とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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第15話

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』

 

あぁもうっ!一夏が!邪魔っ!

せっかくコイツの動きや間合いを

掴んで、速さにも対応出来てきたのに!

 

『リンっ!危ないっ!』

 

危ないのはアンタが居るせいだからね!

 

下からの左前蹴り!見えてるのよって

・・・遅いっ!振り抜いた先に一夏

が居るから、同じ姿勢で同じ技なのに

速度がズレるっ!

 

「あぁぁもうっ!一夏邪魔!下がってよ!」

 

一夏のせいで敵の動きに緩急が

出来てるのよ!

 

『何言ってんだ!一人で勝てるわけ無いだろ!』

 

うがぁぁコイツ!何も理解出来てない!

さっきまで一人で勝ってたし!

 

そもそも一夏と連携訓練なんかしてないし、

実力が違うから邪魔にしかならないのっ!

 

『一夏!油断するなっ!』

 

何が油断よ!一夏の実力なんてこんなモン

でしょうが!

今だってコイツが手を抜いてるから生きてる

だけでしょ?!

 

私に対する攻撃の重さとか速さとか連撃の

回転とかと比べて全然違うじゃない!

 

ハイパーセンサーが無いから気付かないの?

そもそも何でアイツは普通に放送室に居るのよ!

 

『おう!俺たちの戦いを良く見ておけ!』

 

俺たちぃ?もうコレ何とかしてよ!

学校の教師はどうしたの?もうとっくに

準備できてるでしょ?さっさと介入してっ!

 

せめて一夏を外に叩き出してぇぇぇ!

 

『ふっ、お前の勇姿を見せてもらおう!』

 

・・・・・・

 

コイツら絶対私の邪魔する為に居るよね?

 

『行くぞリン!俺たちの力を見せてやろう

じゃないか!』

 

アンタの力はさっき見たわよ!

っていうか何で上から目線なのよ!

 

もうやだ!帰りたい!簪とアホな映画

見て頭を空っぽにしたい!

 

「司馬様ぁー司馬様ぁー!もう無理です!

助けて下さいよぉー!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

うん、リンちゃんからの泣きが入ったけど

気持ちは良くわかるわ。

 

助けて上げたいのは山々だけど、少佐の

意見はどうなんだろ?

 

「・・・少佐、アホの織斑が無駄にやる気を

出してますけど。コレってどうします?」

 

いや、何なの?熱血モノ?それにしても

酷いんじゃない?

リンちゃんの邪魔になってるのが何で

分からないかな?

 

「まぁ、兎的には有りかも知れませんが。

准尉には邪魔以外の何者でもありませんね」

 

ですよねー。でもココで思考停止しないで

コレをどう利用するかを考えるのが

出来る副官の仕事だよね!・・・利用かぁ。

 

アホの使い道って生贄以外何かあるかなぁ。

 

「特尉。阿呆は単一で見るのではなく、

集団の一部として見るのですよ」

 

ほむ・・・なるほど。

 

「集団の一部・・・つまり阿呆を抱え込ん

でる連中の弱点として活用すると?」

 

この場合はIS学園ですよね?

 

「そうです。阿呆は単純に投げ捨てるモノでは

ありません。敵に向かって投げ捨てるのです。

今回は阿呆の正しい使い方を見せますので、

よく学ぶように」

 

「ハイッ!」

 

流石司馬少佐!少佐くらいになると産廃モノの

阿呆も有効活用出来るんですね!

 

「あぁ、それと介入の用意を」

 

「あ、はい!・・・アホのせいで准尉の

リズムが崩されましたもんね」

 

よかったねリンちゃん。少佐にもちゃんと

助けるつもりがあったよ!

 

それにしてもあのアホども。

黙ってれば勝てたのに余計なことを!

 

「そうですね。ただ、この程度で負けるのが

今の凰准尉の実力と言うことです。

変に慢心されるよりは良いと思いましょう」

 

「ですね!」

 

これから先、何があるかわからないから

こういう状況でもきっちり勝てるように

鍛えてあげるよ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あのバカ・・・今更何をしているっ!

 

連携訓練も何もしていない素人が加わった

ところで凰の邪魔になるとわからんのか!

 

「先輩!司馬さんから回線です!」

 

「回線?・・・そうか。こちらも凰に連絡が

取れるくらいだもんな。よし、繋いでくれ」

 

嫌な予感がする。とてつもなく嫌な予感が

するが、まさか拒否するわけにも行かん。

 

『こちら監査員の司馬です。音声は

正確に届いてますか?』

 

・・・学生の身分でなく監査員としてか。

コレはもうアレだ。本来は私の管轄

ではないが、現場指揮官として応えねば

まずいだろうな。

 

「こちら織斑です。監査員殿の音声は正常に

届いております」

 

なんの用でしょうか?だの忙しいからさっさと

用件を述べろ!などとは絶対に言えん

・・・こんな状況でわざわざ入れてくる連絡だ。

 

おそらく相当厄介なモノ。ヘタに省略など

されては要らぬ言質を取られるからな。

 

具体的にはアンタが省略しろって言ったん

じゃないかって感じになるだろう。

 

『結構。これより監査員として織斑教諭を現場

指揮官として認め、いくつかの質疑を行います。

この内容は記録され、後日IS委員会で開催

される査問委員会においての公的な資料と

なりますので、明確な返答を期待します。

許可のない発言や、質疑に無関係な発言は

控えるように。

尚、質疑について3秒以上の無言は肯定と

みなしますのでコレを了承するように。

・・・よろしいですね?』

 

査問委員会だと?!何をする気だ?!しかも

三秒?いや、確かに監査員や査問官が相手に

時間を与えるはずがないのは知っているがっ!

 

『1・2・3。肯定したと見做します。

ではこれより質疑を行います』

 

「え?ちょ、ま、待てっ!」

 

今のも質疑になるのか?!

 

『許可のない発言は認めません。が、一つ教え

ましょう・・・監査員が監査対象に「待て」と

言われて待つようなことはありません』

 

そ、それはそうだろうが!

 

『では尋ねます。あの正体不明の機体は

IS学園に関係する戦力ですね?』

 

・・・は?何の話だ?何を言っている?

何故ココでそんな結論が?

 

「先輩っ!ダメです!」

 

「あっ!」

 

しまった!

 

『3。肯定と見做します』

 

やられた!司馬は最初からコレが狙いかっ!

 

しかも卑怯でも何でもない!最初から無言は

肯定だと告知してきていたし、待つことは

ないと説明も受けていたではないか!

 

その上、イエスかノーの二択に対して無言。

これではまさしく肯定と同じ・・・

 

『それでは質疑の続きの前に、待機している

教師陣の手で以て現在凰鈴音の邪魔を

している、織斑一夏の戦域からの排除を

求めます。この行動を60秒以内に行わない

場合はIS学園による監査活動に対する明確な

妨害行為と見做します。よろしいな?』

 

「・・・了解です」

 

コレは考えるまでもない。素人をテロの

現場に残すなどありえんからな。

 

「山田君。織斑に撤退の指示を。それと

教師陣に織斑を隔離するよう通達を」

 

「はいっ!」

 

山田君も今の状況の不味さに気付いたな。

ヘタに異論を唱えようものなら、ソコから

全てを持っていかれる!

 

つまりこの質疑は我々の自作自演を

疑うモノで、ソレを確定させる場か!

 

くそっ!十蔵さんですら勝てない政治の

化物と、こんなところで戦わされるとは!

 

『結構。では質疑を続けます。

篠ノ之箒を放送室へ向かわせたのは

凰准尉に対する妨害行動の為ですね?』

 

「ち、違う!」

 

そんなはずがあるかっ!

 

『では『立て!一夏ぁ!男なら・・・男なら

その程度の敵に勝てなくてなんとするっ!』

とは何でしょう?織斑一夏を気絶させたのは

中国の国家代表候補生である凰鈴音ですが?』

 

くっ!

 

「そ、それはあの正体不明機で・・・」

 

『私はアノ機体はIS学園が男性操縦者の

敗北をうやむやにする為に出した戦力だと

判断しています。

その証拠に織斑一夏に対する攻撃は凰鈴音

への攻撃に比べて遅く、鈍く、軽い』

 

「なんだと?!」

 

そんなことを質疑をしながら観測して

いるだと?そんなことが可能なのか?

 

「・・・先輩、本当です」

 

ま、まさか、そんな。

・・・いや、山田君がこの状況で私に嘘を言う必要がない。

 

『さて、それを踏まえた上で問います。

その程度の敵とは誰でしょう?

勝てないとは誰に?あのまま戦っていたら

協力者が負けるから織斑一夏に邪魔を

させて凰鈴音のリズムを狂わせたのでは

ないのですか?』

 

い、いや、それは!

 

『さらに彼女は貴女方が特別扱いをして

本来立ち入り禁止区域である管制室に

居て試合を見ていたはず。

私も試合開始前に上空に不審な物体が

飛翔しているのを確認していましたが、

世界有数の設備とスタッフを誇る管制室で

観測出来ていないはずがありませんね?』

 

「ち、違う!」

 

観測など出来ていなかった!だがソレを

認めればスタッフの無能の肯定・・・

どちらにせよ介入されるっ!どうしろと

言うのだ!

 

『イエスかノーの質疑において、それ以外の

返答は無言と同意です。3。肯定と見做します』

 

「くっ」

 

ダメだ!この状況はすでに司馬による

独壇場!今更十蔵さんが出てきても

どうしようもない!後日の査問委員会で

「あくまで現場指揮官である私が間違えた」

という形で持って行くしかないのか・・・

 

『IS学園は、試合をうやむやにするために

勝負がつく直前にあの機体を試合場へ突入させ、

織斑一夏の負けの判定を消した。

そして凰鈴音の戦力調査とあわよくば監査員

である私の協力者の戦力を減らすために、

凰鈴音に対して遅滞戦闘を行うよう指示を

だしたのでしょう?』

 

「そのようなことはしていない!」

 

「先輩?!」

 

反論すれば潰されるのはわかってるが、

ここまでこじつけられて黙っていられるか!

 

『ならば緊急時に所属不明機の排除より、

防壁を破壊せずに開錠を優先したことに

対する意図は何ですか?教師が出ずに

学生に遅滞戦をさせる意図は何ですか?』

 

「くっ!」

 

予算や学園の面子などとは言えん・・・

 

『さらに本来なら避難誘導を行いアリーナ

から人を遠ざけねばならない状況で、ワザワザ

放送室に乗り込ませて自己PRをさせることが

邪魔でなくてなんだと言うのですか?』

 

アレは・・・確かに邪魔以外に言い様がない

 

『管制室にいた人間がワザワザ危険地帯へ?

そんなの貴女方が意図的に差し向けないと

不可能ですよね?少なくとも管制室から

外に出した者が居るでしょう?』

 

・・・普通に考えればそうだろう。

 

こちらとて防壁のハッキングを解除

してる最中だったとはいえ、管制室の人間全員が

ドアが開いていることに気付きません

でしたなど言い訳にすらならん・・・

 

『そもそもアレは自分がナニをしているのか

わかっているのですか?

新人消防士の保護者気取りの素人が火事場に

防護服もなく乗りこんで、身を潜めていた

要救助者を武器で殴り気絶させ、他の先輩

消防士が細心の注意を払い爆弾処理をして

いる最中、その横にいて先輩消防士の作業の

邪魔をすることしかできない未熟な新人

消防士に対して、無駄にでかい声を出して

応援してるんですよ?邪魔でしょう?』

 

「「「・・・」」」

 

そうだな。アレはそういう行為だ・・・

 

『これが妨害行動で無くて何だと言うのです?

こんなの自分が安全であると理解していないと

出来ませんよね?』

 

「「「「・・・」」」」

 

まさしくその通りだ・・・

 

『それで、貴様らは今ナニをしている?

織斑一夏を痛め付けられた腹いせに、

凰鈴音をテロに見せかけて殺す気か?』

 

「そんなことはしない!」

 

それだけは絶対に否定しなければっ!

 

『ならばさっさと動け!未熟な邪魔物を

排除しろ!やかましいバカを黙らせろ!

ソレが貴様らの仕事だろうが!

すでに60秒経過しているにもかかわらず

織斑一夏は戦域を離脱していない!

監査員として直ちに行動に移るよう勧告する!』

 

「・・・了解です」

 

『こちらの質疑は終了です。あとは行動で

示すように。以上』

 

 

 

 

 

「・・・先輩」

 

あぁ、わかっている。完全敗北だ。

 

「織斑に繋げ。私が説得、いや、命令する」

 

「・・・はい」

 

このままでは一夏まで処罰されてしまう。

せめてそれは防がねばならん!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はぁ?この状況で俺だけ下がれって?

リンを置いて?!」

 

『そうだ、お前が凰の邪魔になっている』

 

良し!ようやく教師も介入してきた!

さては司馬様が動いたのね!

 

これで休めるわっ!

 

「邪魔?そんなこと無いだろ!こんな

ヤツ相手にリン一人で戦わせるなんて

出来るかよ!」

 

気持ちは・・・嬉しくないわね。

 

普通に邪魔だし。素人に「私は軍人として

未熟だから一人には出来ない」って言われ

てるようなものだし。

 

それに今は普通に教師が戦っているし。

メインの武器を潰したから、あとは

回避と欠損部分を攻撃すれば第二世代機

でも十分勝てるわよね。

 

戦闘パターンも十分見てただろうし。

 

『いや邪魔だ。その証拠にお前が邪魔

するまで無傷だった凰の機体が、今や

ボロボロになってるじゃないか』

 

そうなのよねぇ。甲龍も無駄に損傷させちゃったわ。

……コレはあれよね。

不測の事態に対応できなかったって判断

されて訓練が厳しくなるパターンよ!

 

「いや、だって、でも!」

 

うん、流石はIS学園の教師。機体の

特徴を良く理解してるし、連携も十分。

アレなら安心して見ていられるわ。

 

『いい加減にしろ。今回のお前の行動は

援護ではなく乱入であり、凰の手柄の

横取り行為と言うのだ』

 

そうなのよねぇ。このままなら勝てたのに

散々邪魔された挙句に、篠ノ之束の計画だ

と止めは一夏が持っていくんでしょ?

 

完全に横取りよね。

 

「よ、横取りって!それに今は手柄とか言ってる場合じゃないだろ!」

 

いや、信賞必罰は組織運営に欠かせないモノ

だからね?軍人の戦いに対して正当に評価を

するのは当たり前のことじゃない。

 

『・・・お前が居なければ既に戦いは

凰の勝利で終わっていただろう。

勝ちが見えた状態だったのを無駄に

混戦にしたのはどう考えても邪魔で

しかないな』

 

それ以前に動きを止めて会話してる

自分が狙われないことに対して

違和感を抱きなさいよ。

 

それに、せっかく目の前で教師が全力で戦っているのよ?

じっくりみて個人技にせよ連携にせよ参考にするべきじゃない?

 

『何をする!離せっ!』

 

「箒!?」

 

あぁ、ようやくアッチも動いたか。

 

アイツと一夏の掛け合いは、ホント

ヤスリで神経をゴリゴリされてる

気分だったわ・・・

 

「千冬姉!箒に何をする気だよ!」

 

『何をするも何も。アリーナに面した

放送室は本来危険区域だ。自衛手段の

無い篠ノ之を避難させるのは当然だろうが』

 

そうよね。あの機械が篠ノ之束の手先

だからこそアソコに攻撃が行くような

角度で攻撃されることはなかったけど、

本来なら巻き込まれてるわよねぇ。

 

「避難・・・そうか、確かに箒は生身だし。

だけど無理やり運ぶのは違うだろ!」

 

いや、違わないでしょ?素人が戦場に

居てああして喚いてたら邪魔じゃない。

 

気絶させて運ぶのが常識よね。

 

『寝ぼけるな。避難誘導に従わん

素人は気絶させて運ぶモノだ』

 

そうそう。溺れてるヤツだってヘタに

意識を保ったままだと、抱きついたり

して救助する人間を巻き込むからね。

 

「そんな、ソレが教師のすることかよ!

『パンッ!』・・・え?な、なんで?!」

 

お、やっと撃った。まぁそうなるわよねぇ。

 

『言ったはずだ。避難誘導に従わん素人は

気絶させて運ぶモノだ、とな』

 

「千冬・・・姉ぇ・・・」

 

『・・・織斑を運び出せ!』

 

『『了解』』

 

うーん。弟魂の千冬さんがココまで

はっきりとした行動を取るとは。

 

司馬様は相当追い込んだみたいね。

 

いいぞ!もっとやれ!

 

流石に今回は一歩間違ってたら普通に

死んでるか、良くて四肢欠損くらい

してたもんねー。

 

いやはや、無事に済んで良かった良かった

 

『気を抜きすぎです准尉。今すぐその場を離れなさい』

 

「ハイッ!スミマセンデシタッ!」

 

いきなり司馬様の音声連絡は心臓に

悪すぎるわよ!でも離れろ?何で?

いや、考えるより動け!!

 

って・・・アレ?なんかアイツ膨張してない?

 

あ。おいっ。まさかアイツ!一夏が居なく

なったからって、アレをヤる気?!

 

「っていうかそんな機能付けるなっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

さ、流石司馬少佐!篠ノ之束の意図を知り

ながら、完璧に学園のせいにしてみせた!

 

「分かりましたね?阿呆とはこのようにして使うのです」

 

「了解です!」

 

いや、コレは正直凄いとしか言いようがない

ですよね。

政治的な判断が出来ない織斑千冬に対して、

非常事態と現場指揮官という肩書きを使い

逃げることを許さず、さらに状況判断と

否定をさせない質疑で追い込んでるよ!

 

「ようやく教師陣が積極的に動きましたね。

まったく、命令を聞かない生徒など最初から

後ろから撃ってシールドエネルギーを空に

すれば良いだけでしょうに」

 

「アホの織斑が無駄にアレに近接戦闘を

仕掛けましたからね。あそこでシールド

エネルギーが空になったら、アホの安全が

保証されませんでしたから・・・」

 

ソレもアレがアホに対して必要以上

に危害を加える事がないと判断されて、

普通に鎮圧されたけど。

 

「さて、残るは凰准尉ですが・・・随分ヤられましたね」

 

「はい。アホが加わったことで今まで

自在に動けていた間合いが潰された挙句、

あの所属不明機によるアホに対する手加減

が、結果的に攻撃に緩急を生みました」

 

いきなり味方に間合いを潰されて、集中を

乱されててリズムを壊されたら・・・

そりゃヤバいよね。

撃墜されなかっただけでも大したモノだと

思うけど。

 

「戦闘中に邪魔が入ることを想定して

居ないというのは問題です。

まぁ准尉も無能な味方がどれだけ危険な

存在か肌で感じることが出来たでしょう」

 

「そうですね」

 

災難ではあるけど貴重な経験でもあるもんね。

 

「おや、ようやく阿呆が外に連れ出され

ました。貴女の介入も必要なさそうです」

 

「ですね。コレで後は教師陣による制圧ですか・・・」

 

本来ならリンちゃん一人で制圧して

アレのコアとかを冬林で持って行け

たんだろうけどなぁ。

 

「いえ、兎がそんな事を許すはずが

ありません。アレを良く見なさい」

 

「これからまだ何かあるんですか?

・・・え?なんか膨張してません?」

 

アレって・・・もしかしなくても自爆

ですよね?本気?いや、確かに自爆は

ロマンだけど!

 

機械兵が負けたら自爆するのはお約束

でもあるけど!本気でヤるの?!

コアとか勿体無くない?!

 

「証拠隠滅の基本です。コレはIS学園に

とって良くもあるし悪くもありますね」

 

「あぁ証拠隠滅されたら、自分も

被害者だとして声を上げますか?」

 

自爆で教師が傷付くことが条件では

あるけど。まぁ起死回生の一手には

なりますか?

 

「いえ、それ以前にアレが無人機で

あることがバレますからね。

ISの無人機なんて存在すら想定

されていませんから、私に対しても

口止めを依頼してくるでしょう」

 

「・・・表面上は無かったことにする、と?」

 

確かに無人機が出来るなら男性も女性も

ないからね。そうなると世間が混乱する

から表面上なかったことにして裏で

調べていきましょうって?

 

けど調べるもなにも、行き着く先は

篠ノ之束じゃない?

 

いや、決めつけは危険だよね。それ以外の

天才が応用を利かせる可能性もあるし。

 

というか、元々宇宙で動くモノなんだから

遠隔操作くらいできて当たり前だと思うん

だけど・・・

 

いや、冬林技研に所属するまでは私も

気付かなかったけどさ。

 

「そうでしょうね。私としてもいくつか

譲歩案を飲ませることで承認することに

なるでしょう。

元より兎にしてみたら学園は敵ですし。

教師が傷つこうが学園が傷付こうが

構いません。妹も織斑姉弟も無事だし

『もういいや』って感じですかね?」

 

軽っ!いや、自分でコアを量産出来るなら

そうなるのかな?

 

「そこまでは理解しました。あとは

自爆後の後始末に関して協力するか

どうかになりますか?」

 

普通なら篠ノ之束を抱え込んでる以上

そんなのいらないけど、向こうはソレを

知らないんだもんね。

無人機の残骸に興味が無いっていうのは

流石に怪しまれると思うし。

 

「そうですね。後片付けに関しては准尉と

特尉に任せることになりそうです。

尤も、その前に危険地帯に居ながらも

「もう終わった」と油断しきって阿呆面を

晒しているあそこの准尉に、警告を与える

必要があるようですけどね」

 

「・・・ですね」

 

もう、油断しちゃダメだよリンちゃん。

家に帰るまでが戦場なんだからさ。

 

「気を抜きすぎです准尉。今すぐその場を離れなさい」

 

あ~あ。最後の最後で評価を落としたね。

 

ま、コレがオチと思えば悪くないか。

 

ん~自爆の時のSEは何だろ?

「おしおきだべぇ」とかかな?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「先輩!凰さんが高速移動を開始しました!」

 

「そうか、なら位置調整をしなくてはな」

 

休憩は十分と言うことか? 

こちらとしても手柄の横取りになるのは

避けたかったから止めは凰に譲っても…ん?

 

「違います!進行方向は後方です!」

 

「何だ?全力で距離を取る?高火力の

遠距離攻撃でも行うつもりか?」

 

そんな武装はなかったと思うが、まぁ

国家機密だからな。隠し玉の一つや

二つは・・・

 

『千冬さん!教師陣を後退させて!

っていうか何で誰も気付かないの?!』

 

「「は?」」

 

教師の後退はわかるが・・・気付く?

止めの為に距離をとったんじゃないのか?

 

『アイツ!不自然に膨張してるでしょーがっ!』

 

「何?膨張だと?!」

 

この状況で膨張・・・まさかっ!

 

「先輩っ!右腕の熱源反応が急速に

増大してます!コレは、バリアを破った

ビーム攻撃の準備です!」

 

『「違うだろ!」』

 

なんでそうなるんだ!

 

「え?ち、違う??」

 

なんでわからんのだっ!

 

「現場の人間は今すぐ対象から距離を取れ!

同時に対ショック体勢!シールドを展開し

破片にも注意しろ!今すぐだ!無駄な問答

してたら死ぬぞっ!」

 

「「「りょ、了解っ!」」」

 

「先輩?」

 

まだわからんのか!いや、ISコアの

浪費と考えたら逆に誰も思いつかんのか?

 

「山田君!アレは自爆準備だ!」

 

なんで気付かなかった!束ならそれ

くらいヤるだろ!

 

「「「じ、自爆?!」」」

 

「山田君!光量と音量調整!防壁降ろせ!!」

 

「りょ、了解です!」

 

ISが自爆したらどれだけの規模の

衝撃になるんだ?建物は耐えれるのか?!

 

『織斑教諭、一つアドバイスです』

 

「なんでしょう!」

 

いきなりなんだ?!とか言わない!

今なら何でも聞くからさっさと

言ってくれっ!

 

『素直で結構。それではアリーナのバリアを

出来るだけ狭めて上部だけ解除しなさい』

 

狭めて上部だけ?・・・そうか!

 

「山田君!聞こえたな!」

 

「はいっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お、ちーちゃんったらバリアの上だけ

開放した?コレはあれだね?アレをヤレと

言うメッセージだね!

 

ならば乗ってあげようじゃないか!

 

 

 

『コレが我が生涯最後の一撃!

我が生涯に一片の悔いなーし!』

 

 

 

ぽちっとな!

 




「ベネツィアニィ?」
「サメハァ?」

「「イナーイ」」

居たよね?!普通に居たよね?!
コレだからサメ映画は・・・


え?イッチー?彼の活躍のおかげで甲龍は
中破判定となりましたよーってお話

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