とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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かんちゃん危ないっ!!

作者は魚座です!

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嫌いな人は読み飛ばし!




第50話

くそっ確実に直撃だっ!

 

第四世代型の箒でさえ気絶するくらい

のダメージを受けたのに、正面から

あんなのを喰らったらヤバイ!

 

すぐに助けに行く準備をしないと!

 

・・・・・・

 

・・・

 

アレ?着弾して周囲に電磁波?とか

衝撃波?が出て映像がまた乱れたけど

破壊音とかそういうのがないぞ?

 

『うん知ってた』

 

「「「はぁ?」」」

 

いや、おかしいだろ?今確実に銀の福音の

弾幕と正面からぶつかったよな?

 

なんで無傷でピンピンしてるんだよ!

 

なんで銀の福音にどでかい穴が空いて、

サラシキさんが無傷で後ろにいるんだよ!

 

いつの間に?何が有った?

 

「「「どうなってるんだってばよ!?」」」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「うん知ってた」

 

正確には司馬少佐に情報を差し替えて

貰って、全ての情報を正面から突撃

してるように見せかけただけで、実際は

違う動きをしていただけなんだけどね。

 

ハイパーセンサーも、サーモセンサーも

ブリーズセンサーも、どれが生きてたかは

知らないけど・・・かろうじて稼働して

いる機能を総動員しても、貴様には正面から

ナニカ来るとしか思えなかっただろう?

 

だから最後の力を振り絞って前に

弾幕を張ったんだろう?

 

それが機械の限界だ。

 

 

 

 

 

いつから私が正面からぶつかると錯覚していた?

 

 

 

 

 

 

反撃があるってわかってるのに、私が

バカ正直に突っ込むわけないだろうに。

 

「死ねよ旋回式鮮血鋳薔薇(ブラッディーローズ)

 

『?!?!?!』

 

そもそもこの技に勢いなんか要らない。

なんたって刺されば終わるからね。

 

向こうの映像では腹に穴を開けた

感じになってるのかな?

 

そうなるとさっきのは「知ってた」

よりも「残像だ」の方が良かった?

 

まぁいいや()

 

『?!?!?!』

 

んん?まだもがいてるの?。

・・・随分しぶといね。

 

コレはシニタクナイ!って言う、自身に

芽生えた生き物としての本能と、搭乗者を

殺したくない!って言うAIとしての本能

なのかなぁ?

 

まぁどっちも死ぬけどね。

 

その棘を抜くにはISを解除する必要が

あるけど・・・解除したら生身の搭乗者を

殺して、コアだけになったお前を壊す

だけだし。

 

せめて武器のデータ取りに役立ってね。

 

お前のシールドエネルギーと搭乗者の

血を全て吸い取って、赤い花が咲いたら

終わりだから。

 

徐々に全てを失う絶望を知って死ね。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『?!?!?!』

 

 

『?!?!?』

 

 

『?!?!』

 

 

『?!?』

 

 

『?!』

 

 

『!』

 

 

『・・・la』

 

 

『・・la・・・・la』

 

 

『・・・・・・la・・・・la・・la』

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・la』

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・』

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

・・・ISも解除されたか。後は搭乗者の

頭を潰してっと『ボンッ』・・・これで

確実に終わったね。

 

あ~けど死体が残ったらデータ取りとか

埋葬の関係もあるし『持ってこい』って言われるよね?

 

「司馬少佐、頭を潰した死体はどうしましょうか?」

 

持って帰るのは良いけど、その場合

コアも回収されてしまいますよね?

 

バカ正直にアメリカに渡すのもなぁ。

少しだけどアルレシャのデータとか

抜かれそうだし、ここで壊したほうが

良いと思うんですけど。

 

『そうですね。それは自爆したことにします。

映像処理が終わり次第連絡を入れますので、

特尉はその後帰投するように』

 

ん、やっぱり司馬少佐も同じ判断か。

 

「はっ!了解しました!」

 

んじゃこのコアは破壊して、後始末は

太平洋のサメにでも頼むとしようかな。

 

・・・なーんか兎さんからコアの回収の

お願いが来てるんですけど。

 

持って帰ったら絶対面倒事になると思うんだけどなぁ。

 

けど無視したらアレかもしれないし、

とりあえず司馬少佐に聞いてみよ。

 

今回は確かに茶番だったけど、最終的に

マルチプルパルスが見れたしなぁ。

リンちゃんもラウラさんも仕事あったし。

 

私はアルレシャの武装の性能も試せたから、

オッケーってことにしておくかな?

 

まぁ大佐殿との旅行の方が良いに決まって

るんだけどね。

 

『特尉、処理が終わりましたので帰投を開始しなさい』

 

「はっ!」

 

指揮所じゃアレでしょ?今頃腹を貫かれた

銀の福音がジジジジジってなって自爆してる

んでしょ?

 

映像も音声もリアルタイムで書き換えるん

だから、流石司馬少佐と水銀の蛇。

世界中の情報を書き換える単一仕様能力は

機械に頼る連中にとっての天敵だよねぇ。

 

後は指揮所の連中に終わったことを伝えて

・・・あぁ、口裏を合わせるためにどんな

映像を見てたか確認する必要も有るか。

 

「銀の福音の自爆及び、搭乗者

ナターシャ・ファイルスの死亡を

確認しました。更識簪帰投します」

 

殺人は初めてだったけど、特に何も感じないなぁ。

 

コイツに関してはもういいやってだけ。

 

コイツは今回巻き込まれただけとも

言えるけど、所詮は殺戮兵器を使う兵士。

 

そもそも軍用開発された機体ってことは

人殺しの兵器だもんね。

 

試験とはいえ軍務。つまり人殺しの兵器を実用化

して、ソレを使おうとしてた兵士。なら誰かを

殺す前に誰かに殺されるのは当然のことだよね?

 

もし被害者面して絡んで来る奴がいたら、

そのまま奇跡の部屋に招待してやる。

 

AMI●Aの餌になるか、遺伝子情報を抜かれて

ナニカに使われるか、サメの餌になるかは

知らないけど・・・どうでもいいね。

 

・・・

 

さて、切り替え切り替え。さっさと帰って麻雀だ!

 

結局夏休み中の間はリンちゃんはサポート

スタッフに任せて、大佐殿と司馬少佐と

私とラウラさんの4人で一緒に旅行に

行くことになったから、後は旅行先を決めないとね!

 

『『いや、説明しろよ!!』』

 

あぁん?説明ぇ?そんなの軍事機密に

決まってるでしょーが!

 

ま、映像に合わせた話をテキトーに作るけどさ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

何がどうなった?最後の力を振り絞った

銀の福音の弾幕に正面からぶつかった

はずの更識簪が、いつの間にか後ろに居て

さらに銀の福音の腹には大きな穴?

 

いや、穴がドリルで貫いたモノなのはわかるが・・・

 

『銀の福音の自爆及び、搭乗者

ナターシャ・ファイルスの死亡を

確認しました。更識簪帰投します』

 

いやいやいや。まぁそうだろう。あんな

傷を負ったら間違いなく死ぬだろうさ!

 

そして自爆というよりは、負荷が祟って

機体ごと爆発したのもわかる。

 

全身装甲があのような形で貫かれたのだ。

流石にあの状態では機能不全を起こすし、

空中で待機状態になどなれなかったのだろう。

 

だがそれ以前の問題だ!

 

「「いや、説明しろよ!!」」

 

ホラ、凰もこう言ってるぞ!

 

『え?ただの質量を持った残像だよ?

瞬時加速を使って速度の緩急を生み、

熱排気と表面塗装を排出することで

銀の福音のセンサーを誤認させ、微妙に

位置をずらしただけの話だね』

 

ん、んん?それは、出来る……のか?

 

「な、なるほど。その結果簪が居た位置とは

微妙にズレた位置に弾幕が集中したわけね?

それで簪はその残像の影に居て、弾幕が

残像を襲ったところを影から強襲したと?」

 

なるほど。あの一瞬でそこまで考えて

動いたのか。いや、正確には違うな。

 

銀の福音が生きていて、最後の反撃が

あると言う事まで見越して手を打って

いただけの話。

 

止めの際に油断などしないという、まさしく

処刑人としての【更識】としての動き。

 

流石生まれた時から暗部として鍛えられ、

さらに教頭と司馬監査員に見出されて

鍛えられただけのことはある。

 

『そうだね。広範囲ジャミングの後だから、

そっちの観測映像も細かいズレは認識

できないだろうし、そもそも私がその誤認

した残像に隠れるように動いたから。

ソッチでも正面からぶつかったように見えたかもしれないね』

 

・・・ふむ。瞬時加速の中で緩急を利用し

熱や表面塗装?を排出することで銀の福音の

各種センサーを誤魔化したと言ったな。

 

こちらのサーモセンサーやハイパーセンサー

は、それ以前の広域ジャミングに対して

完全に機能も回復していなかったし、海に

潜って観測をしようとしていた連中なんて

機能が停止しかけて死にかけたからな。

 

音波は空気中より水中の方が伝わり

易いのは常識だし、下がれと警告をされて

いたのに観測を重視して潜んでいた連中が

悪いと言われればそれまでだ。

 

・・・更識か日本政府関係者だろうが、

あまり心証を悪くしないで欲しいモノだ。

 

だがまぁわかった。とりあえず任務の完了は

確認したし、証拠は・・・どうなるんだ?

 

まさか自爆したナターシャの肉片を持って来いとも言えん。

 

コアに関しては・・・おそらく粉々だろう。

 

第三世代型の二次移行したコアなど貴重品

どころではないが、撃墜許可は出ているし、

そもそもが違法な軍用開発機。

 

表立って文句を言われる筋合いでもない。

それに、軍用開発された機体を一蹴する

冬林技研の第三世代型の性能が確認出来たのだ。

 

相性の差とはいえ、音波やジャミングに

対する備えについてのきっかけと考えれば

各国の研究機関も文句は言わんだろう。

 

更にこれはISの軍事利用に歯止めをかける

技術でもある。

 

なんといっても音波や衝撃はISのシールド

を貫くと証明したのだからな。

 

多少の対策は出来るだろうが、衝撃を

完全に防ぐなど不可能である以上、今後

軍事産業関係にそちらを研究するよう

指示を出して税金を投入することも可能。

 

結果この事件はアメリカ・イスラエルだけで

なく世界中の軍事産業に福音を与える結果と

なったわけだ。

 

しかし冬林技研としては・・・どうなんだ?

更識簪が司馬監査員の護衛としての存在を

表に出してきたが、それだって銀の福音が

二次移行しなければそのままだったよな?

 

更に三馬鹿が負けていなければ出てくる

こともなかったということを考えれば、

デモンストレーションとしてこの件を

利用しようとしていたという線は無い。

 

となると純粋に司馬監査員に何かあると

困るから、三馬鹿が負けた時点で出た

ということなのだろうな。

 

で、今回の件で一番怪しいのは、やっぱり束と

言いたいところなんが、束もなぁ。

 

最初は箒に実績を与え、第四世代型を持つ

ことに対する周囲の風当たりを弱めるとか、

慣熟訓練も兼ねた茶番なのかと思ったが

凰に先陣を任せた時も特に口出しして

こなかったし、あくまで箒の意思を尊重

していたよな。

 

なんというか、心から箒の成長を願ってた

みたいなんだよなぁ。

 

あの様子を見れば、束が銀の福音を暴走させたという線もないだろう。

 

うーむ・・・ナニカある度に束や教頭を黒幕

と思ってしまうのは悪い癖だな。

 

やりかねんのは確かだが、流石に

理由なく箒や司馬監査員を危険に晒す

ような真似はしないだろうし。

 

可能性が大きいのはやはりアメリカの

軍事産業関係者か。

イスラエルの宗教関係も怪しいところ

ではあるが、第七艦隊にも被害が出ている

事を考えれば、装備を一新する為の狂言で

あるとも取れる。

 

誰がどこまで仕組んだか知らんが、やはり

政治的なパイプは必要だな。

 

かといって今から司馬監査員に接触

するのは周囲に警戒させることになる。

 

そうなれば・・・

 

「ふむ。今回の件はコレで終わりだ。

後片付けは我々に任せて、織斑と凰は

戻っていいぞ」

 

「了解しました(ΦωΦ)ゞ」

 

うむ。流石に切り替えが出来てるな。

 

「ま、まだよくわかんねぇけど、了解だ」

 

こっちは・・・しょうがないだろうな。

 

何せモニター越しとは言え人が死んでいるんだ。

 

落ち着くにも時間が必要だろうし

今回の細かい事情やら何やらはさっぱり

理解できてないだろうからな。

 

「あぁ、言っておくが今回の作戦に関しての

口外を禁ずる。情報の漏洩があった場合は、

話した方も聞いた方も禁固刑が下される可能性

があるので、そのつもりで居るように」

 

「「了解」」

 

知らないで話したとか言っても困るしな。

他人に迷惑をかけるとなれば、一夏

の性格なら頼まれても口を割らんだろう。

 

「一応補足すると、元々知ってるあの3人

とは話してもいいけど、絶対に周りに

誰もいないことを確認してね。

もし偶然誰かが聞いてたとかなったら、

一夏が意図してなくても情報の漏洩になる

んだから。軽く考えちゃダメよ?

それと、簪の戦い方や能力については絶対に

話しちゃダメ。特にあの3人には」

 

うむ。誰にも話せないとなればストレスに

なるかもしれんからな。

流石に私の口から「話題に出しても良い」

とは言えんし、その配慮は正直ありがたい。

 

「あぁ、なるほど。元々知ってるなら

秘密も何もねぇもんな。

で、サラシキさんについては・・・護衛

云々じゃなくて常識の話だな?」

 

うむ。まさしく常識の話だ。

ソレがなければ司馬監査員や教頭に

粛清されることになるからな。

 

「そうよ~(ΦωΦ)。これからIS学園や

IS委員会が勝手に解析するだろうけど、

わざわざ言いふらすような奴は誰にも

信用されないからね」

 

当たり前の話だな。

 

「ちなみにデータの持ち出しは許さん。

まぁすでに記録されているものに関しては

流出を禁じることしかできんがな」

 

今の凰ならコレだけでもわかるだろう?

 

「ん?あぁ、なるほど。そう言うことですか?」

 

ふっ。察したな?今回の件が誰の仕掛けかは

知らんが、せめて有効活用してくれ。

 

「えっと、どういうことだ?」

 

束が言うように、私に男が出来ん限り

一夏が恋愛に目を向けるのは難しいと言う

のは事実だろう。

 

だが、恋愛に目を向けた時、信頼できる

相手が側に居なければ問題だからな。

 

「あまりにもアホすぎて愛想を尽かされてた」

なんてならんように、少しずつ意識を変えて

いかなくては。

 

「私は二次移行した福音の能力も見たし、

簪の力の一端も見たわ。だから私との

ISの演算機能を使ってのシミュレーション

くらいなら良いって事よ」

 

うむ。多少強引な解釈では有るが、更識簪が

見せる事を前提とした能力だけを使用

したと言うなら、こういう使い方も有り

だろうさ。

 

むしろ、アレを見ていながら何の対策も

練らんような阿呆は教頭に矯正されるだろう。

 

「お、おぉ、そう言うことか!

これからもよろしく頼むぜ、リン!」

 

「まーかせてっ!(ΦωΦ)b」

 

うむ。その調子でしっかり凰の世話になれよ。

 

・・・間違っても三馬鹿に行くなよ?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『さて、今回の件でアルレシャの性能も

確認出来たし、オーバードウェポンも試せた。

イベント自体は茶番であったが、ウチの

研究者連中からしたら、最低限無駄では

無かったと言えるだろうな』

 

確かに。それがなかったら今回の件は

完全に兎の自己満足でしたよね。

 

「ですね。それに特尉も少尉も准尉も

それなりに実績を上げることが出来ました。

それぞれの立場の安定にも繋がります」

 

私や特尉はともかく少尉はね。暗部として

姿を前に出すことなく仕事が出来るという

のは大きいです。

 

准尉は、まぁ普通に実績ですよね。

 

『そうだな。それもこれもお前がしっかり

手綱を握っているからだ。苦労をかけるが

もう少し我慢してくれ』

 

「はっ!」

 

正妻として側室や妾の世話をするのは

当然ですからね。

今までそちらの仕事を出来なかった分、

万全にこなして見せましょう。

 

『あとは夏休みの旅行だが・・・行き先は

三人で決めるとか?』

 

そう、こんな茶番より旅行ですよ!

 

結婚式の体験・・・いえ現地の文化調査は

夏よりも秋から冬に試すとして、まずは

師との婚前旅行です!

 

当初の予定と違い、特尉や少尉が居るのが

若干アレではありますが、そこはアレです。

正妻として師に負担をかけたくないですし、

私一人だと夜がアレですからね。

 

3人でイロイロ頑張る予定ですよ!

 

「そうですね。師に行きたいところが

有ればそちらを優先しますが、無いと

言うなら我々で決めたいと思います」

 

日本に関しては特尉がいますし、少尉は

あんまりアテに出来ませんが、知識が無い

からこそ面白い場所を見つけることが

出来るかもしれませんからね。

 

先入観がないのも時には重要です。

 

『前にも言ったかもしれんが、俺は

お前が居ればそれでいいから。とは言っても

簪やラウラを蔑ろにする気はないが。

アレだ、まずはお前が楽しめるところで頼むぞ』

 

も、もう!師ときたら・・・もうっ!

 

「りょ、了解しました!」

 

本音を言えば私だって師が居れば、研究室だって中国の自宅だってどこだって良いんですよ!

 

『んじゃ、後は任せる。何度も言うが無理は

するな。何かあったら連絡をくれ』

 

はぁ、お気遣いが身に染みます。

 

流石に普段からこんな調子だとアレかもしれ

ませんが、今は昔と違って気を抜ける時が

増えましたからね。

 

お互い過労で倒れない程度に気を抜く

ことも大事です。とは言えアイサツは

きちんとしなくてはいけません。

 

「はっ!お気遣いありがとうございます!お疲れさまでした!」

 

はぁ、本当は通信なんかじゃなく直接

お会いしてお話したいんですけどねぇ。

 

まぁ夏休みまでの辛抱ですか・・・

 

 

 

 

 

『あ~なんかしーちゃんだけ狡くない?

束さんだってイロイロ頑張ってるのにさ~』

 

あぁん?どっから出てきたこの兎?

 

「頑張ってるもなにも、今回は兎の我儘に

我々が協力したのですよ?コレは当然の権利です」

 

兎とて師と私が認めた妾ではありますから、

無駄に邪険にする気はありませんけどね?

 

コイツは我儘が過ぎるんですよ。

 

『ん~そう言われたらアレだけどさ~。

かんちゃんがアレを潰してくれたおかげで、

いっくんも無駄に出撃しなくてよかったし

箒ちゃんも無事。

紅椿も渡せたし実戦の空気を知ったよね!

自分の未熟さを知って成長するかどうかは

まだわかんないけど・・・それでもきっかけ

はあげられたよね!』

 

確かにきっかけは与えたでしょうが・・・

 

アレは絶対に自制も自省もしないでしょう?

手柄を取られたって逆恨みするタイプです。

 

「言うまでもないことでしょうが、

こちらに絡んできた場合は処分しますよ?」

 

他はどうか知りませんが、私が容赦する理由

は有りませんからね。

 

『あ~うん。とりあえずちーちゃんとかに

言っておくよ。だけど箒ちゃんもIS学園に

通う10代女子なんだから、他の人と

同じくらいの寛容さは欲しいかな~』

 

むぅ・・・確かに兎の妹とは言え学生。

他をシカタナイで許しているのに、アレ

だけを処するのはよろしくないかも

しれませんね。

 

「内容によります。流石にいきなり特尉達

に真剣で襲いかかるようなら・・・」

 

木刀程度ならまだしも真剣を振り回していますからね。

 

そんな阿呆に寛容さなど見せる必要はありませんよね?

 

『あ~うん。とりあえず紅椿に使用制限つけておくよ~』

 

まさかいきなり専用機を振り回す

とは思えませんが・・・いえ、阿呆には

限りがありませんからね。こちらの常識を

当て嵌めるのは危険でしょう。

 

「ですね。シールドエネルギーを常時展開して、

生命維持と絶対防御だけを稼働するようにして

おけば、自衛の初動としては十分でしょう」

 

後は成長に併せて開放する形にして

いけば事故も防げます。

 

感情のままに殺傷力のある兵器を振り回す

ことで起こるのは、事故ではなく事件だと

思いますけどね。

 

『だよねー。下手に気分で殺人とかされると

揉み消しが面倒だし、束さんもリー君に処

されちゃうよ』

 

でしょうね。敵の兵士とかならまだしも、

同じ学び舎に通う学生を気分で殺害する

ような破綻者を庇うなら、兎とて捌かれる

ことになりますよ。

 

「そういえば・・・」

 

ふと思い出したんですけど

 

『ん?何かな?』

 

どーでも良い話ではあるんですけどね?

 

「ドイツ軍ってどうなったんです?

阿呆の件で一時保留っていうのは聞いて

ましたけど、子兎と一緒にVTシステムの

研究施設だの軍事施設を強襲するのでは

なかったのですか?」

 

特にナニカしたって話は聞かないんですけど?

 

『あっ!箒ちゃんに紅椿の製造を

頼まれた嬉しさですっかり忘れてたっ!』

 

おいおいこの兎。自分から師にVTシステム

は許さんとか言っておきながら・・・

 

「私や少尉はどうでも良いですけど、

ドイツ軍に対する攻撃を止められてる

子兎にしてみたら、完全に不完全燃焼

なんじゃないですか?」

 

アレがドイツ軍を恨むのは当然だし、報復

する権利とてあるでしょう?

 

少尉と違って師の養子みたいな立場に居る

からと言っても、ドイツに対して良い思いが

あるわけでもなし。

目の前に餌をぶら下げっぱなしで

放置するのは流石にどうかと思うんですがね。

 

『あぁ~ごめんねくーちゃん!明日っ!明日に

なったら絶対に行くから!直ぐに準備しよ!』

 

・・・・・・

 

いや通信切るのはいいですけど、アイサツ

くらいちゃんとしないと子兎の教育に

悪いと思うんですが・・・

 

まぁ正式な養子というわけでもないですし、

アレの教育は師と兎の仕事ですからね。

 

はぁ・・・私も早く師と共に子供の

教育をしたいものです。

 

『司馬少佐、後5分で帰投します』

 

ふむ。予定通りですか。初の実戦にも

関わらずこれだけスムーズに動けるのは

流石特尉と言ったところでしょうね。

 

「了解しました。少尉を迎えに出します。

特尉はそのままデータを取りつつ帰投

するように。少尉は特尉の到着に合わせて

浮上し、特尉と共に何食わぬ顔で正面から

戻りなさい」

 

出るのは良いけど戻りがアレなんですよね。

 

本来は違う指揮系統だから文句を言われる

筋合いは無いのですが、まぁ面倒事を

避ける為です。

 

『『はっ!』』

 

何か言われても「迎えに出したのが一緒に

帰ってきただけだ」と言えばいいし、

いつの間に外に出していた?と聞かれたら

「特尉に万が一があったら直ぐに出られる

ように待機させていた」とでも答えましょう。

 

実際特尉が抜かれた時に備えて待機して

たのですからね。

 

いやはや。こういう地味な作業を堅実に

こなすことが出来る人材は貴重です。

 

更にISを使う10代女子でしょう?

母体としても問題無いしますます貴重

な存在ですよね。

 

うむ。特尉といい少尉といい、本当に良い拾い物をしました。

 

この場では無理ですが、近いうちに

きちんと労う必要がありますね。

 

さしあたって、二人には埃を落として

もらい一息ついたら麻雀です。

 

皆で師と共に楽しめる旅行先を探しましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

凰めっ!二次移行する前の雑魚を

倒しただけの癖に偉そうにしおって!

 

それに私にサラシキや二次移行した敵の

情報はやれんだと?!

一夏だけでなく千冬さんまで洗脳したかっ!

 

クソっクソっクソっ!

 

サラシキだって私が弱らせた敵を横から

かっ攫っただけだろうがっ!

 

姉さんがくれた紅椿も・・・勝手に敵から

逃げるとは何事だ!

 

相手は乗り手が気を失っても戦い続けて

いたというのにっ!

 

なんて惰弱なっ!

 

クソっクソっクソっクソっ!

 

このままでは一夏が!あの連中に一夏が

取られてしまうっ!!

 

一夏とは私が最初に出会ったんだ!

一夏は私のモノなんだっ!

一夏は絶対に渡さんっ!!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・To be continued

 






弟子、わかりやすく言えば電子機器に
対する鏡花水月。

かんちゃん?作者が魚座だからシカタナイネ!

天魔波洵交響曲?ロイヤルデモンローズと
デッド・エンド・シンフォニーの合成です。
デモンって検索したら波洵と天魔波洵って
出てきたから・・・


最後のがなぁ。正直妄執とかわからない
ので、もしかしたら書き直すかも?ってお話

とりあえず作者の中で1章終わりました。

ここまで拙作を読んでいただき、
ありがとうございました。

また、大量の誤字報告ありがとうございます!



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