とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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弟子の年齢とか男性操縦者の数とか
色々修正!
風呂敷を畳んだとも言う!

評価が赤くなったって続かない!・・・ぞ?

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


第4話

ゴクリと生唾を飲み込む音が静寂の

中で響き渡る。

いや、実際には響いたりはしていない

・・・はずだ。

 

普段は緊張とは無縁と言われてるし

代表候補生を決める試合でも緊張

なんてしたことはない。

 

だけど今は別。

 

・・・冬林技研

 

司馬家が起業した、ISやISに使われている

技術を利用して宇宙開発事業を行う

会社であり、幼馴染であり想い人でも

ある織斑一夏の姉である織斑千冬が、

あの世界最強のブリュンヒルデが、

遅刻した際普通に頭を下げて出勤し

上司に説教喰らうような会社である。

 

コレだけでも胃が痛いのに、問題は

今回の呼び出しの内容だ。

 

代表候補生として日本に行くことに

なった自分の機体調整役兼お目付け役が

まさかの司馬家の鬼才、司馬仲達

その人だと言うではないか。

 

中国人なら誰もがその名を知る。いや

世界でも知らないモノはまともな教育

を受けていないか、そもそも教育前の

子供くらいだろう。

 

もちろんソレは歴史上の人物の話で

あって、自分のお目付け役がその

ご本人様というわけではない。

 

ただ、漢の時代から続く名門中の名門

司馬家の総本家の人間全員が、彼女に

その伝説とも言える名の継承を認めた

と言う事実が恐ろしい。

 

「司馬家の歴史は中華の歴史である」と

さえ言われる名門。その権益を巡る

争いは「骨肉の争い」では済まない

程だろうし、その澱みもまた自分が

想像も出来ないようなモノなのだ。

 

そんな家であるにも関わらず、

現当主を差し置いて満場一致で

伝説の始祖の名を継ぐと言う事が

どれだけのことか。

 

ただでさえ司馬家の総本家のお姫様。

日本人にすれば天皇陛下のご息女に

呼ばれたようなものだ。

しかも司馬家には2000年の間

蓄積された財力も権力も武力もある。

 

当然ISもある。なんといっても世界最強

がテストパイロットをしていた企業だ。

 

それが何でしがない中華料理屋の娘の

お目付け役になるのか・・・

 

普段は強気な母親もオロオロして

「失礼がないように!」を繰り返す

機械のようになっていたが、その

気持ちは凄く良くわかる。

 

生粋の中国人である母にしてみれば

司馬家の総本家のお姫様など現人神

そのもの。

 

無礼があったらそのまま殺される。

 

いや、殺されるだけならマシと

言われるような目に遭うだろう。

 

それも家族親族遡って、一族全員。

 

彼らにはソレをやるだけの力

があるのだから。

 

・・・あぁ、自分はただ日本に

居る想い人に会いたかっただけ

なんだけどなぁ。

 

何でこんなことになったのか・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「つまりは兎ですか・・・」

 

『はっ!裏で糸を引いていました。

担当者たちは兎の関与も知らずに

踊っていただけのようです!』

 

あのクソ兎。私と師を引き離して

既成事実を作り、自分が正妻の座に

納まる気でしたね?

 

で、師は兎の関与を読み取り

逆に連中から予算や権限を搾り取る

策とし、ついでに私との婚前旅行

にまで利用したと・・・。

 

流石我が師ですね!

 

「とりあえず無能な担当部署に回す

予算はありません。技研に回す必要も

ありませんから・・・今回は諜報部の

福利厚生に充てなさい」

 

『はっ!』

 

日本の歴史とか見れば分かりますが

ニンジャに対しての報酬をケチった

組織は情報弱者となります。

 

人である以上、仕事をこなしたら

褒めて報酬もきちんと支払うべき

でしょうに。

 

職に貴賎はありません。

 

彼らは職務上、表立って名誉が

得られないのですから、せめて

報酬で支払うべきです。

 

私たちが諜報を重宝していると

・・・なかなかの弟子冗談ですね。

 

今度師に教えてあげましょう。

 

『閣下?』

 

お、いけませんね。今は電話中でした。

 

「いえ、少し我が国の諜報について

考えておりまして・・・」

 

『あぁ、なるほど。閣下が使っていた

張燕様のような達人ともなると中々数を

揃えることができませんから・・・』

 

張燕様、ねぇ。確かにそこそこ役には立って

いましたけど、アレって達人ですか?

唯の賊面だったような気がしますけど。

 

まぁいいや()

 

「この情報化社会では、諜報はどうしても

兎のような技術力重視となってしまいます。

ですが所詮その技術を使うのも人だと

言うことを忘れないように」

 

『はっ!』

 

IS搭乗者とて起動前ならば銃弾一発で

殺せますからね。

油断慢心ダメ絶対の理を忘れては

いけません。

 

「今回に関しては師が既に対処済み

ですから、貴女方を罰するつもりは

ありません」

 

『ありがとうございます!』

 

「こんなつまらないところで死んでは

私や師の創る世界が見れませんからね。

ただ今後は、師の手を煩わせることが

無いようしっかり手綱を握るように」

 

『はっ!かしこまりました!』

 

まったくあの兎め。

 

確かに織斑千冬のように万年乙女

では哀れと思い、師の寵愛を受ける

ことを認めましたが・・・所詮は兎。

性欲と独占欲が強くて困る。

 

師は独り占めできるような方では

無いと何故わからんのか・・・

 

「少佐!凰准尉が到着しました!」

 

あぁ、そう言えば呼んでましたね。

ふむ、まだ時間には余裕がありますが、

流石は日本で教育を受けただけの

ことはあります。

 

時間を無駄にしないのは良い事です。

 

―――――――――――――――――

 

 

「良く来ました凰准尉。自己紹介は必要ですか?」

 

「け、結構です!司馬様のご高名は存じ上げておりますので!」

 

う、うわぁ。ホンモノだよ!オーラが違う!

てゆーか、今のしゃべり方で大丈夫?!

教官役の人が遺書とか書いてましたけど、

問答無用で無礼討ちとかしませんよね?!

 

「ふむ。貴女の立場を考えれば慣れない

話し方なのは仕方ありませんね。

最低限の礼儀を守れば不敬扱いでの

断罪は行わないと約束しますので、気を

楽にしてくれても良いですよ?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

いや、貴女の最低限と私の最低限って

絶対に違いますよね?!

 

しかも断罪って・・・いや、そもそも

不敬以外はあるんですよね?!

 

「お互い軍人としての立場が有りますが

IS学園が国家権力による干渉を受けないと

いうお題目を掲げている以上、学園内部

での不敬や上官命令に対する不服従は罪には

問われません」

 

「学園内部では、ですよね?」

 

「当然です。貴女に貸し出されるISは国家の

所有物。代表候補生としてソレを使う以上、

貴女の言動には国家としての意思が反映

されていると見なされます。

故に貴女の言動はチェックされますし、

その内容によって卒業後の貴女の待遇も

変わります。コレはわかりますね?」

 

「はい!」

 

ま、まぁ当たり前の話よね。部品交換やら

弾薬の補充やらは国家の予算で行われるモノ

だし、ISコアも装備も全部国の財産だもんね。

 

それなのに国なんか関係無い!なんて言ったら

コアを没収されて、身柄は拘束されるわよ!

 

「ちなみに先日IS学園において、イギリス

の代表候補生と日本の男性操縦者が

このような口論をし、決闘騒ぎにまで

発展したそうです。コレがその映像資料です」

 

 

 

 

 

 

 

「「・・・」」

 

 

 

 

 

 

 

いやいやいや、何してんの一夏!アイツ馬鹿

じゃない?!しかもイギリスの候補生は

何を考えてるの?普通に国際問題よね?!

 

「ツッコミどころは多々有りますが、まず

イギリスの螺旋頭です」

 

「ら、螺旋頭ですか」

 

この人って意外と冗談とかわかる人なのかしら?

 

「えぇ、そもそもの癇癪の原因である推薦

ですが、自薦他薦問わずと言っている

のですから、さっさと自薦すれば良いのに

ソレをしませんでした」

 

「確かにそうですね」

 

「他の連中が自分を推薦するという確信が

有ったのでしょう。ですが、普通に考えれば

イギリスの代表候補生よりも世界に一人

しかいない男性操縦者の方が希少です。

学園としても、少しでもデータを録るため

にも男性操縦者にクラス代表をさせようと

するのが当然でしょう」

 

「そうですね。学園だけでなくIS委員会でも

そう考えているのでは無いでしょうか?」

 

つまり、完全にピエロよね。

 

「その通り。しかもこの螺旋頭、織斑千冬の

目の前で日本を文化後進国扱いし、日本人を

東洋の猿扱いしています」

 

「織斑千冬も篠ノ之束も日本人ですし、更に

モンドグロッソで優勝してます。ISに関しては

名実共に間違いなく先進国ですよね?」

 

ほんと、馬鹿じゃない?千冬さん個人に挑戦

するために喧嘩を売るって言うならまだしも、

いや、ソレもアレだけど、まぁ気概としては

わからないでもない。

だけど、この言い方だと日本に対してイギリス

が国として挑発してるじゃない。

コイツはISを学ぶためにIS学園に行ったんじゃ

無かったの?最新技術と理論が有る日本は

技術先進国でしょ?

文化についても、ウチやらインドやらエジプト

に比べたら後進かも知れないけど、イギリスに

どうこう言われるレベルでは無いわよね?

 

それに、東洋の猿に負けた他のIS乗りやそんな

ISしか造れなかった関係者は何だって言うのよ?

 

IS関係者全員に喧嘩を売ってるじゃない。

 

「その通り。あまりにも現実が見えていません。

更に決闘とか言い出してます」

 

「はい。ISは彼女個人のモノではありません

から、もし決闘をするとなれば生身での

決闘をしなくてはいけませんよね?」

 

コイツの気分で弾薬やら部品やら浪費

することになるわ。

 

「そうですね。一応補足するなら今回の件に

関しては、男性操縦者が扱うISとの戦闘データ

を間近で録れましたから、イギリス本国と

しても丸損では有りませんでしたね」

 

「あぁ、確かに。双方で貴重なデータが

録れたと言うことですよね」

 

うん。それなら一概に税金の無駄遣いとは

言い切れない、か。

 

「それはそうですが、あくまで結果論です。

ついでに言えば、我々は一元も使うこと

なく情報を獲得していますよ?」

 

「あっ!そうですね!」

 

そう言えばそうだわ!つまりアイツらは

税金を使って私たちに軍事機密を公開

したってことになるわ!

 

「わかりますか?つまりは、こう言った無駄な

行為を控えるようにしてくださいと言いたい

のですよ。これはお願いではなく命令であり

警告です」

 

「は、はい!」

 

周囲に悪影響を与えて、更に税金まで使って

他所が得するような事をしてたら・・・

そりゃ無能の烙印を押されるわよね。

 

「更に法律上の問題も有ります」

 

「ほ、法律上ですか?」

 

なんかややこしい話があるのね。

 

「知っての通り、IS学園に置ける基本的な

法は国際法と日本の法律です。所属する

国が違う場合は互いの国の法律を踏まえた上で、

国際法による判断が行われます」

 

「は、はい。そうですね」

 

日本の領土だし、国際法でカバー出来ない

ような細かいところは日本の法律よね。

後は文化や宗教の違いによる擦り合わせも

有るから、問題が起こると外務省と法務省が

凄く忙しくなるのよね。

 

「それでいくと日本の法律上では、

決闘は違法行為です」

 

「えっ?!犯罪なんですか?!」

 

知らなかった!犯罪は知らなかったじゃ

済まないから、コレは気を付けないと!

 

「えぇ。決闘を申し込んだ者。

決闘を受けた者。立会人を務めた者。

場所を提供した者。観客となった者。

決闘を知りながら黙認した者。

それぞれが罪人となります」

 

かかわった人全員が有罪になるの?!

 

「分かりやすく言えば殺人か殺人未遂。

殺人教唆。傷害と傷害未遂。脅迫と恐喝。

それぞれの共犯です。使うモノによっては

銃刀法違反も付きますね」

 

「い、言われて見れば決闘ってそう言う

行為ですよね!」

 

負けた方が奴隷とか言ってるし、しかも

使うのがISと言う兵器なら尚更・・・

 

「イギリスの法律でも決闘は違法行為ですね。

あの国の関係者の中では彼女の個人的な評価は

地に落ちてるでしょう。何せ国の威信を背負い

税金を使ってまで犯罪を犯したのです。

しかも個人の感情で兵器を振り回すと言う

最悪の犯罪行為です」

 

ありえないわ。私たちなら軍法会議?

いえ、司馬様に後ろから撃たれてるわね。

 

「普通なら強制送還の上で軍法会議を

すっ飛ばして実刑判決ですよね?」

 

だって現行犯だもの。別に代表候補生がコイツ

しか居ないわけでも無いだろうし、むしろ

コイツを引き摺り降ろしたい連中からすれば

格好の餌よね?

 

「普通ならそうです。コレがいまだに本国に

召還されてないのは、コレが実質負けて決闘

云々があやふやになったところを、

織斑千冬が決闘ではなく試合として

処理をしたからです。

それと、このお遊戯の結果偶然男性操縦者と

仲良くなったからですね」

 

「コイツが一夏と・・・」

 

戦ってお互いを認めたって感じ?

いや、だけどコレは無いでしょう。

それとも男性操縦者にはそれだけの

価値が有ると見なされてる?

 

「学園を卒業後、螺旋頭がどのような扱い

を受けるかは・・・今後の成長や男性操縦者

との関係次第でしょう。しかしながら、

このお遊戯が確実に彼女の評価と未来に影を

落とすことになるのは確実です」

 

「なるほど」

 

それはそうよね。

 

ISを使い始めたばかりの素人相手に油断慢心

で接近を許し、さらにこの近接戦闘の拙さ。

 

未来どころか今の評価は確実にマイナス。

しかも個人の感情で兵器を私物化したって

評価はずっと付いて回るわ。

軍事も政治も「謝罪しました。はい終わり」

なんて甘い世界じゃ無い。弱味を見せたら

徹底的に喰われることになるんだから。

 

「ちなみに貴女には織斑一夏への接触の任務も

下されてますが、ソレは上手く行こうが失敗

しようが貴女の立場には関係しません」

 

「え?」

 

いや失敗はともかく、上手く行けばそれは良い事じゃないの?

 

「貴女に命令を伝えた派閥の者は男性操縦者に

一定の価値を認めてましたが、我々は特に

価値を認めてませんからね」

 

「ど、どういうことですか?!」

 

ISが男性にも使えたら今の女尊男卑の

社会が覆るから、女権団体も男の政治家も

アイツらを重視してるんじゃないの?!

 

「まず、普通に考えたらわかることだと

思いますが、私が軍部の命令でIS学園に

出向するなど、本来は有り得ません」

 

「そ、それはそうですよね!」

 

普通にお姫様だからってのも有るけど、

そもそも司馬様は大学を卒業してるし

冬林技研はISを研究するなら世界最高の

環境だもん。

IS学園の学生みたいに一般の高等学校の

授業を受けながらISを弄るような中途半端な

事をする必要が無いわ。

 

「命令系統に不備が有りましてね。担当者

と担当部署は物理的に地獄を見ています」

 

「・・・」

 

えっと、ソレは何と言いますか・・・

 

「つまり貴女に命令を出した、男性操縦者に

特別な価値を認めている連中は今はもう

居ないと思って下さい」

 

「は、はい!」

 

思うって言うか、もう居ませんよね?!

 

「別に我々が女尊男卑に染まっているわけでは

ありませんよ?実際、男が使えようが女が

使えようが、ISの数は決まってますよね?」

 

「そ、そうですね!」

 

下手な意見は要らないわ!まずお話を理解

しないと・・・今、私はヤバイところに居る!

 

「今でさえ乗り手の数が過剰なのに、

ここから増えても争いが激化するだけです」

 

「そうですね」

 

今でさえ派閥だ女権だの色々あるのに、

男まで絡んできたら・・・

 

「つまりは下手にアレに関わって、権益だの

利害調整だのに時間と労力と予算を使う

くらいなら、いっそ他に使うべきだと

言うのが我々の意見なんです」

 

「な、なるほど!」

 

予算を使っても手に入らない可能性もあるし、

手に入れても厄介事が確定してるもんね。

 

それならいっそ相手に渡してかき混ぜた

方が良いって判断してるのか。

 

「それに冬林技研では男性が使える簡易的なIS、

ACを開発し宇宙開発事業で使用しています」

 

「えっ?アレってISだったんですか?!」

 

普通に宇宙服としてデブリ除去とか、

人工衛星の修理とか廃棄作業してましたよね!

 

「えぇ。何をもってISとするかの判断は微妙

では有りますがね。

簡易的とは言えISと名乗れば騒ぐ連中が

居ますので名乗ってないだけですよ。

そして、知っての通りACは男性も普通に

使えるモノです」

 

「な、なるほど!」

 

ソレなら一夏に特別な価値を認めないって

言うのもわかるわ!

 

だって他にいくらでも居るってことだもの!

 

「つまり、イギリスのように男性操縦者と

仲良くなったからと言って、罪が許される

ことはありません」

 

「は、はい」

 

むしろ仲良くなって結婚とかすることに

なったら・・・面倒事として処分される?!

 

「普通に仲良くなって婚姻だの妊娠

だのをした場合は、我々が保護することに

なるでしょう」

 

「わ、我々と言うと、冬林技研ですか?」

 

保護して貰えるの?!

 

「そもそもが正式な命令でも有りますから。

やっぱり邪魔だとか、騙して悪いが・・・

などと言った真似はさせませんよ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

司馬様が言うならきっと大丈夫よね!

 

「いや、お礼を言われましてもね。まだ

何も確定してませんよ?」

 

「それでも、問答無用で政府によって取り上げ

られて実験に使われるとか無いだけマシです!」

 

可能性はいくらでも有ったからね!

コレで遠慮無く一夏を落とせる!

 

「我々も多少のデータは録らせてもらいますが、

普通の医療機関で録るようなデータ位ですね。

こちらとしても、姉も弟も無関係では

有りませんから多少の融通は利かせます。

上には人材確保の一貫として計画書を

あげますが、すでに担当者は居ませんので

無理をする必要はありません。故に織斑一夏

に関しては自由恋愛と言う形となります」

 

「ほ、本当ですか?!」

 

やっぱり任務ってのがあると、どうしても

一歩引いちゃうし、一夏や千冬さんだって

面白くは無いだろうとは思ってたけど!

 

「余計な下心は相手に不快感を与えます。

私たちは織斑姉弟に特別な価値を認めては

居ませんが、だからと言って敵対したい

わけでは有りませんので」

 

「あ、な、なるほど!」

 

何て言うか、当たり前の話だけど、中国的な

発想じゃ無いわよね。いや、私にとっては

凄く良いことだから良いんだけど!

 

「とりあえず話を纏めましょう。

まず、IS学園では私が貴女の上官となります。

任務の内容は織斑姉弟との接触と甲龍の

実地試験、他国の技術調査が主な任務です。

機体や武装の調整は冬林技研で行います。

生活に関するバックアップもこちらですね。

軍属となるので当然給料も発生します。

給料の振込先の確認や各種保険の資料、

就労規約をきちんと読み込むこと。

何か質問は有りますか?」

 

「あ、い、いえ、今はありません!」

 

てっきりお国の為に機械みたいに働けって

言われるかと思ったら、予想以上に自由度が

高いし、バックアップ体制もアフターフォロー

も完璧な状態じゃない!

 

司馬様が担当者を潰してくれて良かった!

 

「それでは資料を読み込んだあとで何か

疑問があれば、私か冬林技研の人間に

問い合わせるように。

貴女のバックアップを行う人員の代表の

連絡先は資料に書いてますから、きちんと

自分の端末に保存しなさい」

 

「はい!」

 

助かった!司馬様に直接連絡とか絶対無理!

 

「よろしい。それでは今、この時より

准尉は私の指揮下に入る。

私の事は学園外部では少佐。

学園内では・・・主任と呼ぶように」

 

「はっ!了解致しました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助かった!司馬さんとか絶対無理だから!

 

 




弟子、スゴク・偉い

兎は人生楽しんでるらしい。

説明するのも、手綱を握るのも上司の努め。

2番目が暴走したら自分が怒られますから
説明はきちんとしてるもよう。

いや。原作連中は当人もそうだけど、
各国の背後に居る連中も責任とか軽く
見すぎじゃない?ってお話

普通に各国の担当者は首切り案件でしょ?


冬林技研。当たり前に変態企業である。

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