対使いこなして『ヒーロー』になってやるぜ!」
「よく言ってくれた爆豪少年!」
「うぅぅ・・・がっぢゃん・・・よかったね・・・!
ホントに・・・よがっだ・・・!!」
「何泣いてんだよデク!
別におめぇが泣くことなんてねえじゃねえか」
「だって・・・!
かっちゃんは反射神経も運動神経も凄いのに・・・
ただ『個性』が無いってだけでずっと・・・ずっと・・・!」
「わぁった!わぁったから!ンなに泣いてんじゃねえよ」
爆豪の体に『個性』が宿る。
その事に1番喜んでいるのは緑谷だった。
幼い頃から爆豪のセンスの高さに唯一気づき、
対等以上人間として認識してきた。
緑谷の涙がどう言う思いから流れているの
か多く語る必要はないであろう。
緑谷と爆豪の姿を見てオールマイトは1人笑う。
(君たちにつくづく『1人ではない』事の重要さに気づかされるな・・・)
オールマイトの脳裏にメガネをかけたスーツの長身の男が映る。
男が映る。
(たらればを考えても仕方ないか・・・)
ふぅと小さくため息をついた事に2人は気づかなかった。
「さて、爆豪少年が決意を固めてくれたけど、
大事な事を伝えなくてはならない・・・
そのために!」
「「そのために・・・?」」
「2人とも上着脱げ」
「「へっ?」」
———————————————————
「オールマイト・・・なんで」「服脱ぐ必要あんだよ・・・」
「あることを確認するためさ、まあいいからいいから」
オールマイトにそう言われて
俺とデクはしぶしぶ上の服を脱いだ。
「うん!2人ともよく鍛えてあるね。
このご時世に体を鍛えてるってだけで大したもんさ!」
「俺はそれしか無かったからな」
「僕も『個性』の関係で・・・」
「うんうん!実はね!この『ワンフォーオール』
いわば何人もの極まりし身体能力が1つに収束
されたもの!生半可な体では『受け取りきれず』
四肢がもげて爆散してしまうんだ!」
「四肢が?!」「爆散?!!」
「HAHAHA!いいリアクションするね君達!フン!」
「「へっ?」」
マッスルフォームに戻ったオールマイトの肩に
二人共担がれていた。
「それじゃレッツゴー!」
「「うわあああぁぁ・・・」」
一瞬で姿が見えなくなるほどのスピードで走り去っていった。
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「着いたぜ!2人とも!」
そう言ってオールマイトは2人を地面に下ろすが、二人共立っていられず地面に座り込んだ。
「・・・もしかして飛ばしすぎた?」
「ああ・・・」
「はい・・・てココは? 市内の海浜公園? なんでこんな所に・・・」
見渡す限りゴミの山。こんな所に連れてきたオールマイトの考えを理解出来なかった。
「実は爆豪少年にはここの掃除をしてもらおうと思ってね?」
「・・・まさか掃除でトレーニングか?」
「Yes‼︎だがそれだけじゃ無いのさ。」
と言うと巨大な冷蔵庫に手をかけた。
すると一気に押しつぶした。
「この区一帯の水平線を蘇らせる!!
それが君のヒーローへの第一歩だ!!」
「第一歩・・・!」
「いい顔してるぜ爆豪少年!そして!」
「ここの水平線が蘇ったその時、
私の『個性』を君へと渡そう! 出来そうかい?」
「あったりめえだ! 1ヶ月で終わらせてやるぜ!」
「その意気だ爆豪少年! 入口にトラックを呼んである。
そこにどんどん運び込んでいってくれ」
「ああ!」
(まず小物からいくか!)
目標を定めてごみの山へとむかっていった。
(本当は今渡しても大丈夫なんだが・・・
スグに手に入れてるのは彼自身が
許さないだろうしな・・・頑張れよ爆豪少年・・・!)
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「さて緑谷少年。君には『個性』を・・・と言いたい所だが、
爆豪少年から聞いてるよ・・・中々厄介な『個性』なんだって?」
「はい…じゃあ見せますね…」
そう言うとオールマイトから距離をとった。
そして手のひらを地面に向けて
「ふっ!」
緑谷少年の体が中に浮かんだ。遅れて砂埃が舞いあがる。
5mほどの上昇してから、地面に降り立った。
「ふむ、何か空気を操る『個性』かい?」
「厳密にいえば違います。
空気中の『窒素』と『酸素』を集めてから
噴出の勢いを使って飛んだんです」
「・・・は?」
「そうですよね・・・僕の『個性』の説明ホントに難しくて」
はははと苦笑する緑谷少年。
「僕の『個性』の本質は引き寄せること。
これは母の個性からです。
僕の引き寄せる範囲は
『構成元素2種類までの物質全て』
です。」
「・・・え?ちょっと待って・・・え?」
「ちなみに引き寄せることの出来る重さの
「いやいや 違うんだよ緑谷少年!」」
「ど、どうしたんですかオールマイト?」
「引き寄せる重さとかそういうのじゃなくて・・・
君はどうやって『個性』の仕組みに気づいた?」
「そりゃあ・・・総当たりですよ・・・物なんてほとんど範囲から外れてしまうし、仕組みも最初はよく分からなかったので小さい頃は『ホントは無個性じゃないのか』ってよく言われましたけどね・・・」
はははと小さく笑う緑谷少年が今は恐ろしく見えた。
「・・・『個性』仕組みに気づいたのは?」
「かかった時間は4年ですね・・・小さい頃は扱いで苦労しましたよ。」
(緑谷少年の言う通り
『構成元素2種類までの物質全て』を
引き寄せる事が出来るならば、顔の周りに
一酸化炭素や二酸化炭素を持ってきた時点で
アウトじゃないか・・・!
それに・・・空気を集めてから噴出を推進力に
しようという発想・・・! それを成し得る体幹力!
こんな『個性』苦労したどころじゃないぞ・・・!)
「・・・オールマイト?大丈夫ですか?」
「あ、ああ勿論だとも」
「それで僕の訓練は?」
「そ、それなんだけどね、思っていたよりも君の練度が高かったのと、『個性』の応用の幅が広いことを考慮して次また会う時までに君だけのプランを考えておくよ」
「ほ、ホントですか?!やった!オールマイトにトレーニングメニューを考えて貰えるなんて・・・!」
目をキラキラさせて喜んでいる緑谷少年とタイヤを運んでいる爆豪少年を見てこう思った。
(なるほど、方向は真逆だが、
苦労を共に乗り越えて来たからこその繋がりの強さか・・・)
と思いをめぐらせるが・・・
(ヤバい・・・! 爆豪少年はともかくとして、緑谷少年のトレーニングをどうしたらいいか全くわからん・・・! 空気を噴出して移動することをメインとするならば・・・)
「連絡するしかないかぁ・・・嫌だなぁ、後継者以外に秘密バラすな! って絶対怒られるよ…
後継者以外に秘密バラすな!って絶対怒られるよ…
チクショウ・・・! 足の震えが止まらない・・・!」
オールマイトはかつての師への連絡に恐怖していた。
(しかし、そうも言ってられないな・・・私も教える側になったのだから・・・!)
そう覚悟を決めて携帯に番号を打ちこんだ。
今回の話のメインは『ワンフォーオール』とデクの
『個性』でした。原作のデクはオールマイトから言われた
とき、即答でOKを出しましたが、今回の爆豪には
迷いが見てとれました。これはやはり『覚悟の差』だと
思います。原作のデクにとっては雲を掴むような話
だったと思うのでそれが悪いわけではないですが。
原作のデクも引き継いですぐ責任感が芽生えているので
少しの時間の差といったところですね。
デクの『個性』は本当に難産でした・・・!
本当はここで語りたいのですがスペースがないので
次回は本編ではなくデクの『個性』についての話に
したいと思っています。
それではまた次回もよろしくお願いします!