とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

6 / 51
時系列は原作に入ってるのに
コレだけ文字数が有っても話が
全然進まないのは何故か?!

設定に関するツッコミが多すぎるからだ!

コレは話しが続いてるんじゃない!
ツッコミが続いているのだ!(開き直り)

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


第6話

「「監査員?」」

 

そう来たか。確かにそれなら個室

になるのも当然よねぇ。

しかしそんな動きがどこにあったの?

それだけ大きな動きの予兆が有れば

この人が気付かないなんて

ありえないわよね?

 

「えぇ、自らを駒として私を拘束し、

その間に国連の常任理事国を集めて

問題提起と監査員の派遣をリアルタイムで

決定させるという離れ業ですよ」

 

「「うわぁ」」

 

今の今で仕掛けてきたの?根回しも

最低限よね?

一体それでどうやって国連の連中を

説得したのよ!

 

「根回しは恐らくしてません。その場での

利益配分と弁舌で場の流れを操ってます」

 

な、なんて無謀な!だけどソレを海千山千の

外交官相手にやって、成果を挙げてみせた。

とりあえず私たち更識には出来ない荒技!

 

流石は政治の澱みの中に住む司馬家の人間。

政治的な手腕じゃ絶対に勝てないわね。

 

「カメラ越しでも圧力がわかりましたよ。

流石は李家の教頭」

 

「李家の教頭?」

 

李とか多いから姓だけじゃわからない

のよね。しかも教頭ってまた微妙な。

 

「更識・・・さっき話した李家の当主で

冬林の副所長のことだ」

 

「はぁ?!」

 

武門の李家の当代当主が政治の場で連中を

手玉に取る?!

 

「更識さんが驚くのも無理はありませんが

彼はそもそも司馬監査員の師であり、

冬林技研のIS操縦者たちの武術指導役で

あり、司馬家の政治的な相談役です」

 

教師の頭って意味?!有り得ないわよ!

 

「つ、つまり司馬家のお姫様に対して指導と

意見を言えるだけの能力が有ると司馬家が

認めていると言うことですか?外戚としての

権力や立場を利用したモノではなく?!」

 

「それなら司馬家の相談役にはなれんし、

こうして中国を代表して国連大使との

話し合いでヤツらを転がすことなど出来ん」

 

「た、確かにそうですけど!」

 

何?私たちはこんなのと知恵比べをしなきゃ

ダメなの?

 

「利害調整と感情の折り合いを見事に

調節されました。コレは私の不徳と

言っても過言では無いですね」

 

「理事長・・・」

「十蔵さん・・・」

 

もともと連中は十蔵さんに手玉に

取られて来た経緯もあるから感情的には

納得させやすかったのかもね。

 

非常任理事国のドイツやインドも反対する

理由は無いし、日本は当然賛成しなきゃ駄目。

 

なんたって監査の理由が「中立性の確認」

これは受け入れないなんて選択肢はない。

 

普段の十蔵さんならそれでものらりくらり

躱して時間を稼いで対抗策を練るんだけど

目の前に司馬のお姫様が居て、銃口を押し

付けられてたらのらりもくらりも不可能。

 

それに・・・実際コレは無いわ。

 

「セシリア・オルコットの部屋ですか」

 

織斑先生も驚いてるけど・・・

確かにコレは無い。何よこのベッド。

二人部屋の意味理解してる?

 

こんなの学園による虐めの黙認と言われても

否定が出来ないわ!

 

「こんなの許すくらいなら最初から

1人部屋にしろ」

 

って言われたら誰だって「あ、はい」

としか言えないじゃない!

 

「コレが盗撮とかなら逆に文句も

言えたんですけどね」

 

もう珍しく本気で疲れ切ってるわねぇ。

まぁそれはそうよね誰がどう見ても

盗撮じゃないわ、だってこの子ってば

 

「セシリアさんめっちゃカメラ目線

ですから、盗撮で押し通すのは・・・」

 

カメラ慣れしてる事の弊害よね。

 

写真撮った子も自分が機密情報を

扱ってるなんて思ってないし。

 

こんな子たちから情報収集するのは

少しでも諜報の心得があれば朝飯前よねぇ。

今までは更識が止めてきたけど、李家が

相手だと何時接触されたのかすら

分からないんですもの。

 

「それではイギリスが賛成に回ったのは・・・」

 

それでも現実を確認に行く織斑先生が

凄いわよね。

 

「先日の騒ぎに関してもしっかり映像資料

として残されてましたし今回のコレです。

反対出来るわけがありませんよ」

 

映像資料まで取られてるか。

そりゃ反対できないわよね。

 

「ではアメリカは?」

 

「今期は司馬殿ですが次の監査員は

アメリカから出すそうです」

 

なるほど、今まで手も足も出なかった

所にいきなり食い込める余地が出来た

もんだから飛びついた?

 

だけど轡木十蔵は甘くないわよ?

今回は奇襲と速攻、最初から落とし

どころを告知して来たから負けを

認めたけど、次回からは同じ手は

通じないでしょう。

中国・・・いえ、司馬家にしたら

お姫様在学中の待遇さえ良くなれば

ソレでいいのよね。

 

ソレを読み切ったからこその譲歩。

しかし第一手でIS学園の不文律を

変えてくるとは。

 

「そして委員会では織斑先生と

山田先生への不信任案も出されました」

 

「「えぇ?!」」

 

お、織斑先生に不信任?!

 

世界一ISを教えるのに相応しい

ヒトでしょ?

 

どういうことだってばよ?!

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「いや、普通に考えて授業中に生徒が口論

してたら止めなさいって話です」

 

「ごもっともですよね」

 

いやほんと。しかも口論の原因を

作ったのも千冬さんだし。

 

最低限ホームルームの時間にヤれって言うね。

 

「副担任もオロオロするだけですし。

学生じゃないんですよ?」

 

「ですよね。コレ完全に舐められますって」

 

仲良くなるには良いかもしれないけど

お友達じゃないんだから。

上下関係ははっきりさせないと事故の

元になるでしょうに。

 

まぁ千冬さんも目の前で代表候補生が

自分を東洋の猿とか言ってきてフリーズ

したかもしれないけどさ。

 

「ISを教える以前の問題です。

そもそも織斑千冬は正式な教員過程を

経てIS学園の教員になったわけでは

ありませんからね」

 

「え?そうだったんですか?!」

 

まぁ言われてみれば経歴おかしいわよね?

 

「そうだったんです。兎と同い年なので

今は24です。ですので3年前のモンド

グロッソで優勝したとき21歳。

1年ドイツで教官して21~22歳

1年置いてからIS学園に所属したので

23歳。ですが教員歴は2年以上ある」

 

「・・・あれ?なんか1年おかしい?」

 

それに21歳なら大学も途中だし・・・

けど3年前は普通に仕事してたよね?

 

「15~18は冬林技研で仕事をしながら

通信教育と高卒資格でしたか?ソレを

取ってましたね」

 

飛び級で大学には行ってないわけね。

 

「なるほど17の時に冬林技研の企業代表

として日本選手権で優勝して日本の国家代表

そのまま第一回のモンドグロッソですか?」

 

「まぁ実際あの当時はISが世界に認知されて

僅か3年しか経ってませんでした。

当然コアの数も少なく、さらに戦闘行為が

出来る程度の完成度がある機体は冬林技研

でしか作れませんでしたから、日本選手権と

言うよりは品評会でしたがね」

 

あぁ、それもそうよね。コアの絶対数が

足りなかったから、そういうこともあるわ。

 

まぁソレは今は良いとして、それから

コアの数が増えてようやく出来たまともな

世界大会が四年後の第二回モンドグロッソ。

 

なら千冬さんが教員免許を取ったのは

18歳~21歳の間?けど21歳の時は

途中でドイツの教官してるから大学に

行ってたとしても中退してる?

18~20歳の間に短大や専門学校を出たと

しても、講師には成れても教師には成れない。

 

しかもIS学園なんて国際的な教育機関だと

尚更よね。

ISだけを教える体育教師的な存在?

それなら担任って言うのはおかしいわ。

 

つまり教師として不適切って言うのは

間違いじゃない。

実際イギリスの螺旋頭が騒いだときは

授業がヒトコマ潰れてるし、学級崩壊に

近い状態を作り出してる。

 

「更に肉親の担任なんて何処の国の法律

でも禁止されてます。つまりあり得ません」

 

「それもそうですね」

 

教育に関する法律はわからないけど、

肉親が担任なんかしたら公平な査定が

出来てるかどうか疑われるもんね。

 

実際今回の螺旋頭の問題に関しては

明らかに一夏に経験を積ませようと

してたし。

アレがIS学園や委員会の指示でも、千冬

さんが関わったら依怙贔屓になる。

 

「とりあえず織斑千冬が教師として不適切な

経歴と実績の持ち主なのはわかりましたが、

このような指摘をしてもよろしいのですか?」

 

千冬さんが逆恨みして司馬様を敵視

しちゃうんじゃない?いや千冬さんは

そんなことしないか。

けど千冬さんを崇拝する連中は司馬様に

ちょっかいかけてくるんじゃないですかね?

 

「事実ですからね。ちょっかいをかけて来る

連中には地獄を見せれば良いだけですし、

アレがIS学園を退職したらウチで雇うだけです」

 

地獄ですか。そうですか。比喩とかじゃ

無いですよね?ツッコミませんよ!

 

「しかし、織斑千冬がIS学園を辞める理由を

作ったのに引き抜きなんか出来るんですか?」

 

普通は馬鹿にするな!ってなりませんか?

 

「アレは元々冬林技研所属でしたし、

知り合いも多数居ます。それにアレの目的は

IS学園でなければ果たせないと言うモノでも

有りませんからね」

 

「目的・・・ですか?」

 

やっぱり情報量が違うってのは大きいわ。

どこまで行っても掌の上なのね。

 

「そう、目的です。それに准尉も理解

しているように、織斑一夏が安全に過ごせる

のは今のところ世界でも冬林技研だけです」

 

「た、確かに!」

 

つまりコレはさっさとIS学園辞めて冬林技研

に来なさいって言うメッセージなのか。

 

恐らく千冬さんもソレを理解出来るから

感謝・・・は微妙だけど恨むってことは

無いわね。

 

 

―――――――――――――――――――

 

け、経歴の不備と学級崩壊の現行犯って

 

「ISを教えるだけならまだしも、教師として

学生を導けるとは思えない・・・ですか」

 

お、織斑先生も密かに気にしてるところを

ピンポイントで抉ってきたわ!

 

「ちなみにコレが、そのときの映像です」

 

『第一のツッコミが、授業中にやるな。

ホームルームでやれ。

第二のツッコミが、イギリスの代表候補生が

暴走してるのはわかるだろ教師なら止めろ。

第三のツッコミが、そもそも織斑一夏が

代表と決まってるんだからその旨を告知

して、生徒に現実を教えるべきだ。

第四のツッコミが、副担任は何してる。

第五のツッコミは、ISを使った試合なら

イギリスの許可を取らせるようにしろ。

第六のツッコミは、織斑一夏のISが無い状態で

倉持の許可もなく勝手に試合を決めるな。

第七のツッコミは、素人に一週間しか時間を

与えないと言うのはどういうことだ。

兵器運用を何だと思っている。

第八のツッコミは、練習機もアリーナも

使わせないとは何を考えている。

兵器運用を何だと思っている。

第九のツッコミは、ファーストシフトも

していない専用機を試合で使うな。

兵器運用を何だと思っている。

第十のツッコミは、何故織斑一夏の担任を

肉親の彼女が行っている?有り得んだろ。

学校教育を何だと思っている』

 

「「・・・」」

 

う、うわぁ。全部正論過ぎて何も言い

返せないしフォローも出来ないわ。

 

『他にも細かいツッコミが多々有るが

とりあえずこのくらいにしよう。いまの

私の指摘を聞いた上で織斑千冬が教師

として相応しいと思う方が居るなら反論

してもらおう。

あぁ、発言は挙手と国名、及び発言者の名を

名乗ってからだ。

この場は各国の政府が管理する議会ではない。

それぞれが国家を背負い、意見することを

許された大使が集まる国際会議の場だからな』

 

 

「「「・・・・・・・・」」」

 

 

こ れ は ひ ど い 

 

感情論での反論をばっさり切り捨ててる。

少なくとも肉親が担任って言うのは

先進国なら有り得ない。

コレはIS学園の方針。つまりは学園長と

理事長に対する皮肉でもあるのね。

 

もう織斑先生もヨツンヴァイになって

るじゃない。

 

「私はこの映像をリアルタイムで見せられ、

『何か反論は有りますか?』と言われました」

 

う、うわぁ。監査員による学園の責任者に

対する追求も有ったのか。

しかも時間稼ぎが出来ない状況で?

事前情報も何もなく?

そりゃ乾いた笑いしか出ないわよね。

 

もしも十蔵さんが勝ったら部屋を戻す?

寝ぼけるなって話よね。

万に一つどころじゃないわ。勝負の土俵

にすら立ってない。

 

準備万端整えた料理人が待ち構えてる

まな板の上に載せられた食材に勝ち目

なんか有るわけないじゃない。

 

せめて痛くないようにって身を差し出す

しかなかったのね。

 

私、こんなのと知恵比べをしなきゃ駄目なの?

 

「あぁ更識くんにも言及されてね」

 

「はいぃ?!」

 

何?私も目を付けられてたの?!

 

「えぇ『何でも最強こそが生徒会長の条件

であり、何時でも何処でもどんな方法でも

挑んで良いと聞きましたが本当ですか?』

って聞かれましたね」

 

「う"っ・・・」

 

そっちか!いや、確かに言ってるけども。

組織運営力や政治力が力じゃないとは

口が裂けても言えないけど!

 

コレの弟子に挑まれる?何時でも何処でも?

どんな方法でも?戦わずして織斑先生の心を

叩き折った悪魔の弟子に?!

 

それに、もしも勝ったら師匠が更識ごと

潰しに来るんじゃないの?!

『ふふふ、よくも我が弟子を!』とか

言って、マントを脱ぎながら階段降りて

来るんじゃないの?!

 

歴代の楯無から『関わるなって言ったろ』

って慰められるまで頭に浮かんだわ!

 

「ち、ちなみに司馬さんには専用機とかは

有るのでしょうか?」

 

せめてこっちなら意地を見せれるかも!

 

「資料には有りませんが。冬林技研の

秘蔵っ子に専用機が無いと考えるのは

楽観的過ぎますよね。織斑先生は何か

ご存知ですか?」

 

ヨツンヴァイからは立ち直ったみたい

だけど、目元が・・・

いえ、ココは見なかったことにしましょう。

 

「はい、もちろん専用機は有ります」

 

やっぱり有るのか・・・当然よね。

白騎士事件が起こる前から天災が公表した

技術の特許を申請して、事件のあとで天災

に特許使用料の支払いを請求して支払わせる

ような連中だもの。

お姫様に自衛手段を仕込まないなんて

有り得ないわよね。

 

「とは言え私が知るのは冬林を辞める前

ですので、ようやく第二世代が出来るか

どうかの時代でした。現在の機体性能や

コンセプトなどはわかりません」

 

「「なるほど」」

 

それもそうよね。いくら伝手が有っても

お姫様関連の最新情報なんて極秘案件。

 

内部の人間にだって教えないわよね。

 

「ちなみに当時の彼女は生身の戦闘において

私と戦闘ができる実力がありました」

 

「「はぁ?!」」

 

いや、織斑先生って生身でもヤヴァいくらい

強いわよね?!

 

しかも冬林に居た頃って10~7年前でしょ?

司馬さんは何歳よ!

 

「あの当時より私も成長したと言う自負は

ありますが、教頭に鍛えられ続けた彼女の

実力はもはや次元が違うでしょうね」

 

「なるほど」

 

え?ここで十蔵さんが何に納得したの?

 

「私は目の前に居ても彼女の力を推し量る

事が出来ませんでしたが、アレは擬態

ではなく、規格が違うからですか」

 

十蔵さんが目の前に居る相手の力量を

量りきれなかった?!

 

「恐らくはそうですね。グラムを量る計量機で

トン単位の重さは量れませんから」

 

最低単位がキロですらない?!

 

え、何?私はそんなのと力比べしなきゃ

駄目なの?

 

「ふ、不戦敗はダメ・・・ですよねぇ」

 

二人がスゴく生暖かい目で見てくる

けど、コレはシカタナイわよね?!

 

「さすがに最強を謳って生徒会長になって、

現在実務もこなしている更識君が不戦敗は

不味いですよね」

 

「ですね。更識が彼女の地位に負けたなんて

噂が立てば、無駄に彼女に挑む阿呆が

出てくるでしょう」

 

あ、そうか。彼女の事を知らなければ

そう言う噂が立つ可能性もあるのか。

 

更にわざとそう言う噂を流して自分を

襲わせれば正当防衛を主張して、

監査員としてIS学園に介入してくるわよね。

 

「ち、ちなみに十蔵さんは司馬さんの質問に

対して何て答えたんでしょう?」

 

あっちは全部知った上での確認だから

惚けるのも無理よね。

 

だけど十蔵さんなら!十蔵さんなら何とか

してくれる!

 

「『本人はそう言ってますが、ただの

腕自慢に生徒会と言う組織は運営できません。

学園としては学生同士の話し合いの結果だと

認識しております』と言っておきましたよ」

 

「ありがとうございますっ!」

 

実際には話し合い(物理)だったけど、この際

関係ないわ!そう、話し合いましょうよ!

私たちは蛮賊じゃないんだから!

 

流石は十蔵さん!コレならいきなり殺される

ようなことは無い!

 

「流石理事長。そのまま認めていたら

学園ごと更識が殺されてましたね」

 

「マジですか?!」

 

組織力が違いすぎるでしょ?!サツバツ!

 

「でしょうね。これは更識くん一人が

公開処刑されるか、学園全てが公開処刑

されるかの選択でした。

あの一瞬で第三の道を見付けることが

出来た自分を褒めてやりたいですよ」

 

公開処刑って・・・まぁそうよね。私が

手も足も出ずに完膚無きまで叩き潰されたら

彼女に挑むなんてヤツは居なくなるし。

逆にそうしないと他の生徒が彼女に挑んで

闇から闇に葬られる。そしてその責任を

IS学園に押し付けてくるんだもんね。

 

何せ彼女にしたら明確な正当防衛だし。

 

ふざけたルールを認めたIS学園が悪いなんて

言われたらまさに公開処刑。

 

うん。私一人が切り捨てられなくて良かった!

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「そう言えば凰准尉、IS学園における生徒会長

になる条件を知ってますか?」

 

うぇ?!生徒会長?!軍人を育成する学校に

そんなの居るの?

兵器運用に生徒の意思なんて関係無くない?

け、けど士官学校とかにも生徒代表みたい

なのって居るんだっけ? 

 

「す、すみません!わからないです!」

 

不味い。調査不足として矯正される?

 

居るとしたら普通に選挙とかじゃないの?

いや、わざわざ聞いてくるって事は

違うわよね。下手な憶測は死を招く。

知らないなら知らないと正直に話すわ!

 

「まぁ編入のための準備で忙しかったで

しょうし、いきなり目指すモノでも

有りませんからね。事前調査から漏れる

のも仕方ありません」

 

「すみません!」

 

いや、許して貰えそうではあるけど、

ここで「ですよねー」なんて軽く言ったら

間違いなく矯正される!

 

私は詳しいのよっ!

 

「いえ。普通の学生として過ごすようにと

言ったのは私です。不勉強ではありますが

学生とは未熟だからこそ学舎で学ぶのです。

自らが無知で有ることを知りなさい」

 

「はっ!ご指導ありがとうございます!」

 

絶対同い年じゃないですよね?!

いや、言わないけどさ!

 

「では質問の答えですが」

 

「質問・・・あぁ!生徒会長の条件ですね!」

 

危なっ!普通に忘れるところだったわ!

 

「・・・まぁ良いでしょう。その条件とは

『最強であること』だそうです」

 

「・・・『最強』ですか?」

 

「えぇ、何時でも何処でもどんな方法でも

良いので、彼女に挑んで勝てば良いとか」

 

「・・・」

 

おいおい、死んだな。

 

冬林技研の本部には数日しか居なかったけど

どう考えても司馬様に勝てる人間なんて

この世に居ないわよ?

 

副所長?アレが人間なワケないでしょ。

 

司馬様は第二世代の訓練機で私の甲龍を

完封出来るし、副所長に至っては生身で

完封出来るのよ?

 

もう、あの人、ヒト?を見たらISが最強の

兵器なんて言えないわよ!

 

そんな副所長に司馬様は専用機なら勝てる

んだもの。あのエグい機体にロシア代表の

専用機ごときが勝てるわけ無いわ。

 

しかも、そんな司馬様相手に先手を譲る?

奇襲でも正面からでも良いから来いって?

馬鹿じゃない?

 

普通に衛星軌道上からの神の杖による

超々遠距離狙撃で死ぬわよね。建物ごと。

 

オーバードウエポンだってISの武装だし。

狙撃がダメなんて言わないでしょう?

 

頼むから発射前に一声かけて下さいよ?

巻き添えで死ぬなんて嫌ですからね?

 

いや、もしかしたらISは国家の財だから

生身の体術限定とかの縛りがあるかも

しれないけど、それなら司馬様の

命奪崩壊拳を生身で受けるってだけの話。

 

いやぁおとぎ話の中の産物だと思っていた

けど、なんか実在したらしいのよねぇ。

 

伝説に残る最強の将軍公孫賛ですら恐れた、

李家の直系にのみ伝わる幻の奥義。

 

司馬家の中でさえ司馬様が再現するまで

幻と言われていた、防御不能・回避不能・

命を奪わず尊厳を崩壊させる殺人拳。

 

この目で見て、体で喰らって理解する絶望の一撃。

 

少なくとも私は喰らいたいとは思わない。

 

うん。ここの生徒会長がどれ程の実力者かは

知らないけど、やっぱり司馬様の前で最強を

名乗るなんて自殺を越えたナニカよね。

 

死ぬなら私を巻き込まないところで死んで欲しいわ。

 

「私もね、さすがに強いだけで組織の長に

なるのは異常だと思い確認を取ったのです」

 

「それはそうですよね。そもそも力と言っても

たくさんありますし、組織運営に必要な力って

言うのも有りますから」

 

実際どれだけの権限が有るかは知らない

けど、国連直属の学園だもの。

必要なのは人を動かす指揮能力と状況把握

能力、更に政治力とか各種の人の上に立つ

資質が優先されるべきよね。

 

腕力も必要ないとは言わないけどさ、

古代国家じゃあるまいし、腕力だけで

組織の長になられてもねぇ。

 

それを考えたらやっぱり司馬様が

最強なんじゃない?

 

「ですね。それで向こうの返答ですが、

何でも『生徒会長はそう謳ってますが

学園としては生徒同士の話し合いの

結果だと認識しております』だそうですよ」

 

「日和ましたか」

 

実際は話し合い(物理)だったんでしょうけど

司馬様には勝てないと踏んだわね。

 

賢い判断ではあるわ。

 

「そうですね。それに今の生徒会長の更識は、

日本の暗部の中の暗部と呼ばれる家の

人間ですからね。それなりの人員や組織力

も有るのでしょう」

 

「暗部の中の暗部ですか?」

 

普通に暗部で良くない?もしかしたら暗部を

監査する組織みたいなモノかしらね。

 

「副所長に言わせれば子供のゴッコ遊び

ですね。瞬きする間に組織ごと滅ぼせる

案山子だそうです」

 

……あのヒトならそうでしょうよ。

 

「つまり現在のIS学園は轡木十蔵と更識が

手を結び、日本が私物化しつつある組織と

言うことですね」

 

「あぁ。なるほど。設立の経緯から維持まで、

日本にしてみたら面白いはずがないですもんね」

 

だとすれば、学園がたまに日本政府の決定に

逆らっているように見せてるのもポーズ、か。

 

逆にポーズじゃなければ、轡木十蔵が学園を

私物化しようとしてるってことになるわ。

 

……そりゃ監査も承認されるわよ。

 

「後ろ暗い連中の目には我々はさぞや脅威に

映るでしょう。故に直接的な闇討ちは勿論

ハニートラップや友人を利用した策への

警戒を怠らないように」

 

「はっ!」

 

ハニトラはともかく、一夏を餌にして

周りを巻き込むってのは有り得なくも

ないからね。

闇討ちは・・・司馬様の為に狙撃ポイントは

全部潰してるはずだから、有るとすれば

普通の喧嘩や事故を装った攻撃よね。

 

つまり常時自分の意思で展開できる

専用機持ちとの接触には注意が必要か。

 

 

 

はぁ・・・ここも立派に政治の伏魔殿。

 

専用機持ちとして、何も知らないままじゃ

居られないのはわかるけど、普通に学生

してる連中が羨ましいわ。

 

あの螺旋頭みたいには成りたくないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園の裏も知らず、政治も理解できず現実を

見ていない馬鹿たちに一夏は守れない。

 

 

一夏は絶対に私が守るんだから!

 




黒髪巨乳ツンデレブラコンおねえさんの
年齢と経歴がオカシイですよねぇ?

それに普通に高校生してたらしいよね?

そもそもバイト三昧の高校生が何をやったら
日本代表として世界大会に出れるのかなぁ?

政府とか兎がナニカシタならバイト三昧が
おかしいし?

そもそも10年で第二世代から第三世代に
移る程度の進捗でしょ?第一回の世界大会
なんか相当アレですよねぇ。

最強が生徒会長の条件?
国際組織舐めてません?

フィルター四枚交換しても足りんわ!ってお話


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告