爆豪が無個性でデクが個性持ちなら   作:ウマい棒

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おいおい、評価バーが4つ目まで赤くなってるじゃねえか・・・
お気に入りも500人を超えてちょっとやべえなって思いました。
ここに全ての方の名を挙げることは出来ませんが、
非常に感謝していますしモチベーションにもなっています!
本当にありがとうございます!
では本編どうぞ!
少し短くてすいません。


会合:グラントリノ

日曜日の昼下がり。

爆豪とデクは意外と住宅地を歩いていた。

 

「はぁ緊張するなぁ」

 

胸を抑えて猫背になっているデク。

 

「大丈夫だって。

多分オールマイトは頑丈だから殴られてただけで何もデクがやられると決まったわけじゃねえし。

それにもう引退してんだろ?」

「そうだよね・・・別にサイン頼んでも怒られないよね」

「え?」

「え?」

 

明らかに言っていることがおかしいのはデクなのに、

俺の方を向いてキョトンとした顔をしている。

まるで俺の方がおかしいとでも言いそうな顔だ。

 

「おめえなんの話してんだ」

「かっちゃんこそ!

サイン頼んだら殴られないかどうかの話じゃないの?」

「ちげえわ!

てゆうかなんで名前も知らねぇヒーローのサイン欲しんだよ!?

貰ってもしゃーねぇだろうが!」

「何言ってるのさ!オールマイトの師匠だった人だよ?きっと凄いヒーローだったに違いないよ!」

「・・・おめえのサイン貰う基準やっぱりよく分かんねえわ」

 

(『グラントリノ』

一体どんなヒーローだったのか・・・

気になってネットで調べてみたが全く記録が残ってなかった。)

 

それをデクに伝えたのにも関わらずまだサインを貰おうとしている。

オールマイトの師匠ってだけでちゃんとプロとして活動してきたかどうかも怪しいところである。

 

「デクよぉ・・・やっぱ殴られるかもな?」

「なんで?!」

「お前いっつもサインをもらうとき話長ぇだろ?

だから『話が長い!』とか言ってさ!」

「もうそれヒーローじゃなくてもアウトだよ・・・」

 

そんなくだらない話をしながら歩いていたらオレたちの特訓場であるまだまだゴミだらけの海浜公園が見えてきた。

そこで俺はデクにある提案をした。

 

「なあデク」

「いいよかっちゃん」

「まだなんも言ってねえが?」

「かっちゃんのことだからあそこまで競走して負けた方がジュース奢るとかでしょ。どう合ってる?」

 

自慢げに笑う幼なじみに伝える前に当てられた。

どや顔はムカついたがなんだかむず痒くて怒るのはやめた。

 

「・・・あってるよ」

「やっぱり!だてに長い間一緒にいないからね!」

「はいよぉいスタート」

「かっちゃん?!」

 

と思ったけどやっぱりムカつくからジュースを確実に取りにいく。

後ろから抗議の声が聞こえるが無視した。

 

——————————————————

 

「ぷはぁ!

やっぱタダで飲むジュースが1番うめぇわ」

「ずるいよかっちゃん。

当てられたからって拗ねてフライングするなんて」

「アホか!拗ねてねぇわ!

まあそう言いながらも奢ってくれるあたりやっぱりデクはお人好しだな」

「あれ?僕奢ったのにケンカうられてる?」

「ばぁか褒めてんだよ!」

「どこが?!」

 

俺に抗議の声を上げるデク。

コイツは自分の1番良いところが分かっていない。

『それ』は言うに易く行うは難し。

そして『ヒーロー』として大事な素質でもある。

だが昔っからデクは持っていた。

 

(分かってないならそのままでいた方がいい)

きっとコイツは否定するだろうから。

まだ不服そうな表情を浮かべるデクを見てそう思った。

 

「おーい」

「お」

 

声の聞こえた方を向くとそこにはトゥルーフォームの オールマイトがいた。

 

「ごめん遅れちゃって」

「大丈夫です!」

 

ヒョロ長い体を折って謝るオールマイトに、デクはとんでもないといった顔をしていた。

 

「ったく・・・デクはオールマイトにあめぇんだよ。

No.1ヒーローだろうが遅刻は遅刻だ」

「うぐっ!返す言葉もない・・・」

「本当に大丈夫ですよオールマイト!僕達もさっき来たばっかりですから。ね?かっちゃん?」

「まぁ、そんなには待ってねえけどよ」

 

するとデクがオールマイトに聞いた。

 

「あれ?グラントリノは一緒じゃないんですか?」

「ああ、それなんだけどね」

 

ポリポリと頭をかきながら申し訳なさそうな表情をするオールマイトを見て、だいたいこれから言うことが分かった気がした。

 

「駅まで迎えに行きますって言ったんだけどね・・・

老人扱いするなって怒られちゃって。」

 

((それ・・・別に老人扱いと関係無いんじゃ・・・))

 

「でも、もうすぐ来ると思うよ。

少し前に駅に着いたって連絡があったからね」

「じゃあ少し時間あるってことだよな?

だったら特訓の成果見てくれよ」

「ぼ、僕も見て欲しいです!」

「はは、せっかちだな2人とも!

言われなくてもって・・・ん?!」

 

オールマイトが何かに気づいたらしい。

視線の先には人がいた。

 

(ここには滅多に人がこねぇ・・・となるとあいつが)

 

その人物は顔を下げたままこちらに歩いてきた。

刹那。ボッ!と音を立てて高速でオールマイト目がけて突進してきた。

 

考える暇もなくオールマイトの前に出た。

胸に強い衝撃を受け、気を失った。

 

——————————————————

 

目を覚ますと視界にはデクとオールマイトの姿が飛び込んできた。

 

「かっちゃん!かっちゃん!」

「爆豪少年!」

「あ、れ?どうして・・・?」

 

まだ意識が朦朧としているが、頭を抱えて何とか体をおこす。

 

(変なやつを見つけて・・・それから俺は)

 

「ッ!あいつは!」

「それなら心配ない」

「心配ないって・・・ヴィランじゃなかったのか?!」

「いやぁ・・・それなんだけどね?」

 

オールマイトが背中に手をかけて体を起こすのを手伝ってくれた。そして視線の先には土下座をしている白髪の老人がいた。

 

 

「えっと、彼がグラントリノだ。」

「はぁ?」

「はは、そうなるのも無理はないか」

「爆豪勝己くん!本当に申し訳ない!」

 

土下座をしている老人から声が聞こえた。

 

「いや、いきなり謝られても困るわ」

「かっちゃん、僕が説明するよ。えっとね」

 

グラントリノがやって来た。

グラントリノは電話ブチ切りしたオールマイトに怒っていた。

オールマイトに出会い頭にグーパン決めようとした。

だが爆豪がオールマイトの前に飛び出した。

止まろうとしたけど間に合わなかった。

パンチがお腹に直撃。

そして気絶してしまった。

 

ということらしい。

 

「なるほどな、ってなるかァ!?何殴ってくれてんだ?ああ?!」

「いや、返す言葉もない」

「本当ですよグラントリノ。

彼は『ヒーロー』を目指している。

襲われたのが私であっても庇いに動いた。

これで分かってくれたでしょう?

彼には『ワンフォーオール』を託してもいいと言った理由が。」

「ああそうだな・・・」

 

弟子であるオールマイトが師匠のグラントリノに諭している。

ファーストタッチが『アレ』だったからか・・・俺にはグラントリノが本当に凄いのか分からなかった。

 

「さて爆豪くん、自己紹介が遅れた。

俺がグラントリノだ。よろしくな」

「ちっ、爆豪でいい。

なんか君付けはきもちわりぃ」

「そうか、では爆豪。

お前が『ワンフォーオール』を継ぐに相応しい奴であることは分かった」

「ったりめだタコが。

こちとらオールマイトに認められてんだよ。

今さらあんたの出る幕じゃねえ」

「しかしだな

『ワンフォーオール』を継ぐということはお前が思っているよりも危険なんだよ。

お前にそのかくご「うるせぇ!」」

 

「あんたのいう危険がどんなもんか知らねぇがな?

それもとっくに終わってんだよ!

覚悟?危険?んなもん十分わかっとるわ!

そもそも俺は『無個性』でヒーローになろうとしてたんだよ!

それより危険で覚悟いる目標あんのかよ、ああ?!」

「かっちゃん・・・」

「爆豪少年・・・」

 

ネチネチ似たようなことを繰り返すジジイ。

オマケに出会い頭にグーパンかまされたことも相まって

俺の我慢は限界だった。

 

「おい!なんか言ってみろよ!」

「いや、お前さんにはその覚悟があるって十分伝わった。」

 

(咄嗟に庇いに動ける反射神経に、

粗野だが芯の通った言動から伝わってくる負けん気

無個性なのに『ヒーロー』を諦めなかった心の強さ

なるほどな・・・俊典が自信を持っていたのもうなずける。

これが9代目継承者・・・爆豪勝己!)

 

「ジジイ!何ニヤついてやがる!」

「かっちゃんジジイはダメだよジジイは」

「じゃあなんて呼びゃあいいんだよ?!」

「グラントリノでいい」

 

(ちょっと口が悪いが・・・印象の悪さは俺のせいだからな)

 

「俊典」

「なんでしょうグラントリノ?」

「いい弟子見つけたじゃねえか」

「っ!はい!」

 

ジジイとオールマイトが盛り上がっている中、

デクは俺に話しかけてきた。

 

「ねぇかっちゃん褒められてるよ」

「うっせ!わかっとるわ!」

「何怒ってんのさ」

「ネチネチ言われた後に、いい弟子とか言われても嬉しくねぇつうの!」

「ははは・・・」

 

俺の言ったことに乾いた笑みで答えるデク。

幾らオールマイトの師匠だろうがフォローは出来ないらしい。

 

「オラ!ちゃっちゃと特訓始めんぞ!」

「うん!」

 

デクを急かしながら、

遅れた時間を取り戻すように特訓を開始した。

 

そんな2人を見てグラントリノはオールマイトに話を続けた。

 

「おまけにいいライバルもいる。

俊典・・・お前と違ってな」

「はい、羨ましい限りです。

まあ2人の関係はライバルと言うよりは相棒の方がしっくりきますね」

「ところで俊典」

「はいなんでしょう?」

「なんであの緑髪の小僧はお前をみて驚かない?」

「そっそれは?!アノデスネ・・・」

 

(コイツの慌てぶりから電話で伝えきらなかったことはこれか、

普段ならシバいていたが・・・)

 

「俊典」

「は、はい!」

「そう身構えんな。

別に怒ってるわけじゃねえ。

アイツを支え続けたのはあの小僧だろ?」

「そう、聞いております」

「なら大丈夫だ。根拠はねぇがな」

 

2人の関係は一朝一夕ではないことなんて直ぐに分かった。

隣りに立つ人がいる、それだけで違う。

自分は失った。

オールマイトはわざとつくらなかった。

老い先短い自分に出来ることは少ないかもしれない。

だが伝えよう、これまでで得た知識を。

守ろう、ほんの少し先まで。

俊典はまだまだ師として未熟なのだ。

 

(これ以上水差し野郎になんのはごめんだしな…)

 

グラントリノはそう決心したのだった。

まだまだ青い、孫弟子達の為に。




ここまで読んでいただきありがとうございました!
今回はグラントリノの回でした。
爆豪とのファーストタッチは最悪でしたが・・・
緑谷も認められたので大丈夫でしょう!
この爆豪はデクを褒められるとチョロくなりますんで、ハイ。
そしてこの次話は爆豪がゴミを片付け終えた時点まで飛びます。

理由としては、余りダラダラしていても2人の関係を掘り下げられないから、というかそれを描写するだけの力が私に無いからです。
特訓フェイズはもう少し先に書きたいと思っていますので
ご容赦ください。
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