とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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おどろく十蔵さん

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第23話

「はぁ?ラウラ・ボーデヴィッヒが?」

 

コレは・・・どういうことだ?転入してから

今まで連中とは何の接点も無かったはずっ!

 

この週末にドイツと中国の間で何があった?!

これだけの動きに対して根回しも何も無いなど

有り得んぞ!

 

「ん?またアノ子が何かしたんですか?」

 

このっ!・・・仮にも暗部組織の長だろ?

いや、まさか既に知っていた?学生の

間では常識でワザワザ私に報告すべき

内容では無いと判断しているのか?

 

「更識さん、この書類の内容を確認してください」

 

とりあえず見せてみよう。リアクションを

見ればわかるだろう。

 

「えっと、ラウラ・ボーデヴィッヒさんが

ドイツ軍から冬林技研に所属を変更?!

更に専用機とISコアはドイツに返却したから、

選抜戦には不参加ぁ?ど、どういう事?!」

 

・・・知らなかったか。

 

ドイツ側の書類はラウラ・ボーデヴィッヒ本人

からの所属変更届けに加え、首相と大統領の

連名付きで正式な公文書も添付されている。

 

これに関しては「そうですか」としか言えん。

 

国籍や所属、階級などには関与しないと言う

IS学園の理念からすれば、所属の変更に関して

はあくまで問題発生時の連絡先や、責任の所在

を明確にするためのモノだからな。

 

ラウラ・ボーデヴィッヒからの書類には

冬林技研の所属で有ることを認めるモノ

も有るし、これも受理するしかない。

 

問題はこの後だ。ラウラ・ボーデヴィッヒが

選抜戦に参加しないとなると、試合は織斑

一夏とデュノアの二人で優勝は確定する。

 

IS委員会としては問題ないが、このまま

何も無くデュノアが功績を挙げてしまえば

フランスと我々が追い込まれる事になる!

 

「・・・織斑先生を呼んでください」

 

「は、はい!」

 

一回戦の第一試合で織斑一夏とデュノアの

コンビとラウラ・ボーデヴィッヒを戦わせ、

他の一般生徒やISコアの損耗を防ぎつつ

IS委員会からの要望である織斑一夏を優勝

させると言う策だったがな。

 

ついでに吊り橋効果でデュノアとの仲を

進展させ、ラウラ・ボーデヴィッヒの

鼻っ柱をへし折ることでその素行を改め

させると言う狙いまで有ったが、流石に

欲張りすぎたか。

 

考えるべきは、ここで我々の梯子を外して

誰に何の得が有るのかと言うことだ。

 

中国と言うか、冬林技研の連中は自分達から

彼女への接触はしていない。

 

ラウラ・ボーデヴィッヒも、彼女らとは

関わらないようにしている節があった。

 

しかし司馬監査員もラウラ・ボーデヴィッヒ

も更識簪も、特に他の一般生徒と関わって

ないから普段の動きが全く読めないんだよな。

 

機械が潰された今、諜報は人の力を使わねば

ならんが、更識はあくまで日本の暗部の暗部。

 

人材の量も質も、いや、それ以前に格が違う。

情報の収集は3歩は遅れると見るべきだ。

     

そうなると現状から予測するしか無い

わけだが・・・

 

そもそもの話。今さらコアも専用機を持たない

ドイツの軍人など手に入れて奴等に何の得が

あると言うのだ?

 

いや、特殊部隊の隊長と言う実績が

あったな。そこから情報を得る?

だが、それならドイツが手放す理由が無い。

 

ん?まて、特殊部隊の隊長?アノ歳で?

 

・・・っ!!そう言うことかっ!私もISと

言う存在に踊らされていた!

 

15で隊長?15で少佐?おかしいだろう!

士官教育はどうした!実績はどうした!

少年兵として強制従軍でもさせたか?

この眼帯は何だ?戦傷を隠すためのモノか?

 

先進国ならばどこの国のどんな部隊だって

その存在自体が政治的汚点ではないかっ!

さらに、よりにもよってドイツだぞ?!

 

学校を卒業してから兵士にするのではない。

既に実績がある少年兵だっ!

 

この存在がどんな意味をもつ?あのドイツが、

2度の世界大戦を起こしたあの国が非人道的

行為を用いて軍事力を強化していると言う

動かぬ証拠だろう!

 

それがIS学園で学生だと?問題行動云々では

無いだろうがっ!これなら根回しなどいらん。

この事実だけでドイツを動かせる!

 

・・・完全に腑抜けていた。

 

問題行動を起こすモノの、我々に被害を

及ぼす存在では無いと判断し、政治的な

価値を考えることを放棄してしまった。

 

フランスの小娘に気を取られたなど

言い訳にもならん。

 

しかし今まで放置しておきながら、今この

タイミングで彼女を引き抜いたのは何故だ?

裏取りに時間が掛かったのか?

それとも我々の狙いの邪魔が目的か?

 

その場合の目的とはどちらだ?織斑一夏の

優勝を邪魔することか?それともデュノア

への介入?

 

どちらにせよタッグ戦にしたことは失敗か。

 

元々織斑一夏を優勝させる為には、凰鈴音や

デュノアとの戦いにも勝つ必要があった。

 

だからこそ敵を減らす為にタッグ戦にした

と言うのに、敵が居なくなればどうなる?

周囲からはどう見える?

 

専用機持ち二人による初心者に対する無双

・・・学園が絡んだ八百長ではないか。

 

八百長でフランスに便宜を図った学園の

立場はどうなる?

 

小娘の立場を守るためと言えば聞こえは

良いかも知れんが、本来は犯罪者だ。

 

犯罪者を守るために小娘に実績を与える?

それが中立を唱うIS学園のすることか?

 

世界で唯一の男性操縦者の立場を守るの

とは訳が違うぞ?

 

「十蔵さん。織斑先生を呼んできました!」

 

来たか。

 

「遅くなりました。月曜の朝から緊急事態

と言うことでしたが?」

 

コイツは・・・本当に政治的な目は無い

のだな。更識も、いくら暗部でも政治を

全く理解していないなど、普通に考えたら

大問題だと思うんだが。

 

いや、私も気付かなかったんだから

偉そうな事は言えんがな。

 

「えぇ、こちらの資料をご覧ください」

 

さて、コイツはどう行ったリアクションを

取るのだろうな?

 

「はぁ?!」

 

・・・普通だな。

 

――――――――――――――――――――

 

「はぁ?!」

 

ラウラがドイツから冬林技研に移籍だと?

出向ではなく?!

 

「織斑先生。彼女らが編入してきてからまだ

一週間ですが、彼女達に何か目立つ接触は

有りませんでしたか?」

 

「い、いえ、私が知る限りは何も・・・」

 

そもそもアイツは私の後ろを追うことと

一夏に対して執着していたし、どんな

理由があろうとも自分で亡命や帰化など

政治的な判断が出来るようなヤツでは無い。

 

つまりは純粋にドイツの首相と大統領から

の移籍命令が出たと言うことだ。

 

軍人としての生き方しか知らんアイツは、

命令なら何の文句もなく従うだろう。

 

移籍先が冬林技研で有ると言うのが唯一の

救いではあるが・・・

 

「ちなみに織斑先生がドイツで、教官を

していたのは三年前でしたか?」

 

ん?私の経歴など既に知っているはずだが

・・・次の話に必要な確認なのだろうな。

 

「正確には三年前~二年前の一年間ですね。

それから一年置いてからIS学園に教員

として、招聘されました」

 

何だかんだで二年目の新人教師なんだよな。

それなのに防衛指揮官だとか学年主任とか

どうなってるのやら。

 

それにアイツと出会ってからもうそんな

になるのか。そりゃ小娘も生意気に育つか。

 

「いや、その時点でおかしいと思って

下さいよ・・・」

 

「・・・え?」

 

な、何かおかしい事が有ったか?!

 

「3年前なら12歳ですよ?その年頃の

子供が特殊部隊に所属しているのは異常

なことでは無いと言うのですか?」

 

・・・・・・ん?

 

「・・・あっ!」

 

わ、私はドイツで何をしていたのだ?!

アイツが一夏と同い年と知っていただろう?

 

少年兵に改造手術と軍事教練を施すって

まんまテロリストじゃないか!

 

先進国のやることでは無いだろうがっ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

コイツは・・・

 

「つまり、今の今まで少年兵の教導に

関して何の疑問も抱いてこなかったと」

 

「・・・はい」

 

いや、いくら弟の情報をもらった相手

だからといって、盲目的になりすぎなん

じゃ無いか?

 

「まぁ私もこの動きが有るまで特に

疑問を覚えませんでしたから偉そうな

ことは言えませんがね?

流石に直接面識がある織斑先生くらいは

疑問に思いましょうよ」

 

どう考えてもおかしいだろうが

 

「・・・はい」

 

それにこの情報があれば彼女の問題

行動には別の側面が見えてくる

 

「つまり彼女は軍事以外のことを知らない

少年兵です。

ソレがいきなり軍事と切り離されたIS学園

に転入なんかしたら、一般の生徒との

価値観の違いから衝突するのは当然です。

むしろ衝突しない方がおかしい」

 

どう考えても衝突するし。その解決

方法は軍人的思考から考えて暴力を

前提とした話し合い()だ。

 

「・・・はい」

 

「それなら彼女は隔離・・・というと

語弊がありますが、一般生徒とは別に

してカウセリングやメンタルケアを

行うべきではありませんか?」

 

そうしないと両方壊れるだろうが。

一般生徒に混ぜるのはそれからだろう?

 

「・・・はい」

 

「ソレらの問題を放置してISを使った

戦闘行動の容認なんかしたら、大惨事

間違いなしですよね?」

 

ドイツの自爆と言えば良いかもしれんが

教育機関としてのIS学園だって無関係

ではないぞ?

 

たかだか一ヶ月でも学園の生徒だ。

 

「教師は何をしていた」という意見は

必ず出るし「少し背後関係を見れば

歪さに気付くだろう?」と言われれば

我々には返す言葉もない。

 

「・・・はい」

 

これに対して試合で片を付けろって・・・

 

「選抜戦は不参加だそうです。これは冬林

技研が彼女にIS展開の許可を与えない為

だそうですが・・・簡単に人の命を奪う

兵器の使用許可を多感な15歳の少女に

預けるようなことはしない。というのが

あちらの言い分です。まぁ当然ですね」

 

「・・・はい」

 

本当にな。一応校則で無許可のIS展開は

禁止事項としているが、明確な罰則がある

訳でもないしロックを掛けているわけ

でもない。

 

つまり専用機持ち同士の喧嘩に巻き

込まれたら普通に人が死ぬ環境なわけだ。

 

篠ノ之箒のように感情で木刀を振り

回して学園の施設を破壊し、テロの

現場で無関係の一般生徒を殴り倒す

ようなのも居るんだ。

 

コレが10代女子と言うなら私には

制御できん。

 

これは各国に各種武装のロックを要請

するべきだよな。

 

「それで、織斑一夏君とデュノア君に

敵が居なくなったわけですが・・・

結果として茶番の八百長試合を各国の

要人に見せることになりました」

 

もともと選抜戦をタッグマッチにすると

言うのは、単独でラウラ・ボーデヴィッヒ

と戦える生徒が中国の凰鈴音しか居ない

と言う事情がある中で、IS委員会から

織斑一夏を選抜戦で優勝させろという

指令があったから。

 

それに対して当初はラウラ・ボーデヴィッヒ

と凰鈴音を戦わせて勝った方にデュノアを

当て、さらに損耗したところに織斑一夏を

ぶつけるというのが私の想定した流れ

だったが、織斑千冬や山田君からの報告で、

それでも織斑一夏は勝てないと判断された。

 

そこでタッグマッチに変更して、まともな

連携が取れないラウラ・ボーデヴィッヒ

や凰鈴音と戦わせればなんとかなるかもと

言う意見を採用したんだがな。

 

その結果がこれだ。

 

まぁそもそも素人の織斑一夏を優勝

させろというのが無理なんだよ。

 

例年どおりなら、まぁ何とかなった。

 

専用機さえあれば相手は訓練機で

まともな戦闘行動を知らない一般の生徒。

 

相手によって苦戦する可能性はあるが

最終的には勝てただろう。

 

だが今年のメンツを見ろ。

 

イギリスの代表候補生を皮切りに中国

・ドイツ・フランス・場合によっては

更識簪まで参加だぞ?最悪司馬仲達も。

 

同じ専用機持ちで訓練も積んできている

相手に、何の訓練も積んでないガキが

勝てるわけないんだよ。

 

必然的に対戦カードやルールを変更して

織斑を有利に持っていくことになるが、

それだけ準備を整えたあとでその敵が

軒並み居ないのではなぁ。

 

このままでは少なくとも女権団体あたりが

「IS学園が男性操縦者を不当に優遇した」

と騒ぐことになる。

 

デュノアについても公式には男扱いだから

反論も何も出来ん。

 

かといって現在参加に消極的な冬林技研

の連中に参加を要請したらどうなる?

 

司馬監査員の護衛である更識簪が出てきて

凰鈴音とタッグを組み、無双して終わりだ。

 

ラウラ・ボーデヴィッヒと戦わせて

損耗させると言う策も使えない以上、

織斑とデュノアに勝ち目など皆無。

 

あちらが我々に華を持たせる理由も無い。

 

何せ織斑一夏を優勝させると言うこの

小細工は、本来なら監査対象だからな。

 

IS委員会の指示と言っても切り捨て

られて終わり。

 

流石に司馬監査員を相手にするのに

あんな連中を後ろ盾には出来ん。

後ろから撃たれるに決まってる。

 

八百長か、惨敗か。

 

今後の予算編成を考えれば、今の段階で

IS委員会に逆らうことなどできん。

 

そして委員会の連中からすれば

「雑音は現場で片付けろ」で終わる話だ

 

・・・八百長しかないか。

 

最初からラウラ・ボーデヴィッヒの

歪さに気付いていればメンタルケア

を理由に出場権の剥奪も出来たものを。

 

いや、過ぎた事だな。後は司馬監査員が

止めを刺しに来る前に、選抜戦への参加を

見合わせてもらうよう交渉するか。

 

今の段階なら交渉で何とかなるからな。

 

参加も不参加も表明していないのは

そういうことだろう?

 

「はい。コチラ更識・・・ドイツで緊急

放送?テロ?国家転覆?!じゅ、十蔵さん!

テレビ!テレビ付けれますか?!」

 

ドイツで?向こうは真夜中だぞ?しかし

このタイミングは偶然ではないだろうな。

 

「えぇ。ちょっと待って下さいね」

 

 

 

 

「「「・・・」」」

 

 

 

 

「ド、ドイツの上級軍人、科学者による

生体兵器の作成?!関係者をテロリスト

と認定し国家転覆罪で極刑・・・

資金提供者も実名を公表?!」

 

「生体兵器ですか・・・これは彼女

のことですかね?」

 

そうか、遺伝子改造も受けていたか。

 

それに彼女の眼帯も改造手術の結果

だったとか?

コイツは、なぜソレに疑問を抱かないっ!

 

「・・・おそらくそうです」

 

・・・ドイツは証拠隠滅に動いたか。

この逮捕から報道までの動きを見るに

接触したのは昨日か一昨日。

 

ドイツの上層部は知らなかったのだろうな。

 

時差を考えればあちらは深夜だが、

むしろ深夜だからこそ担当者を拘束

しやすかったと言うのもあるだろう。

 

報道されるということは全部終わった

という事。

 

今更連中をつついても何もならん。

 

一応調査はさせるが、まぁ当たり障りの

無いモノしか出てこないだろうな。

 

彼女の目についても、失明したから

手術したと言うことにして、その後の

経過に多少問題があったようだと言う

感じか?

 

ソレを織斑千冬の教導のおかげで

克服したと。

 

わざわざ虐待だの落ちこぼれだのと

言った扱いはしないだろう。

 

特殊部隊の隊長についてはどうする?

 

・・・適当な論文を公表して天才指揮官

扱いで良いか。

その実績を買われて冬林技研に出向

しているとすれば誰も文句は付けられん。

 

織斑千冬とてこれに対して否定的な

発言をすればドイツがどうなるかくらいは

わかるだろうから、口を噤むしかない。

 

 

完敗だ・・・また勝てなかった。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

「それで、私たちは正式に選抜戦には

参加しないことになったんだよ」

 

言われてみれば試合に参加しない

って言うのは私たちの中でだけ決定

してたんだもんね。

 

リンちゃんにタッグの申請書類を提出

させなかったのは、出場を保留してる

って認識させるためだったのか。

 

「へぇ。確かにラウラが出場しないなら

私たちが欠場する理由もなくなるけど、

私も好き好んで一夏を一方的に痛めつけて、

一夏の評価を落としたいわけじゃ無いし?

参加の見合わせは妥当かな(´・ω・)」

 

優勝者はアホの織斑と付き合えるとか

言うアホみたいな噂も、司馬少佐に

正面から嘘だって諭されたからね。

 

普通に考えたら人権侵害だってわかる

と思うんだけどさ。

 

アレは何なんだろ?参加者を棄権させ

ないために学園が用意した罠?

 

スゴク・アホくさい罠だけど10代女子

には効果的みたいなんだよねぇ。

 

「私はそもそも参加資格が無いし。

万が一あってもその気が無いからな。

今日織斑一夏に謝罪したら、冬林技研で

一週間のカウセリングと一般教養の授業。

専用機のフィッティングを予定しているよ」

 

コッチはコッチでスゴク・丸くなってるし

・・・ドイツだけにマルク?

 

・・・

 

流石尊厳を崩壊させる伝説の命奪崩壊拳!

私の尊厳も崩壊するところだった?!

 

それに一週間かぁ。教師は誰かな?

それに土日はどうするんだろ?

 

司馬少佐の邪魔はしないと思うけど・・・

 

「そういえばラウラさん?」

 

「んむ?」

 

こうして座ってデザート食べてると

タダの可愛い銀髪ロリなんだけどねぇ。

 

「命奪崩壊拳って・・・痛いの?

私、週末受ける予定なんだけど」

 

麻酔みたいな感じで、知らないうちに

全部終わってるとかだと嬉しいんだけ

どねぇ?

 

「「はぁ?!」」

 

め、滅茶苦茶驚いてるけど、やっぱり

普通はそうだよね!死ぬんだもんね?

何やったんだってなるよね?

 

「あ、アンタ何やらかしたの?!

副所長さんを寝取ったとかじゃない

でしょうね!」

 

し、シツレイな!

 

「私は司馬少佐公認の側室さんだから、

寝取るも何も普通にシてるよ!」

 

浮気じゃないもん!

 

「( ゚Д゚)オトナノカイダンノボッテルダト?!」

 

もう登りまくりだよっ!

 

「寝取るが良くわからんが、側室はわかる。

ならば、正妻である少佐殿から簪特尉に

対するイジメか何かか?」

 

司馬少佐がそんなことするはず

・・・躾って言ってたなぁ。

 

アレは冗談半分で本気半分だよね。

けど今回は違う意図があるって

わかってるし。

 

「それなら態々告知なんかしないよ。

何でも地獄を経験することで人として

不要な殻を破り、強制的に成長させる

ための洗礼みたいなモノだって話だよ?」

 

地獄から這い上がってきて初めて

人は成長出来るって言ってたね。

 

「そ、そうか。確かに私も殻を破った

と言われればその自覚はある」

 

うん。人形から脱却してるもんね。

 

まさしく『「馬鹿は死ななきゃ治らない。

ならば死ねば治る」の理』だよ。

 

『「治るまで死ね」の理』でもあるって話

だけど、流石古代中国の戦争を勝ち抜いた

人たちの教えだよね。

 

そこに容赦って言葉が無い。

 

まぁ、そんなのを許容出来る時代では

無かったと言うことなんだろうけどね。

 

「私は見ただけだけど、確かにアレを

喰らったら「もう何も怖くない」って

領域に至れるのはわかるわ」

 

自分のだらしなさを見つめるんだよね。

 

ラウラさんはリンちゃんに介護された

って言うから、尚更か。

 

「うむ。アレはその場の痛みだけで

なく痛みが持続するのだ。

更に痛みで目の前が見えなくなるのに

ナニカが目の前に居るのがわかるんだ」

 

・・・やっぱり痛いのかそれに

 

「な、ナニカ?」

「(;゚д゚)ゴクリ・・・」

 

「赤くて青いのだったり、白いのに

黒い硬い液体っぽいのがな。徐々に

近づいてくる感じだ」

 

わけがわからないよ!

 

クトゥルフじゃん?!SAN値直葬され

てるじゃん!

 

「アドバイスとしては、アノ優しさ(?)

に包まれたらダメだな。起きれなくなる

だろうから、包まれる前に跳ね返すことだ」

 

「「優しさ(?)ってナニ?!」」

 

一体ナニに包まれるの?!

 

「後は・・・やはり垂れ流しだからな。

食事は取らず、風呂場で受けるのが良い

だろう。ヘタに携帯用オムツとか使うと

タイヘンなことになると思うぞ」

 

「な、なるほど・・・」

 

食事は取らないほうが良いんだね?

何時から抜いたほうが良いのかな?

前日の夜からとか?でもそんなこと

してたら栄養が足りなくなるんじゃ

ないかな?

 

司馬少佐に、いや、ここは大佐殿に聞いた

方が良いかも!

 

「・・・ねぇ、ソレって私も受けるのかな?」

 

何を言ってるのかな~この子は?

 

「そんなの当たり前でしょ」

「当たり前だな」

 

「( ゚Д゚)」

 

いや、そんな驚かれてもね。

 

「むしろなんで自分だけ無事で済むと

思っているのか知りたいよ」

 

洗礼とか儀式なら、最初はリンちゃん

が受けるのが普通だよ?

 

「そうだな。言ってはなんだが、操縦者

として現状一番の未熟者は准尉だ。

成長する機会は逃すべきではないぞ?」

 

まぁ受けるには資格が必要だって言う

ならまだ大丈夫かもしれないけど、

そういうのは早めに済ませたほうが

良いと思うんだよね。

 

・・・一番良いのはラウラさんみたいに

いきなり受けることだけどさ。

 

告知有りって滅茶苦茶不安なんですけど!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

「しかしラウラさん?少尉が織斑先生に

会ったのが三年前~二年前だと

時間的におかしく無いですか?」

 

「む?おかしいと言われてもな」

 

朝の鍛錬に向かうと言われて、向かった

先で待っていた更識簪特尉を凰准尉に

紹介してもらい、そのまま自己紹介と

なったんだが・・・

 

経歴がおかしいって言われてもなぁ。

実際そうだし。

 

ん?まてまて。四年前教官が20~21の

ときに第二回世界大会で21~22の間で

我々の教官、22~23は1年間ISから

離れて、去年IS学園に招聘されて23~24。

それで今年24~25だから、やはり

間違いは・・・うん?

 

つまり今年が第三回世界大会?んん?

そんな話聞いたことがないぞ?

誕生日の関係で多少のズレはあるかも

知れんが、それでもおかしくないか?

 

アレ?私の年齢は書類上のモノだから

アレだが、教官の年齢は今が24で

今年25になる感じで間違ってないよな?

 

いやそうなると教官が第一回世界大会で

優勝したのが、16~17になるぞ?

 

まてまてまてまて。今から10年前にIS

が世界に公表されたろ?

 

そのときの教官との時系列はどうなる?

 

ISが公表される 14~15 (5~6)

第一回世界大会 16~17 (7~8)

第二回世界大会 20~21 (11~12)

ドイツの教導  21~22 (12~13)

1年置いて   22~23 (13~14)

学園の教師   23~25 (14~16)

 

 

教官はIS学園の教師として二年目で

ドイツの教導は丸々1年だった筈だ。

もしかしたら20の後半~22だが

これでまぁ問題ないんじゃないか?

 

いやはや10~11の私に改造手術を

行うドイツは確かにロクデナシだな。

まぁそれはそれとしてだ。

 

世界大会は二回しか行われて

いないから、4年に1度。

 

3年に1度なら去年に第三回世界大会

が無ければおかしいからな。

 

あれ?やっぱり今年が世界大会?

それとも何かあって中止とか延期

になった?

・・・可能性が有るとすれば織斑一夏

だが世界大会だぞ?

 

莫大な金が動いてるし、女権団体にして

みたら自分達の権威を高めるチャンス。

 

むしろ織斑一夏無しで行うか、あえて素人の

織斑一夏を参加させることで見せしめにしよ

うとするだろう。つまり止める理由が無い。

 

つまり・・・どういうことだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしのまわりのじかんの

ながれがおかしい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだラウラさん!これ以上は

せかいのほうそくがみだれるっ!」

 

「ツッコンだのアンタじゃん(-_-)」

 

 




十蔵さんも後付けキャラですからねぇ。

政治的に優秀な人なら気付くよね?
利用するよね?

それがこのザマですかってお話


女子トークは食堂などではなく、
防音の効いた部屋でしているもよう


おまけ?ハハッ。

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