とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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戦闘描写?ハハッ。

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


第46話

「予定戦域は・・・ここですか。特尉、准尉

に地形情報と銀の福音に関するスペック

データから予測されるエネルギー残量と

戦闘可能時間を提供するように」

 

「はっ!」

 

ISも燃料無ければタダのゴミってね。

 

多少の誤差は有るだろうけど前後三十分

位の誤差にしておけば、リンちゃんも

情報に依存しないで参考程度にして

戦えるよね。

 

「無論短期的に相手がデータ以上の動き

を見せる可能性もあるので、データより

実際に感じたことを優先するようにと

付け加えるのも忘れないでください」

 

「はっ!」

 

うん。先入観があると危険だからって

理由で相手の情報を重視しないヤツも

いるけど、やっぱり最低限の情報は

必要だよね。

 

その上で、この銀の福音は多対1を得意と

する機体だからリンちゃん1機で向かう

のは悪くない。

 

馬鹿みたいに「連携だ」とか「仲間だ」とか

言って場を乱す奴が居ないから、自由に空間

を使えるのも良い。

 

今のIS学園で、天才肌のリンちゃんの全力の

動きに合わせられるのは私達しかいないし。

 

織斑千冬の「邪魔するくらいなら出さない」

って判断は正しい。

 

まぁ第三世代型のみの出撃許可だし、

螺旋頭なんかだしてもねぇ。

 

「やはり中の搭乗者の意識が無いのが

厄介だな。暴走しているのが機械で、

オートの攻撃だから癖を読むのが難しい」

 

「だね。人間が使っていれば関節だとか

視線の方向の関係上意識はどうしても前に

向くけど、機械にはソレがないからね」

 

中の人はGと疲労で気絶してるみたいだし

兎さんも中の人までは殺すつもりは無い

みたいだから(興味が無いだけだろうけど)

関節外して後ろに向かって殴りつけるとか

はしてこない、と思う。

 

あとは銀の福音のAI次第かな?

切羽詰ったらヤる可能性もあるんだよね。

 

「基本は無駄のない動きを最短で行うのが

機械の癖です。

故に相手の筋肉や関節の動きを元に

したハイパーセンサーでの先読みは

出来ませんが、人としての観察眼を養え

ばいくらでも行動を操れます。

准尉が苦戦することはないでしょうね」

 

((ソレが出来るのは貴女達だけです!))

 

いや、言いたいことはわかりますけどね?

 

「司馬少佐。超高速戦闘の中で集中力を

加速させて思考能力と反応速度を上げる

なんて芸当は普通じゃ出来ませんよ?」

 

思考速度が加速するゾーンの場合は

あくまで最適の行動を自分の意思で反射の

速度で出せるようになるのであって、

その反射だって0.2秒前後が限界。

 

一秒で30とか60数えるような真似が

出来るのは大佐殿と司馬少佐だけです。

 

「少尉ならともかく特尉がソレを言いますか?

戦闘の時に体感時間を圧縮するのは東洋では

常識です。その感覚に体がついて来ないと言う

ならそれは特尉の未熟と言うことでしょう?」

 

いや、まぁ、そうなんですけど。

確かに刹那って言葉もありますけどね?

1フレームをハイパーセンサーの補助

無しで本当の意味で知覚するって言うのは

ヒトとしてどうかと思うんです。

 

「まぁ学生が未熟なのは当然です。

今は己が未熟であることを知り、成長の

糧としなさい。その段階で足踏みしている

ようなら特尉は師の足を引っ張るだけの

存在に成り下がることになりますよ」

 

「それは・・・嫌ですね」

 

大佐殿の足を引っ張るのも大佐殿や

司馬少佐に失望されるのも嫌っ!

 

私はもう学園の整備室(あんなところ)で現実から目を

背けて一人寂しく機械イジリをする

なんて耐えられない!

 

「生身を鍛えればその分ハイパーセンサー

のリミッターも外せます。それに少尉のよう

な特殊な目はなくとも、特尉には技術者として

の視点があります。

アルレシャを使いこなす為にも自身を鍛え、

思考することを忘れてはいけません」

 

「はいっ!」

 

そうだ!目の前にやってる人が居るんだから

「出来ない」なんて言うのは逃げのセリフ!

 

司馬少佐は私よりもっと地獄を見たからこそ

今の強さがあるんだから、私だって地獄を

味わうことを躊躇しちゃ・・・躊躇しちゃ

ダメなんだ!

 

「特尉が納得したところで少尉は予想戦域の

海中にて待機。任務は准尉が落ちた時の回収

ですね」

 

「はっ!」

 

なるほど。援護もしないし代わりに戦う

こともしない。

 

負けは負けで受け入れてその結果を

見させようってことだね。

 

あくまでリンちゃんの戦場ってことか。

 

それで、他の国の工作員に回収されたり

コアを奪われないようにするためにラウラ

さんが待機するわけか。

 

機体とか武装の相性を考えたら私より

ラウラさんの方が良いもんね。

 

たとえリンちゃんが負けても銀の福音は

銀の福音で無傷ではないだろうから、

弱ったところを教師と他の連中で集中砲火

して終わりかな?

 

織斑一夏が人殺しを許容出来るかどうか

になるけど・・・リンちゃんの仇と思えば

勢いで殺るよね。

 

もし訳のわからない理屈をこねて殺らない

ようなら、銀の福音共々私が殺るぞ?

 

・・・あくまでもリンちゃんが負けた場合

だけどさ。

 

「ついでに予定戦域に来るであろう観測員が

乗る船を全て沈めなさい。無断で作戦区域に

入るモノは全て敵です。

アメリカ海軍が民間の船に偽装している場合も

有るでしょうが構いません、沈めなさい」

 

あぁ、戦闘の様子を撮影するために連中の

観測班が来るよね。

 

だけど馬鹿正直にリンちゃんの全力戦闘を

見せる必要はない。

 

IS学園には映像が残るけど軍事機密を理由に

公開させないようにするのか、幾つかの

データを改竄してから渡す感じかな?

 

「はっ!」

 

この分ならリンちゃんが福音を落としたら

データを抜いてコアを破壊だね。

 

「それと銀の福音が戦域から離脱した場合

についてですが、第二防衛ラインに向かう

なら放置。それ以外に向かうなら撃墜

するように」

 

あぁ、逃げる可能性も有りますもんね。

普通なら罠が張ってある方に行くような

真似はしないでしょうし。

 

状態にもよるけど逃げに徹されたら

リンちゃんだと追いつけない可能性が高い。

 

海中からのグスタフかそれともランス

チャージかは知らないけど、銀の福音

が背中を見せたら間違いなく終わる。

 

「はっ!」

 

操縦者は・・・ナターシャさんね。

 

よかったねナターシャさん。

 

逃げたらラウラさんが殺すし、リンちゃんが

勝ったらリンちゃんかラウラさんが殺す。

リンちゃんが負けたら、教師たちか織斑一夏か

私が殺してあげるから二階級特進が確定したよ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

さてと、来たわね。

 

簪からの情報だと、あの翼っぽいのが

スラスターであり砲塔なのよね?

 

私を無視して突っ切る可能性も有るから、

まずは当たらなくても良い先制攻撃で

AIに私を敵と判断してもらう必要がある。

 

そうすれば砲塔を戦闘に使う必要もある

から、高速移動は出来なくなる・・・と。

 

つまりアレは元から最高速度を維持しての

高機動戦闘が出来ないのね。

 

スラスター半分。砲撃半分とか?

それとも螺旋頭みたいに一時停止して

全部砲撃に回すのかしら?

 

半々なら機動力も弾幕も薄れるし、全部砲撃

ならタダの的。さらに近接戦用の武器も無い。

 

戦闘機や戦車。民間人を相手取るなら

ともかくIS相手には相性が悪すぎるわよ?

 

どちらにせよ中途半端。造ったヤツは

実戦を知らない技術者ね。

 

まぁいいや()

 

それで、アレは機械だから搭乗者の意志と

知覚が必要な瞬間加速は使えない。

 

使えば即ムチ打ちか骨折が待ってるわ。

 

代わりにハイパーセンサーは全能力を

開放してるだろうから、見切りは人間

の反射を凌ぐ。

 

最適の行動を最速で行うが、中の搭乗者

が居るので、以前の無人機のような速度

での近接戦闘は出来ない。

 

攻撃方法も砲撃のみ。まぁ蹴りや拳

くらいは使うかも知れないけど、そもそも

速度を出す為に軽量化してるから重さが

不足してるのよね。

 

つまり最初の一撃で動きを止めて、距離を

詰めれば負けは無い。

 

しかも第二防衛ライン以外の方向に

逃げたらラウラが処理する?

 

でもって第二防衛ラインを越えたら

簪が潰すんでしょ?

 

・・・もうご愁傷様としか言えないわ。

 

私にしてみたら逃がしても良いってこと

だから気は楽になるし、墜ちてもラウラが

回収してくれるみたいだから、死ななきゃ

良いって話よね。

 

私のハードルは下がる一方で、アレの

ハードルは・・・もはや棒高跳びのバーの

レベルよねぇ。

 

「ま、ナニが目的でこっちに流れて来たかは

知らないけど、まずは先制させてもらわ!」

 

簪から借り受けた冬林技研製の対IS用新兵器。

 

当たれば御の字。あくまで開発中の兵装で

物理的な攻撃力はまだ薄く、見た目だけの

ロマン兵器でしかないらしいけど・・・

相手の注意を引くには十分よね!

 

さぁ喰らえ!

 

 

 

 

「マルチプルパルス起動っ!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「う、うぉぉぉぉぉっ~!!」

 

なんだアレ?ナンダあれ!ナンダアレ?!

 

リンの甲龍の両肩にいきなりでっかい箱?

みたいなのが出てきて、そっから大量の光線が

出て銀の福音を襲ったぞ!?

 

「近距離殲滅兵器、とでも言うのでしょうか?

いえ、アレだけの数が直撃しても墜ちて

ないということは、威嚇用ですか?」

 

「そうみたいだね。ダメージを与える

より自分を敵と認定させるために使った

みたいだけど・・・」

 

すっげー。もう、すっげー!

 

なんつーの?あの大量のレーザー?が

縦横無尽に襲い掛かるって・・・すっげー!

 

(((めっちゃ感動してる)))

 

「一夏!あのような見せかけだけの攻撃に

何を感動しているっ!」

 

見せかけだけだから良いんだろうが!

アレに破壊力なんかあったら虐殺兵器だぞ!

 

「そうですわ!あんなのは数が多いだけの

弾幕にすぎません!射撃とは必殺必中

であるべきです!」

 

ならセシリアのは必殺で必中なのかよ!

 

「うーん。目立つのは確かだけど、ちょっと

効果が薄いかな。相当なエネルギーを

使うし、ここで使う必要があったのかな?」

 

何言ってんだ、必要があったから使ったんだよ!

 

『……未熟者の為に補足しておくが

凰は無意味なことなどしていない』

 

ほらな!

 

「い、いえ銀の福音の注意を向けることが

出来たのは事実でしょうけど・・・」

 

「そ、そうですね。それが彼女の任務

だから無意味ではないと思いますけど」

 

あ~俺の白式もあんなカッコイイ兵器使えたらなー。

 

・・・確かラファールとか他の機体の武装

でも搭乗者の承認が有れば白式でも銃火器

を使えるんだよな?

 

リンから借りられないかな~

 

『まずアレは武装本体に一斉射撃に必要な

エネルギーを蓄えた使い捨て兵器だ。

その為本体のエネルギーをほとんど

使わずに攻撃が出来るらしい』

 

へぇ。なるほどなぁ。

……ん?あれ?それっておかしくないか?

 

「「はぁ?」」

 

「ん?」

 

セシリアとシャルも気付いたか。

箒は・・・分かってないな。

 

「エネルギーって基本的にISコアから

生まれてるのを流用してるんだろ?

武装に蓄えるなんてこと出来るのか?」

 

電池とかバッテリーみたいなモンだろ?

そんなことが出来るならISがなくても

ISのシールドバリアを突破することが

できる兵器が造れるってことだよな?

 

「そ、そうですわ!そんなことができたら

現行の兵器でISが破壊されてしまいます!」

 

だよな。そんなのが出来たら男は大喜び

だろうけど、女権団体は騒ぐよな?

 

『その疑念はもっともだ。だが、

そもそもISに使われてる技術の大半は

冬林技研で研究されているからな。

実験兵器として開発したそうだ。

さらに全くエネルギーを使わないわけではない。

IS用の実弾に使われるように、ISのシールド

バリアを突破する為には先端部分に本体の

エネルギーを乗せる必要があるらしい』

 

あー。なるほどなー。

 

ISが使う普通の銃弾とかミサイルが何で

あんなにシールドエネルギーを減らすの

かって思ってたんだが、本体のエネルギー

を弾丸に上乗せしてたのか。

 

そういう理屈がないと普通の歩兵が使う

マシンガンで撃たれただけでシールドが突破

されるし、戦車砲に一斉射撃とかされたら

終わるもんな。

 

「な、なるほど・・・それならまぁ私の

ブルーティアーズの原理も似たような

モノになりますから、不可能ではないの

でしょうね」

 

あぁ、アレもビットにエネルギーを蓄えて

るって言えばそうだもんな。

 

『そういう事だ。故にアレは自分に意識を

向けさせるための目くらましでもあるし、

相手のシールドエネルギーを減らす為の

攻撃でもある』

 

「「・・・なるほど」」

 

「はっ!あんなモノに頼らねばならん

とは情けない!」

 

いや、第四世代型の性能に頼る箒が

言っても説得力ないから。

 

それになんだかんだでセシリアとシャル

は最低限の訓練を受けてるんだよな。

 

アレの有用性に気付いたら、その対処法

とかだって考えなきゃ駄目だろうし。

 

特にセシリアにしてみたらリンの甲龍に

使われてる武装のデータは欲しいところ

だろうな。

 

『さらに銀の福音の出鼻を挫いてアレの

速度を殺し、間合いも潰せたな。

見ろ、もはや射撃が主となる中距離では

なく斬撃や打撃がメインとなる近距離

戦闘の間合いだ』

 

「「「あっ!」」」

 

すっげー!アレだけのビームを打ちながら

光に包まれた敵に向かって、間合いを潰し

てたのかよ!

 

『これからがヤツの戦場だ。よく見ておけ

ヒヨッコども。甲龍を駆る凰の近接戦闘

能力は私に匹敵するぞ?』

 

「「「はぁ!?」」」

 

あぁ、前に生身や第二世代型の訓練機同士

なら負けないけど、訓練機の千冬姉と甲龍を

使ったリンならわりといい勝負になるって

言ってたもんな。

 

この場合、第二世代型の訓練機で第三世代型

の専用機と良い勝負が出来る千冬姉が凄い

のか、第二世代型の訓練機相手とはいえ千冬

姉といい勝負が出来るリンが凄いのか・・・

よくわかんねぇよ。

 

ただ今はリンの戦いを見て参考にしねぇと。

 

せめて次は一緒に戦えるくらいにならないと

何時まで経っても千冬姉を守るなんて不可能

だからな!

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

簪ぃぃぃ!

 

いやいやいやいや!どこが殺傷能力がない

ロマン兵器よ!マルチプルパルスのパルス

ってパルスレーザーじゃない!

 

むしろ『バルス!』じゃない!

 

ちょっと間合いが遠かったからアレ

だけど、福音が防御に回した羽が一部

溶断されてるわよ!

 

物理的な攻撃力不足ってアレか?【まだ】

戦車とかを破壊するには至らないってこと?!

 

軽量化されて耐久性が低い銀の福音に

したら相性最悪の兵器じゃん!

 

・・・次からは具体的な破壊力とか

確認しないと駄目ね。知らずに使って

大量虐殺とか笑い話にもならないわ!

 

いや、まぁ相手の砲をいくつか潰して

間合いも詰めれたから良いけどさ!

 

さて、私の衝撃砲も4門に増えて

使い勝手は上がってる。

 

機械が近接戦闘でどこまでやれるか

見せてもらうわよ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『ふっ』

 

リンの上から振り落とした攻撃を福音が

紙一重で回避したかと思えば、そのまま

左が裏拳気味に出て来て自分を狙う砲を破壊。

 

『よっと』

 

リンが突きを入れたかと思えば、銀の福音は

またまた紙一重で回避、そのまま羽を向けて

砲撃を加えようとしたところを、体ごと横に

寝せて回避と薙ぎ払いを同時に行い更に

差し出された砲を破壊。

 

『そりゃ!』

 

上と見せかけて右。右と見せかけて下。

 

中の人が気絶してるか何かで人工AIが

自律行動してるから、銀の福音の動き

は機械的で一切の無駄がない。

 

だけど機械だからこそフェイントにも

反応しちまうのか。

 

それにリンの機体の動きが早すぎる

 

遠くに居ることと、本部からの映像。

それから高速機動の為に使ってきた

白式のハイパーセンサーがあるから

なんとか把握できてるけど・・・

そうか、リンはあんなに強かったのか。

 

『もうわかっていると思うが、凰の狙いは

銀の福音の生命線である翼であり砲だ』

 

だよな。本体を回避させて反撃の為に

向けられた砲を破壊してるよな。

 

「あぁ、アレがスラスターとしての役割

も果たしてるからこそ、高速の移動も

出来るし戦闘中の回避もスムーズに出来て

るんだろ?」

 

アレがあるから変な体勢からでもすぐに

持ち直せるし、あの紙一重の特殊な動きも

できるんだろうな。

 

それくらいは俺にもわかる

 

『その通り。更に銀の福音は攻撃の為に

砲口を相手に向けねばならん。

回避と同時に反撃を行うという無駄のない

行動をしようとする機械だからこそ、凰の

掌からは逃れられん』

 

「けど、普通に考えれば紙一重で避けた

後に反撃しようとすれば潰されるんだ。

距離を空けるか何かしないと話にならない

んだけど何で銀の福音はそれをしないんだ?」

 

同じパターンじゃないか。

いくら機械でも、いや、機械だからこそ

何回もヤられたら別のパターンになるん

じゃないのか?

 

『凰は同じ攻撃をしていないからな』

 

ん?どういうことだ?

 

「・・・一夏さん。彼女は攻撃の度に

間合いやリズムをずらしているんです」

 

リズムをずらす?なるほど。人間の俺達

からしたら、攻撃を加える→回避される→

反撃に合わせてカウンターって感じで

同じ流れに見えるけど、機械からすれば

 

①相手の攻撃を回避

②反撃

③相手の反撃を受ける

 

ってのは矢印で動く流れじゃなく一つ一つが独立した事象なのか。

 

それでもリンがしてくるのが同じ攻撃なら

パターン化も出来るけど、一回一回違う

行動だとすれば・・・

 

「・・・さらにわざと紙一重で回避出来る

ような所に打ち込んでるから、銀の福音の

回避する場所やタイミングも完全に彼女

の思惑の中。後は差し出された砲を破壊

していけば銀の福音の攻撃力も機動力も

奪えるね」

 

なるほど・・・敢えて回避しやすいよう

に攻撃をしてるのか。

 

あの翼は中身が空洞だから、エネルギー攻撃

ならまだしもリンの双天牙月を防御

なんかしたら叩き割られる事になる。

 

最善の動きが回避だし、避けれる場所は

リンによって用意されてる場所だ。

 

そこに避けられるのもそこから反撃される

のもリンからしたら予想通りの動き。

ならば、回避も防御も反撃も思いのまま。

 

『そのうえ銀の福音は搭乗者を守るよう

な動きを見せるからな。そこを突けば

いくらでも行動を操れるという訳だ』

 

ん~。深い。

 

今の俺にリンと同じことが出来るか?と

言われたら絶対無理って答えるしかない。

 

動きの予測って言うけど銀の福音だって

遅くはないんだ。

遠くからこうして見てる分にはリンが

掌で転がしてるように見えるけど、

リンの反応が一瞬でも遅れれば、砲から

反撃のエネルギー弾が出る。

 

実際リンも何回かエネルギー弾を撃たれて

しまい、反撃じゃなく回避を選択してるし。

 

至近距離からの弾幕を受けることを考慮した上での近接戦闘。

 

『時間稼ぎに専念すれば勝てる』って

自分で言ってたのにソレをしないのは、

恐らく俺たちに向かって来た時の為だ。

 

戦闘を長引かせて消耗を誘い、俺たちに

銀の福音の癖を見せて、さらに翼を潰す

事で攻撃力と機動力を落としてる。

 

「情けない!AIが搭乗者を守ると言うなら、

さっさと搭乗者を狙って堕とせば良い

だけの話ではないかっ!」

 

コイツは……リンの気遣いを無駄にする気か?

 

「箒。それは無理だ」

 

AIが搭乗者を守る為に捨て身の行動に

出る可能性が有るし、何よりまだ相手の

攻撃力を奪いきってない。

 

今の段階で搭乗者を狙うってことは翼を

無視するってことだ。

 

翼だけを狙ってる今でさえ反撃はギリギリ

出来てるって状況なのに、翼から意識を

離したら至近距離から集中砲火を喰らう

ことになる。

 

このままヤれば勝てるのに、わざわざ

そんな危険な賭けをする必要はない。

 

それに無駄なく最短で最適な動きをする

銀の福音相手に、余計な動きをする

余裕はリンにもないんだ。

 

つまり動きを操る為の牽制程度の動きに

しなきゃ、今の有利な状況も覆される

ことになっちまう。

 

「なっ!一夏はアイツの味方をするのか?!」

 

箒は何を言ってるんだ?

 

「はぁ?そりゃそうだろ?」

 

なんで銀の福音の味方をしなきゃ駄目なんだよ。

 

一応、搭乗者の人を殺さないようにした

方が良いとは思うが、ソレだってリン

に余裕がある場合だ。

 

相手は暴走した軍用機だぞ?元々手加減

出来る相手じゃないし、リンだって必死

なんだ。前回みたいな横槍も無責任な

口出しもする気はないぞ。

 

「・・・」

 

『織斑。戦況は凰有利だが、油断するな。

何が起こるかわからんのが実戦だ。

待機は気を抜いて良いという命令では

ないということを忘れるなよ』

 

「お、おう!」

 

何で俺だけ?ここは箒じゃないのか?

・・・いや下手に刺激して不貞腐れて

も面倒だし、手柄を求めてリンの邪魔を

されても困るから、か?

 

俺が注意されれば箒も他人事じゃな

いって思ってくれるかも知れないって

感じなのかも知れないけどさ。

 

「・・・」

 

千冬姉。コレ絶対なんかやらかすぞ?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

所詮は機械ね。司馬様が言うように

最短で最適な行動を取るから、行動

の誘導も容易いっ!

 

『la~♪』

 

砲撃、コチラに向けた2枚の翼は囮で

後ろの4枚がメイン!!

 

『la~♪』

 

歌うような声・・・前の叫ぶだけの

無人機よりはマシだけどさっ!

 

『la~♪』

 

その声が予備動作になってるのよっ!

差し出された2枚をもらうわっ!

 

「17・18枚目っ!!」

 

でもって壊れた羽を崩山で爆破っ!!

 

『la!!!』

 

体勢が崩れたところを後ろの翼で調整

しようとするわよね?

 

そこを抜くっ!

 

「19・20枚っ!」

 

爆発の中、体勢を整えながら相手を

探して効果的な反撃が出来るほどの

練度はないようねっ!

 

所詮AI。搭乗者を守るのか相手を殺すのか

ハッキリしないから、牽制も中途半端に

なるのよ!

 

今のアンタは闇雲に銃を乱射するだけの

素人でしかない!

 

「21枚目!」

 

更に龍砲の貫通衝撃弾を防御させれば・・・

 

『la~』

 

ちっ避けたか。今のは拡散にして広範囲に

した方が良かったかしら?

 

だけど36枚有った翼も21枚は完全破壊。

15枚のウチ7枚は中破。小破が3枚って

とこかしら?でもって無傷は5枚。

 

斬って叩いて爆破してようやくコレよ。

流石に崩山はエネルギー喰うわね。

 

まぁ良いデータが取れたとしましょう。

 

それと、なんか近くの海面で船が沈んでる

けどら流れ弾かしら?

 

戦闘区域への立ち入り禁止指示に逆らった

アホがどうなっても知ったことじゃないけど。

 

さて、私は私の仕事をしましょう。

・・・機械に話しかけるのは何かアレ

だけど、一応ルールだし。

 

「銀の福音の搭乗者に告げます。こちらは

IS学園所属中華人民共和国国家代表候補生

凰鈴音です。

現在貴女にはIS委員会より拘束もしくは

撃墜指示が出ています。

状況を鑑みて、一度だけ警告を行います。

武装解除して降伏しなさい」

 

『・・・』

 

・・・動く気配はなし。これは機械が

私の話を理解しているのかしら?

 

「降伏した場合、貴女は軍法会議に掛けら

れますが機械の暴走であることは判明して

います。よって貴女個人が罪に問われる

可能性は極めて低いでしょう」

 

『・・・』

 

暴走の責任を取るのは担当技術者でしょ?

別に意図してこんなことしてるわけじゃ

かいんだし。

 

「降伏を拒否した場合は、先ほども言い

ましたが撃墜させて頂きます。

その際の貴女の身心及び生命の保障は

出来ませんのでご了承下さい」

 

『・・・』

 

テロリストとかならこんなこと言わなくて

良いけど、あくまで友軍機だもんね。

 

「10秒待ちます。それまでに返答が

無ければ降伏の拒否と見做し撃墜させて

頂きます。ISコアが有るから殺されない

等とは思わないことです。我々は

ISコアの破壊を躊躇することはありません」

 

『・・・!?』

 

反応あり。もしかして人工AIに簡単な

自我が出来たってこと?

 

それで「死にたくない」から暴走した?

 

なら猶更初期化か破壊しなきゃ駄目よね!

 

AIが暴走してISを勝手に操り、人を殺すなんて

事になったら、世界中で大量殺戮が起こることに

なるわ。

 

コイツはここで終わらせて、司馬様に報告

して原因究明とAIの凍結を具申しなきゃ!

 

「9・10。10秒経過しました。これより

銀の福音及び搭乗者ナターシャ・ファイルスを

危険因子として撃墜します」

 

『la~!la~!』

 

何を言ってるか分からないけど・・・砲を

向けてるから降伏ではないのはわかるわ。

 

さしあたり近付くなってところかしら?

 

「断る、シネ」

 

『lalalalalalalalalalalalalalalalalalalala

lalalalalalalalalalalalalalalalalalalalala!』

 

何?光ってる??まさか前みたく自爆

する気じゃないでしょうね!?

 

『・・・凰!下がれ!』

 

千冬さん?集中の邪魔になるからって

通信はしないんじゃなかったの?

 

『ソイツの内部エネルギーの増大を確認した!

自爆の可能性も有る!大至急下がれ!!』

 

やっぱりか!アメリカ軍がアレを私に撃墜

されたり、コアを回収されたら困るとでも

判断したの?

 

いや、今はそんなことどうでも良い!

 

「凰鈴音。後退します!」

 

こんなヤツの自爆に巻き込まれてたまるか!

後退許可が出てるなら退くわよ!

 

 

『lalalalalalalalalalalalalalalalalalalala

lalalalallalalalalalalalalalalalalalalala!』

 

 

 

うわ~なんかめっちゃ光ってる!

 

て言うか、アレ?

これ私ヤバくない?

 

『凰!急げっ!』

 

いや、急げって言われましてもっ!

 

『・・・准尉は何をしているんですか?

さっさと海に潜りなさい』

 

『「あっ!?」』

 

そ、そうですよね!海ならある程度の熱や

衝撃も海水が防いでくれますもんね!

 

後はシールドエネルギーで何とか・・・

ならなくてもラウラが居るから大丈夫か。

 

ならば迷う必要なし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「了解です!凰鈴音。突貫します!」

 




大丈夫。原作でも戦闘描写はほとんど無い!

翼がスラスターで砲を兼任してるって
事は中身は空洞?
軽量化もしてるっぽいよね?という設定。

変態企業のパルスキャノン。
デンドロビウムもびっくりな逸品。

使用データをもらってHENTAI共は
万々歳です。

原作の実弾兵器やかんちゃんの実弾ミサイル
でISにダメージ当たる理由を考えた結果、
専用の弾頭か弾丸にシールドエネルギーを
上乗せしてるんじゃないかと考えました。

そうじゃなかったらISは普通に通常兵器
で堕とされるってことですからね。
バレットライフルとATフィールドの原理と
でもいいますか・・・

シールドエネルギーも通常兵器で飽和
させることでも破れるみたいな話って
ありましたっけ?

ちなみに副所長さんがISを素手で破壊する
のは原作の設定を理解すれば可能ですよ?
だって衝撃砲ってタダの圧縮空気弾なのに
ISにダメージ通ってますやん?

つまり螺旋丸は通る(小並感)
そして十傑衆もISに勝てる!(断言)ってお話

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