とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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話の都合上いつもより文章が短いぞ!

べ、別に考察とかハイスクールが
悪いわけじゃないんだからね!

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


第41話

「・・・ヤレる!この紅椿ならっ!」

 

何をヤる気だ何を。

少なくとも今の貴様に一夏はやらんぞ。

 

しかし第四世代型か・・・あきらかに

宝の持ち腐れだが、説明を受ければアレ

くらいしないと箒にはマトモに運用

出来んと言うのはわかる。

 

展開装甲についてはまだ良くわからんが、

形を変えるのならおそらくは体に染み

込んだ剣道の動作を邪魔しないような

形状になるのか?

 

・・・普通は武装に合わせるモノだろうに。

 

一夏もそうだが、歪すぎる。

 

タダでさえ基礎が出来てないのに、

誰も第四世代型の教育なんざ出来んのだ。

 

アシスト機能を重視して、燃費性能を

極限まで落としたらしいから長時間の

戦闘はできんし、暴走したら即エネルギー

切れを起こすという事だが・・・

 

最初に白式を使った時の一夏と同じと

言うことだろう。

常にエネルギー残量を確認する癖を

つけさせないとマズイだろうな。

 

まぁ自衛の為の機体と考えれば悪いモノ

ではない。

 

それどころか箒の成長にあわせてアシスト

機能に使われていた容量が燃費や出力に

回せると言う話だろ?

 

箒が成長すればするほど強くなると言う

なら束なりに箒の成長や将来を気遣った

機体とも言える。

 

「ふっ、しばらく会わないうちに束も

成長したもんだな」

 

コレも教頭のおかげか?

 

「ふふん♪絶えず成長するのが束さんが

天才兎である所以だからね!だけど

ちーちゃんは・・・全然変わらないねぇ」

 

・・・ほほう。

 

「いつの間に私の横に来ていたのかは

知らんが、箒を見てなくて良いのか?」

 

急制動とかで体に負荷がかかるかも

しれんぞ?良いのか?良いのか?

 

「学習型AIがうまく作動して最適な行動

を取ってくれてるからね。

今の箒ちゃんはアレが自分の力って思って

るけど、ソレが機体性能のおかげだって

気付くことが成長の第一歩だからしばらく

はこのままで良いのさぁ♪」

 

なるほど。体を痛めることで最適な

行動を覚えろと言うことか。

コイツが箒を甘やかすだけでなく、

鍛えることも覚えたとはな。

 

「で、私が成長していないとは?」

 

確かに貴様には成長の片鱗が見えるが、

流石に聞き捨てならんぞ?

 

「え?普通に成長してなくない?教師と

しては新米だから仕方ないにしてもさ。

ちーちゃんが最後に本気出して戦ったの

って何時?本気で鍛錬したのって何時?」

 

・・・そういう意味か。

 

「確かに身体的には鈍ったと言えるだろう。

教師としても毎日が手探り状態だし、

ここ数ヶ月の失態を考えれば確かに

成長したとは口が裂けても言えんよ」

 

ようやく日本も学園が信用出来んと理解して

自分で情報収集をするようになったものの、

そのきっかけとなったデュノアが一夏に依存

することになり、それに引きずられて箒や

セシリア・オルコットが過剰に接触してくる

ようになってしまった。

 

そのせいで他の一般の生徒との溝ができ、

凰とも気楽に接触が出来ない状況になり

つつあるからな。

 

とりあえず凰にクラスの女子の裏取りを

してもらい、安全と思われる奴と接触して

少しでも心労を無くして欲しいのだが・・・

 

「それもあるけどさ~。それ以前に

ちーちゃんはいつまで乙女なのかな~

って束さんは真顔で女友達

を心配してみたりする」

 

「はぁ?!」

 

何をいきなり。一夏が一人前になるまで

男なんざ作ってる暇が無いんだよ。

 

ん?まてこの言い方はミサ、いやマサカ。

 

「ちーちゃんが幸せにならないと、

いっくんだって彼女なんか作れないと

思うんだけどな~」

 

お、おぅそういう意味か。てっきり

コイツに男が出来たかと思ったぞ。

 

中身はともかく体つきは立派だから

有り得なくはないかもしれんが・・・

いやナイナイ。束に男って。アルワケナイ。

 

まったく・・・焦らせるな阿呆が!

 

「・・・その辺は追々だ。少なくとも

一夏が一人前、いや自衛が出来るくらい

の強さを獲るまでは無理だな」

 

男は妻を娶って一人前だろうから、

まずは自衛だ。

自分を守れん奴に好いた女を守れる

とは思えん。

 

まぁ凰なら自衛も出来るし、いざと

言うときは物理的にも政治的にも

守って貰えるんだがな。

 

もし一夏が『私を気にして恋愛出来ない』

なんて状態だとしたら・・・コレは

なんとかしないとダメだよなぁ。

 

一夏のためにも凰のためにも、

ついでに私のためにもそろそろ

真剣に考えねばならんか?

 

だが急に男について真剣に考えろと

言われてもなぁ。

いや心優しい一夏が私を気にして遠慮して

しまうのはわかる。わかるんだがなぁ・・・

 

ステイタスだの体目当ての男がしたり顔で

言ってくるなら、腹に命奪崩壊拳(劣化)

を打てば終わりだが、束に言われたって

言うのがなぁ・・・

 

「織斑先生!大変ですっ!」

 

ん?山田君?妙に焦っているようだが

・・・いつまで学生気分で居るつもりだ?

 

「山田先生、生徒の前です。慌てずに

報告をしてください」

 

教師が慌てていたら生徒も焦るだろう。

しかも今は兵装試験中なんだぞ?

 

事故の元じゃないか。

 

「お、落ち着いている場合ではないんです!」

 

何が起こったかは知らんが・・・

 

「山田君。非常事態なら尚更声を抑えろ」

 

生徒に知られたら困ることなんだろう?

ハイパーセンサーで口を読まれること

だってあるんだぞ。注目を集めるな馬鹿者が。

 

「あっ・・・すみませんでした。えっと・・・」

 

ハンドサインは覚えていたか。

危険・非常事態・大至急・危険・・・なるほど。

危険が二回出てくるほど厄介事のようだな。

 

「とりあえず了解した。すぐに移動して

状況確認しよう。

・・・ナニカ指示は出ているか?」

 

本当に緊急の非常事態ならその情報にも

規制が掛かる。

海で遊んでるIS学園の教師に連絡が入る

程度の緊急事態なら、何かしらの指示が

出ると思うんだが。

 

「あ、はい。専用機持ちは別室で待機させ、

他の生徒は室内で待機。

情報の拡散を防ぐようにとのことです」

 

・・・微妙だな。情報の拡散を防ぐなら

専用機持ちも同じように待機で良い筈。

 

わざわざ別室に纏めるということは、

奴らにナニカさせる気か?

 

「あ、あの、織斑先生?」

 

山田君は何も疑っていないか。まぁ

専用機を持つということの意味を

正しく理解出来ているからな。

 

だがコイツらはまだ学生で、専用機の

ほとんどは試作機だということを失念

している。

 

もしコレが全体的なモノだとしたら

・・・危ういな。

 

「いや、何でもない。ではすぐに生徒に

指示を出そう。監督者がいきなり焦って

いなくなっても困るし、事故が起きたら

洒落にならんだろうからな」

 

誰が緊急連絡を入れてきたか知らんが

学生に何をさせる気だ?

 

とりあえず焦らしてその性根を見定める。

 

「そんな事してる場合じゃ・・・

「あぁ?」い、いえ、そうですね。

まずは生徒さんの安全が第一ですよね!」

 

当たり前だ。学生を最優先するのが教師と

言うものだろうが。

 

「わかったら落ち着いて行動するように。

別にナニカ具体的な命令を受けたわけでは

無いのだろう?」

 

非常事態だからってなんでも対応出来る

ワケじゃない。

 

知ってもどうしようもないことって

のはあるからな。

 

「あ、言われてみればそうです・・・

すぐに織斑先生に知らせるようにって

言われただけです」

 

だろうな。今までの私なら緊急事態と

言われてたら、情報を得るために即行動

してただろうさ。

 

だがココに束と司馬監査員が居る以上、

本当の意味での緊急事態は発生しない。

 

あれ?そういえば束がいつのまにか

居なくなってる。

 

いやまぁ束が横に居たら流石の山田君

でも情報の開示はしないよな。

 

その辺を読んで消えたとしたら・・・

やはり人間的にかなり成長しているか。

 

置いていかれてる感じがするが、

今は友としてアイツの成長を喜ぼう。

 

まぁ成長してても箒が大事なのは変わらん

みたいだし。

つまりは箒が傷付くことは束が許さんだろう。

機体制御に失敗して体を痛めるのは外的要因

ではなく箒の自爆だし、成長の糧となる。

 

そして司馬監査員が傷付くことは教頭が

許さん。ついでに司馬家と李家もな。

 

とりあえず今現在ココは世界でも有数の

安全地帯というわけだ。

 

そしてココが安全ということは一夏も

安全だし、私が担任として受け持つ

生徒や、学年主任として受け持つ生徒も

無事と言うことだ。

 

ならば後は他の連中の仕事だろう?

 

私はあくまでIS学園の教師。軍の所属

でもなければ日本を守る責任も無い。

 

アレだ。もう更識がヤレば良いじゃないか。

 

暗部のくせにロシアの国家代表なんかに

なって十分目立ってるんだから、今更

表に出たって問題ないだろう?

 

まぁ指示が出てる以上は動くが・・・

 

「さて緊急事態が発生したので今日の

演習は中止だ!

専用機持ちは装備を回収し指定された

部屋へ移動。

一般の生徒は部屋に戻って待機だ。

許可なく部屋から出たら罰則が有るから

大人しく待機するように!」

 

・・・さてそろそろ私も行くか。

 

山田君があれだけ慌てる緊急事態だ

どーせ碌でもないことだろうから

聞きたくないんだがなぁ。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「・・・馬鹿じゃないか?」

 

連中は何を考えてるんだ?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

緊急事態ねぇ・・・山田先生は焦ってた

けど織斑千冬はそうでもない。

 

コレは情報を知らないから?それとも

織斑千冬にしてみたら緊急でも何でも

ないってこと?

 

「なるほど・・・特尉、少尉、データを

送りますので確認なさい」

 

「「はっ!」」

 

うん。どうやら司馬少佐にしてみたら

大したことじゃないみたいだね。

 

えーナニナニ・・・

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

あ~なるほどね。

うん関係者全員馬鹿じゃない?

 

「確認しました。とりあえず部屋に

戻りますか?」

 

こんなの確認する為にわざわざ海まで

来たのか~。麻雀してた方がマシですね。

 

「そうですね。多少は見るモノもあるかも

しれませんが・・・今は特にすること

もありません。さっさと部屋に戻って

待機するとしましょう」

 

「「はっ!」」

 

待機という名の麻雀ですね。わかります。

 

「( ゚Д゚)エッ?!司馬様、私は?!」

 

・・・この子は何を言ってるのやら。

 

「いや、リンちゃんは専用機持ちじゃん。

向こうに行かないと」

 

指示出てたよね?

 

「そうだぞ。凰准尉は教官の指示を聞いて

無かったのか?」

 

まったく。ウッカリしすぎじゃないかな?

ウッカリん・・・うっ頭がっ!

 

「いやいやいや、司馬様はともかく

簪もラウラも専用機持ちじゃん!

私を置いて逃げないでよ!」

 

逃げるんじゃない別の戦場に行くだけだよ。

 

コレから司馬少佐と麻雀するんだからね。

 

てかあんな連中の溜まり場に行ってたまるか。

司馬少佐には抑えるように言われてる

けど、阿呆の態度に我慢できず殴り倒す

かもしれないし。

 

「准尉。私は監査員である以上学園とは

違う指揮系統にあります。ソレはわかり

ますね?」

 

監査員が監査対象の指示に従うわけには

いかないですもんね~。

 

「は、はい」

 

まぁソレはリンちゃんもわかってる

からさっき『司馬様はともかく』って

言ったんだろうけど。

 

「特尉と少尉は私の補佐役であり護衛です。

よって私の側を離れる訳にはいきません」

 

「「その通りです」」

 

「( ゚Д゚)」

 

いやー流石司馬少佐。完璧な理論武装です。

 

「え?いや、それって大丈夫なんですか?」

 

大丈夫もなにも・・・

 

「ねぇリンちゃん。そもそも私たちが

IS学園の指示に従わない場合の罰則って

なんだと思う?」

 

わっかるかな~?

 

「えっと、まずは国家代表候補生としての

立場を失うわよね・・・( ゚Д゚)ハッ?!」

 

気付いたね?

 

「そう。私たちは国家に所属してないの。

入学の際に非常時の指揮系統に関する

委任状があったけど・・・ラウラさんの

場合はドイツから移籍してる上に

司馬少佐の護衛として登録してるから

司馬少佐と一緒にいても何の問題もないね」

 

ドイツに所属してた時の書類には「緊急時は

IS学園の定めた指揮官の指示に従う」って

文面にサインしてるんだろうけど、今じゃ

そんなの無意味だよね~。

 

なんたって保証人と責任者が違うんだもん。

 

もし書き直してるにしても優先順位は

司馬少佐>>超えられない壁>>IS学園で何の問題もない。

 

「うむ。そうだな」

 

だからこそラウラさんは向こうに行く

必要がないんだよね。

 

「そして私は元々退学希望なんだよ!」

 

「( ゚Д゚)ソーユーモンダイ?!」

 

そういう問題だよ。

 

そもそもIS学園からしてみたら違反者は

退学させるしか出来ないでしょ?

 

そうじゃなかったら寮内で武器を

振り回したりISを無断展開して織斑一夏を

追いかけ回したりする連中に対して

何かしらの処罰があるはずでしょ?

 

それが反省文って。軍規違反舐めてんの?

 

あんまり悪質な場合は刑事罰だろうけど、

司馬監査員の補佐は立派な仕事だし?

 

退学によって生まれる制裁とか、コア没収

って言う副次効果が怖いからみんな最低限

の指示には従うんだろうけどさ。

 

私には関係ないね!

 

「普通は学園を退学になったら国家の面目

を潰したってことになって代表候補生の

座を下ろされて、専用機も没収されるよね?

だけど私たちは冬林技研の所属だし、私の

専用機のコアだって国とは関係ないし」

 

このコアはあくまで冬林技研が造ったコア。

兎さんが造って中国政府に割り当てられた

コアはそのまま塩漬けされてるんだよね。

 

「だから私が留意すべきは学園の意見じゃ

なくて冬林技研の意見なの。

そして退学になったとしても、その理由が

『司馬少佐の護衛を優先した』って

言うなら冬林技研の誰からも責めれない!」

 

むしろ褒められるよね?

 

「だけどリンちゃんは中国の国家代表

候補生としてココにいるじゃん?

「命令違反で退学」なんてなったら

リンちゃんの足を引っ張ろうとしてる

連中がわんさか寄ってくるよ?」

 

もうピラニアシャークだよ!

 

・・・もうピラニアで良いじゃん!とか、

そんなの流行るわけないだろ!とか、

上水道に酒を入れても空気中のは関係

ないよね?とか、その程度の濃度で死ぬなら

下水に居るサメは最初から死んでるよね?

とか、え?ソレ核でなんとかなるの?とか

ツッコミんだらダメだぞ。

 

「そんなわけだから、諦めて連中が

待つ部屋に行ったら?」

 

「( ゚Д゚)アキラメロダト?!」

 

織斑一夏が待ってるよー。多分今までの

人生で、一番リンちゃんの登場を心待ち

にしてるんじゃないかな?

 

やったねリンちゃん☆

 

「まぁ随分簡略しましたが、特尉の

言った内容に間違いはありません。

つまり私が向こうに行く気がない以上は

特尉と少尉も行きません。

それともアレですか?私から補佐と護衛を

奪いますか?」

 

強制するってことはそう言う

ことですよね~。

 

「そ、そんなことはしません!」

 

冗談でも頷いたら殺されてるよね~。

 

「それに我々がいたら織斑一夏が凰准尉

に近付けんだろう?

今ならばホラ、阿呆三人をなんとかすれば

凰准尉の一人勝ちだぞ?」

 

なんとかするのが大変だけどね~

 

「( ゚Д゚)ナントカッテナニ?!」

 

「まぁ恋愛は戦いだからね。阿呆三人組

から勝ち取ってみせなきゃ!」

 

配管工がお姫様助けるよりは簡単だよ。

 

いやー大佐殿に甲斐性が有って良かった

良かった。

 

「( ゚Д゚)コノリアジュウガッ!」

 

ふふふ。負け犬の遠吠えだね(愉悦)

 

「ここで何を言っても変わりませんよ?

さっさと向こうに行って織斑姉弟からの

好感度を稼いで来なさい」

 

おぉ。とうとう司馬少佐から好感度とか

言う言葉が出てきたよ。

 

コレはそろそろ次の段階かな?

 

「いや、好感度って・・・緊急事態

なんですよ?そんなことしてる場合じゃ

無いと思うんですけど!」

 

「「「・・・」」」

 

あ~えっと・・・うん。そうだね。

 

「あれ?何この空気?私なんか

変なこと言った(ΦωΦ)?」

 

言ってることはまともなんだけどなー

コレが情報弱者かぁ。

 

いや、黙ってる私たちが問題なん

だろうけど。

 

(これ、告知した方が良くないですか?)

(私もそう思うが・・・少佐殿は?)

(無論このままです。非常時における

対応力を試さねばなりませんからね)

 

((了解しました!))

 

司馬少佐が言うならソレで決定です。

 

「いや、三人して目で語ってるけど・・・

何?緊急事態って茶番なの?」

 

お、まぁ流石に気付くよね。

 

「向こうに行ったらわかるよ。私たちは

麻雀してるから何かあったら連絡してね?」

 

ASIM●の充電も終わってるだろうし、

さっさとアレに雀卓と麻雀牌を出させよう!

 

「( ゚Д゚)チャバンカヨ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茶番にするか悲劇にするか喜劇に

するかは・・・貴女次第です!てねっ☆

 




束ねーさん勝者の余裕?

リンちゃんは犠牲になったのだ・・・ってお話

いつもより2000文字くらい少ない
ですけど、話の都合上シカタナイネ!


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