とある師弟の成層圏   作:カツヲ武士

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かんちゃんと言われて脳裏に猪木が
浮かぶ諸君、君たちはこのSSを
見るべきではない。

オリ設定!
オリ展開!

知力92(李儒)を舐めるなよ!

嫌いな人は読み飛ばし


第9話

「かんちゃーん。まだ寝ないのー?」

 

「・・・うん、今日はちょっとお昼寝

したからまだ眠くないんだ。

本音は先に寝てて良いよ」

 

司馬さんに今日は戻って休めって

言われてから、部屋に帰ってきたけど、

ここ最近じゃ考えられないくらい

スゴク・ゆっくり休めたんだよね。

 

「・・・いっつもみたいに

無理して作業しちゃだめだよー。

それじゃーおやすみぃ」

 

「うん。おやすみなさい」

 

・・・更識の監視か。実際本音も虚に

積極的には報告とかしてないみたい

だけど、ソレはあくまで織斑が同じ

クラスに居るから。

単純に私への優先順位が下がった

だけなんだよね。

 

おそらくこの部屋にだって監視

カメラや盗聴器も沢山あるだろうし。

 

それも本音に場所を教え無いようにして

るよね?本音に確認しても私に知られない

ようにそれらを設置してるはず。

 

・・・冬林技研への接触はどうしよう。

まさかトイレとかに仕掛けては

ないと思うけど、暗部だしなぁ。

 

正直言って倉持は信用出来ないし

その後ろにいる更識も政府も信用

できないし、したくない。

 

他の人ならともかく、司馬さんから

見て更識に興味が無いって言うのは

本当だよね。

 

つ、つまり、あのスカウトも本当で。

冬林技研は本当に私の才能が

欲しいってことなんだよね?

 

そうじゃなかったらこの研究室への

直通の番号とか、ましてや司馬さん

直通の番号なんか絶対にもらえない!

 

・・・つい端末に打ち込んだ番号を

凝視しちゃったけど、どうしよう。

 

こんな時間に司馬さんに

直接連絡はシツレイだよね?

 

コッチの研究室の番号は・・・

『連中は24時間365日誰かが

作業しています。何時でも連絡をして

構いません』って言われたんだよね。

 

流石世界に名立たる冬林技研の

根幹を支える天才たちの巣窟!

 

ふ、ふふふ。私もその一員に名を

連ねるのにふさわしいって思われ

たんだね。

 

こんなの言われたの初めてだけど、

嘘とかお世辞なんかじゃないのは

わかった。

 

あの人はそんなことをするような

人じゃない。

 

それに本音や虚みたいな同情混じりの

慰めでも無かった。

 

事実をありのまま。思ったことを

そのまま真っ直ぐに伝えてくれた。

 

それに自分に都合が良いようなこと

でさえ「あくまで予測」とか言って、

私に日本や更識に対する悪意を植え

付けようともして無かった。

 

アレは自分で考えて決断しろって

言う意味なんだよね?

 

私は自分で選んで動いても良いんだよね。

 

司馬さんから見て、私にはそれだけの

価値があるんだから!

 

それにロマン兵器の才能・・・

 

まさか○野サーカスやナ○トー

ミサイルに興味を示す人が他にも

居たなんて!それも副所長さんとか!

 

確かに私は視野が狭くなってたね。

 

私もお姉ちゃんみたいに一人でISを

作ってやるって思ってたけど、実際

設備や資材は一人ではどうにもならない。

 

つまりお姉ちゃんが一人でISを完成

させたっていうのは嘘!

 

最低でも日本かロシアの設備と

資材の提供を受けてるじゃん!

 

なんで気付かなかったんだろ。

 

まぁ私はソレを真に受けた馬鹿だけど、

その結果一人で、しかも学校の設備で

第3世代機をあそこまで完成させた。

 

自信を持て更識簪。司馬さんも言ってた。

私は自己評価が低すぎるって。

周囲の評価は更識や政府が手を加えた

からだけど、自己評価は自分の出した

結果から生まれるモノ。

 

そして私は司馬さんに選ばれた!

 

その結果を誇れ。そして評価しろ。

殻を破れ、螺旋の力で壁を貫け!

小宇宙を燃やすんだ!!」

 

『螺旋の力は本来天井を壊すモノだし、

小宇宙も・・・そこで燃やす分には

良いですが、原子を砕くような一撃

は控えたほうが良いでしょうね』

 

「あひゃい?!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あひゃいって・・・

 

なんかいきなり俺の研究室直通の

電話が鳴ったと思ったら、更識簪が

一人で燃えてた件について

 

『あ、あの、どちら様でしょうか?』

 

ふむ、そっちから電話をかけてきて

このリアクション・・・新しいな。

 

「こちら冬林技研副所長の李文優です。

そちらは更識簪さんかと推測しますが?」

 

推測もなにも、わかってるがな。

 

『は、はい!こちら更識簪です!』

 

無線か。

 

「ご丁寧にどうも。今回はウチの司馬

から聞いた連絡先へそちらがご連絡を

入れて下さったと思っているのですが?」

 

『わ、私が冬林技研に連絡?!

あっ!通話になってる!!』

 

あぁ、なるほど。電話番号を端末に

入れてニヤニヤしてたら、いつの間

にか自分の世界に入ってて、気付かぬ

内に通話ボタン押してたか。

 

・・・コイツ、持ってるなぁ。

 

「まぁ経緯はわかりませんが、早速

ご連絡を頂けたことは歓迎しますよ」

 

いや、さっきの様子は見てたが

まさか初日の接触でここまで影響

を与えるとは。

 

今までどんだけ冷や飯食ってきたんだ?

 

『あ、えっと、その、や、夜分

遅くに申し訳・・・』

 

「あぁ、気になさらず。時差の

関係でこちらはまだ夕方ですから」

 

実際は夜だが、まぁこのくらいはな

 

『そ、そうなんですね!えっと

あのですね!』

 

コレはあれか。緊張と恥ずかしさで

ダメになってるパターンか。

 

それに男にも慣れてないな。

 

押すだけ押して、ちょっと引くのが

効果的と見た。

 

「まぁ落ち着いてください。別に

壁を壊そうが小宇宙を燃やそうが

構いませんから」

 

『あうっ!』

 

これ以上の恥はないから安心

しろってな。

 

「それに実際我々は貴女を認めてます。

問題があるとすれば・・・」

 

『あ、あるとすれば・・・?』

 

「どこの研究室に所属させるか

なんですよね」

 

これが悩みどころなんだよな。

各種才能があるからどうしても

適性で振り分けるって言うわけ

にもいかんし。

 

『え?あの、やっぱり私は冬林技研

に・・・所属出来ないんですか?』

 

あぁ勘違いさせるような言い方は

いかんな。ヘタに引っ張ると

勘違いして、説明を聞く前に電話を

切って一晩泣くパターンか?

 

「いえ、皆が更識簪という逸材を

欲してましてね。

争奪戦が行われそうなんですよ」

 

特にアリサワとキサラギがな。

 

『そ、争奪戦?!』

 

「えぇ、貴女を巡っての争奪戦ですね。

なんと言えば良いですかねぇ?

日本のお嬢さんだと、ドラフト会議で

複数の球団に一位指名された選手を

争ってる状況を想像してもらえれば

わかりやすいですか?」

 

この辺どうだろう?野球に興味が

なくても、なんとなく分かって

もらえると思うが。

なにせ相手は10代女子。予測

なんか出来んナマモノだからな。

 

『な、なんとなくわかりました!』

 

ふむ、それは重畳。

 

「あぁそれと、この電話は盗聴とかは

されませんのでご安心ください」

 

これ言うの忘れてた。先に言って

おいたほうが忌憚のない意見を

聞かせてもらえるだろうし。

 

『そ、そうなんですね!』

 

「それと、今更ですがこちらから

かけ直しましょうか?

国際電話ですから電話料金も

かかりますし」

 

誰が払うか知らんが、こういう

心理的負担は減らしてやらんとな

 

『あ、はい!すみませんがよろしく

お願いします!』

 

「えぇ、では一度切りますね」

 

ま、少しずつ話をしていこう

じゃないか。

流石に初日に全部終わるなんて

ことはないんだからな。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ま、まさか端末を通話状態に

しちゃうなんて!

しかも螺旋の力とか小宇宙とか

聞かれたし!

 

あれ?でもこの人、別に笑ったり、

下に見たり、何言ってんだコイツ?

みたいなこと言わなかったよね?

むしろ原子を砕くとか細かい設定

まで理解してなかった?

 

「あ、あの、それで副所長さんは

どこから聞いてました?」

 

て言うかどこから口に出してたの?

 

『流石は・・・天才たちの巣窟!

からですね』

 

連絡先見てからほぼ全部だ?!

 

『まぁ考えを口に出すのは技術者

にはありがちなことですよ。

さらにお若いですからね。評価

されれば嬉しいのも当たり前。

特に恥ずかしがることはありませんよ』

 

「あ、はい・・・どうもありがとう

ございます」

 

な、慰められた?それとも普通に

よくあることだから流した?

ま、まぁ盗聴されてないから

大丈夫だね!

 

あ、でもあくまで電話での会話で

あって、集音されたらバレるよね。

それに本音も寝てるとは限らないし。

 

あ、けどあんまり待たせちゃ

シツレイだよね!

 

『ん?別に急いでませんから、

落ち着いてゆっくり考えて下さって

かまいませんよ?』

 

読まれた?!電話口だよ!?

 

『あぁ、この辺は経験ですよ。

ウチの司馬もできるでしょ?』

 

「あ、はい」

 

そ、そうなのか。経験なんだ。

 

『電話口だけで大きな商談が

決まる場合もありますからね。

立場上必須なんですよ。実際

私以外にも、大体のお偉いさんは

電話口の相手の思考を予想したり

してますよ?』

 

なるほど。そう言われればそうだよね。

世界を相手にしてるヒトが私の

思考を読めないわけがないか。

 

『とりあえず今日の連絡は、移籍した

場合の上司がどんなニンゲンなのか?

どんな条件での移籍になるのか?

メリット・デメリットの確認と

いった感じで目的を定めて見るのを

おすすめします』

 

「あ、はい」

 

なんか「あ、はい」しか言って無い

気がするけど、実際それしか言えない

よね?!

 

『それと目上で年上の異性が相手の

電話ですから緊張するのは当然です。

むしろ緊張を隠して虚勢を張るより

そうして貰った方がこちらもやりやすい。

あぁこの場合のやりやすいと言うのは

こちらから話題を提供した方が話をし

易いだろうなと判断が出来ると言う

意味ですよ?』

 

「あ、はい」

 

き、気遣ってもらってるよ。

メッチャ気遣ってもらってるよぉ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あ、はい」しか言えない状況か。

まぁそうだろうな。

とはいえ、ずっとこのやりとりを

するわけにも行かん。

対象の緊張を和らげるためと思えばソレも

有りだが、さすがにそこまで暇じゃない

 

とりあえず話を進めよう。

 

「先程も言いましたが、移籍した場合の

上司については、それぞれの研究室の

争奪戦が終わった後になるので、暫くは

少佐・・・司馬が貴女の上司になります」

 

いきなり訳のわからんHENTAIの巣窟に

投げ込まれるよりはこの方が良いだろ。

それに弟子の近くにいればヤツらも

暴走しないし

 

『し、司馬さんですか!それは助かります!』

 

ま、そりゃそうだよなぁ。

 

「司馬の上司が私なので、人間関係

としては司馬とコミュニケーション

を取れてれば組織上問題はありません」

 

貴重な友人として頑張って欲しい

 

『な、なるほど!』

 

コイツも「コミュ障」とまでは言わんが

随分周りにヤられて来たからなぁ。

最初は出来るだけ接触は少なくて

良いだろうよ。

 

まぁウチのHENTAI共が色々ぶち壊す

可能性が高いが、今はダメだ。

折角の才能に逃げられたら困るし。

なんたって弟子の成果だからな。

それが連中のせいで逃げたら切れるだろ。

 

「それで、次は就労条件ですね。

この辺は通常の新入社員扱いか、

IS操縦者扱いかによって変わるのですが

一般の場合は基本給193,000円

(税込)からです。

各種保険や手当については名刺に書い

てるホームページに飛んで貰って確認

お願いします」

 

カーレ○ジャーのレッドもびっくりの

高待遇だぞ!

 

『は、はい!』

 

「IS搭乗者の場合は、また色々と

ありまして、コレは電話口でささっと

説明出来るモノではありません」

 

『で、ですよね』

 

だがしかし

 

「本来なら資料請求が必要になるの

ですが、更識さんは運がいい!」

 

気分はチャイ○ネット!

 

『え?運ですか?』

 

コイツ、今までは相当運とか巡り

合わせが悪かったからなぁ。

 

「今回はわかりやすい例がいるんです」

 

まさかこんな形で役に立つとは

アイツは弟子に胃痛を与える

だけの存在じゃなかったな。

 

『えと、いるんですか?あるんじゃなく?』

 

ほほう、緊張していながらもしっかり

相手の話を聞いて問題点を理解してるか。

いいねぇ。優秀だねぇ。

 

「えぇ、いるんです。具体的には

貴女が所属するIS学園の1年2組に

いる凰鈴音准尉と同じ待遇になります」

 

『凰鈴音・・・中国の代表候補生?!』

 

しかも情報も集めてる。本当に逸材だ。

 

日本はなんでこの才能を野放しに出来た?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

中国の国家代表候補生と同じ待遇?

ど、どういうことだってばよ?

 

『給料は技術士官としての給料です。

あと専用機も当然用意することに

なりますが・・・』

 

専用機?!でもなりますが・・・

ってことは、やっぱり難しいよね。

 

『貴女が今製作中の機体はコアごと

倉持に返却してもらいます

当然初期化もしてもらいますよ』

 

え?倉持に?なんで?じゃあ

専用機はどうなるの?

 

『そもそも貴女がいじってるコアは

現在貴女に貸し出されてますが、

所有権はあくまで倉持にあります』

 

あ、司馬さんもそう言ってたね。

 

『連中は貴女が完成させることはないと

判断してましたが、ソレでも途中まで

作ったモノをそのまま自分たちのモノ

にするつもりでしたね』

 

「・・・なんっ!」

 

そうかソウカそうか!そう言うことか!

 

ソレはそうだ!司馬さんは言わなかった

けど、あのままどこかの研究所を借りて

完成させても、その所有権は連中のモノ!

 

自分たちは織斑に専念して、どうでも

いい私に「勝手に作れ」って言ってコアを

貸して!もし誰かの助力で完成出来たり、

連中が思った以上の性能があったら

奴らが持っていくつもりだったんだ!

 

コアもどうせ研究しないで放置するコア

だから、私にやらせれば損はしない!

 

これは倉持の提案を日本政府が飲んだ?

もしくは日本政府が倉持に持ちかけた?

どっちにしろ更識が動いたのは

間違いない!・・・本音や虚が手伝うと

言ったのはコレもあったからか!

 

『卑怯で汚いのが大人と言うモノです。

アナタも感情に走って行動を起こして

は行けませんよ?大人はそういう行動

すら予測して策を練るのですから』

 

「・・・はい」

 

それを言ったらコノ人も?

 

『もちろんです。我々も得があるから

こそ、こうして貴女と交渉してます』

 

あぅ・・・読まれるんだった。

 

『それでも少なくともこうして交渉

しているだけ、日本政府や倉持より

マシだと自負してますよ?』

 

それはそうだ。質問にも答えて

もらえるし考える時間もちゃんとくれるし。

 

「ちなみに私をスカウトしてそっち

にはどんな得があるんですか?」

 

交渉相手に聞くことじゃないけど。

私には一切の知識がない。

本当か嘘かを見抜く以前の問題。

 

だからこそコノ人が教えてくれる

内容を聞きたい。

それから判断したいんだよね。

 

『交渉相手に聞くことではありませんが

それを理解した上でなら・・・まぁ

口説いてるのはこちらですからね

誠意を見せるべきでしょう』

 

「くどっ・・・そ、そうですね!」

 

あくまで技術者として!IS操縦者と

してなんだから!

 

『得としては簡単です。天才を

腐らせることなく抱え込めます』

 

・・・そうだった。そもそも

この人たちは私の身柄が目的

なんだよね。隠してないじゃない。

 

『まぁ我々が接触したことで貴女の

才能に気付いた日本政府や倉持に

持って行かれるのも癪だというのも

有りますね』

 

「・・・なるほど」

 

このままじゃ私が他に行っちゃうもんね。

飼い殺しにしようとした更識にとっては痛手。

 

連中から指摘を受けた倉持がこれから

支援してくるかもしれないし・・・

 

『今日司馬が貴女に接触したことで

焦った学園長あたりが公衆の面前で

「今までごめんなさい」とか言って

周りを使い、貴女に反論出来ないような

空気を作ってくることも予想されます』

 

「そうですか。そう来ますか」

 

学園の教師共も動くかも知れないか。

 

教師と縁のある企業の設備や資材を

使わせてやるって感じで恩を着せて

くる可能性だってある。

 

それで出来上がった機体を感動の

物語で彩って、私から奪う気か!

 

『まぁあくまで予想です。当然

今までどおり監視だけに留める

可能性もあります』

 

「それは私が倉持のISコアを持ってる

限り、連中の掌の上に居るからですか?」

 

あのコアに拘る限り私はずっと

連中の作った檻の中に居るんだ。

 

『その通りです』

 

なら、それなら捨ててやる!

 

「じゃあコアを返却した場合、私の

専用機はどうなりますか?」

 

中国の代表候補生と同じ扱いで

専用機をくれるって言ったのは

嘘じゃないはず。だってそんな嘘

ついてもこの人たちには得がない。

 

『無論コアはこちらで用意します。

中国ではなく冬林のコアですから、

貴女が従うのは司馬だけになりますね』

 

それは・・・別に悪くないよね?

 

『いや、貴女が頑張って手に入れた

日本の代表候補生という立場も

辞めてもらうことになるんですよ?』

 

「え?別に良いですよ?」

 

代表候補生になったからって何か

支援してもらったわけじゃ無いし。

むしろ虐められたし。専用機はコレだし。

 

『あぁ、その歳で苦労してますね』

 

「・・・どうも」

 

スゴク同情されてるけど不快じゃない。

 

これは今までの連中みたいに、他人事

としての上から目線の同情じゃないから?

 

少なくともこの人たちは同じ目線。

いや、上からだけど手を差し伸べて

くれてるもん。

現状を認識させてくれて、その解決策を

提示してくれて・・・その上で無理やり

歩かせんるんじゃなく自分の意思で選べ

って言ってるんだよね。

 

うん、大人は汚くて卑怯って言うけど、

この人たちは汚さの種類が違うんだ。

卑怯のスケールも違うんだ。

自分達だけじゃなく、私にもしっかり

利益を用意した上での引き抜き工作。

 

うん冬林技研に所属させてもらおう!

もともと悩むことでもなかったけど、

コノ人たちになら利用されても笑って

許せる気がする!

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

『いや、いきなりよろしくと言われても

リアクションに困るんですが』

 

「あぅ・・・」

 

読まれること前提にしてたけど

・・・そりゃそうだよねぇ。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

『あぅ・・・』

 

いやなんとなくわかるぞ?

しかし話の流れをぶった斬るとか

じゃなく、頭の中を読まれてることを

前提にして会話を飛ばすとは・・・

コイツ、やるな。

 

「まぁ決断してくれたのは我々に

とっても嬉しいことです。ですが勢い

と気の迷いと言うこともあります」

 

『そんなことないです!』

 

おーおー。まぁ今の冷遇された

状態から抜け出れるならなぁ。

 

だが古巣の連中ってのは意外と

面倒なもんだ。それも同室の布仏は

そういう情緒に訴えかける専門家。

 

「私も貴女を疑ってるわけではありませんよ。

本気なら本気で用意しなくてはいけないモノ

が多々あります。

とりあえず今日は休んで明日にでも司馬に

貴女の連絡先を教えてやってもらえませんか?」

 

とりあえず一日ゆっくり考えろ。

 

実際用意するものといえば・・・

何だ?個室?それとも鳳准尉と

同じ部屋に移すか?

 

『あ、そうでした!私、司馬さん

から連絡先をもらったのにコッチ

は何も渡してない・・・』

 

さすがボッチ。所属云々より

そっちを気にするか。

 

「まぁ司馬も初対面ですからね。

無理に交換するようなモノでも

無いですし」

 

『無理なんかじゃ無いです!

是非交換させてください!!』

 

さすがぼっち(ry

 

「それは良かった。司馬も編入した

ばかりで友人が少ないですからね。

是非とも仲良くしてやってください」

 

『はい!よろしくお願いします!』

 

いや、だから、俺に言ってもなぁ・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「で、束。お前は更識簪をどう思う?」

 

『あれ?束さんが聞いてたのバレた?』

 

当たり前だ。態々特殊な波長出して

向こうの機器を全損させただろうに。

 

「アレは耳に響くんだよ」

 

『え~あの周波って普通の人間には

聞こえない音域なんだけどなぁ~?』

 

何が普通の人間だ。

 

「俺もお前も普通じゃないだろうが」

 

人間であることは否定せんが、自覚

しないとHENTAI連中の仲間入りだ。

 

『ま~否定はしないけどさ~』

 

「で、質問の答えは?」

 

コイツから見て更識簪という

才能はどう見えるんだろうな。

 

『う~ん、あの学園の設備でコレかぁ。

中々良いんじゃないかな?

方向性を決めれば火星の計画にも使え

るし小惑星探査機の方に回してもいい

と思うけどさぁ~』

 

あまり好意的ではないか

・・・まぁそうだろうな。

 

「現時点で宇宙に興味を抱いて

無いのが問題か」

 

『そうなんだよねぇ~』

 

まぁアレは今まで目の前しか見て

こなかったし、周囲の意識も

宇宙を見るような連中じゃない。

 

凰准尉に関しては織斑姉弟の知り合い

だし、恋愛は妹を応援してるが

その後の生活やら何やらを考えれば

冬林技研とも伝手が有ったほうが良い

って理解してるからこその黙認。

 

「内部に抱えるにはまだ早いって

のはわかる。だがアレが宇宙に

目を向けた場合、お前の補佐が

出来る程度の力はあると思わんか?」

 

『ん~ソレは否定はしないよ~?

クーちゃんもお休み欲しいだろうし

束さんも【連休】とか欲しいし!』

 

連休を強調してきたか。まぁ束は

学校があるわけでもないからな。

GWが終わったら連休をやれば

良いだけの話なんだが・・・

問題は俺の休みか。いや、別に

休んでも良いんだが。

むしろ休まなきゃダメなんだが。

 

俺が居ないと暴走する連中がなぁ。

 

「連休についてはわかった。

後で日程を合わせるから行きたい

ところがあったら決めとけ」

 

『ひゃっほーい!流石リー君!

愛してる~!』

 

素直でわかりやすいんだが、

その分コイツは壊れやすい。

 

周りが捻じ曲がった連中しか

居なかったから捻じ曲がったまま

形が決まってしまった。

 

早熟なのも災いしたな。

 

まぁ、別に俺は正義の味方じゃ

ないから、好きにヤらせるけど。

弟子にも程よい刺激になるしな。

 

「ま、更識簪についてはようやく

日本と更識の檻から開放されたんだ、

これからの教育次第だと思って

長い目で見てやれ」

 

『う~ん。まぁ周りが馬鹿しか

居なかったんならシカタナイネ!

束さんが直々に宇宙の良さを、骨の

髄まで教えてあげようじゃないか!』

 

昔はともかく、今のコイツは宇宙に

目を向ければ同士。それ以外は敵か

ゴミか予備軍だ。これほど

わかりやすい価値基準は無い。

 

つまり同士予備軍だと思えば壊さない。

 

実際いきなり教育させるようなことは

しないが、いずれ教育はおこなうぞ。

 

「それに安心しろ束」

 

『ほぇ?何が?』

 

「技術者で宇宙に興味が無いヤツ

なんかこの世に存在しない」

 

つーか存在する意味がない!

 

『あ、あはははははは!そーだよね!

ソレが当たり前だよね!流石リー君!』

 

当たり前じゃないか。簪だって

宇宙戦艦に興味があるはずだ!

 

あとは所属組織の都合だが・・・

ガキじゃねーんだ。そんな組織に

所属した自分を呪え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うんうん、リー君が言ったと~り!

宇宙に興味を持たない技術者に存在

する価値なんかないんだよ!』




汚い、流石副所長、汚い。

別に正義の味方じゃないし?
悪の敵でも無いし?ってお話

兎は火星でコケと恐怖公で
ナニカスル計画を立ててる?

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