とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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原作二巻終了!リザルト回?


つーかリンちゃん凰なのか鳳なのか!


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嫌いな人は読み飛ばし!


第16話

「なるほどそれであの火柱が」

 

施設に影響もなく、人的被害も出ません

でしたが、生徒は随分ショックを受けた

ようですねぇ。

 

・・・コレのケアは大変でしょう。

暫くは気のいい用務員でいる予定

ですが、どこまでできるやら。

 

「はい、周囲に衝撃が向かないように

上の部分だけシールドを開放するよう

司馬監査員よりアドバイスがあり、それ

が一番被害を抑えれるモノと判断し、

私が実行を命じました」

 

花火や大砲の原理ですよね。

よくもまぁ咄嗟に判断できたモノだ。

 

流石は司馬監査員と見るべきか、

最初から知っていたと見るべきか・・・

 

いやはや何が何だかわからないうちに

アリーナの防壁がおりて、外部との

連絡もとれなくなったから何があった

のかと思えばコレだ。

 

最初から管制室に居れば良かったのだが、

表の「用務員」と言う顔が邪魔した形

ですよねぇ。

 

「というか学生を特別扱いして管制室

なんかに入れちゃダメでしょう。

そうした行動が学生同士の交流に

溝を生むのですよ?」

 

他の教員までも篠ノ之束の妹だからと

当たり前のように特別扱いしているし。

 

意識してるかどうかはわからんが

特別扱いが当然だというような形で、

本人の増長にも繋がってるぞ?

 

その程度のことにも気付かんのか?

 

「・・・申し訳ございません」

 

これは何に対する謝罪なんだかな。

 

「それに、そうやって篠ノ之箒を特別

扱いしたことで、所属不明機による

介入が我々の計画通りなのではないかと

いう状況証拠にもなってしまいましたね」

 

篠ノ之箒に万が一が無いよう避難させて

いた。と言われたらどうやって反論する?

 

アレも偶然コレも偶然・・・そんなのが

査問委員会で通用するか?

しかも全てにおいて言質と映像資料まで

取られているじゃないか。

 

他言無用?監査員に知られた時点で

終わりだろうよ。

 

「・・・」

 

その上で防壁の破壊より解除を優先、か。

 

一組織としてはソレも正しいが、

学園としては生徒を優先すべき場面

でもある。

 

監査員の手前なら尚更なりふり構って

いる場合ではなかった。なにせコレは

【敵の排除より防壁の解除を優先する

余裕があった】ということだからな。

 

この辺が教官と教師の違いだろうなぁ。

 

しかし、これに関しては政治を知らない

教員に狙いを定めた司馬監査員の手腕を

褒めるべきなのだろうが、な。

 

さらにそれより不味いのがある。

 

「無人機の襲撃と自爆ですか」

 

ほぼ確実に篠ノ之束の仕業だが、冬林の

ような企業の天才がヤル可能性も有る

には有るんだよなぁ。

 

なにせ相手が無人機でコアらしきモノも

見つかっていないから、ISである証拠が無い。

 

ISでは無いなら篠ノ之束の関与であるという証拠もない。

 

疑わしいのは確かだが確たる証拠も無しに

査問委員会でこの様な憶測を言えば、

篠ノ之束は完全に敵に回る。

 

・・・それも周囲を味方につけてな。

 

しかも映像を見る限り、確かに指摘され

たように織斑一夏とソレ以外の敵に対して

の攻撃の重さと速さがまるで違う。

 

つまり凰鈴音に対してもこの敵は

手を抜いていないということだ。

 

コレでは冬林技研や中国は完全な被害者。

 

司馬監査員の余裕は、自分なら問題なく

潰せるからと言われてしまえばソレまで。

 

怪しいのはどちらかと言われたら・・・

客観的に見て我々だよなぁ。

 

廃材を集めてはいるが、決定的な

証拠は得られんだろう。

そもそも自爆とはそのためのモノだ。

 

つまり世界一を豪語する我々IS学園が

正体不明の無人機に襲撃を受け、

バリアを破られ、ハッキングまでされ、

さらに犯人の特定すら出来ません、と。

 

どうしようもないな。

 

「司馬監査員に良いようにやられて

しまいました。申し訳ございません」

 

司馬監査員だけならまだ良いのだが。

 

それもこれも司馬監査員にしてみたら

付け入る隙を見せた我々の自爆。

 

良いようにヤられたのではなく、我々が

勝手に自滅したと気付けない時点で勝負

にもならん。

 

「いえ、相手が悪かったとしか言いようが

有りません」

 

25前後の小娘が相手を出来るような

生易しい存在ではないのは事実だし。

まぁ相手は15なんだが・・・やはり

幼少期の鍛え方が違うか。

 

「織斑一夏に関しては現場での命令違反を

犯していますが、彼はそもそも自分の立場を

正しく理解出来ていませんでした。

故に、罪が有るとすれば学生への教育を怠った

我々であるというのが司馬監査員の意見です」

 

そう来るか。確かに正式に所属も決まって

いない学生を罪に問うことは出来んが・・・

 

「まぁ緊急時は教員が指揮を取る。指示に

逆らったらどうなるか書類に書いてる。

なんて学生相手に通用しないと言われれば

そのとおりですよね」

 

それは軍としては正しいが教育機関の

在り方ではない。

 

そもそもISと言う兵器をタダの学生に

使わせるなという皮肉なのだろうな。

 

普通に考えれば軍学校のように専門

知識だけを教えねばならないのだ。

 

それなのに一般の高等教育まで教え

ようなど・・・そんな片手間で習得

出来るようなモノではないよなぁ。

 

「更に言えば、彼は学生で民間人で初陣。

緊張と無理解で入れ込むのもしかたない。

故に今回の件は上記の学生を言葉で制止

しようとした現場指揮官による判断ミス

である。と監査報告が上がっています。

コレに対しては私も全面的に同意します」

 

「・・・そうですか」

 

織斑千冬としても、弟に罪をかぶせる

ことなく自分で責任が取れる。コレは

司馬監査員による彼女に対する救済処置か。

 

「後は緊急時におけるIS学園側の対応と

生徒の行動についての改善意見ですね」

 

これもな。こちらとしては改善案を

飲むしかない。

 

「生徒の避難誘導の粗さや凰さんへの

遅滞戦の指示に関しての指摘も粛々と

受け止めるしかありません。

事実、本来なら学生にヤらせるモノ

ではありませんからね」

 

「・・・はい」

 

それはそうだろうさ。どこの世界に

テロリストの鎮圧を高校生にやらせる

国際組織があるというのだ。

 

タダの学校では無いのだぞ?

 

と言うか更識楯無は何をしていた?

まさか一般生徒に混ざって避難誘導

ではないだろうな?

 

カウンターテロとはこういった場合に

反撃するためのモノだろう?

 

味方の犠牲より敵の殲滅を任務とする

暗部の長が表の連中に混ざって避難誘導

など笑い話にもならん。

 

現場にすら到着してないってなんだよ。

 

後で報告を受けるが、まぁ避難誘導か

防壁の解除活動をしていたのだろうな。

 

・・・コレだから覚悟も何もなく機械に

頼り切る小娘はダメなんだ。

感情を切り捨て機械を使いこなす妹の

更識簪の方がよっぽど暗部に向いている。

 

「それに『学園としては防壁とテロリスト

の鎮圧ならテロリスト鎮圧を優先すべきで、

最低でも織斑一夏が乱入する前に教師を

戦域に突入させ、気絶していた織斑一夏を

抱えて先に退避させるべきだった』ですか

なるほど、その通りです」

 

それ以外何も言えん。凰鈴音の邪魔に

なるから介入しなかったと言う現場の

言い訳は、この【織斑一夏を放置した】と

言う事実がある限り考慮に値しない。

 

コイツが一番邪魔したじゃねぇかってな。

 

そして篠ノ之箒による自己PRもなぁ。

 

あの茶番は何か?と言われたら、

なんとも言えん。

 

何故管制室に居たのか?何故管制室から

放送室に移動したのか?何故放送室の

機材の電源を落とさなかったか?

何故すぐに放送室へ人員を送り彼女を

避難または隔離させなかったのか?

 

・・・・・・

 

ホント何でだよっ!俺が聞きたいわっ!

 

これだけでも突っ込みどころが多すぎて、

司馬監査員も状況を文章に纏めるのが

さぞかし大変だったろうな!

 

「とりあえず篠ノ之箒に関しては

傷害の現行犯で2週間の停学を」

 

「・・・よろしいので?」

 

そうするしかない。無かったことに

出来れば良かったが、司馬監査員が

交渉を受け入れるかどうかがわからん

からな。交渉の前段階として篠ノ之箒

を罰しておくのは当然の事だ。

 

「よろしいも何も直接的な被害者が二人。

それに間接的に作戦行動を邪魔された

凰さんがいますからね。

彼女を無罪放免にしては司馬監査員に対し

更なる介入の口実を与えてしまいます」

 

まぁどうせ篠ノ之束の機嫌を取る

ために委員会の手が入るんだろう?

 

司馬監査員の権限がIS委員会の監査員

である以上、委員会を通したならこの

件を無かったことにすることは不可能

ではないのだ。

 

委員会に篠ノ之箒に対する減刑処分の

命令を出させよう。

 

後は甲龍を中破させられた中国と

冬林との交渉になるな。

つまり余計な組織を背負っていない、

司馬仲達との交渉というわけだ。

 

・・・もうこの時点でダメだろう。

勝てる気が全くしない。

 

前は個室と言うささやかな要求

だったが、今回は流石にそうも

行くまい。

 

中国と冬林技研に対する何らかの

便宜を図ることになるか?

 

あぁ。向こうは絶対こっちの現場の連中が

見てても、その意味が分かってなかった

って感じの厄介な手札を持ってるよなぁ。

 

それに対して現場にすら居なかった

私ではどうしようもないんじゃないか?

 

「とりあえず織斑一夏君は今日と

明日で精密検査を受けるように。

篠ノ之箒さんは今日から停学処分。

寮の外には外出禁止です」

 

甘い処分だが流石に独房は、喩え一日

でも篠ノ之束が許さんだろう。

後は司馬監査員との交渉か・・・

いや先にIS委員会だな。コッチを先に

しないと、IS学園が食い荒らされる。

 

「了解です」

 

「織斑先生に関しては、交渉の内容

によりますね。無かったことになれば

罰を受ける理由もなくなりますし、まぁ

減棒3ヶ月は覚悟しておいてください」

 

普通なら教育課程をやり直しなんだが、

IS学園と言う組織としてはこんなもん

だろう。

 

「はい。了解です」

 

本人も納得してるし。

 

さぁIS委員会に連絡だ。

 

あぁ、一応更識の報告も聞いてからにするか?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「簪ー。恋愛ってなんだろーねー」

 

燃え尽きてるねぇ。だけどゴメンね?

その質問には答えられないんだ。

 

本当に申し訳ないと思っている。

 

「んー私にはわかんないなぁ」

 

実際今まで女子中~女子高だし、小学校の

ときも周囲は大体大人の人だったし。

 

アニメとかの恋愛は、ほとんどがイケメン

にナデポニコポされるか吊り橋効果だし?

 

「えぇ?初恋とか無いの?そんなに可愛い

顔とバランス取れたスタイルしてたら

寄ってくる男なんか沢山いたでしょ?」

 

可愛い顔?それリンちゃんが言う?

 

それにバランス取れたスタイルって、

ソレは褒めてるのかな?かな?

 

リンちゃんの胸部装甲はアレだから

アレかもしれないけどさぁ。

 

「なんかスゴク不愉快な視線を感じる

けど、私が言い出したことだしね。

今回は許してあげるわ!(`・ω・´)」

 

そんな、ぐでーっとしながらキリッと

言われてもなぁ。

こういうのが可愛いって言うと思うん

だけど。なんで自覚ないのかな?

 

やっぱりアホの織斑のせい?

 

「質問の答えとしては、無いね」

 

実際そういうのは無かったなぁ。

そもそも習い事とIS研究と鍛錬と

アニメ鑑賞が忙しかったし。送迎も

あったから出会うきっかけがないよ。

 

「え~そんなの勿体なくない?宝の持ち腐れじゃん?」

 

宝(胸部)ですね。わかります。

 

私も司馬少佐に出会うまでは他の人と

比べてさりげなく一喜一憂してたし。

 

具体的には楯無とか虚とか本音とかっ!

アイツらはなんであんなに・・・

いや、司馬少佐に自分と周りをちゃんと

見ろって言われて確認するようになって、

ようやく私もそれなりにイイ感じなんだって

分かるようになったけどさ。

 

流石に篠ノ之箒とかみたいなのは

搭載したいと思わないけど、程々は

欲しいよねぇ。

 

「ほら、家がああいう家だったからね。

おかしな虫が付かないように色々ヤって

たみたいなんだ。私も男の人より

アニメとかISの研究とかしてた方が

楽しかったから不満に思ったことは

なかったんだよね」

 

実際私の周りには更識の監視が居たし?

 

家もね。一見したら黒服が出入りするヤのつく

自由業だし。アレじゃ友達も呼べないよ。

 

「あぁ~家の事情もあるのか。やっぱり

お嬢様だからお見合いが基本なの?」

 

「だね。あのままだったらお姉ちゃん

・・・当代の当主が決めた人とお見合い

して、そのまま結婚してたんじゃないかな?」

 

何もするなっていうのはそういうことだしね。

 

「ふぅん。お見合いを否定するわけ

じゃないけど、お嬢様も中々大変よねぇ」

 

「ソレが当たり前だって思ってた

からなんとも言えないなぁ」

 

今だって別にお見合いに忌避感とか

有るわけじゃないし。

 

リンちゃんがコッチにいたのは小学校5年

~中学2年だっけ?そのくらいなら初恋

とかも普通にするかもしれないよね。

 

その相手がアホの織斑だったわけだ。

 

何ていうか・・・ご愁傷様でした。

 

「ほぇ~。そんなもんかもねぇ」

 

「うん。そんなもんだよ」

 

初恋かぁ。そもそもここ数年で、

家の人以外で普通に会話とかした

男の人って大佐殿だけなんだよね。

 

あの人は優しくて冗談も理解できてネタも

しっかり返してくれるイケメンだけど、

司馬少佐の婚約者さんだからね。

 

そういうのがなかったら好きになってた

可能性はあるんだよなぁ。

 

あ、そうそう、司馬少佐がいるじゃん。

 

「だけどお嬢様って言ったら司馬少佐

なんか私なんかとは比べ物にならない

くらいのお姫様じゃん?何か参考に

なる意見とかあるかもよ?聞いてみたら?」

 

お姫様っていうか女王様って感じだけど

 

「え?司馬様はお見合いどころか普通に

婚約者じゃん?そこに好きとか嫌いとか、

そういうのって有るの?( ΦωΦ )?」

 

なんか今初めて気がついたって顔してる

けど、これは「司馬少佐はそういうもの」

って初めから固定観念が有って、疑問

とか覚えなかったパターンだね?

 

「確かにあの人は子供の時から相手が

決まってるんだもんね。

リンちゃんにしてみたら何だかなぁって

思うかもしれないけど・・・少佐的には

大佐殿が大好きだと思うよ?」

 

実際なんか勘違いした名家とかが大佐殿

に対して「司馬様を解放しろ!」とか

言ったらしいけど、当の司馬様に

「余計なこと言うな。死ね」って言われて

普通に処刑()されたらしいし。

 

「そうですね。好きとか嫌いは確かに

良くわかりませんが、少なくとも師を

敬愛しているのは間違いありません」

 

「「うわっ!!」」

 

こ、この人は気配が一切しないから

本当に驚くんだよね!

 

「し、司馬様、IS委員会からの用事は

終わったんですね?」

 

あ、さっきまでの話を無かったことに

しようとしてる。

 

こういう機会に司馬少佐にも色々聞いて

みるのも良いと思うんだけどなぁ。

 

「えぇ、予想通りIS学園は篠ノ之箒を処罰

することでIS委員会に対して一種の脅しを

仕掛けました」

 

「なるほど~篠ノ之束博士が黙ってないぞ!

処罰しても良いのか?!って感じですね!」

 

「逆転の発想と言うか何と言うか・・・」

 

司馬少佐の監査員としての立場はIS委員会

の承認が前提だから、あっちを押さえれば

良いっていうのは確かだけど・・・

 

「その通り。結果的に今回の襲撃事件は

何も無かったことになりました。

どうやら轡木十蔵は襲撃事件の事を隠した

まま、篠ノ之箒が何かしたとだけ大げさに

伝えその罪状を消すよう依頼させたようです」

 

ん?それっておかしくない?

 

「そもそも罪状は放送委員に対する

傷害の現行犯ですよね?」

 

コレを無くすのはまだわかるけど、

襲撃事件と切り離したら・・・

 

あぁ、ソレが司馬少佐の狙いか。

 

「ん~あの暴力女、普通に殴り倒した

みたいですけどねぇ。あんなの揉み消せ

るんですか?」

 

アレは武力じゃなく暴力だったよねぇ。

 

普通ならあっちはあっちで揉み消すのは

大変だと思うんだろうけど。

殴り倒された被害者が黛さんだからなぁ。

 

・・・おっと今は少佐の補佐をしないと!

 

「被害者の一人である黛さんは当代の

楯無とも友好関係がありますからね。

学園側からでは無く、生徒側からの

アプローチをするものと思われます」

 

何かしらの「お願い」はするんだと思いますよ?

 

「なるほど、学園側のもみ消しではなく

生徒同士の交渉という形でまとめる気ですか。

良手とも言えませんが悪手ではありません。

コレが現状のIS学園の限界でしょうね」

 

「え?でも事を大きくしないため

には良い手じゃないんですか?」

 

ん~一見すればそうなんだけどね?

 

「リンちゃん。そうなると学園側が言う

『他言無用』は誰からの命令になるの?」

 

「ん?それは・・・あぁ命令じゃなくて

生徒からの個人的なお願いになるのか。

それならソコから情報漏洩しても、校則とか

規約によって罰することは出来なくなる?」

 

「そういうことだね」

 

責任逃れの最大のデメリットだよね。

 

「つまり我々の介入を嫌ったが故に、

あえて俗物を介入させ命令系統を

うやむやにして、我々の行動を縛ろう

としたのです。その結果この中途半端な

情報統制となりますね」

 

統制できないならそんなの無意味ですよね。

 

「しかしIS委員会の軛がない方が

司馬少佐は手ごわいことを知ってる

でしょうに。

学園は何が狙いなんですかね?」

 

IS委員会より中国や冬林技研の方が

マシと判断したということ?

 

「利権に絡もうと必死になる俗物ども

よりは、最初から目的がわかってる我々

の方がマシと判断してるのは事実です」

 

いや、絶対にマシじゃないですよ。

理事長も更識も馬鹿なんじゃない?

絶対目的読み違えてるよね?

 

司馬少佐が無欲な善人に見えるの?

 

「目的、ですか?司馬様がココに居る

のって、簪の勧誘と私の機体調整が

任務でしたよね?」

 

・・・何かしらの新しい任務が

出されたって考えるのが妥当かな。

 

そのことを理事長は理解できてる?

それともできていない?それによって

司馬少佐との交渉の成否は別れる

ことになるよね?

 

「まさか。引き抜き任務が終わったから

と言ってソレで終わりにはなりません。

当然次の任務がありますよ」

 

「あ、あぁ、そうですよね!

あの副所長さんが司馬様を遊ばせて

おくはずがないですよね!」

 

『あの副所長さん』って言い方はどうかと

思うけど。その通りだよね。

 

「では次の任務というのもIS学園絡みでしょうか。

もしかして他に引き抜く相手が?」

 

誰か居るのかな?本音は・・・

無いね。これ以上更識の人間は

いらないだろうし。

あの子の整備能力もあくまで学生に

してみたら上って感じだし。

 

「引き抜きや破壊工作といった特定の

何かではありませんね。

取り合えずの任務はIS学園の戦力

を低下させることです」

 

「「あぁ」」

 

なるほど。そりゃ中国としてもIS委員会

としても懸念事項ではあるよね

 

「普通に考えれば過剰戦力ですもんね!」

 

「しかもまともに使えない連中が兵器を

持っている状態ですから。しっかり管理

したほうがいいです」

 

管理できないなら減らせってね。

 

「最初の目標としては学園の実機を

減らして高精度のシミュレーターを

導入させることになります。

今のままでは実機の数が少なすぎて、

まともにISに触れることすら出来て

いませんから、そこを突きます」

 

「なるほど。実機がなくなれば戦力としては

ダウンですが、それを上回る数の高精度

シミュレーターが有れば学生の質の向上

に繋がりますし、事故による負傷者も減り

ます。学園としてはそれが正しいですよね!」

 

「ですね。整備に関してもISの実機なんか

2~3体有れば十分でしょうし」

 

所詮学生が使うモノ。一流企業ですら

3体も整備に使うなんて出来ないんだし、

中途半端な腕の人間しか育てられない

IS学園なんかには尚更必要無いよね。

 

で、浮いた分は各国の研究室に送られる

ことになるのか。

 

うーん。これって学園側としては相当

ヤバイと思うんだけど・・・

 

「けどIS学園はソレを知りながら

司馬様との交渉を選んだんですか?」

 

まぁ知らないでしょうね。こんな

発想は大佐殿や司馬少佐くらいしか

出来ないもの。

 

「まさか。連中は中国や冬林技研に

便宜を図る程度しか考えてませんよ」

 

やっぱりか。

 

これなら襲撃や篠ノ之箒の映像は強力な

武器になるよね。

何せ司馬少佐は篠ノ之束に対して遠慮

や配慮をするような人じゃないんだから。

 

これはもしかしたら…IS委員会の俗物も

狩る気かな?

 

「とりあえず今回の襲撃に関しての

我々の要求ですが、連中から何か接触

があったら伝えますし、何も無ければ

保留です」

 

保留?あぁなるほど。

 

「え?保留で良いんですか!?」

 

こういう時こうやって素直に聞けるのが

リンちゃんの良いところだよね。

・・・軍人としては矯正対象だけどさ。

 

「リンちゃん、いや准尉。この場合は

溜めるって考えるんですよ」

 

「溜める?」

 

「特尉の言うとおりですよ准尉。

ドイツの人形とフランスの阿呆が

来るではありませんか」

 

やっぱりね。

 

「あぁ!絶対問題なりますもんね!」

 

「ですよね。私にはIS学園が勝手に爆弾

抱え込んで派手に転んで自爆してるよう

にしか見えないんですけど・・・」

 

ここまでくればコントですって

 

「まさしくその通りですね。そうやって

無様を晒した連中を散々笑い倒した後で

我々も動きます。とりあえずは両名に

フランスの阿呆シャルロット・デュノア

への接触を禁じます」

 

「「はっ!」」

 

わざわざ危険物に近づく気はありません!

 

「ドイツの人形ラウラ・ボーデヴィッヒは

向こうが勝手に准尉に絡んで来るでしょう。

その目的は第三世代機甲龍の戦力調査です。

 

それ故准尉には

 

1・自衛以外での専用機の展開禁止。

2・映像記録を必ず取ること。

3・挑発行為に乗らないこと。

4・接触してきたら即座に私か特尉に連絡。

 

以上の4点を命じます。

ちなみに違反した場合ですが・・・」

 

「「ですが・・・?」」

 

この人が引っ張るってことは相当

アレなことをさせる気だよね?

 

「コジマより、深海における人間としての

耐久実験と、深海でも光は見えるのか?

と言う実験の稟議書が上がっていると

だけ教えておきましょう」

 

「了解です!絶対違反しません!」

 

に、人間としての耐久実験って、ISは

関係・・・あるか。火星の海とか他の

星にも海とかあるみたいだし。

でも宇宙放逐クラスのアレですよねぇ。

 

それに深海で見える光?クトゥルフ?

 

ま、まぁ兵器の私的使用は銃殺が

普通ですから違反した場合の人材の

有効活用案なんでしょうけど。

 

まさかリンちゃんにまでそんなこと

しないですよね?

 

あくまで脅し・・・だといいなぁ。

 

「あぁそれと特尉」

 

「はい!」

 

私も絡まれたりするんですか?!

専用機はありますけど第二世代ですよ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女、師の側室に興味ありませんか?」

 

「はい?」

 

 




二次SSではイッチーやモッピーが命令違反
とかでアレな扱い受ける場合があるけど、
本来この場合ってちーちゃんとか
やまちゃん先生が罰則受けるべきだよね?

あと奇襲に気付かなかった観測員と
何故か居ない楯無サンとか。
まぁ楯無サンは原作者得意の後出し
設定だからアレですけど。

リンちゃん恋愛に疲れ気味?
弟子、かんちゃんを巻き込む気?ってお話

うぃきでは凰が正しくて鳳が誤植だって?
コミックス!何するダー!ちゃんと監修しろよ!

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