とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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ながーーーい。説明不要!

本編の話は進まないっ!

オリ展開!
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嫌いな人は読み飛ばし!


第10話

師に旅行先のリストを渡されましたが

アレは私を気遣い日本の観光地の中でも

メジャーな、言ってしまえば外れがない

場所をピックアップしてましたね。

 

いや気遣いは嬉しいのですが、基本的に

私は師が居れば何処だって良いのです。

 

ならば師が喜びそうなところを選ぶのが

良い弟子と言うモノでしょう。

 

師の趣味は多数ありますが、この日本に

有るモノの中では農林水産業の存在こそ

師にとっての最大の魅力があるコンテンツ!

 

実際リストの中にも試される大地がありました!

 

しかし師の嗜好を考えると、メジャーどころ

よりもマイナーな観光地を喜びます。

 

日本の観光地は他の国とは違い、マイナー

どころでも施設はしっかりしてるんですよね。

 

普通は予算削減で手抜きするのにねぇ。

 

マイナーなところや険しい立地にある温泉を

秘湯と表現して客を呼び込むと言う発想は

日本人にしかありませんよ。

 

秘湯の凄いところは、険しい道に対して

施設やサービスが充実してるところです。

 

中○や韓○なんか疲れて辿り着いたところが

寂れた民宿モドキで、食事も地元の旬の

野菜どころか、産地や賞味期限すら怪しい

モノを「熱すれば良いだろ」と言わんばかりの

調理をして出してきますからね。

 

辛味と苦味で誤魔化しますが、素材の味

なんか確かめようモノなら普通に吐きます。

 

最高で、その日に山で採れた野菜ですからね。

 

日本の場合素材の時点で品種改良に品種改良を

重ねたモノですから、野菜すら甘い。

しかも○国や○国と違い、空気が澄んでます

から、余計なモノが溶け込まないんでしょう。

土や水も綺麗です。

 

土と水と空気が綺麗で、病的な拘りをもって

品種改良までしてる農作物が不味いわけが

ないんですよねぇ。米や小麦の味すら違うし。

 

大体米の銘柄多すぎです。都道府県ごとに

自慢の銘柄があるって何ですか?

全部ササニシキじゃ無いんですね。

しかも同じササニシキでも地域によって

味が違うとか、炊くときの水の量が違う?

しかも日本人の大半は銘柄による味の

違いに気付くって。もうソムリエですか?

 

さらに炊飯器に至っては・・・何考えてる

んですかね?釜と同じ?釜を買いなさい。

パンが出来る?炊飯しなさいって話です。

 

ま、まぁそんなHENTAI 技術に支えられた

日本のマイナーな観光地ですが、流石に

ただの田舎を回っても意味が無い。

 

あくまで観光なんです。故に目指すは

マイナーながらメジャーでニッチな観光地。

 

日本人ですら「え、そこ?」と言うような

場所こそ、師に取っての正解っ!

 

いやはや、長い戦いでした。日本に来ると

決まってから一月足らずでしたが、日本

支部の連中にも情報を募り、師が喜びそう

な場所を見つけましたよ。

 

東日本に候補は三つ!

 

ひとつ、伝説の秘境グンマー!

ふたつ、黄金の離島サド!

みっつ、陸の孤島アキタ!

 

ふふふ、私が特にオススメするのは

陸の孤島アキタです。

このマイナーさ加減はかなりのモノですよ?

 

有名なのは、トーホクなのにカントー祭り!

そしてアキタの山に住むアカカブトを主食に

すると言うナマハゲ!

 

ふ、ふ、ふ。コレで一体何を観光すれば

良いのでしょうね?見当もつきません!

 

あとは食糧自給率を高める為に態々日本で

二位の面積を誇った湖を埋め立てて

造ったにも関わらず、政府の減反政策に

よって存在意義と都市構想が根こそぎ

破壊されたオオガタムラ!

 

それでもあえて稲作を辞めない

農家諸君の背中には意地と誇り

だけじゃないナニかを感じること

が出来るでしょう!

 

それに何気に農業に関して、日本で一番な

モノは無くともそれなりの成果はあるし、

何故か上層部に中○や韓○に対する

理解が深いんですよねぇ。

 

いや、まぁ海を越えたら隣国ですから、

そりゃ気を使うのもわかりますが、

まずは国内に目を向けるべきだと思いますよ?

 

さて、ではアキタについての情報を・・・

 

ほほう、オーガ半島にはUFOの発着場が・・・

 

「し、司馬さん!おはようございます!」

 

ん?この浦安で大騒ぎしてそうな声は

更識簪?

 

おはようって・・・06:30ですか。

なかなか規則正しい生活をしている

ようで何より。

 

朝の調練の誘いですかね?

学生のコミュニケーションは難しい

ですが、コレもまた我知無知の哲学で

迎え撃とうではありませんか。

 

師からも連絡先の交換をするよう

言われてますしね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「少々お待ちください」

 

「は、はいっ!」

 

つ、つい来ちゃったけど、まだ

06:30だよ!どうしよう! 

こんな朝早くに来て連絡先交換して

ください!って絶対おかしいよね?

 

あーうー!

 

「おはようございます。昨日は初対面で

慌ただしくてすみませんでしたね」

 

うわ!先にアイサツされちゃった!

 

「オハヨウゴザイマス!あの!

コッチこそいきなり泣き出して

スミマセンデシタ!」

 

司馬さんもどうしていいか分から

ないって感じだったもんね!

 

「あぁまぁ、貴女の境遇を考えれば

無理はありません。まぁ立ち話も

なんですから、とりあえず中へどうぞ」

 

そ、そうだよね!朝から騒がしく

してたら周りに迷惑だよね!

 

「お、お邪魔します・・・」

 

お邪魔しますなんて言ったの

何年ぶりだろ?本音は同じ家だし、

友達なんて居なかったからなぁ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

なんか後ろに影が見えますが、

いきなり過去を思い出して一人で

暗くなられましてもねぇ。

 

「それで、今日は貴女から訪問

していただいたわけですが、

ご用向きは何でしょう?朝の調練

へのお誘いでしょうか?」

 

日本の暗部である更識が行う調練。

興味が無いといえば嘘になります。

 

「あ、調練とかじゃなくてですね」

 

ん?それ以外だと何があるのでしょうか?

 

「えっと、昨日副所長さんと連絡を

取らせてもらいまして・・・」

 

「ほほう」

 

まさか初日で動くとは、この私の

予測を越えてきましたね。

流石はHENTAIに認められし天才。

 

「それで、冬林技研に所属したいなって」

 

ほうほう。まぁ師に直接説得をされてなお

首を横に振るようなら、私がそのまま

捩じ切ってますからね。

 

「なるほど。手前味噌ではありますが良い

決断だと思いますよ?我々にしても貴女にしても」

 

実際これだけの天才を抱え込めるほど

更識や倉持の器は大きくありません。

 

器が壊れるか、中身が腐るかなら

もっと大きな器に移すのは当然です。

 

「はい、私もそう思いました!

それで、私の上司は司馬さんに

なるって言われたのでご挨拶をと

思って来たんです!」

 

おおぅ。喋ってるうちにテンション

上がってきましたか。

これも技術者の癖ですよねぇ。

 

「ふむ、そういえばまだ所属する

研究室が決まってませんでしたね」

 

初日で引き抜きできるなんて誰も

考えてませんでしたからねぇ。

 

しかし流石我が師。私の工作を

完全に引き継いで篭絡してますよ。

 

「はい!なんでも私を巡って研究室の方々が

争奪戦みたいなことをしてるって言ってました!」

 

うむ、しっかり自分の評価を受け入れ

てますね。昨日の「私なんて・・・」とか

無意味な遠慮が無くなってます。

 

アレは見ていてイラっとするから、正直

非常に助かりますよ。

 

「ですね。才能と適正がありすぎるのも困ったものです」

 

これが凰准尉のように搭乗者としての

才能しか無いのなら話は簡単だった

んですけどね。

 

「え、えっと。今までそういう評価を

してもらったことが無いので、私も

何と言って良いのか・・・」

 

はぁ。これが遠慮じゃなく事実ですからねぇ。

 

「今までは師に恵まれませんでしたね。

安心なさい。副所長は凡百の師など

1000人集まってもまだ足りぬ方。

今後は貴女も正しく導いてくれること

でしょう」

 

本当にこの国の連中は・・・更識簪の

周囲に居た人間の目は節穴揃いでしたね。

全員の目をくり抜いて焼却して、義眼に

してやった方が良いと思うんですけど。

 

「あ、た、確かに副所長さんって言う

よりは先生って感じの人ですよね!」

 

ほう、短時間の接触で師の教育者たる

本質に気が付くとは。やりおる。

 

コイツ、兎より絶対側室に向いてますよ。

 

「えぇ、あの方は自らを教育者と定め

てますからね。才を見定めたモノを

弟子として育てることが趣味なのです。」

 

農業もそうなんでしょうね。「育てる」

そして「育つ」ということに喜びを

感じるのでしょう。

 

「な、なるほど!」

 

「とりあえず貴女のISコアについて

の話は聞きましたか?」

 

師は交渉の最初にデメリットをきちんと提示

する方ですから、本来その辺の心配は不要

なのですが、相手が10代女子というのがね。

 

自分に都合の良いように記憶を改竄されても困ります。

 

「はい!倉持や日本に私の手が入ったISコアを渡す気はありません!」

 

・・・素晴らしい。倉持に対する

憎しみは勿論、日本政府に対する

疑惑が憎しみの域にまで届いてます。

 

「結構。では今日は授業を休んで、各種手続きといきましょうか」

 

本来ならゆっくり追い込むつもりでしたが、

今回はさっさと逃げ道を塞ぐべきです。

鉄は熱いうちに打つのですよ。

 

「え?良いんですか?!」

 

うむ、コレは自分が授業を休むこと

ではなく、私が授業を休むことに

対する遠慮ですか。

気遣いは必要ですが、今回は不要です。

 

「これでも大学を出てますからね。

それに技術者としてもIS学園で学ぶ

ことなどありません」

 

なにが悲しくて初心者用の参考書を

本気で素人と一緒に読まなきゃいけ

ないんですか。

 

「えっと、それじゃ司馬さんは一体

何をしに来たんです?織斑ですか?」

 

まぁ、普通に考えればそうなりますよね。

 

「織斑になど興味はありません。

私の仕事は貴女のスカウトと

凰准尉の機体調整です。あぁ一応

学園の監査という任務もありますが」

 

元々は織斑一夏に対する接触任務

だったらしいですが、そのような

命令を発行した馬鹿はすでに居ません。

 

直接の上司である技術大佐という役職を

もつ師からも、更識簪の勧誘以外は好きに

しろと言われてますからね。

 

二日目でミッションコンプリートです。

 

「な、なるほど!」

 

「比重としては貴女が9割ですよ」

 

「そ、そうなんですね!」

 

そうなんです。

 

実際甲龍とかいう木偶に関しては、調整

どころか全部弄る必要がありますからね。

 

凰准尉もへんに今の機体に慣れて

しまうと、色々劣化してしまいます。

 

軍部はなんであんな欠陥機を出して

きたのか・・・もう一歩踏み込めば

対IS用の兵器の開発も出来たでしょうに。

 

ま、それが連中の限界なんですがね。

 

「そんな9割の比重を持つ貴女に

関する手続きをするのです。

授業など出ていられませんよ」

 

更識や理事長が動く前に全てを終わらせる。

 

ふふふ。誰が相手でも戦わずに、いえ

戦わせずに勝つのは相変わらずです。

 

ですが師にとっては当たり前のことを

当たり前にしているだけに過ぎません。

 

轡木十蔵が真の意味で師の怖さを

知るのは何時でしょうかねぇ?

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

おっと、まずはコッチを確実に

終わらせましょう。

段取り八分とは言いますが、

言い換えれば二分をしくじれば

失敗すると言うことですからね。

 

日本の役所が業務を開始するのは

09:00から。

それまでに全部書類を書かせて提出

させましょうか。

 

「まずは代表候補生を辞退する為の

書類と倉持への書類を用意しましょう」

 

「はい!書式はコレですよね?」

 

「ええ。それです」

 

ふふふ。これで完璧。あとは旅行先を

考えれば・・・そういえばコイツは

生粋の日本人でHENTAIでしたね。

 

もしかしたら師が喜びそうな場所も知ってるのでは?

 

次回以降の旅行先も考えねばなりません

からね。大事に使いましょう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

またやられた・・・

 

「か、簪ちゃんが代表候補生を辞退?!」

 

二人で授業を休んだのは知っていたが、

まさか早朝の一発目からコレか。

 

「その上、ISコアを倉持に返却?!」

 

これは完全に日本と倉持に対する決別。

しかも退学後の所属先まで用意しているとは。

 

「それで冬林技研の日本支部へ就職?!

しかもIS学園への退学届け?!」

 

いやはや徹底している。これは金輪際

お前らとは関わらないと言う意思表示。

 

実際彼女が冬林技研へ所属すること以外は

想定していなければいけない事柄だった。

 

しかし、接触したのは昨日だぞ?

初日に代表候補生の引き抜きが

終わるって、一体連中は何をした?!

 

「十蔵さん!抗議を!抗議をしないと!」

 

「・・・何と言って?」

 

実際考えましたけどね。全部ダメです。

 

「代表候補生の引き抜きなんてダメでしょ!」

 

「そんな法律はありませんし、所属を

冬林にしたのは代表候補生の辞退が

認められてから1分後のことです」

 

つまり彼女はフリーの状態だった。

ならばどこに所属しようが彼女の自由。

 

「文句を言っても「候補生の辞退を

認めた方が悪い」と言われるだけですね」

 

「いや、そもそも誰が、何でこんなのを認めたんですか?!」

 

そんなの決まってますよ。

 

「誰が?と言えば彼女の扱いを見た役人が、

何で?と言えば政治を忖度した結果ですね」

 

外からみたら政府も倉持も彼女の

存在を認めてないようにしか見え

ませんからね。

 

「そ、そんな・・・」

 

「さらに言えば、簪さんは彼女に否定的

な噂を流していた一派の人間に書類を

提出しています」

 

連中にしてみたら彼女が抜けた穴を

自分の派閥の人間で埋める好機。

 

それを逃がすはずが無い。

 

「じゃあ今まで簪ちゃんが製作してたISコアは・・・」

 

「初期化の上で返却です。これも既に

IS委員会の日本支部が了承してます」

 

あそこまでISの開発に執着していた彼女に

ISコアを放棄させるとは。一体なにをした?

 

代わりのコアを用意するだけでは

不可能なはず。司馬監査員との

会話は聞き取れなかったし、

昨夜にどこかに連絡を取っていた

のは知っているが、会話の内容は

全て抹消されている。

 

同室の布仏本音は彼女を警戒させ

ないように「室内では諜報員ではなく

ルームメイトとして接するように」と指示

が出ているから普通に就寝してしまった。

 

諜報を機械に頼った結果がコレだ!

 

「IS委員会にしてみれば、無駄に学生に預けて

遊ばせていたコアが返還されるのです。

当然喜んで提案を受け入れるでしょう」

 

「む、無駄って・・・」

 

実際第三世代機の開発が学園の

整備室で、しかも入学したばかりの

学生の手で出来るなら世界中の

企業に務める人間は用無しだ。

 

彼女の癇癪を抑えるためだけに成功

する可能性のない作業をさせる?

 

そんなのはまさしく無駄でしかない。

 

私は技術者ではありませんからね。

正直更識簪の技術者としての実力は

わからなかった。今回はそこを突かれた。

 

完全に情報量とそれを扱う人間の能力が違う。

加えて立場上我々は常に受け手にならざるをえない。

 

……あれだけの組織力と政治手腕と実績を持つ

相手に何の情報も持たず正面から立ち向かう?

 

しかも常に先手は向こうだと? 

勝てるかっ!

 

「じゃ、じゃあ冬林技研への所属も?」

 

「個人の就職に関して学園が何を言えと?」

 

学園が口を出せるのはあくまで学業と

学園内での行動。

就職先の斡旋はあっても、その反対は無い。

 

故に所属云々は一切関与しないし、できない。

 

「か、監査員が自分が所属する組織に

引き抜くって職権乱用では?!」

 

「それを言ってみますか?」

 

明らかに誘いですよ?

 

「・・・ダメなんですか?」

 

「ダメでしょう。そもそも彼女は監査員で

あると同時に技術者でもあり一人の生徒でも

あるのですからね」

 

こうなれば連中は、最初から彼女を

狙っていたと考えるのが妥当か。

 

「え、えっと?」

 

わからないか・・・これが楯無とは。

ISという機械に頼りすぎだ。

 

「技術者が青田買いするのは当然のことですし、

生徒が自分の所属する組織に友人を勧誘する

のも当然のこと。

そして監査員が監査先で虐められている

生徒を保護するのも当然のことです」

 

保護した先が自分の所属する組織なのも、ね。

 

いやはや中国という国家ではなく、あくまで

多国籍企業と言うのがまた厭らしい。

 

「イ、イジメって!」

 

「簪さんへの扱いを聞かされて、組織ぐるみの

イジメじゃないと言える人間はいませんよ」

 

誰がどう見てもイジメです。私だって、

何でそこまで?と思いましたし。

 

いや、思うだけだったのがダメだったか。

 

私だけでも手を差し伸べていればここまで果断な行動は取られなかっただろうに。

 

「・・・そんな・・・私は・・・」

 

小娘が。暗部の当主が妹を蔑ろにした

ところを付け込まれただけの話だろうが。

 

「どんなつもりだろうと相手がイジメ

だと思えばソレはイジメです。

そしてイジメが原因で学園を退学

したいと言われてしまえば、我々に

取れる手段はありません」

 

日本政府、倉持技研、IS学園、そして

更識。全てに見切りをつけたなら学園

に残る理由もなし。

 

「けど退学なんてしたら!」

 

視野が狭い学生にしてみればショックかもしれんがな。

 

「彼女にとってはプラスになっても

マイナスにはなりませんよ」

 

「え?!」

 

そりゃそうだろ。

 

「実際高等教育に関してはここで

学ばなければダメという法も無し。

ましてISの技術を学ぶなら最初から

企業に所属したほうが良いでしょう。

それに彼らには織斑千冬と言う

世界最強を育て上げた実績があります」

 

この実績が厄介だ。我々が教育した

生徒が織斑千冬を越えたか?と

言われたら答えはNOだからな。

 

そもそも、ここは専門の企業に就職する前に

基礎的な技術と知識を学ぶ為の学園だ。

 

世界中の人材を集めるとは言っても、

実際世界中の人間の教育など不可能。

 

各国の国内でもIS関連の知識や

技術を教えている場所はある。

 

ならば、どうしてもIS関係の学校を

出たいならそこでもいいんだ。

 

さらに最初から企業に就職している

ならIS学園に入る必要などない。

 

「高校は卒業しておくモノ」と言う

日本人特有の常識の差異も突かれたな。

 

結論を言えば、反撃は不可能。

 

精々が退学を思いとどまるよう説得する

くらいだが、それは加害者が言う事ではない。

 

……そもそも連中は更識簪に何を見たのだ?

 

連中にとって今更更識の家の力など

要らんだろうし、疎遠にされていた

から情報を抜くにしても無意味だろう?

 

代表候補生を搭乗者としてキープする?

ないな。司馬仲達や凰鈴音で十分だ。

 

では技術者として?

態々学生を引き抜くほど人材が居ないわけでもないだろうに。

 

わからん。連中、何が目的なんだ?

 

それがわからんことには簡単に更識簪の

退学を認めるわけにはいかんよな。

 

・・・さて、探り合いだ。

 

李家の教頭は確かに尋常では無い相手。

しかし現地に居る分、私に多少の

アドバンテージがある。

 

つまり問題となるのは今ここにいる司馬家の鬼才。

 

奴が相手では当代の楯無では相手にならん。

 

アレを抑えながらの仕事かよ・・・

ふっ、やりがいが有りすぎるな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「退学ですか?別に良いですよ」

 

最初は驚いたけど、よくよく

考えたら司馬さんと一緒で、私も

この学校に居る意味ないですよね?

 

「何というか、思ったより軽いですね?」

 

「え?だってISをちゃんと学ぶなら

学校の一般授業とかいらないし、

専門知識なら教員にも負けませんから」

 

つまり今考えれば私がここにいるのは

整備室を使うためだったってことに

なるのかな?

 

それならコアを返還したらここに居るのって

時間の無駄にしかならないですよね?

 

ISだって私より詳しいのって

織斑先生くらいでしょ?

 

……あの人にナニカ聞こうとは思わないし。

 

「そうですね。貴女の知識はすでに一流の

技術者に匹敵します。

少なくともこの学園で基礎知識を

学ぶような段階ではありません」

 

ですよねー。

 

「選民思考って言うわけじゃない

ですけど、少なくとも私は代表候補生に

なるまでに最低限の基礎を学んでます。

シミュレーターや実際のIS稼働時間を

考えても、彼女たちと私が同じ授業を

受けること自体がおかしいっていう

ことに気がついたんですよ」

 

私と彼女たちって同じなのは年齢だけ

ですよね?そりゃイギリスの

代表候補生が主席で入学しますよ。

 

「その通りです。日本は義務教育を

重視するあまり、幼少期の飛び級

とかが無いですからね。

協調性や均一化を育むには役立ちますが、

尖った才能を持つ人材は排斥される

傾向にあります」

 

ですよねー

 

「今までは排斥されても行く場所が

なかったからここに居ましたけど、

行く場所が出来たならソッチに

移るのが普通ですよね?」

 

「そうですね」

 

なんで態々イジメられてるところに

残んなきゃダメなの?って話だよ。

 

それに学園に居たら連中は本音とかを使って

説得とか脅しをしてくるはず。だから私は

できるだけ早く学園から離れた方が良い。

 

「で、今の私は一般の生徒ですから

向こうも退学届けを受理しないってことは

出来ないと思うんです」

 

政府とか更識の狙いはともかく、

ルール上は受理するしかないよね。

 

「そうですね」

 

受理されたらそのまま・・・あっ!

 

「司馬さん?私って学校辞めたら

すぐに社員寮とかに移れますか?」

 

辞めることだけ考えて、寮を出たあとに住む場所考えてなかったよ。

 

「あぁ・・・貴女は本当に技術者ですねぇ」

 

ほ、褒められてるのかな?

うん、そう思うことにしよう!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ふむ、退学な」

 

『はい、最初は本人の覚悟の確認と

学園に対する揺さぶりのつもり

でしたが、本人が予想以上に乗り気でして』

 

またもや弟子の想定を超えてきたか。

流石10代女子のHENTAI。

 

こんなことが出来るのは同じHENTAIか

酔っ払って泣きながら俺に愚痴たれた

どこぞの州牧くらいのもんだ。

 

「お前が見たところ、IS学園は真面目に

兵器運用を教える気も無ければ

一般教養も不足気味なんだろ?」

 

日程とか時間割見ればなぁ。

臨海学校なんかやってる場合じゃ

ねーだろ。移動時間も勉強に

当てないと、どう考えてもコマが足りんぞ?

 

基礎訓練の時間も無いし、整備も

開発も片手間で出来るモノではない。

 

そんな環境に居るくらいなら、好きな

作業に専念したいって言うのはわかる。

 

スゴク良くわかる。

 

『はい、生徒には兵器を扱う覚悟は

無いですし、ISと言うものを何に

使いたいのかと言うビジョンが全く

見えませんね』

 

ふむ、弟子の言うことも尤もだが、さすがに

二日か三日で全部を決め付けるのは早計か?

 

「まだ一年の最初だからな。

三年にもなれば兵士の卵くらい

にはなるかもしれんがな」

 

せめてそのくらいはなるだろ。

しかし兵士を育成されてもなぁ。

 

これが宇宙開発用の人材として教育して

いたなら束もIS学園に協力してたかもしれんが

宇宙開発は利権やら軍事バランスやらで色々

あるから、学園が現在の認識や方針を改める

ことはないだろうな。

 

『三年で兵士の卵の育成ですか。

・・・無駄ですよね?』

 

「だな」

 

大前提として一般教養と専門技術は分けるべきだ。

 

もしくは高専みたいに5年にして、授業も

びっしり組み込む感じにしないと・・・

いや、それでも兵器運用には足りんけど。

 

「こうなるとIS学園はISを扱う人間の

教育や育成ではなく、横の繋がりを作る

為の場と考えるべきかもしれんな」

 

国とかの垣根を越えた仲っていう

のは確かにある。そのための組織と

して考えるなら間違ってはいない。

 

・・・日本人が多過ぎるがな。

 

『あぁ、そういうのもありますか

なら改革案は出さない方向で?』

 

「そうだな。わざわざ阿呆を量産して

輩出してくれるんだ。止める必要は無い。

後任やIS委員会になにか言われたら

『今までコレでやってきたんだから

きっと無意味ではないと考えた。

これ以外に意図が思い浮かばなかった』

と説明するとしよう」

 

実際それ以外で意味を見出すのは不可能だし。

 

『かしこまりました。ではそのように』

 

「更識簪の社員寮についてはすぐにでも

用意できる。だが、おそらく連中は

引き伸ばし工作をしてくるだろう」

 

俺たちの意図を理解できてないからな。

手駒になるかもしれないモノを安易に

手放すようなことはしないだろうさ。

 

『・・・引き伸ばし、ですか』

 

「説得は無意味、と言うか逆効果

だからな。時間を稼ぎに来るはずだ」

 

『ここから時間稼ぎですか?一体

どんな手を使ってきますかね?』

 

ん?弟子にはわからんか?

 

ふむ。シカタナイといえばシカタナイんだが、

さすがに教育する必要があるか?

 

…いや、一人で全部やるようになっても困るな。

 

今回は知らない事を知ってもらおう。

 

ついでに言えば俺の予想外の行動を取って

くる可能性もあるからな。

 

「予想はできるが確定ではない。

かといって今更どう転んでも俺たちに損がある

わけでもなし。轡木十蔵が俺の想定を越えるか

どうか見定めようじゃないか」

 

『なるほど・・・かしこまりました』

 

お前も頑張って考えろよー。

 

あとは・・・一応邪魔が入らなかったとき用に

学園内に更識簪の個室を用意させておこうかね。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『長引くようなら更識簪に個室を

用意するように』ですか。

・・・これは完全に読まれてますね」

 

「えぇ?!」

 

 




いや、別に雪で腰をヤった恨みなんか
ありませんよ?

え?出身地?ハハッってお話

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