とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士
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リンちゃん復活っ!
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嫌いな人は読み飛ばし!


第38話

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

叫びながら剣を振りかざして来るけど・・・

コレはもう癖なのかしら?

 

「叫ばなくて良いから。むしろ叫んだら

位置がバレるから、声は出さないで」

 

まぁそもそも正面から一直線だから

回避も反撃もヤリ放題なんだけどね。

 

「うぉっ?!」

 

雪片の刃の腹の部分に青龍刀の柄を

当てて軌道をずらして、突撃の勢い

ごと力の方向性を変えてその場で

回転させる円の捌き・・・

 

「まだだっ!ってえぇぇ!?」

 

流されたことに抵抗して、自分から半回転

するまでは良いんだけどねぇ。

 

身体に無駄に力が入ってるからハイパー

センサーで見れば狙いが丸見えだし?

 

上半身に意識が集中してるから、下から

上に力を加えて縦回転させちゃえば・・・

 

「は、はぁ?!」

 

円は横回転だけじゃ無いのよ?

 

グルんと回って自失してるところに

攻撃を加えれば・・・

 

「ハイおしまい」

 

コレで何勝目かな?まぁ素人同然の一夏に

何連勝しても誇れはしないんだけどさ。

 

けど流石一夏よね!技術的にはまだまだ未熟も

いいとこだけど、それでも腐らずに向かって

来るだけマシだわ!

 

「あ~全然敵わねぇなぁ~」

 

そりゃそうよ。

 

「とりあえず声を出す癖は何とかしましょ?

まぁ声を出すことで他人を攻撃することに

対する後ろめたさを吹っ切るって意味も

あるかもしれないけど、そういうのは

未熟の証だから真っ先に無くさないと駄目」

 

奇襲の意味も無くなるし、相手に拍子と

呼吸を読まれることになるもんね。

 

「あ~うん。そうだな。簡単に直せる

ところは直さないと駄目だよな」

 

そうそう。直す気が無いなら直すまで

殺るわよ?

 

「それと雪片を両手で持って振りかぶる

癖も駄目ね。パワーアシストがあるんだから

武器の重さは感じないないでしょ?

わざわざ両手を使う必要は無いわ」

 

本当は空いた手に中距離攻撃が出来る

武器を装備出来れば良いんだけど・・・

もしくはゼロ距離で使えるトンファーや

小盾みたいな感じかな?

雪片は大太刀だから懐に入られると小回り

が利かないのよね。

最悪は素手の武術でも良いかもしれないけど、

私は専門外だしなぁ。何かないかしら?

 

「え?いや、けど両手の方が威力が出るだろ?」

 

はぁ・・・今まで近接戦闘は剣道バカの

助言に従ってたから、知識もソッチに

偏るのもしかたないんだろうけどさぁ。

 

「あのね一夏。ISでの戦闘に剣道の理屈は

無意味よ。むしろ邪魔になるからISを操縦

するときは剣道に関しては忘れて頂戴」

 

「剣道が無意味って言うのは何となく

わかるんだけど、邪魔になるのか?」

 

うん。今まではこんなこと言われたら

感情的になって反論してきたけど、今は

ちゃんと私の話を理解しようとしてるわね。

 

「えぇ、そもそも剣道は三次元戦闘を想定

していないからIS戦闘に向いてないって

言うのは一夏も理解してるんでしょう?

でもそれ以前に必要な術理がまるで違うのよ」

 

「術理・・・」

 

一夏ってば興味深々じゃない。流石簪考案の

説明ね。

男のロマンをくすぐるパワーワードが満載だわ。

 

「えぇ。まず一夏の雪片は紛れもない特殊

兵装。当てるだけでシールドエネルギーを

削るんだから、攻撃に重さなんか要らない。

求められるのは手数と速さよ」

 

まぁエネルギー切れの心配があるから

その辺のバランスも磨く必要があるけど、

まずは当てることが出来ないと無意味よ。

 

だから速さと連撃できる回転を習得すれば、

ソレだけでほとんどの敵にアドバンテージ

が取れるって、相手にしたらもう反則よね。

 

「あ、そ、そうか。そうだよな」

 

今までその発想に至らなかったのは、

周りが正しく白式の性能を理解して

無かったからよね。

 

「そうなのよ。むしろ勢いを付けすぎたら

シールドを突破して相手を殺しちゃうわよ?」

 

第二世代とか訓練機なんかじゃ耐えられ

ないわよねぇ。

 

「こ、殺す?!そんな・・・いや、そうか。

俺が使ってるのはそれほど危険な武器なんだ

ってことを知らなきゃ駄目なんだよな」

 

今更?って感じではあるけど、ちゃんと

自覚出来ただけ良しとしましょうか。

 

それに、まだ誰も殺して無いんだから

手遅れってこともないでしょ。

 

「そうなのよ。よく試合で誰も殺さな

かったなぁって思ってたんだけど、一夏

なりにちゃんと手加減してたのね?」

 

ソレが無かったら間違いなく死傷者が

出てたわよ。

 

「・・・あぁ。まぁ手加減と言うよりは

弱いモノ虐めに耐えられなかっただけだ。

何せ相手はこの間歩行訓練を初めた

ばかりで、さらに訓練機での訓練すら満足に

出来て居ない人達だ。

あんなのどう考えても真っ当な試合じゃない」

 

お、ちゃんと自分でソレに気付けたか。

 

「その通りよ。あの試合は男性操縦者で

ある一夏のお披露目のための茶番。

ラウラや私が出場しても勝てるように

タッグ戦にしたり、色々学園が裏で小細工

をしていたの。

ソレに気付かないで増長するようなことが

無くて安心したわ」

 

どこぞの阿呆は全く気付いてない。というか

そんなこと考えもしてなかったからね。

 

周りも褒めるだけだし。あんな奴らの側に

居たら一夏は間違いなく堕落する。

 

その前にこうして一夏を鍛えることが

出来て良かったわ。

 

「今こうして叩きのめされてるからな。

慢心も増長も出来ねーよ」

 

「ソレは良かったわね。一夏が弱いモノ

虐めして調子に乗るような人間になる前に

矯正出来たってことだもの」

 

一夏には英雄症候群の兆しがあるって話

だったからね。

今のうち矯正して今後自分より強い相手が

現れたとき、むやみやたらに突っかかるん

じゃなくちゃんと考えることが出来るように

しないと。

 

「・・・そうだな。前に「千冬姉を守る

くらいになる」って言ったものの、今の俺は

自分の身すら守れない未熟者ってことを

ちゃんと理解しないと成長なんか出来ねぇよ。

まず自分に出来ることと出来ないことを

知って長所と短所を理解しないと、肝心

な所で周りの足を引っ張っちまうしな」

 

まったくもってその通りよ。

 

「ソコまで理解してるなら大丈夫ね。

今の一夏は自分で言ってたように「近接

戦闘しか能が無いのに近接戦闘が未熟」

って言う歪な状態だからね。

遠距離攻撃をしてくる敵との戦闘経験も

重要だけど、その前に折角の武器を活か

せないんじゃ意味がない。

セシリア・オルコットみたいに近距離が

全く出来ないヤツなんか他には居ないん

だってことを忘れちゃ駄目よ」

 

実際BT兵器適性頼りのアレを参考に

されても困るのよね。

 

「あぁ、シャルだって技術的には俺より

上だもんな。近付いても上手く捌かれて

あしらわれるんじゃ意味が無い。少なく

とも簡単に捌かれない技術と、的確に

距離を詰める技術が必要なんだ!」

 

「その通り。白式の武器はその速度と雪片よ。

ソレを活かす為には剣道のような戦い方では

駄目。移動に使うのは足じゃなくスラスター。

踏み込みを利用した移動じゃなく、背中の

スラスターで空を滑るように動くことを

心がけてみて」

 

もしくはホバークラフトのホバーって

簪は言ってたけど・・・

まぁどっちでも良いわね。

背中のスラスターが理解できなかったら

ホバーを教えれば良いでしょう。

 

「足じゃなく背中か。なるほど・・・」

 

お。なんか理解してる?やっぱり司馬様と

簪が監修した教えは凄いわね。

 

「さっきも言ったけど一夏がまず意識

すべきは速さよ。

もう瞬間加速は出来るみたいだから、私が

居ないときでも瞬間加速を繰り返し使用して

自分の機体の最高速度を把握して、どこまで

の速度が出せるのかをしっかり理解して。

それと最高速度で動いた時に自分に掛かるG

にも慣れるようにして頂戴」

 

毎回一夏の練習に付き合えるわけじゃ

ないしね。

 

この修行は多少体に負荷はかかるけど、

修行ってもともとそういうモノだし。

 

「なるほど。別に瞬間加速は一人でも

出来るからな・・・」

 

そうそう別に敵に向かうだけじゃ無いのよ。

 

むしろ相手から距離を取ったり、相手の

視界から一瞬で移動するために使ったり

出来るの。

 

下手な先入観を無くして様々な方向から

試行錯誤することが重要なのよ。

 

そうすればハイパーセンサーの解除も

しやすくなるらしいし。

 

とにかく相手より早ければ攻撃も避けれる

し当てれるようになる。

普段から高速の世界に慣れることで反応

速度も上がるってわけよね。

 

うん。私も勘頼りだけじゃダメだし、

キチンと理論を習得しないと駄目よ!

 

司馬様と簪の作った練習メニューを

消化するだけで一夏はそれなりに戦える

ようになる。

 

私がソレに置いて行かれたら意味が無いわ。

 

理論の上に勘を乗せる戦い方の習得を

急がなきゃ。

 

「そうよ。それにIS戦闘では真後ろ

どころか、真上からでも真下からでも

攻撃が来るの。

だから意識を前に集中しちゃ駄目だし、

それどころか平面に区切っちゃ駄目なの」

 

今の一夏は前しか見れてないから

意識の幅が狭いのよね。

 

「・・・なるほど。それじゃやっぱり

剣道じゃIS戦闘に対応できないよな」

 

そりゃそうよ。前提条件が違うんだもの。

あの剣道至上主義者には全くわからない

理屈だろうけどさ。

 

「まぁね。前後左右上下に斜め。それぞれの

距離もあるわね。

さらに相手が居ればある程度の予測まで必要

になるし、目の前の敵が急に視界から消える

事もあるのよ?

そんなの卑怯だ!とか言いたくなるかも知れ

ないけど、IS戦闘では当たり前のことよ。

喚くだけで対応できないんじゃ相手と同じ

土俵にすら立つことが出来ないわ」

 

特にモップなんかね。上に瞬間加速とかして

間合いを外されたら卑怯だ!とか言いそう。

 

「そうか。相手が卑怯なんじゃなくて

対応出来ない自分が未熟なんだもんな」

 

そうなのよ。対応出来ない自分を恥じる

気持ちが無ければ成長なんて出来ないわ。

 

「だからこそ一夏は常に動いて頂戴。

私たちだって相手の視覚から消えたり、

ハイパーセンサーを誤魔化す技術はある。

暫くは単純な近距離戦闘の技術の他に、

こんな感じで効率的に間合いを詰める

ための技術を習得して貰うわよ」

 

「お、おう」

 

スラスターを使った縮地モドキとか。

コレはホント役に立つのよね。

 

「それで、何か聞きたそうな顔してるけど

どうしたの?」

 

言いたいことを感情に任せて言う癖が

無くなりつつあるのは良い事だけど、

修行に関係することならハッキリ言って

貰わないとね。

 

「いや、思った以上にちゃんと鍛えて

貰えてるからさ」

 

「あら?頼んで来たのは一夏でしょ?

そりゃ教導を引き受けた以上はちゃんと

やるわよ。それとも手抜きとか手加減でも

して欲しかった?」

 

映像記録を録ってるし、そんなこと

した時点で一夏との訓練は打ち切りに

なっちゃうんだよね。

 

それに、私としても一夏にはしっかり

鍛えて強くなって貰いたいから、甘やかし

たりはしたくないんだけど。

 

もしこの程度で「厳しすぎて疲れた」とか

「ついて行けない」って言われたら、司馬様

に見切りを付けられるわよ?

 

「いや、そうじゃない。俺としてもココまで

本気で鍛えて貰えるのは正直ありがたいと

思ってるんだけど・・・リンは良いのか?」

 

「ん?どういうこと?」

 

良いも悪いも無いわよね?

 

「そういうのって基本的に秘密にしないと

マズそうなんだけど、こうやって俺に色々

教えてもリンは大丈夫なのかなって思ってさ」

 

・・・一夏が心配してる。

あの一夏が!私の心配を?!

 

ふへへへへへ!リンちゃん大勝利っ☆

 

いや~リハビリ終わって学園に来てみたら、

一夏からは鍛えてほしいって言われるし、

司馬様も簪と一緒に一夏との戦力差を見て

最適なトレーニングメニューを考えてくれ

てるって言うし!至れり尽くせりよね!

 

『教えるのは良いけど、私の場合は軍事機密も

あるから、モップと螺旋頭と阿呆は練習の見学

を禁止にしたい』って言ったら、一夏から手を

握って来て『ありがとう!本当にありがとう!』

なんて言われるし!

 

ふへへへへへ( ̄▽ ̄)

 

あのときは嬉しくて思考回路がショート寸前

だったんで気付かなかったんだけど、

一夏ってば相当疲れてたわよね?

モップと螺旋頭と阿呆が誰か分かってたし。

 

千冬さん曰く、クラスメイトも信用出来ない

ってことにようやく気付いて、今更ながらに

警戒してるせいで普段から気が休まらない

みたいだって話だけどさ。

 

気付くの遅くない?てっきりそう言うのを

理解してたから、モップとか螺旋頭を側に

置いてガードしてるもんだと思ってたわよ。

 

ソレ以外に用途が思い浮かばなかったとも

言うけどね(ФωФ)

 

「・・・リン?急に黙ったけど、アレか?

やっぱりマズいのか?」

 

おっと、今は一夏よね!せっかく二人きり

で練習出来てるんだから。アイツらの事

なんか忘れないと。

 

ソレにISを使った練習中に気を抜くなんて

有り得ない。

 

切り替え切り替え・・・

 

「ごめんなさいちょっと考え事してたわ。

質問の答えだけど、今回はちゃんと許可を

取ってるから大丈夫よ。

一夏の戦闘データの取得もあるけど、

それ以上に一夏が弱いままだと私の鍛錬

にならないでしょ?」

 

【今回は】ね!まぁ許可どころか

しっかり鍛えなさいって言われて送り

出されてきたけど、ソコまでは言う

必要無いわよね?

 

「そうか・・・まぁそうだろうな。

ソッチに得が無かったら、専用機の

使用許可も下りないだろうしな」

 

うーん。微妙な感じみたいね。コレは未熟

って言われたこと?それとも純粋な厚意

じゃないってことかな?

 

司馬様の話では「ちゃんとギブアンドテイクが

出来てるんだって思った方が一夏も気が楽に

なるだろう」って話だったからこうして情報の

開示もしてるけど・・・

 

もしかして私の印象悪くなって無いわよね?

 

「そういう事よ。一夏的には微妙かもしれ

ないけど、タダより高いモノは無いからね。

私だって中国・・・と言うよりは冬林技研

の紐付きだし。

純粋に一夏の力になりたいと思う気持ちは

もちろんあるけど、冬林技研に利益が無い

ことに対して専用機の展開許可は下りないわ」

 

実際近距離戦闘だけとはいえ、駆動部分

の部品交換だって必要だし。

ISに限らず兵器って色々とお金がかかる

のよねぇ。

 

「あ、いや。ソレはわかってる。むしろ

そうやって言ってもらった方が変な下心が

無いってわかってる分、気は楽だよ」

 

良しっ!一夏が他人に無償の厚意を

求めるようなガキじゃなくて良かった!

 

つまり自分の未熟さを恥じてるって

感じか。

 

「そう言って貰えると助かるわ。それに

甘えて一つ言わせてもらえば、今の一夏が

未熟なのは当然のことなのよ?

なんてったって、今まで自分には関係無い

って思ってたのにいきなりこんな状況

だもん。今までISに乗る為に鍛えて来た

私たちとはどうしても差が出るってことは

理解しておいた方が良いわよ」

 

変に「女には負けれない!」なんて言って

無理されても困るし。

 

「だよなぁ。差が有って当然なんだよな。

むしろいきなり俺に追いつかれたら、

リンたちの立場がなくなるよなぁ」

 

ほんとにそうね。それで立場を無くした

螺旋頭も居るし。

 

今じゃ普通に負け越すレベルなんでしょ?

有り得なくない?

 

私があんな風になったら立場を失う

どころか、副所長さんに『未熟者』って

言われて再度矯正されちゃうわ。

 

・・・いやはやしかし矯正と言えば

新血愁・心霊台は洒落にならないわ。

 

『今回は人格の矯正はしない。精々痛みの

信号を強く意識させることで身体を動かす

と言うことの本質が理解出来る程度にして

やろう』なんて言われたけどさ。

 

いや、アレはもうアレよね。私にも世紀末

が見えたわ。

 

痛みに目の前が真っ暗になってるときに

目付きが悪い鬼みたいな人に散々殴り飛ば

されたり、金魚みたいなのを延々と食べ

させられたり、猫に襲われたりした夢を

見たけどアレはアレで紛れもない地獄よ。

 

あんなのを経験したら、そりゃ同じミス

なんか絶対しないわよね。

 

人格を変えない為に投与されてた薬とか

リハビリで使った怪しい薬のお陰で後遺症

とかトラウマはないけど・・・アレでトラ

ウマが無いのが逆に怖いわ。

 

いやまぁ、色々垂れ流したのを見られて

介護と処理して貰ったことで、尊厳的

なのは間違いなく死んだわよ?

 

アレ以上の痛みを想像出来ないから、

どんな速い攻撃だって余裕を持って

見ていられるし?

 

「もう何だって来いやっ!」

って感じになったのは自覚してる。

 

それと痛みの流れって言うの?どこを

動かせばどんな感じに傷むのかって

言うのがわかったおかげで、動作に

無駄が無くなったのがわかるわ。

 

攻撃に対する恐怖心が薄れて動作に

無駄が無くなれば、紙一重の回避と

反撃も出来るようになるのよね。

 

リハビリ中に自分の身体能力が格段

に上がったのを自覚出来たけど、コレが

思考に体が付いて来るってことなんだ。

 

ソレを理解したおかげでイメージインター

フェースの容量を減らすことが出来たし、

甲龍の出力も上がったから良い事ずくめ

なんだけどさぁ。

 

だからと言ってアレを何度も受けよう

なんて思わないわよね。

 

鍛えなきゃ(小並感)

 

「そういう事ね。今の一夏は広く浅くって

感じで技術を習得するんじゃなく、狭く

深くが基本ね。

少なくとも近接戦闘で私と戦えるように

なるまでは、余計な癖をつけないために

アイツらとの練習は禁止。

私との組手や千冬さんの作ったメニューの

消化に専念して貰うつもりよ。良い?」

 

「おう!望むところだ!」

 

 

ふへへへへへへへ!コレでアイツらは

放課後一夏に絡めない!

 

ありがとう簪!ありがとう司馬様!

おかげで鈴ちゃん大勝利ですっ☆

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ほう・・・以前の乱入者との戦闘でも

強いとは思っていたが、さらに近接戦闘

の技術が磨かれているじゃないか。

 

流石冬林技研で鍛えられているだけの

ことはある。

 

「アレが中国の代表候補生ですか・・・」

 

ふっ今の段階でも近接戦闘に限れば凰が

更識を凌ぐ技量を持っているのは理解

出来るだろう。

 

なんでも一夏があまりにも不用心だから、

更識が直接護衛と教導をするとか抜かして

きたが・・・今更貴様らの世話になど

なるものか。

 

「現状一夏には全てが足りていないが、

機体の性能と武装の関係を鑑みれば

特に重要なのが近接戦闘技術だ。

教導に関してはアイツが担当してくれる

ようだから、暫くお前の助けはいらんよ」

 

一夏と私に恩を売る気だったのだろうが

残念だったな。

 

第三世代機の性能も高いし、性能に振り

回されることなく良く使いこなしている。

 

今の凰を相手取るのは私とて楽勝とは

いかん。

 

さらに教えも的確だ。箒のせい・・・とは

言えんが、一夏の動きには幼少の経験と

箒との鍛錬に影響されて剣道の型が大きく

出ていたからな。ソレを根底から破壊してIS

戦闘に対応できる動きを教導してくれている。

 

いやはや正直天才肌で勘頼りの操縦と思って

いたんが、アレはしっかりと基礎を習得して

いる者の動きだ。

 

・・・一夏も感覚頼りなところがあるし、

そもそも近接戦闘には一定の勘が必要に

なるモノだ。

 

無理に言葉で伝えようとせず、ああやって

叩きのめしながら鍛えることが出来ると

言うのも大きい。

 

ココからでも一夏が凰の動きを見て、少し

ずつ動きを最適化させていくのが分かる。

 

一夏もソレが分かってるのだろう。

普段の鍛錬より楽しそうだ。

 

今が一番伸びる時期だし、今まで面倒ごと

でしかなかったISを楽しめるのは良い事だ。

 

あとの問題は・・・一夏の基礎鍛錬に関して

は私が練習メニューを組めるが凰と一緒

になると、どうしても難しいというところか。

 

ふむ。どうやら司馬監査員が一夏と凰の

2人で修練するとき用の訓練メニューを

考えているようだし、冬林技研が許すなら

このまま凰に一夏の教導を頼むのが一夏に

とっても一番良いだろうな。

 

・・・そのまま仲良くなって結婚でもして

くれれば、一夏も自然な形で冬林技研に所属

出来るかもしれん。

 

むぅ・・・凰は性格も悪く無いし料理も

出来る。その上将来も安泰だよなぁ。

 

少なくともシャルロット・デュノアや

セシリア・オルコットより数百倍マシだ。

箒は・・・昔から知ってるからあんまり

厳しいことを言いたくは無いが、アレの

側に居たら一夏も気が休まることが無い

だろうな。

 

うむ。奴らがトチ狂って妙な真似をして

来る前に凰をキチンと捕まえて、逃がさん

ように言うべきか?

 

最低限友人でも構わんからパイプは切る

べきじゃないよな。

 

媚びれとか機嫌を取れと言うつもりは

無いが、せめてアイツの気持ちには正面

から向き合うようにしないと・・・

男としても不義理が過ぎると言うモノだろう。

 

「そうですね。正直近接戦闘では凰さん

に勝つのは不可能でしょう。

まだまだ切り札も隠してるでしょうし、

もしも彼女が選抜戦に出てたら2対1

でも織斑君達では勝てませんでしたね」

 

おっと、今は一夏の訓練に関してだったな。

 

「そりゃそうだ。あの時のラウラにだって

勝てたかどうかギリギリだったのだ。

それに凰が出るなら2対1になどならん」

 

なるはずが無い。むしろ逆に一夏が最初に

落とされてデュノアが2対1を強いられる

結果になっていただろうさ。

 

「・・・そうですね」

 

コイツにしてみたらアレなんだろうが

私たちを嵌めようとしてくれたんだ。

同情の余地など無いぞ。

 

「まぁなんにせよ、更識簪を連中に

引き抜かれたのは痛かったな」

 

「あぐっ!!」

 

冬林技研所属の凰が出るなら同じ所属の

更識簪だって出るだろうからな。

 

アイツの専用機は第二世代型のテンペスタ

らしいが長年鍛えられてきた基礎とISを

自作する為に蓄えた高い理解度が有る。

つまり元々アイツは1年では別格の実力者

だったんだ。

ソレが教頭に鍛えられるんだぞ。

今のアイツは学業や様々な仕事を抱える更識楯無

では絶対に勝てない領域に居るだろうよ。

 

「が”、が”ん”ざ”じ”ち”ゃ”ーん”・・・」

 

・・・どうやって発音してるんだか。

 

しかしコイツと言い束と言い、姉と言うのは

妹に嫌われる生き物なのか?

 

いや、まぁ束の場合は夢を追った結果が

アレだからな。

 

妹が好きだから夢を諦めろと言うのは

違うだろう。

 

例えテロ行為をしていなくても、日本政府が

アイツに自由な行動を許さなかっただろうし、

冬林技研に就職していたとしても束にとって

箒は急所であることに違いは無い。

 

故に遅かれ早かれ人質という意味を込めて

保護対象にされてただろうさ。

 

その結果家族離散で色々面倒に巻き込まれ

たと言う事実がある以上、箒が束を恨む

のは・・・まぁわかる。

 

悪いのは束を利用しようとした日本政府

なんだが、政府と言う曖昧なモノを子供に

理解しろって言うのも難しいしな。

 

だがコイツの場合は完全に自業自得だろう。

 

姉が妹を虐待とか意味が分からん。

 

暗部の人間の側に居たら危険だと思って、

中途半端に引き離そうとして嫌われたって

・・・ソレで冬林技研に拾われたなら本望

じゃないか?

 

「少なくとも今の更識簪は周囲に虐めを

受けていた時や、一人で整備室に籠って

いた頃よりは明るくなってるぞ」

 

せめて姉としてソレを喜ぶんだな(愉悦)

 

「う”う”う”。普段から司馬さんの側に居る

から写真も撮れないし、本音も近付けないし

・・・カンザシウムが足りないんですよぉ!」

 

「知るか」

 

突っ込まんぞ。自業自得だ。

 

「臨海学校にも参加はするみたいだけど、

司馬さんと一緒に先に現地入りする

みたいだし、接触する機会が全く無い

んですよ~!織斑先生からも何とか

言ってみてくださいよ!」

 

・・・散々ダミー情報を流してるのに司馬

監査員には当たり前に場所が割れてるのな。

 

まぁ凰の装備を送る為には座標を知らねば

ならんし、司馬監査員がメンテナンス

担当だから漏洩にはならんのだが・・・

 

なんだかなぁ~。

 

それはそれとして私がお前の為に何か

するはず無いだろうが。

 

「イジメの加害者が被害者に何を

する気だ?更識簪が接触を拒むなら

ソレに異を唱えることなど出来んよ」

 

姉妹とは言え、妹は姉の所有物では無いのだ。

 

それなのに自分の都合を押し付けて周囲に

誤解を招いたうえ、あんな扱いをされて

いる妹を助けないとか何様だ。

 

放置だって立派なイジメだろうが。

 

私は一夏関連で接触を拒まれていたし。

 

結局司馬監査員に見いだされて救われたと

言うのが、教師として力不足を嘆くところ

なのだろうが・・・

あのままよりは100倍マシだと言うのは

確信をもって言えるぞ。

 

「私はイジメなんてしてないんですけどー!」

 

加害者はみんなそう言うんだ。

 

中途半端に悪だくみばかりしている

己の日頃の行いを悔いるのだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて来週は臨海学校か・・・まさか箒が

束に専用機を強請るとはな。

 

一応やりすぎるなとは言っておいたが、箒に

直接頼まれて浮かれる束の気持ちも分かる。

 

普通の第三世代型では無いと思うのだが、

一体どんな機体を持ってくるのやら・・・。

 

 

 

 

 

 

そろそろ山田君には胃薬が必要に

なるかもしれんなぁ。

 

 

 

 




散々引っ張ったがリンちゃんは
スゴク・普通でしたッッ!

(ΦωΦ)フフフ…ウチのリンちゃんがケーン!
と叫ぶとでも思ったか?
残念だったな!ちゃんとリハビリ済みなのさ!

まぁ実際副所長は痛みをコントロール
出来る設定(恋姫の方でもそういう設定)
ですからね。学生相手に拷問じみた技は
使いませんよ?
かなりマイルドな一撃ですってお話。

まぁそれでも命奪崩壊拳以上の攻撃力は
ありますけど。


おや?弟魂がリンちゃんを特別扱い
し始めたぞ?


弟魂って束ねーさんから箒が専用機をもらう
ことは知ってましたよね?

そうじゃなかったら専用機持ちの方に
呼ぶようなことは無かったハズだし。

次回からようやく臨海学校・・・か?

買い物?あの茶番必要ですかね?

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