とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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まさかの一日二回!

前話の続き!戦闘描写?ハハッ。

オリ設定!
オリ展開!


嫌いな人は読み飛ばし!


・・・いつも誤字修正ありがとうございます!



第49話

うわぁ・・・なんかあっさり負けたな。

 

堕ちた順番が予想と違ったのは、紅椿のAI

が予想以上に優秀だったからか。

 

「ん~まぁモップはアレだけど、螺旋頭と

阿呆は良くやった方じゃない?」

 

そ、そうなのか?良いところが全く

なかった感じなんだが。

 

「だな。弾幕ですら第二世代型の防護特化の

楯なら容易く撃ち抜く威力があるということ

がわかったし、瞬時加速も見れた」

 

「な、なるほど・・・元々の任務は連射性能と

攻撃力の調査だから、ソレに加えて移動速度

も見れたなら偵察としては十分なのか」

 

弾幕の量は箒が食らったことでわかるしな。

命令違反ではあるけど最初から織り込んでた

からソコまで失望することも怒りも無いってか?

 

「そういうこと。それにしても・・・

モップはアレね。わざと前に出て螺旋頭と

阿呆を先に落とさせようとしたみたいね」

 

「はぁ?」

 

ただ入れ込んだだけじゃないのか?!

なんでそんなことを!

 

「そうだな。おそらく手柄を独占

しようとしたのだろう・・・」

 

あ~手柄の独占か。第四世代型をもらって

浮かれてたし、シャルやセシリアがヤられた

のを倒すって結果を出せば自分がコネだけの

存在じゃないとでも言えたかもな。

 

俺だって男だからって理由で専用機を

貰ってるからわからないではないけどよ。

 

束さんに頼んで造って貰ったっていう事実が

ある以上、ソレは甘んじて受け入れるべき

評価だろうに。

 

んで、コレから努力して専用機持ちに

相応しい技量を手に入れれば良かったのに、

今回焦ったせいで信用を失っちまった。

 

連携を乱して仲間を見捨てて突っ込んで

負けたって・・・もう最悪だろ?

 

慰めの言葉もねぇよ

 

「・・・まぁそうですね」

 

ん?何か言いたげだな?

 

「とりあえず全員生命反応に異常はない。

セシリアとデュノアは帰投中。

箒は・・・気絶しているようだが、機体

がオートで動いて帰投しているようだな」

 

オートで帰投ねぇ。学習型AIの中にそう

言うプログラムがあるんだろうけど、

銀の福音みたいに暴走とかしないよな?

 

「オートで帰投ですか。なんかそのままAIに

戦わせたほうが良いような気もしますね」

 

あ、リンも似たようなこと考えたか?

 

「そうなってればおそらく紅椿が圧勝

していただろうよ。

バイタルや視線の動き。さらに弾幕に

対する防御行動を見ても今のアイツは

あまりに未熟だ」

 

あ~うん。無駄に興奮して、無駄に視線を

動かして、無駄に落とさなくても良い弾幕

まで落としてる。

 

「もしかして、箒が堕ちたのってダメージ

じゃなくエネルギー切れか?」

 

なんかそんな感じだよな?

 

「そうね。雪片と一緒でエネルギーを刃に

乗せて切るタイプだから、あんなに闇雲

に振り回せばそれだけエネルギーを使う

ことになるから。

生命維持と帰投用のエネルギー以外は

ほぼ空でしょうね」

 

まさしくセシリアと試合したときの俺

と同じ状態か。

エネルギー残量とか消費量がわからない

からガス欠するんだよな。

 

「ま、瞬時加速が見れただけでも十分よ。

コレで簪に負けは無くなったわ」

 

「なんつーか、凄い自信だな」

 

あの速さであれだけの威力の弾幕を

あんなに連射してくる敵なのに・・・

 

「まぁね。機体性能とかは流石に機密が

有って言えないけど、相性が良いし。

ソレに瞬時加速はその機体が出せる

最高速度だからね。ソレさえわかれば

間合いなんか掴み放題よ」

 

あぁそうか。最高速度がわかってればソレ

以上の速度はないんだもんな。

 

例え時速3000キロだろうがソレが

出せるってわかってれば安全な距離を

算出できるし、機械には技や駆け引きが

無いから自由に転がせるのか。

 

うーむ。やっぱり深い。

 

IS戦闘に剣道はいらないけど、そう言う

技を磨くのは大事だな。

 

「さて、簪が出るわよ。千冬さん。

教師陣を第二防衛ラインからさらに

下げて貰えますか?」

 

「何?」

 

ん?第二防衛ラインから下げたら

サラシキさんが負けなくても、

抜かれるだけで不味いんじゃないか?

 

「さっきも言ったけど機密が有るから

全部は話せないけど、簪の機体には

見せ武器が二つ有るのよ。その一つが

広範囲に影響を与える武装でね?」

 

「見せ武器?」

 

なんじゃそら?

 

「読んで字の如く、見せても良い武器よ。

知ってのとおり簪は司馬様の護衛でしょ?」

 

「あ、あぁ」

 

護衛なら武器を見せちゃダメなんじゃ

無いのか?

 

「本来護衛が武器を見せびらかすのは

アレだけど、簪の場合は抑止力って

意味もあるのよ」

 

抑止力?

 

「・・・なるほどな。強力な武器を

持っている護衛が居るとわかれば、

刺客も容易には手を出さんと言うことか」

 

あ、あぁ~なるほど。

そもそも襲われないのが一番だもんな。

そのために、敵を威圧する為に見せる

武器があると。

 

で、その武器が教師を巻き込む可能性が

あるくらい強力なんだな?

 

「もしかしてさっきのレーザー?

みたいなの使うのか?!」

 

だとしたら是非見たい!

 

「ん~どうだろ?私が使ったのは実験と

AIに対する牽制があったからだけど、

簪の場合は・・・そういうの大好きだけど

今回は司馬様の命令で出るからね。

公私混同はしないんじゃないかしら?」

 

趣味と実益を兼ねるならまだしも、

趣味だけじゃ使わねぇってことか。

 

あのレーザーだってコストを考えれば

すげぇことになるんだろうし、無理も

無いか。

 

「残念がってるけど、今の私たちは簪から

学ぶことが沢山あるわ。

見せてくれるものは全部見るくらいの感じ

じゃないと成長なんか出来ないわよ?」

 

「そ、そうだな!見取り稽古だって立派な

稽古だ!本来なら司馬さんの護衛の戦い

なんか見れないんだから、しっかり見せて

もらわなきゃな!」

 

『冬林技研所属更識簪。アルレシャ出ます!』

 

 

お!出た!機体の色は黒メインで、

所々に金のラインが入った感じか。

 

なんて言うか、帝国軍人!って感じだな!

 

けどなんだ?何か違和感があるぞ?

 

「ほう・・・コレは・・・」

 

千冬姉?

 

「・・・ですね。流石は更識簪。司馬様の

護衛は伊達じゃないと言ったところね」

 

リン?

 

なんだ?二人は何に感心してるんだ?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「簪ちゃんが出撃ぃ!?」

 

凰鈴音の一騎打ちでの奮闘から

銀の福音の二次移行。さらに

専用機持ちの三人が破れるといった

怒涛の展開から、まさか司馬監査員が

護衛の一枚を切ってくるとは。

 

「じゅ、十蔵さん!止めて!

今すぐ簪ちゃんを止めてっ!!」

 

何言ってんだコイツ?

 

「無理です」

 

彼女はIS学園とは別の指揮系統に

有るから、我々では止めることが出来ん。

 

さらにIS委員会の決定である「第三世代型の

専用機持ち」でもあるから止める理由がない。

 

「うわぁぁぁ!あ、あんなのに一人で

勝てるわけないじゃない!

だって連携が出来なかったとは言え、

同じ第三世代型のオルコットさんや

第二世代型だけど技術は有って、さらに

防御特化のデュノアさんが瞬殺されたのよ?」

 

まぁそうだな。篠ノ之箒が暴走したこと

で3機での連携は連携以前の問題

となったが、それぞれの動きは決して

悪いモノではなかった。

 

しかも今回はデュノアが防御に専念し、

オルコットが狙撃に専念すると言う

ことで2機の連携は悪くは無かったのだ。

 

ソレなのにデュノアを性能差を利用した

高威力の弾幕で押しつぶし、オルコット

を瞬時加速で間合いを詰めての弾幕で

一方的に潰した。

 

篠ノ之箒が粘れたのは・・・機体性能の

おかげだな。

闇雲に振り回してるだけの攻撃が

うまく機械にアシストされて弾幕を相殺

出来ていただけだ。

 

現地からの報告では、新人で初陣のガキ

が入れ込むのは当然のこととした上で、

弾幕の連射性能の確認と威力調査。

 

最高速度の確認とエネルギーの消費と

いった偵察に必要な事項はしっかり

確認出来たので、差し引きで功罪無しと

言う報告が上がってきているな。

 

・・・そもそもこちらは篠ノ之箒に対して

罰を与えることなど出来んのだから、

この報告書は渡りに船。

 

オルコットも二次移行した第三世代型の

情報を本国へ送れただろうし、

デュノアもIS学園の指揮の下で仕事をした

と言う実績にもなった。

 

ココで司馬監査員が動いたのは、IS学園

の見せ場は終わりと言うことだろうな。

 

「きっと司馬のヤツが、可愛くて最高の

側室である簪ちゃんを潰すために嫌がる

簪ちゃんを無理やり脅して向かわせた

に決まってるわ!」

 

まだ言ってたのか・・・

 

「いやこの場合は、むしろ更識簪さんに

手柄を与える為に出したのでしょう」

 

実戦での手柄は武門の家にとって何よりの

説得力になるからな。

李家の中の連中を納得させることにもなる

からこその出撃だろうよ。

 

「ソレだって勝てなければ意味が無い

じゃないですか!名誉と共に死んだら

意味ないんですよ!」

 

コイツはそんなに妹を殺したいのか?

 

「いや、現地の凰さんからも教師が

巻き添えを食らうから下がるようにと

言う提案まで出てます。

彼女には必勝の策があるのでしょう」

 

いざという時の援軍すら不要と言い切る

のだぞ。コレは確実に堕とすという自信

の表明だろう。

 

「え、援軍を無くした?!それじゃあ

簪ちゃんが落とされたら誰も救助

出来ないじゃない!

本音!本音は何をやってるのっ!!」

 

まぁ、曲解すればそうなるんだが・・・

 

『う~専用機持ち以外はお部屋で待機

命令が出ちゃってます~。更に生徒が

おかしなことをしないように監視付き

ですし、私は特に見張られてます~』

 

織斑千冬が非常事態に更識関係者に

ウロチョロされるのを嫌ったか。

 

まぁ指揮官としては少しでも目の前の

敵に集中したいだろうからな。

 

「か、簪ちゃーーーーん!」

 

まったく。もう少し妹を信用出来んのか。

 

あれだけの強さを見せた銀の福音だぞ?

ここで沈めることが出来なかったら

司馬監査員にも被害が出る可能性がある。

 

それなのにラウラ・ボーデヴィッヒや

凰鈴音を出さんで更識簪一人で出すと言う

意味を考えろよ。

 

いや、考えて曲解した結果がコレなのか。

もう救えんな・・・

 

『冬林技研所属更識簪。アルレシャ出ます!』

 

トチ狂った妹魂の更識は置いておこう。

 

まずは見せてもらおうか、冬林技研のIS

の性能とやらを!

 

「か、簪ちゃーーーん!・・・えっ?!」

 

ん?更識簪の映像が出てまた騒ぎ始めたと

思ったらいきなり止まった?

 

真顔で画面を凝視しているが・・・普段

からこのくらいの真面目さを見せれば、

従者の布仏虚も気が楽になるだろうに。

 

「・・・コレ、本当に簪ちゃん?!」

 

いや、全身装甲型だから顔はわからんが、

ココで素性を偽る理由は無いだろう?

 

彼女に何か違和感でもあるのか?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なぁリン?何か違和感を感じるのは

わかるんだが、コレは何だ?

千冬姉もリンもコレが何か知って

るんだよな?」

 

ん?あぁ一夏にはまだわかんないかな?

 

「一夏、その違和感は大事にしなさい」

 

今後もISに関わっていくならコレを理解

して実現することが一流のIS操縦者の

証になるからね。

 

「私も正直更識簪を見縊っていた。

まさかこれほどの実力者とはな」

 

ですよねー。こんなのを飼い殺しに

してたんだから日本って馬鹿ですよね。

 

「そ、ソレはわかった。それでこの

違和感は何なんだ?!」

 

まぁ引っ張ってもしょうがないか。

 

「色々な要素があるんだけどね。まずは

簪の技量よ」

 

「ぎ、技量?」

 

そうとしか言い様がないわね。

 

「そう、簪の飛行には一切の無駄がない。

姿勢のブレもなければ、空気抵抗に対する

シールドも最低限しか張ってないわ」

 

「そうだ。その上で速度を出しつつ

周囲の警戒も怠っていない。

つまり更識簪は機体性能頼りで飛んで

いるわけではない。

風すら掴んで空を泳いでいると言った

方が近いのだろうな」

 

千冬さんの言うとおり。まさしく空を

泳いでるわ。

 

「えっと、それだとどうなるんだ?」

 

まぁ何も考えないで飛んでればそうよね

 

「まずエネルギーの無駄な消費が無くなるわ」

 

最後の最後で一発分の銃弾が明暗を

わけることもあるからね。

 

「次に各種の機械の負担が減るな」

 

エネルギーとはちょっと違うけど、

まぁ同じ方向性よね。

 

「機械の負担?」

 

「そうよ。重力に逆らって空を飛ぶと言う

行為は、簡単に見えてかなり複雑な計算と

物理現象の上に成り立ってるの。

それらを軽減することで空いた容量を

ストックすることもできれば、他に回すこと

もできるのよ」

 

ラウラのヴォルフガングが空を駆ける

のとはまた違う。

 

静かだけど恐ろしいまでの威圧感がある。

魚どころじゃない。空を征く黒い鯨よ。

 

アルレシャは元々そう言う設計なんだ

ろうけど・・・月末に仕上がった

ばかりでしょ?

 

ソレなのにあそこまで無駄なく使い

こなすのは、あの機体を簪が考案・設計

してその癖を全部掴んでるからか。

 

この分だと簪の機体に対する理解度は、

もはや司馬様を凌ぎ、篠ノ之束や副所長さん

に次ぐというのも本当ね。

 

「あ、あぁなるほど。その無駄のなさと

風を掴む?技量がこの違和感の正体か」

 

「・・・それだけじゃないわよ?」

 

ソレはあくまで動作に関してでしょ。

 

「え?」

 

それじゃ簪の技量はわかっても怖さ

まではわからないわ。

 

「そうだ。更識簪はさっきの三人と違い、

データ取りだとか手柄などは一切考えて

いない。ただ敵を殺すと言うだけの

意思をもって動いている」

 

そう。この精神の歪みのなさが生む空気

こそ実戦の空気。

 

「さ、殺意ってやつか?」

 

「「それは違うぞ(わ)」」

 

「え?」

 

簪が纏うのは純粋な殺意じゃない。

ただ処刑人が罪人を殺すが如くよ。

 

「簪はね?銀の福音をまな板の上に

乗った鯉程度にしか見ていないの。

食材に殺意を抱く料理人なんかいないわ」

 

「しょ、食材って。あの銀の福音が?」

 

二次移行した後の速度や、攻撃力の

増加には目を見張るものが有った。

 

だけどそれだけね。

 

「そうよ。簪にとってはもうアレは

処理するダケの獲物なのよ」

 

「そうだな。ソレに戦いに感情を持ち込まない

のはプロの鉄則だ。

・・・戦場に華など無い。相手の夢も誇りも

未来も命も、その全てを奪い合うのが戦場だ。

もし一夏が「何も奪いたくない、だけど何も

奪われたくない」と物語の主役のような事を

言うならば全てをねじ伏せる意志と力を持て」

 

「・・・」

 

まったくもってその通りよ。中途半端が

一番ダメ。

 

今の簪は決められた行動を、決められた通りに

行って、決められた結果を出す機械。

 

それも戦場で敵として遭遇したら、間違いなく

問答無用で殺される殺戮機械よ。

 

コレが【更識】としての簪。

 

・・・こんなのを飼い殺しにするなんて

本当に日本政府は何を考えてたの?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

なるほど。処刑人としての更識か。

確かに処刑人は罪人に対して敵意を

抱かんだろう、殺意も抱かんだろう。

 

ただ粛々と刃を落とすだけだ。

 

はっきり言って目の前の更識楯無より

よほど更識に相応しい人材だ。

 

逃がした魚は大きい。いや、大きすぎた。

 

李家は更識簪の中にコレがあるのを

知っていたのか?

 

「まさかあの簪ちゃんが・・・よりにも

よって絶対になって欲しくない暗部と

しての更識に目覚めるなんて」

 

家族が何を言おうが、体に流れる血は

否定できん。

更識の人間と知りながらきちんと管理せず

放置したのが失敗だった・・・

 

「司馬仲達!簪ちゃんを地獄に導いた

アイツだけは絶対に許さないっ!」

 

いや、お前らが放置しなければ何の

問題もなかっただろうに。

 

そもそも更識が生きることが出来るのは

地獄だけ。今回はより深い地獄にいた

李家の教頭と司馬監査員が、キサマらの

用意した鳥かごから彼女を連れ出した

だけだろう?

 

ソレに司馬監査員に対して敵意を持つ

のは頂けない。

向こうはいつでもこちらを殺せる

事を忘れて無いか?

 

更識家如きが何か出来る相手じゃないぞ?

 

・・・はぁコレ、私も連帯責任で何か

されるのだろうか?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

・・・目標まで距離10000。

 

位置・高度は変わらず。体勢は丸まってる?

 

この位置まで来て動きが無いってことは

自分の有効射程内に入るか、ロックオンさえ

されなければ動かないってこと?

 

アレがなぜ動かないのかは知らないけど、

すでに破壊の許可は出ている。

 

あんな目立つ場所で佇んでる余裕が

有るなら、どこぞに隠れて待機状態に

なっていれば搭乗者は救えただろうに。

 

所詮は未熟なAI。大佐殿は成長したら

個性と見るかもしれないけど、本来

兵器に心なんか不要なんだよ。

 

ま、そもそも宇宙服だったのを兵器として

改造された己の不幸を呪うんだね。

 

「超振動突撃刃夢現(ゆめうつつ)起動」

 

『・・・?』

 

規格外でもないし6連でもないのがアレだ

けど、今回はコレで十分。

 

「円状十二王方牌大車併展開」

 

『la~♪』

 

ん、気付いた?だがどうする?

弾幕を展開する気?その距離で?

 

・・・エネルギー弾は曲射出来ないから

どうしても距離10000の敵に当てる

には接近するしかないだろ?

 

瞬時加速で見せた推定最高速度のマッハ3

でも9~10秒かかるぞ?

 

有効射程が距離1000なら8~9秒。

 

どちらにせよ終わりだ。

 

『la~♪la~♪』

 

良いのか?接近すればするほどコレはハマるぞ?

 

「沈め。天魔波旬交響曲(ロイヤルデモンシンフォニー)!」

 

 

 

リィーーーーーーーーーーーーーーーン

 

 

 

『lalalalalalalalalaaaaaaaaaaaaaa!!!!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「何が起こった?!」

 

「わ、わかりません!いきなり画像がっ!」

 

な、なんだ?銀の福音が凄い勢いで

サラシキさんに向かったと思ったら、

いきなり画像が荒くなったぞ?!

 

サラシキさんは、なんか丸い玉みたいなの

を出して削った?みたいだけど・・・

 

「あー先にソッチか。じゃあ銀の福音は

もう終わったわね(ΦωΦ)」

 

「はぁ?」

 

リンは何か知ってる?もしかしてコレが

サラシキさんの武器か?!

 

「・・・凰、コレは説明できるのか?」

 

ん?千冬姉の言い方が微妙だけど・・・

あぁ、そっか。司馬さんは学園とは違う

指揮系統だから、その技術について

教えろって命令は出来ないのか。

 

「アレは見せ武器ですから大丈夫ですよ」

 

見せ武器。そうだよな。別に隠そうとも

してなかったもんな。

 

「アレは音波と衝撃で超広範囲に強力な

各種妨害電波を発信するモノです」

 

「各種妨害電波?そ、それで画像が荒く

なったのか。だけどなんでソレを?」

 

今にも襲われるって時にすることか?

 

「あの妨害電波はね。人間が喰らえば

内臓が共振破壊を起こすし、機械が

喰らえば振動で部品が破壊されるわ。

更にジャミング機能によりハイパー

センサーをはじめとした各種機能を

無効化し、衛星との接続も絶たれる上に

機械系統に対して特殊な信号を流すことで

欺瞞情報の錯綜を発生させるの」

 

えげつねぇな・・・

 

「なるほど。人間の体は大部分が水分で

出来ている。そこに特殊な音波を複数方向

からブチ込むことで体内を破壊するのか」

 

えげつねぇな・・・

 

「そうです。さらに今の銀の福音はAI

が動かしてますからね。

AIが動かしているのにセンサーが動かない。

さらに情報もデタラメなモノが流し込まれ

ますので、もうアレはタダのゴミですよ」

 

えげつねぇな・・・

 

「なるほど・・・まさに処刑だな」

 

だよな。戦うとか戦わないなんてチャチ

なモンじゃ断じてねぇ。

もっと恐ろしいものを味わったぜ!

 

「中の操縦者に関しては、うまく間合い

を外したり、音波に対しての対処をして

いれば死ぬことはありません。

ただ機械系統は壊滅しますので、

篠ノ之箒のような機体性能頼りのヤツは

瞬殺されてしまいますね」

 

なるほど。護衛として考えればISで

司馬さんを狙っても、いきなり機能を

強制停止させられるようなもんか。

 

その結果千冬姉とかリンみたいに機械性能

に頼らずに戦える人間ならまだしも、

機械が動かしてる銀の福音じゃどう

転んでも勝てねぇ。

 

そりゃリンも安心して見てるはずだよ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

中の搭乗者は死んだか?それともまだIS

が解除されないから瀕死?

 

センサー系統と各種バランサーが破壊

されたのにまだ姿勢を保って空に

浮いてるのは・・・PICは破壊され

なかったか。

 

兎さんには良いデータになったかな?

 

それで、問題はコイツか。油断して

確認のために近づいたら、最後の力を

振り絞った反撃を受けるんでしょ?

 

誰が引っかかるか。

 

「ドリルモジュール(MURAKUMO)起動」

 

確認は殺した後で。コレが常識。

 

『・・・』

 

スラスターを使った瞬時加速が貴様の

専売特許だと思うなよ。

 

「搭乗者ごと死ね」

 

ギガ・ドリル・ブレィクゥゥゥゥゥ!

 

『lala~!』

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

おぉぉぉぉぉ!なんか、なんか足に

ドリルが出たぞ!

 

「おそらく中の搭乗者は死んでるわ。

だけどAIが生きてる。簪は止めを刺す気ね」

 

「え?なんでAIが生きてるってわかるんだ?」

 

さっきのは機械にとって致命の一撃なんだろ?

 

「一夏。奴はまだ浮いているだろう。

つまりPICを制御する機構は生きている」

 

あ、そうか!

 

情報がデタラメで現在地も何もわからない

から身動きがとれないだけで、AI自体は

死んでないのか。

 

それで止めを刺すために選んだ武器がドリル!

 

「本来の試合用だとドリルじゃなくて

薙刀なんだけどね。

今回は機械を完全破壊するのが目的

だから破壊力と貫通力重視にしたのね」

 

いや、俺にはわかる。アレは効率とか

破壊力とかじゃねぇ。ロマンだっ!

 

「本来なら搭乗者が死んでいる機体に

追い打ちなどかけさせたくはないが、

AIが暴走している以上、コレから

どうなるかわからん。

ましてこの状況で自爆などされたら

環境にも悪影響が出るからな」

 

・・・そうだよな。ロマンとか以前に

人が死んでるんだもんな。

 

流石に不謹慎だった。

 

「おそらく一撃で終わらせるわ。

一夏、よく見ておきなさい。

戦いの場に立つからには中途半端は

絶対にダメ」

 

「・・・あぁ」

 

「あの敵を生かしておけば、ここにいる

100人の学生が死ぬ可能性がある。

私たちには敵も味方も全部助けるなんて

不可能なんだから、絶対に守るべきモノ

を心に決めて。

優先順位を忘れちゃダメよ」

 

『勝負が終わったから殺すな』なんて

舐めたことは言うなってことだろ?

 

そうだよな。見ず知らずの搭乗者さんには

悪いけど、あんたと千冬姉のどっちかを

選べって言われたら、俺は迷わず千冬姉を選ぶ。

 

今回はサラシキさんが殺ってくれたけど、

次は俺が殺ることになるかもしれないんだ。

 

他人事と思わず、結末まで見届けるのが

筋ってもんだろ。

 

『搭乗者ごと死ね』

 

一直線!一気にぶち抜く気だなっ!

 

『lala~!』

 

はぁ?!まだ動けたのか!

それにアノ弾幕の量はヤバイだろっ!

 

「マズイ!簪の速度が乗りすぎてる!」

 

リンが焦ってる?!コレは計算外なのか?!

 

「直撃するぞっ!!」

 

千冬姉も?!まさかほんとにピンチなのか!?

 

まずいぞ!教師陣を下がらせてるから

救助が出来ない!

 

す、すぐに救助の準備をしなきゃ!!

 

速度が乗ったサラシキさんと銀の福音

が放ったエネルギー弾が接触するぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「簪っ!!」

「更識っ!!」

「か、かんざしちゃーーーーーーん?!」

 




か、かんちゃーーん!!ってお話


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