とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

11 / 51
口は災いの元とは良く言ったモノだ

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


第11話

「まさかあんな手段で来るとは・・・

汚い、流石大人、汚いっ!」

 

まぁ天才とは言え科学者であり

技術者ですからねぇ。

政治の世界に生きてきた連中が

なりふり構わず来たらこうなります。

 

とは言え私も完全に思考の隙を

突かれましたけど。

今まではこういった隙を師が

埋めてくれていたのでしょう。

 

また一つ師の偉大さを知りましたよ。

 

「まさか退学には保護者の許可が

いるなんてっ!」

 

うん。当たり前の話ですよね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「で、退学はできなかったけど個室は

手に入れたわけですか」

 

コレを予想して「時間がかかるよう

なら更識簪に個室を用意するように」

と学園側に要望を出していたとは

 

流石我が師。

 

「そうですねー」

 

コレは燃え尽きてますね。

 

まぁアレだけ決意して、学園としては

拒否できない!とか社員寮に移ったら

どんな生活しようかな?とか色々

考えてたのが見事に空振った形です。

 

退学は保留されましたが、部屋は

速攻で用意されましたね。

イジメの被害者の保護と言う観点

から見れば隔離するのが当然。

布仏本音もイジメに加担していた更識

の人間ですからね。

 

監査員である私や専用機持ちの凰准尉

は、あくまで機密を扱うからこその個室

ですから一緒にすると言う選択肢も無い。

 

部屋を用意しなければソレが退学の

口実になると判断したのでしょうね。

 

この時点でどれだけ理事長のワンマン

経営なのかがわかりますよ。

 

あとの問題は更識簪に授業へ参加する気が

無いことですが・・・

まぁ退学待ちの人間ですからね。

 

学園が出来る罰則は停学くらいです。

 

その場合更識簪は部屋に籠るか、

もしくは実家ではなく冬林技研が

所持するアパートに帰ります。

 

すでに正式な契約は結んでますし、

契約金を使って彼女が自分で契約

したアパートですから、未成年略取

にもなりません。

 

社会的にはイジメを受けた少女による

高度な家出と言ったところでしょうか?

 

裏で動く連中はウチが消しますし、

表から堂々と来る連中は本人が

接触を拒否してますからね。

 

あまりしつこいようなら、法的措置と

更識の情報を公表してあげましょう。

 

当代の楯無が恐れたと言う更識の

家への報復を受けるがいい。

 

「それで、暫くは私の直属の技術者と

して働くわけですが、その前に貴女の

構想している専用機に搭載する武装に

ついて早速駄目出しが入ってます」

 

「ぶ、武装に駄目出しですか?!」

 

技術者にとっては最悪の言葉ですよねぇ。

 

「えぇ、今回は山嵐です」

 

「そんな!?コレが無ければナット〇

ミサイルがっ!」

 

ソレ重要だったんですね?

 

「理由は簡単。コストと実用性ですよ」

 

「こ、コストに実用性!?」

 

技術者にとって最強最悪の敵の一つですね。

ちなみにもう一つは時間(締め切り)

 

それ故、冬林技研のキャッチコピーである

『夢を現実にする企業』には

【技術者に愛の手を】と書いて

【HENTAIに時間と金を】という

副音声が付いているのです。

 

「大体ですね、ISに通用する弾頭が付いた

実弾が一発いくらするか分かりますか?」

 

「・・・あぅ」

 

言われて計算しましたね?

 

「普通の弾頭ですら一千万超えるんです。

ソレがISに通用して、更に量子変換

機能付き。それにマルチロック?24発か

48発か知りませんが、ソレを三連斉射?

普通のIS戦は1対1ですよ?

貴女は一体何と戦うつもりですか?」

 

一体の敵に使うには無駄が多すぎます。

 

「え、えっと・・・」

 

「そういうのをすっ飛ばすのがロマン兵器

らしいですが、流石に普通の軍事目的

以外に使えない機能はISに乗せるわけ

には行きません」

 

兎が破壊しにきますよ?

 

それに条約を何だと思ってるのですか。

 

「・・・ですよねー」

 

「それに副所長からもツッコミです。

拝聴なさい」

 

「ふ、副所長さんからも?!」

 

これほど早く直々に教えを受ける機会を

賜るとは流石HENTAI。

全く羨ましくないのがまた凄い。

 

「ナットーミ〇イルはロマンではあるが、

相手の回避が無ければタダの実弾兵器。

言い換えれば外すのが前提と言う事。

そんな後ろ向きなロマンは無い!だそうです」

 

「( ゚д゚)ハッ!」

 

・・・貴女もソレ出来るんですね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

そ、そりゃそうだよ!1対1で

実弾のナットーミサ〇ルって、つまり

それだけ外してるってことだもん。

 

アレはあくまで相手の回避によって

生まれる奇跡の螺旋!

 

回避されることを前提とした兵器は

兵器じゃないよね?

 

ドリルは一発勝負だからこそ力が

籠るし、「躱されても敢えて突く」って

言う矛盾した一発勝負が成り立つんだ!

 

さ、流石副所長さん。深い!

 

「私にはそりゃそうだとしか

言えませんが、貴女には何か響く

モノがあったようですね」

 

「はいっ!すぐに設計図が書きたいです!」

 

疼く!私の右手が!メガネがっ!

 

「・・・そうですか、とりあえず

設計図や武装の案があったらラフ絵

でも良いので送るよう言われてます。

あぁ、書いたものはボツ案でも

捨ててはいけませんよ?」

 

「え?そうなんですか?」

 

ボツ案を含めたら物凄い数になりますよ?

 

「貴女にとってはボツ案でも、他の

技術者にはそうじゃないかもしれません。

何かしらのインスピレーションが沸く

場合もあるそうですからね」

 

「( ゚д゚)ハッ!」

 

た、確かにそうだ!他の人の趣味・・・

ロマンが詰まった資料は宝物だ!

 

「・・・生粋の技術者ではない私には

分かりませんが、貴女の部屋から出た

ソレを清掃員を装った更識に持ち去られ

たり、倉持の連中のインスピレーション

の切っ掛けになったら嫌でしょう?」

 

「絶対嫌です!」

 

やっぱりプロの技術者の人たちは

発想が違う!あぁ今まで捨ててきた

聖衣風のラフ画とかどうなったかな?

 

・・・ギリシャとかに行ってないよね?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

さて、更識が納得したところで

今後の予定について・・・

 

「司馬様ー司馬様ー居ますかー?」

 

あぁもうそんな時間ですか。

 

「え、えっと?」

 

「あぁ、中国の国家代表候補生の

凰鈴音です。とりあえず転入から

一週間は一日の出来事を報告する

ように命じてましてね」

 

更識簪には人見知りの気がありますが、

凰准尉なら問題ないでしょう。

 

「今開けますので待ちなさい」

 

「はーい。わっかりましたぁ!」

 

ふむ、昨日と比べれば随分明るい

声ですね。

アチラもいい結果が出たのでしょう。

 

普通は一日二日で状況が変わるモノ

ではありませんが、ここに引き抜きに

成功した更識簪が居ますからねぇ。

 

今日の報告はどうなることやら。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お邪魔しまーす!」

 

「・・・もう少し声を抑えなさい」

 

「す、すみません」

 

普通に怒られたわ。まぁそうよね。

私は一歩前進して気分上々でも司馬様

は関係無いし、なんか今日は休んだ

みたいだし。

 

転入二日目で休むって何かあったのよね?

学園には環境の変化による体調不良とか

言ってるけど、そんな温いことを言う

ような方じゃないわ。

 

「あ、あの、こんにちわ」

 

「(ΦωΦ)」

 

「え、えっと?」

 

司馬様の部屋に今日の報告に来たら

見たことも無い水色の眼鏡が居る件

について。

 

どういうこと?服を見ると学生よね?

 

司馬様は副所長と婚約してるから

同性愛者じゃないし・・・

現地協力者的な何かかしら?

 

「凰准尉、アイサツにはアイサツを

返すのが礼儀です」

 

あ、そうよね!とりあえずアイサツ

しないとシツレイよね!

 

「こんにちわ。1年2組に転入してきた

凰鈴音です。中国の代表候補生してますけど、

基本的には一般の学生と同じように

フランクに接して貰えると嬉しいです」

 

ふっ、自己紹介は昨日したばかり

だから抜かりは無いわ!

 

「フランクに接した結果がクラス代表

でしょうが。反省と言う言葉を知らない

のですか?」

 

「あうっ!」

 

そ、そう言えばそうだった!日本の

10代女子のフランクさは常識を

遥かに超えるんだった!

 

「あ、1年4組の更識簪・・・です」

 

た、助かった!見た目通り弱気で

内向的みたい。

 

ん?さらしきかんざし?

 

「昨日少し話に出てきましたね。元日本の

代表候補生で、今は貴女の同僚になった、

日本が誇るHEN・・・天才ですよ」

 

今HENTAIって言い掛けません

でした?いや、口に出したら矯正される

から絶対に言いませんけど。

 

けど短い文章にかなりのツッコミ

どころがあったわよね?

 

「【元】代表候補生ですか?」

 

この歳で元ってどういう事?

 

「あ、それはですね!今日返上したんです!」

 

「返上?それに今日?」

 

なんか自信満々に言ってるけど、それって

良い事なの?いや、日本の国家代表候補生の

扱いはわかんないけどさ。結構な競争を勝ち

抜いて得た立場なんじゃないの?

 

ソレに専用機持ちは一夏しか居ない

んじゃなかったっけ?

 

ツッコミが追い付かないわ!

 

「その辺の経緯は私が説明しましょう」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

カクカクシカジカアリジェネムートンイトウ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「何ですかソレ?」

 

いや、関係者全員馬鹿じゃない?

 

「改めて聞くとスゴイですよね?」

 

凄いとしか感想が出て来ないわ。

 

「って言うか自分のことよね?」

 

しかも昨日までの。いや、正確には今日の

日中までの自分のことよね?

なんて言うか、達観しすぎじゃない?

 

「あぁ、まぁそうなんですけど、今と

なったらどうでも良いかなって」

 

か、家族や政府に対して完全に見切り

つけてるのか。

実際そこまで追い詰められてたって

ことよね。つーかそんな扱いするなら

初めから代表候補生になんかすんなって

話じゃないの?

 

立場を与えたならサポートしなさいよ。

まさか日本って国に一夏以外の候補生を

支えるだけのリソースが無いってわけじゃ

ないんだからさ。

 

「まぁアイツらが阿呆のおかげで

この才能を手に入れることが出来た

と考えれば、有り難い話ではあります」

 

うん。まぁそうですよね。実家の狙い

とか関係なく、普通にイジメですから

引き抜きには困りませんよね。

 

「わ、私としても結果的にですけど

理解のある上司と、やりがいのある

仕事が出来そうですから・・・」

 

あぁほんとそうよねぇ。なんたって

直属の上司が司馬様だし?中国人なら

誰もが羨む地位だし、どれだけ望んでも

馬鹿には得られない待遇よ?

 

それもこれも偏にこの才能、いえ才能って

だけじゃないわよね。

 

「操縦技術で代表候補生になれる実力が

あるだけじゃなく、学校の設備で

第三世代機のひな型を造り上げた?

さらに一人で?期間は数か月?こんなの

才能の一言で片付けて良いモンじゃ無い

ですよね?」

 

才能だけじゃなく実績まで残してる

天才じゃない!更に日本の暗部の家?

つまり副所長や司馬様みたいに

幼少時から鍛えて来たんでしょ?

その技術と積み重ねを考えたら、武術

を嗜んだばかりの今の私じゃ操縦技術

だけでも勝てないと考えるのが妥当。

 

いや、本当に万能の天才じゃない!

 

コレは司馬様もHENTAI扱いするわ。

 

「その通りです。更識簪は今の准尉では

届かない高みに居ると思ってください」

 

そうよね。私だって天才だなんだの言われて

たけど、積み重ねが無いからどうしても脆い。

司馬様みたいなホンモノの天才が積み重ね

た相手には絶対に届かないわ。

 

つまりはこの水色は司馬様の下位互換?

いや、機械技術的な面を見たらそうとも

言い切れないわよね。

 

「あう・・・」

 

「なるほど」

 

褒められ馴れて無いからこそこういう

一見弱気のリアクションだけど、

根元には自信がある。つまり一度

スイッチが入ったらヤバいタイプ。

コレは最高の拾い物、いや最初から

狙ってたんだろうから最高の収穫よね。

 

「・・・さっきも言ったけど、凰鈴音よ。

先輩でも准尉でもリンでも好きに

呼んで。ただしリンインは止めて」

 

同い年で代表候補生になるだけの実力者。

 

さらに実績もあるし、勘だけじゃなくて

しっかりと積み重ねた基礎がある強さの

持ち主なんてもぉ最高じゃない!

 

司馬様は背中を追うには遠すぎるからね。

良い目標が出来たわ!

 

「更識簪です・・・階級はわからない

ですけど、更識って言われるのが

嫌いなので、簪って呼んで欲しいです」

 

あぁ、まぁさっきの話を聞いたらねぇ。

 

「わかった。じゃ簪って呼ぶわ。

よろしくね!」

 

「ハイ!リンちゃん!」

 

まずは簪を越える!最低でも並ぶ!

コレが国家代表候補生としての私の

IS学園での私の目標ね!

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ふむ、これぞ青春ですねぇ。

 

それに更識簪の階級ですか。

中国に所属してるわけでは無い

ですから軍属ではありませんよね。

 

立場は冬林技研のテストパイロット兼技術者。

 

そうなると階級というよりは役職

が自然です。

 

私が主任ですから・・・主任の部下って

平ですよね?ですが専用機持ちになり

ますから名目上でも何か必要ですか。

 

コレは今日の報告で師に確認しておきましょう。

 

「それで、凰准尉。本日の動きは?」

 

コッチの本題も済ませましょうか。

 

「あ、はい、まず名刺を渡しました!」

 

「・・・名刺って?」

 

あぁ、更識簪には訳が分かりませんよね。

今後も日本の10代女子の常識を確認したり、

我々が思いつかない意見を出してくれる

かもしれません。

 

「准尉、更識簪に経緯を説明しますが

宜しいですね?」

 

任務とは言え個人の恋愛に関する

恥ずかしい内容ですからね。

一応確認しておきましょう。

嫌だと言われたら・・・まぁ任務優先

ですから無視ですけど。

 

「だ、大丈夫です!簪の意見もあれば

猶更成功率が上がるかもしれません!」

 

「成功率??」

 

「では私が説明をしましょう」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

カクカクシカジカトナリノムートンイトウ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「す、酢豚って・・・正気?」

 

何がどうなれば告白で酢豚?しかも

ソレを副所長さんに相談?有り得るの?

 

「・・・アンタ、良い性格してるわ」

 

「いえ、このリアクションで正解ですよ」

 

ですよねー

 

「ソレに織斑の家庭の事情ですか。確かに

そういう事情があるなら、まずは安定した

就職先があるのは強いですよね」

 

正直織斑にはいい感情無いけど、

逆恨みだってのは分かってるし。

 

いや、専用機の重みを理解してないのとか

織斑千冬の特別扱いは正直今でも納得でき

ないし、機会があれば説教したいくらいだけど。

 

説教って事は織斑の為になっちゃうからね。

勝手に自爆して死ねって言うのが素直な

気持ちだけど、リンちゃんのことを考えた

らなぁ。

 

「でしょ?!一夏も私が冬林技研に所属

してるってわかったら、何か親しみって

言うのかな?そう言うのが見えたし!」

 

ただでさえ有名企業なのに、自分も姉の

織斑千冬もお世話になった組織だもんね。

 

そりゃ親しみも沸くよ。

 

「とりあえず周りで騒ぐだけの兎の妹や、

イギリスの螺旋頭よりは好評価を得られ

ましたね」

 

「ハイッ!流石は副所長です!」

 

はぁ?コイツ馬鹿?

 

「「【さん】を付けろ!」」

 

「ひ、ひぃ~」

 

このデコスケ野郎!・・・実際【様】とまでは

言わなくても【さん】は付けるべきでしょ?

 

司馬さんなんか滅茶苦茶尊敬してるじゃん。

言葉の節々でわかるよね?

司馬さんに様を付けるなら、その上司にだって

敬称を付けるべき・・・あれ?役職に敬称って

どうだっけ?

 

内部の部下が課長さんとか部長さんって逆に

シツレイなような気がするけど。

 

い、いや、ここは司馬さんの気分を優先

するべきだよね!うん。そうしよう!

 

「そ、それで、来月のクラス対抗リーグ戦

で専用機を使うのはわかりましたけど、

織斑一夏程度だと戦いになりませんよね?」

 

リンちゃんがどれくらい強いかは知らない

けど、代表候補生クラスの実力があるなら、

あの程度の雑魚なんか普通に最初の一太刀で

終わりでしょ?

 

「程度って・・・まぁそうだけどさ」

 

「そうですね。実際問題、あれに苦戦する

程度なら鳳准尉からコアを没収しますからね」

 

「えぇぇぇ没収ですか?!」

 

いや、実際国を代表する立場としてはアレに

苦戦って相当ヤバイよね?イギリスのアレは

あくまでBT兵器に対する適性が高いから、

その実験用としての代表候補生でしょ?

 

アレも欠陥だらけの出来損ないだけどね。

 

そもそも第三世代型は試験運用中だから

欠陥があるのが当然なんだけどさ。

 

「ちなみに准尉がコアを没収されるような

試合をした場合。

本国にいる准尉を代表候補生に推薦した人間

や賛成した人間。代表候補生を選考する連中。

そして決定を下した担当の目も没収されます」

 

「「怖っ!」」

 

節穴だから要らないって?怖いよ!

 

「何を温いことを言って居るのですか?

そもそも国家の威信を背負うと言うのは

こう言うことですし、己の仕事に責任を

持つと言うのもこう言うことですよ」

 

首が飛ぶんですね。わかります。

 

でもそうだよね。国家の代表を選ぶん

だから、感情とか賄賂とかで選ぶような

ヤツラは駆逐するべきだし、自分達の

決定に責任を負わないような連中も排除

しなきゃマトモな組織とは言えないよね。

 

税金だってかなり使ってるんだから、

関係者一人一人の意識が高くないと不正と

腐敗の温床になっちゃうんだ。

 

実際権力を握っても、その使い方を正しく

理解出来てない女権団体のせいで、政治や

経済はかなり歪んできてる。

 

私の専用機だって、男が自分の立場を

巻き返す為にリソースを奪った結果

とも言えるだろうし。

 

それに別に司馬さんは無理なことは

言ってないよね?

 

「リンちゃん、勝てば良かろうなのだ!」

 

素人に対して、勝つべくして勝てって

言ってるだけだよ!

 

「いや、ソレはそうなんだけどさ・・・」

 

 

―――――――――――――――――

 

 

実際素人に苦戦するようなヤツを国を

代表するような立場にしたら、そりゃ担当者

には見る目が無いって言われても否定は

出来ないだろうし、そんな未熟者をずっと

代表にしてコアを預けるほど甘い組織

じゃないのはわかるわよ。

 

・・・私の評価に関しても、一夏や千冬さん

との縁があって下駄を履かせて貰ってること

もわかってる。

 

だからこそ司馬様は『実力を見せろ』って

発破を掛けてるのよね。

 

一夏が可哀想とか、一夏と少しでも長く戦い

たいとか、そんな感情を見せたら即座に矯正

いえ、粛清されるわね。

 

司馬様が言ったように私は国家の威信を

背負って甲龍に搭乗してるのよ。

 

使うのは兵器。スポーツ競技とは言われてる

けど決して遊びじゃないんだから。

 

苦戦は許されない。イギリスの馬鹿みたいに

無駄口叩いたり挑発したりも不要。

 

駆け引きって考えれば無くは無いけど、

私が感情的になる場合だってあるからね。

 

そうなったら、コアの没収も担当者の目も

ヤるでしょう・・・明言されてはいない

けど、多分私自身にだって事故死が待ってる。

 

昨日も言われたわよね?消すって言うのは

警告であって警告はただの脅しじゃない。

 

学生気分は持ってても良いが、軍人として

の立場が優先されるのよ。

 

「司馬様、休みの日や放課後の鍛練に簪を

借りてもよろしいでしょうか?」

 

当人の許可はもちろん。直属の上司である

司馬様の許可は絶対に必要よね。

 

「ふむ、そうですね。更識簪については

所属や就労条件の見定めも有りますが、

とりあえずは許可を出しましょう。

ただし休日の鍛練については個人の問題に

なるので、本人の許可を取るように」

 

そっか、簪は軍属じゃないから休日は

そう言う扱いになるのね。

 

「簪?」

 

まさか嫌とは言わないわよね?

 

「もちろん構わないよ!ただ、休日と

放課後だけじゃなく、朝の鍛練もちゃんと

やらなきゃダメだと思うよ?」

 

あぁ、覚悟を決めたつもりでも本物から

見たら所詮はつもりでしか無いのね。

 

「望むところよ!」

 

国中に恥を晒したあげくに失望されて

死ぬくらいなら、休日だろうが朝だろうが

鍛練するに決まってるわ!

 

「ISを使っての鍛練は休日に冬林技研で

行いますので、まずは更識簪が行う

基礎鍛練を行いなさい。我々とは違う

形ではありますが歴史と経験に基づく

鍛練をしているはずですからね」

 

「はいっ!」

 

近接戦闘は生身の延長だからね!司馬様の

トレーニングに着いていけない以上、他の

遣り方を捜す必要があるとは思ってたし。

ソレが歴史ある暗部の鍛練方法なら

文句なんかあるはずが無い!

 

「更識簪。貴女に与える最初の任務です。

クラス対抗戦までの期間は短いですが

そもそも基礎鍛練は恒久的に行うものでも

有ります。

私の言わんとするところはわかりますね?」

 

「はい!リンちゃんには焦らずにきちんと

武術の基礎を学んで貰います!」

 

よしっ!これで私に足りなかった基礎が身に

付けられる!

それも付け焼き刃じゃない。対抗戦が

終わった後もちゃんと役に立つモノよ!

 

まともな師匠が居ない私には今まで得られ

なかったモノがここで得られるなんてね!

 

ぬるま湯の中は居心地は良いけど、ずっと

居たら確実に自分が錆び付いていく。

ISなんか無くても一夏の側に居られるなら

ソレでも良いけど、実際私がココに居られる

のはISが有ることが大前提!

 

だからこそ、今も本国で血と汗と涙を流して

トレーニングしているヤツラに追い越される

わけにはいかないんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏。現実を見ることなく周りに甘やか

されて、半ば遊びながらISを纏う貴方には

勝ち目も見せ場も与えない。

 

それどころか戦いにすらならないってことを

対抗戦で教えてあげるわ!

 

 




兵器で遊ぶなってお話。


次回、ようやくクラス対抗戦か?

・・・予告したら書かなきゃダメじゃん!

 ▲ページの一番上に飛ぶ