とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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時系列的には前話と同日

朝練~朝食。HRまでの時間のお話

オマケ?そんなモノは無かった。

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!



第24話

「おはようございます司馬少佐殿!」

 

「えぇ、おはようございます」

 

ふむ。出発前のアイサツですかね?

まぁアイサツは大事です。

師も言ってますから間違いありません。

 

「それで、朝から申し訳ありませんが

一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?!」

 

ん?朝のHR前に織斑一夏に謝罪したら

冬林技研に行く予定の少尉が、わざわざ

私に会いに来てアイサツだけでなく

質問まですると?

 

「まぁ、私に答えられることなら」

 

時間がないわけではないですし、少尉は

人形から脱却したばかりですからね。

 

学園内において変な考えを持つ前に

私がしっかり教導せねばなりません。

 

「ハッ!ありがとうございます!

では・・・凰准尉からの情報で

「大佐殿を寝取ればラウラの将来は安泰ね」

と言われたのですが、コレはどういう

意味なのでしょうか?」

 

「・・・ほう」

 

さて、コレはどういう意図があるのか。

 

少なくともコイツが私に喧嘩を売って

いると言うことでは無いというのは

わかるんですがねぇ。

 

「現状、何か私の将来に不安があるとは

思えないのですが、何か問題が発生

する予定があるのでしょうか?それと

そもそも寝取りとはなんなのでしょう?

凰准尉からは、ぼかした説明しかなく

結局のところ良くわかっていないのです」

 

・・・コイツはあくまで自分の将来に

不安があるなら、今のうちに何とか

したいと思ってるだけだな。

それ自体は当たり前の話ではある。

 

「知らないことを知らないままにせず、

キチンと確認しようとする少尉の姿勢

は評価しましょう」

 

話の流れからすれば師に会う前に必要な

知識だとはわかるが、正しい寝取りに

ついての意味はわかっていないと。

 

コレはココで処分する必要はないな。

 

知識については・・・特尉に教えさせるか。

 

冬林技研だとHENTAI共がおもしろ

おかしくいらんことを吹き込んで、

師を巻き込む可能性があるからな。

 

師の子供のことを考えれば、コイツも

遺伝子的には悪くはないかもしれんが

・・・母体としての相性やらなにやら

も研究させるか。

 

何せ遺伝子改造された存在だし。

 

キサラギなんかは頼まれんでもヤる

だろう。報告させればいいだけだ。

 

「・・・なるほど、少尉の心配は

わかりました。現状は特に問題が

発生する予定はありません。

寝取りに関する知識は特尉に聞きなさい。

更に言えば師を寝取ることは不可能

ですし、ソレを試みた時点で貴女は

宇宙に投棄されることになるでしょう」

 

私公認ならまだしも、また師が自分の

意思で手を出すなら目こぼしもしますが、

これでは師に対するハニトラですからね。

 

流石に認めることはありませんよ?

 

「か、かしこまりましたっ!ご教授

アリガトウゴザイマスッ!」

 

さて、問題は准尉だな。

 

「えぇ、迎えはもうすぐ来ますから、

特尉への確認と織斑一夏への謝罪は

出来るだけ早く済ませるように。

あぁそれと凰准尉を呼びなさい。

大至急だ。何をしていようと関係ない」

 

授業?休ませろ。

 

「た、直ちに凰准尉を呼び出します!」

 

「急げよ」

 

「はっ!」

 

さてさて、一般常識に疎い少尉に余計な

ことを吹き込んでくれた准尉には、ナニを

どうしてあげましょうかねぇ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

なんかラウラがめっちゃ焦って呼びに

来たから、急いで司馬様の部屋に来たら

有無を言わさず床に正座させられてる

件について(´・ω・)

 

いや、え?なんで司馬様怒ってんの?

 

「さて凰准尉。授業前の貴女を呼び

出した理由ですが。わかりますか?」

 

「わ、わかりません」

 

いや、え?なんで司馬様怒ってんの?

 

大事なことだから二度言うけど、

司馬様って怒ってるのを外に出す

人じゃないですよね?!

 

「そうですか。では質問を変えましょう。

冬林技研に向う直前のラウラ少尉に対し、

師の寝取りを教唆したと言う情報に

関して何か心当たりはありますか?」

 

・・・寝取りの教唆?( ゚Д゚)アレカッ?!

 

ヤバイって!冗談じゃ済まないっ!

このままじゃ司馬家と李家に殺される!

 

宇宙空間か深海か、もしくはGと合体

させられて火星に投棄されるっ!

 

「ね、寝取りの教唆って。ち、違います!

話の流れでそういう話題が出て、ラウラ

から「結局寝取りって何なんだ?」って

聞かれましたので、簪と司馬様を例に

してラウラを加えただけなんです!」

 

そう、世間話の一環で!冗談交じりで!

・・・(;・д・)ハッ!

 

「そうですかそうですか・・・

授業や任務があるので今は殺らんが、

今週末は貴様にも地獄に落ちてもらう。

これは確定事項だ。いいな?」

 

「・・・ぁい(つд⊂)」

 

冗談交じりで副所長さんと司馬様を

ネタにして良いわけ無いじゃん・・・

どんだけ緊張感ないのよ。

いくら親しくしてくれてても司馬様は

上司でお姫様なんだから。

 

うん。この場で殺されなかっただけ

良かったと思おう。

 

「まぁ上司の陰口は兵士の数少ない娯楽の

一つですから、普段はいちいち咎める

ような真似はしません。ですが流石に師を

巻き込むのは不敬です。

内容もいくら10代女子の暴走であっても

目こぼし出来る内容ではありません」

 

「・・・はい」

 

ですよねぇ。冗談でも「婚約者を寝取れ」

なんて言われて、怒らない女はこの世に

居ないですよねぇ。

 

「次はない。任務中だろうが何だろうが

必ず殺す。貴様だけではなく関係者全員だ」

 

「ハイッ!キモニメイジマスッ!」

 

け、警告で良かった。本当に良かった!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「簪特尉!」

 

おや?朝練が終わった後で司馬少佐に

アイサツに行ったラウラさんが

血相変えてるけどどうしたんだろう?

 

ドイツの冷水(笑)はどうしたの?

 

「そんなに慌ててどうしたの?

司馬少佐が居なかったの?」

 

それなら焦るよね。上司にアイサツ

しないまま出立とかありえないし。

 

「いや、少佐殿は居たのだが、どうやら

ご機嫌を損ねてしまったようでな」

 

「えぇ?!勘弁してよ~」

 

おいおい、私これからアイサツしに

行く予定なんだけど。って言うか

機嫌を損ねたってことはアイサツが

原因なんだよね?

どんなアイサツしたらあの司馬少佐を

怒らせる事が出来るの?

 

「いや、本当に申し訳ないと思っている」

 

メタ○マンっぽく言っても駄目だから!

ちゃんと戻ってきたら色々布教するのは

確定として・・・

 

「で、何を言ったの?わざわざ私に

会いに来るくらいだから私も無関係

じゃ無いんでしょ?」

 

元々時間があるわけでも無いんだし。

 

「うむ。司馬少佐殿に、朝話題になった

「大佐殿を寝取ればラウラの将来は安泰ね」

と言う准尉の言葉の真意の確認をしに

行ったのだ。将来に不安があるなら備え

たいし、大佐殿が関わるなら冬林技研

に行く前に確認せねばならんと思ってな」

 

「・・・・・・いや、まぁ確かに

リンちゃんはそんなこと言ってたけど」

 

それ司馬少佐の逆鱗直撃してるよね?

 

あの人は側室も妾も浮気も認めてるけど、

ソレはあくまで大佐殿が望むならって話。

ハニトラは絶対認めないんじゃない?

 

しかもこれから大佐殿のところに行こうと

している、銀髪ロリの可愛い女の子が

「自分の将来の為に婚約者を寝取る」

なんて宣言したら・・・もう戦争よね?

 

この子、なんで生きてるの?

 

「それで『とりあえず将来に不安は

無いから心配するな。

寝取りについては簪特尉に聞くように』

と言われてな。大佐殿にシツレイをする

前に聞きに来たのだ!」

 

 

聞きに来たのだ(`・ω・´)キリッ!って

 

なるほど。まぁ。うん。そうか。

 

確かに大佐殿に聞くのは論外。私たち

全員が説教と矯正されるね。

冬林技研の人たちは・・・ネタとして

盛り上がりそう。

 

ヘタに乗せられて夜這いとかしたらどう

なるかなぁ。まぁ寝室に辿り着く前に

警備に捕まって終わると思うけど。

 

警備の人も悪乗りする可能性は・・・有る。

 

まぁ悪乗りと言うか、あの人たちは

大佐殿には出来るだけ多くの子を

残して貰いたいって思ってるんだよね。

 

側室とかで無くても良いからって、

司馬家や李家の分家の人たちからも

かなりの数の要望が来てるみたいだし。

 

それはそれとして。大佐殿がラウラさんの

奇襲を受けることは無いから、普通に

相手をするよね?その場合の相手となると

女の覚悟を考慮して関係を持つ?

それとも知識が無い子供のやってること

として、一緒に寝てあげるくらいかな?

 

それから間違いなく全員説教だよね。

 

司馬少佐はどうするかな?説教では

済まないような気もするんだけど。

 

どちらにせよ私にとってもあんまり

面白くは無いことになるから、ここは

変にぼかしたりしないで正しい意味を

教えて、ラウラさんを暴走させない

ようにしないと駄目だよね!

 

・・・これが側室としてのお仕事なのかな?

 

「わかったラウラさん。ちゃんと説明

するからしっかり聞いてね。

それと冬林技研でこんなこと絶対に

口に出しちゃダメだからね?」

 

「う、うむ!よろしく頼む!」

 

素直なのは良いことなんだけどなぁ

 

「あのね、寝取りって言うのは・・・」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「では次の用件です。あぁ、そのまま

正座してなさい」

 

「はい・・・」

 

まだお話があるようだけど、正座は継続

ですね。わかります。

 

「先ほど関係者の末路について多少言及

しましたが、准尉の関係者についての話です」

 

末路って・・・いやいやソレはひっくり

返しちゃダメな話題よ!

 

「私の関係者と言うと・・・楊さんと

教官、甲龍開発チームとお母さん。

後は台湾の叔母さん一家くらいですよね?」

 

このうち台湾の叔母さん一家については

中国とはまた別だけど・・・まぁ司馬家

や李家には関係ないわよね。

 

普通にご近所=サン扱いでしょ?

 

「いや、貴女は少尉と違ってちゃんと

父親も居るでしょう?

その父、劉楽音についてのお話です」

 

「ち、父親は関係ないですよ!」

 

急にお母さんに冷たくなって離婚したし!

血縁上は父親だけど関係ないです!

 

「そうなんですか?今の准尉なら

伝手を使えば普通に彼の癌の治療が

出来ますが・・・不要と言うことで

よろしいですか?」

 

「・・・え?」

 

え?ガン?ガンって・・・癌?!

 

「まぁ私も師も他人の家庭の事情に口を

挟む気はありませんので、准尉に不要と

言われればそのままなんですがね」

 

「ちょちょちょ!ちょっと待って下さい!」

 

意味がわからない。癌ってナニ?!

 

「ちょっとですね。わかりました

・・・あと7秒です」

 

「( ゚Д゚)7ビョウ?!」

 

そうだった!偉い人のちょっとって

最大10秒だった!

 

「准尉にもわかりやすいように簡単な

解説をするとですね。

そもそも冬林技研は宇宙開発を主とする

企業です。そして宇宙で活動するに

あたって、宇宙線と癌は切っても切れない

関係にあります」

 

「ソ、ソウデスネ!」

 

うん、ソレは聞いたことがある!って

言うか紫外線とか普通に直で当たるもんね!

 

「そのため癌に対抗するための医療手段

の開発と言うのは急務でした。

まぁココでもキサラギが色々ヤったわけ

ですが、結果としてISを利用したナノマシン

コントロールと抗がん剤が開発され、

現在では癌細胞のみを狙い撃ちにした

治療も可能となり、ある一定以上の体力が

あれば治療は十分可能な病気となっています」

 

「ソ、ソウダッタンデスネ!」

 

それでもイタチごっこなのが現状です

って言ってるけど。それ以前の問題

ですよね?!ナニ?あの人って癌だったの?!

 

「どんな最新技術が開発されようと

流石に伝手がなければ治療は出来ません。

何せISコアを使ったナノマシン制御が

絶対に必要な技術です。治験以外で

コレを受けることが出来る一般人は

居ませんし、通常の治療も今や金持ち共が

順番待ち状態」

 

師、曰くウハウハですって言ってる

けど、あの人そんなこと言うんですね?!

 

って言うかそりゃそうですよ!

癌に怯えるお金持ちにしてみたら、

世界一受けたい治療ですよっ!

 

「そんな順番待ちの癌治療ですが

その技術を確立し、金持ち共に施す前

に当然治験する必要がありました」

 

「ソ、ソレハソウデスヨネ!」

 

しっかりとしたデータがなければ

施術を受けようとはしませんよね!

 

まぁ一縷の望みをかけてってパターンも

有るかもしれないけど、普通は貧乏人

に試させてからって言うのが普通の

お金持ちのイメージですよね!

 

「で、その治験の候補者は当然癌を

患ってる人間でなくては意味がありません」

 

「・・・そうですね」

 

癌治療の技術の治験ですもんね。

 

「そしてその候補者を絞る条件として

 

癌を発症していて、更に自覚もしている。

社会的権力が無い。

失敗しても騒ぐような身内が居ない。

成功の見込み(一定の体力)がある。

 

というのが挙げられました」

 

「なるほど」

 

・・・父親は全部当て嵌ってますね。

 

「准尉の父親である劉楽音が審査で弾かれ

たのは、当時IS搭乗者の養成所で注目を

集め始めていた准尉が、彼の血縁上の娘で

あると言うことが判明したからです」

 

わ、私が騒ぐ身内に該当したってこと?

 

「え?じゃ、じゃあ私のせいで?!」

 

私のせいで父親・・・お父さんはその

治験を受けれなかったの?!

 

「まぁ理由の一つではありますね」

 

そ、そんな。そんなことって・・・

 

「勘違いして欲しくありませんが、彼は

候補者の一人程度でしかありませんでしたし、

当時行っていたのはあくま治験であって

決して今のような確立された治療技術では

ありませんでした。

治験を受けることができたからといって、

病状が治まると断言出来るようなモノでは

無かったと言う事は覚えていて下さい」

 

「そ、そうなんですね」

 

そうよね。あくまで治験なんだもん。

ある意味では失敗することを目的と

してる行為ってことでもある。

 

けど、お父さんは今も癌で苦しんでるって

ことでしょ?

もし治験を受けれていたら治ってた

可能性も有ったんだし・・・

 

「すでに過ぎ去った事を真剣に気に

病んでも物事は何も進展しませんよ。

今なら我々の伝手を使って優先的に治療を

受けさせる事ができる。コレが現状です。

・・・それで、本当に治療は不要ですか?」

 

「・・・」

 

不要かって言われても・・・

 

「私にとっては完全に他人事ですが、

師はアレで子供好きでしてね。

基本的に子供が親を亡くすことを嫌います。

ただ准尉も知ってのとおり、あの方は

「全ての子供に無償の愛を」などと

言うヒトでもありません。

誰にでも無条件に手を差し伸べるなんてこと

も無ければ、その手を払われたら二度と

同じ相手に手を差し伸べることもありません」

 

「・・・」

 

わかんない。急にそんなこと言われても、

正直どうして良いのかわかんないよ!

 

「准尉。人生において選択の時と言う

のは、往々にして本人が望むタイミング

で来ることはありません」

 

「・・・そう、なんですね」

 

「子供に決定権がある選択などその機会

すら無いのが普通です。

既に師から慈悲の手は差し出されました。

ソレを掴むか払いのけるかは准尉の選択。

どちらを選んでも我々が准尉を罰すると

言うことはありません」

 

「私の、選択・・・」

 

副所長さんにしてみたら所詮私は

司馬様の部下の一人。ソレなのにこんな

特別扱いしてくれるのは、子供が親を

亡くすのが嫌いだから?

・・・それとも他に何かあるの?

 

だけど私に恩を売って何があるの?

お金?私の体?IS搭乗者?代表候補生?

全部ありえない。お金にも女性にも

IS搭乗者にも困ってないもん。

 

ならやっぱり・・・同情なのかな?

 

元々ラウラのことを憐れに思って助ける

ような優しさがある人だし、簪だって

才能を腐らせるのは勿体無いって言う

のはあるけど、その大元は同情みたいな

モノだって言うし。

 

「まぁなんだかんだ言いましたが、

別に時間制限が・・・無いわけでは無い

ですが、准尉が今すぐ一人で決めること

でもありません。一度母親や本人を

交えて協議してみると良いでしょう」

 

「お母さんはともかく・・・本人ですか?」

 

けど連絡先とか・・・あぁ司馬様なら

普通にわかりますよね。

 

「准尉を冬林技研に所属させる前に

身辺調査は一通りしてますからね。

そこで通院の履歴と以前の治験候補者

リストに名が載っていた事から、師が

温情をかけることを決めたのです。

本人は現在中国に居ますから、国際電話

になりますが・・・准尉の今の給料なら

問題無いでしょう。

コレが連絡先ですので、しっかりと

両親の意向を確認するように」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

と、とりあえず治療を受けるにせよ

受けないにせよまずはお母さんに

確認だよね!お母さんが癌のことを

知ってたかどうかを確認しなきゃ!

 

それから、お、お父さんにもちゃんと

確認しないと!

もし離婚の理由が癌なら治ればまた

一緒に居られるし・・・

 

私も寂しかったけど、お母さんはもっと

辛かったはず!

気丈に振舞ってたけど、私が見てない

ところでずっと泣いてたんだから!

 

とりあえず癌のせいで離婚したって

言うなら、無理やり治療受けさせて、

お母さんと二人で殴ってやるんだから!

 

「私からの話は以上です。准尉からは

何かありますか?」

 

「いえ特に・・・いや、あ、あの」

 

なにも無いって言おうとしたけど、

私は馬鹿か!あるじゃない!

絶対に言わなきゃいけないことが!

 

「ん?なんでしょう?」

 

話を蒸し返すことになるけど、コレは

絶対に言わなきゃ駄目!私の自己満足

かもしれないけど、ちゃんとしなきゃ

私が私じゃなくなっちゃう!

 

「あの、冗談でもラウラにあんなこと

言ってスミマセンデシタっ!」

 

私、こんなに良くしてくれてる

司馬様にまだ一言も謝ってないっ!

 

例えもう一回怒られても、コレは

ちゃんとしなきゃ駄目なことよ!

 

「・・・謝罪は受け取りましょう。

ただし次はありません。

そして上官の陰口なら私までにしなさい。

師を冒涜する言動を許す気はありません

からね」

 

「ハイッ!ありがとうございます!」

 

なんだかんだで結局は自分のことより

副所長さんのことで怒ってるんだもんね。

 

本当にスミマセンデシタ。そしてこの

ご恩は絶対にお返しします!

 

「では私はコレでシツレイします!」

 

「えぇ、今日の授業は休んでも良いので、

まずはそちらの事情を優先なさい」

 

助かります。学校なんて私生活あっての

モノだし、今日はマトモに授業なんか

受けれるとは思えないもの。

 

正直ありがたいです!

 

「はいっ了解です(*`・ω・)ゞ」

 

さて、すぐに自室に帰ってお母さんと

連絡を取らなきゃって景気よく思った

ものの、コレはちょっと・・・

 

「おや、まだ何かあるのですか?」

 

いや、司馬様には何もないんですよ?

何もないんですけどね?

 

「あ、足が痺れて立てません(つд⊂)」

 

「・・・そうですか」

 

元々正座ってそういう罰ですもんね!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おはようございます司馬少佐。

あの、リンちゃんが泣きながら足を

プルプルさせてましたけど・・・」

 

あれぞまさしく生まれたての小鹿って

感じだったよね。

お説教だけじゃなくしっかり罰も

下したのかな?それなら機嫌も少しは

良くなってると思うんだけど・・・

 

「あぁ、おはようございます特尉。

アレは少尉に対して阿呆なことを吹き

込んだ罰の一環ですよ」

 

「やはりそうでしたか」

 

足がアレってことは長時間の正座かな?

 

「それと准尉の家庭の事情に多少口を

挟んだ形ですね」

 

「家庭の事情ですか?」

 

基本的にプライベートには関わらない

司馬少佐にしては珍しいですよね。

 

「えぇ、師が私の学友の為にって

気を配ったらしいのですよ。

まったく、あの人は私に甘すぎます」

 

とか言いながら嬉しそうですよね?

 

「しかし少佐の学友としてですか」

 

まんまお父さん視点だけど、わからない

ではないよね。

 

そもそも司馬少佐に「司馬様ー」なんて

言って世間話が出来るのってリンちゃん

くらいだもん。

 

私もそれなりに仲は良いけど、あの軽さは

ちょっと難しいし。

私と少佐は副官と上司で側室と正妻。

あえて下世話な言い方をすれば・・・

さ、○姉妹だもんね。

 

なんであえて下世話な言い方を

したのかは知らないけど!

「お姉さま」とか言わないけど!

 

「何を葛藤してるかは知りませんが特に

隠すことでもないので特尉にも内容は

伝えておきましょう。

因みに今週末は二人で命奪崩壊拳ですので、

一緒に受けるか別々に受けるか相談なさい」

 

「別々でお願いします!」

 

そんなの相談するまでもありませんよ!

 

どっちかが無事なら介護を頼む可能性も

微レ存ですけど、二人ともダウンしてたら

意味ないですよねっ!

 

「特尉の希望はわかりました。あとは

准尉ですね」

 

「リンちゃんも別々を望むと思いますよ?」

 

変な趣味があるわけじゃないだろうし・・・

 

「ふむ。まぁソレは確認してからで良い

でしょう。先にアドバイスしておきますが

突然の客人が来た時に備えて置くように

した方が良いですよ。

「部屋からうめき声が聞こえる」とか

「外出してないはずなのに何処にも

いない」とか言われて部屋に踏み込ま

れても嫌でしょう?」

 

あぁ、確かに。ソレで垂れ流し現場を

誰かに見られるのは嫌だなぁ。

 

そういう時に限って誰かが何かして

くる可能性は高いし。

 

具体的には楯無とか本音とか。

 

コレはリンちゃんが居ても居なくても

同じだろうから、むしろ外出許可を

取ってからにした方がいいのかも?

 

それまでにラウラさんが戻ってくれば

介護を頼めるけど、多分戻りは日曜夜

に司馬少佐と一緒だと思うし。

 

うーん。まぁその辺はリンちゃんと相談

しておこうかな。

 

「それで、准尉の家庭の事情について

ですが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「おぉ織斑一夏。良いところで会った。

これから貴様に会いに行こうとして

いたところだ」

 

「「ラ、ラウラ・ボーデヴィッヒ?!」」

 

な、なんだ?「試合まで待てん!」とか

言って襲いかかって来るつもりか?!

 

「な、なんだ?!試合まではお互いに

接触しないんじゃなかったのか?!」

 

けどなんか・・・雰囲気違わないか?

 

「ん?そうかまだ知らんか。しかしアレ

だな。貴様はもう少し周囲の情報を集める

ようにした方がいいと思うぞ?

貴様が周りに無関心でも、周りはそうでは

ないのだからな」

 

「・・・そ、そうか?」

 

ちゅ、忠告してくれてるんだよな?

 

いや、しかしなんだこの感じ?

今まで有った、アノ敵意って言うのか?

トゲトゲしさが全くないんだけど・・・

 

「貴様!一夏に何の用だ?!」

 

「箒・・・」

 

警戒するのはわかるが、アッチが

会話を望むならコッチは跳ね除け

ちゃダメだろ?

 

せめて何を言うかを確認しないと。

 

「一夏、先週あんな事があったのに

いきなり態度を変えてきたら怪しむ

のは当たり前だよ!」

 

「そ、そうか?シャルがそういうなら

そうなのかも知れないけど」

 

いや、だけどなぁ・・・

 

「うむ。朝は暇ではないから時間は

有効に使うべき。それ故さっさと用件に

入れと言う意見は正しい」

 

なんか素直に聞き入れてるし・・・

コイツ、本物か?

 

「ま、まぁソレはそうだな」

 

いや、本物にせよ偽物にせよ言ってる

ことはその通りだ。遅刻したら

千冬姉に叩かれるってのは万国共通だしな。

 

「一夏!こんな奴の相手をする必要はない!」

 

いや、だから、そうやって会話を跳ね除け

ちゃダメなんだって。

 

それに「何の用だ」って聞いたの箒だぞ?

 

「うむ用件としては織斑一夏に対する

謝罪だな。

あぁ、いや、その前にアイサツが先か。

うん失礼した。オハヨウゴザイマス」

 

「「「しゃ、謝罪?!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コイツ・・・偽物だな?!

 

 




かんちゃんにセクハラさせる作者の図。

眼鏡女子?大好きですが何か?

どこぞのロシアの国家代表がナノマシン(笑)
を戦闘に使ってますので、医療用も発展
している設定ってお話

て言うか宇宙開発に関わる企業なら
放射性物質と宇宙線による病気って
絶対に対処する案件ですよね?

姉魂。朝一で奇襲を受けて微妙に混乱中?


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