ソードアート・オンライン  ステルス・ウォーリアー   作:ddds

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おはよう御座います。私です。
最近まだリアルが忙しくてなかなか書けてませんが、
とりあえずまとまった分だけ投稿します。


五話 火薬と雷管

「キリトぉ!そっちいったぞ!」

 

銃声に反応して動いた、視界中にある表示。

 

何が動いているのかは見えないが。分かる。

少なくとも草食系の動物に近い生物モドキというところまでは。

 

いや、見た目的にはブタモドキなんだけども。

 

 

 

草食動物性モンスターは逃走傾向がある。

 

現実のウサギや野良猫のようなもので、

人間、もといプレイヤーがが近づくと全速力で逃げていく。

 

しかも、被弾面積・・・というか小さいので、なかなか攻撃が当たらない

ちょこまか動くお陰で当たらない当たらない

 

 

遠距離攻撃武器が殆ど存在しないSAOでは倒すのにも一苦労だが、

その分、ドロップアイテムはかなり良い。

 

 

簡単に言えば、経験値でなく大量の金を落とす、はぐれメタルである。

 

 

この場所は崖になっており、

奥に行けば行くほど足場は細くなり、群れ単位で追い詰められて行く。

崖はそれほど高くなく、AIは落ちても生存は十分可能と判断してブタモドキは落ちていった

 

 

落ちてから一秒もせずに、奇声が聞こえてきた。

その前にはソードスキルの発動音が聞こえていた。

 

落下したウサギモドキには・・・

 

 

 

 

 

 

「ふん!」

落下した先で屠殺パーティーが行われていることは理解できなかったようだ

 

 

 

 

崖の下でうごめくのは黒いコートの男、泡立て器氏である。

 

 

 

 

 

自分が銃を使い敵を追い込み、落下させて下でキリトが屠殺する。

経験値はキリトが獲得し、自分はアイテムを貰い売り払い、金にする。

 

双方、金と経験値

別別の物がほしいから成立する役割分担である

 

 

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あのチュートリアルでの宣言から1ヶ月と5日。

現在最前線は僅か数日で第5層に達していた。

 

 

第二層のボスはキバオウ氏が自らの知り合いだけ集めて、

第一層攻略の翌日にボス攻略を決行。

 

指揮官たるキバオウ氏が優秀だったと聞いているが、

彼のお陰で無損害で第2層を突破。

 

第3層は好戦的モンスターがかなり少なかった上、ボスもかなり弱かったので2層突破当日に

楽々攻略。

第4層は2日ほどかかったが、ベータテスターの情報と協力もあり

攻略活動による損害はナシ。

 

ディアベルと並ぶ名指揮官と呼ばれる

キバオウは今現在における最強ギルドのマスターとなっている。

最も、キリトはそれが不満そうであるが。

中学生らしい、自分を批判した人物に対する嫌悪かも知れない。

 

あの後キリトとは第3層で再会、

経験値不足に悩んでいたようなのでPTを組んだ。

と言ってもシステム上経験値はPTで自動分配されるため、

狩るときはPTは組んでいない。

 

 

というのがここまでの流れである。

 

 

 

 

そしてここは第4層、

中世ドイツのような建物と、針葉樹の森が広がる大地。

現在位置はmapの中でもかなり端のほうだ。

 

 

 

 

休憩と昼食を取っている時に、キリトが話しかけてきた。

「しかし、なんでそこまでして金がほしいんだ?

普通は経験値を欲しがると思うんだが」

上向きに寝転がるキリトは横で座っている自分の方すら向かずに言った。

 

 

そういや、あの話はまだしてなかったんだな

「いや・・・少し気づいたことがあってな…

俺のレベル、いくらだと思う?」

 

キリトはさも当たり前のように

「11だろ?」

 

キリトは前回のレベルアップの時に一緒に居た。

 

「じゃあ、体力を見てくれ。上がってると思うか?」

「…11にしちゃ低すぎだよな」

 

レベルが3も上がっているのに、ロクに体力が上がっていない。

というか全く上がっていない。レベル5から1たりとも変動していない

SAOはステ振り、というかステータスの概念が希薄なようで、

レベルが上がると筋力と体力、俊敏が順当に伸びていく。

 

因みに、ステータスを偏らせるアイテムもあるそうな。

 

 

「そんなに低いと、10層くらいのフィールドモンスター

でも最大威力の直撃で即死だぞ…?」

「マジか…」

ボスの第二形態の攻撃に耐えた…

いや、あれは直撃ではなく、副次損害に近かったから耐えれたのか

 

「この銃と引換に体力固定とは、厳しいなぁ」

キリトは横になり、天井がある空を見上げていた。

 

銃は筋力パラメータが上昇しても一ミリたりとも与えるダメージは増えない。

 

結局、事の要は『経験値もといレベル上げてもあまり恩恵が無い』ということである

 

「あと、もう一つ。」

理由は、もうひとつある

 

 

「もう弾薬がない」

「ホントにか…」

400発もあった、

いや、400発しかなかった弾は30日程で見事に消費され、残り50発を切った。

 

400発なんてLMGでも、普通に使ってりゃ10分でも無くなる程度の量だ。

最も、サプレッシングファイア――

もとい制圧射撃なんてしないから事情はだいぶ違うが。

 

 

「でだ、弾薬を作るには場所がほしい。」

「宿屋じゃダメなのか?」

 

「大量の機材が必要になる。家と機材と、材料費がな」

「具体的にはどんなのが要るんだ?」

おろ?てっきり内容には興味が無いかと思ったが…

宜しい。では語ってやろう

 

「まず雷管を手に入れる。衝撃によって発火する物質が必要になるが、

今回はアジ化鉛をベースに製造する。鉱物ベースで最も基本的な材料が必要になるが、

そこから遡るとアジ化ナトリウムと酢酸鉛に分けられるが、

前者の製造から行くと」

「ストップ!」

キリトに話を止められた。まあ当然といえば当然か

 

「その話どのくらいかかるんだ?」

 

必要な薬品は70近くになる。

「んー… 火薬の製造まで含めて一時間くらいか?」

それを聞いた途端キリトはこちらに向いて頭を下げた。

 

正座のまま頭を下げたのである。

「聞いた俺が悪かった。」

 

「よろしい」

何を許したか分からんがとりあえず適当に返した。

まあこうなるとは予想してたからな

 

「しかし、そんなに手間がかかるとは

総費用どのくらいかかるんだ?」

「家込みでざっと40万コルだ」

40万コル。恐らく第一層で立派な住居つきの店が構えられる価格

 

それを聞いたキリトは固まった。一瞬ラグかフリーズかとも思った

「俺はこの辺で…」

そして立ち上がってそそくさ逃げようとする

勿論行かせやしない。下手したら俺だけ死ぬ。

 

「マテコラ」

キリトに銃を向けた。ちゃんとフロントサイトの向こうにキリトを捉えている。

「だってよ、そんな金額集めるんなら上層階行かないとダメだぞ」

 

「弾がなけりりゃ上層階なんて行けないんだよ!」

開放していたボルトスプリングを深く押しこむ。

この状態なら引き金を引いた瞬間キリトはポックリ昇天が確定する。

 

「わかった、わかったから銃を降ろせ!」

 

 

 

 

 

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あの後更にモンスター狩りをして、街に戻り夕食を取ることとなった。

因みにだいぶ遅くなってしまい、午後10時頃である

 

勿論、キリトと一緒である。店もキリトが教えてくれた。

何故相手が女でないのかと一瞬考えたが、生き残ることが最優先。

キリトと組むのが現状の最善だろう。

 

女と組むとろくな事がないというのは現実の状態と体験とか他人の苦労を見てると

嫌でもわかる。少なくとも当面は女と組みたくはないね。

 

 

他のパーティーからも誘いがかなりあったが、

下手したら殺されて銃を奪われる。

信用ならないのでパス。一度でも一緒に戦うと信頼は一気に上昇するものである。

 

 

 

 

 

「じゃあこれと、これで」

店員のNPCに大してメニューを指さしながらキリトが注文する。

キリトが選んだ店でなら、同じもので良かろう

「俺も同じ奴お願いします」

 

ちなみに、その店員は男だった。

何故俺の周りには男しか居ないのか。むさ苦しい。

せめて目の保養程度に、女がいても良かろうに。今日は一人も女を見ていない。

「かしこまりました」

 

 

 

 

店内は遅いこともあってかガラガラだった。

自分達二人以外は誰もいない。

 

 

「クエスト?」

「ああ、領主の依頼するクエストがあるんだ」

領主クエスト。聞いた話だと高難易度であるが報酬の大きいという

 

「金が出るのか?」

「出ない。だが家がもらえる。」

今の所機材を設置できる家さえあればいい。

家の質だの場所だの環境だのは二の次である。

 

「まあ、現状はどんな家でもいいが、難易度はどうなんだ?」

「正直お勧めできない水準だ。ベータの時はレベル20の5人パーティーでギリギリながら倒した。」

現在のレベルは俺が前述のとおり11。キリトが22

 

「厳しい…が、最早選択の余地はあるまい。」

「じゃあ俺はこれで…」

またキリトが逃げようとする。反射的に銃を構えてしまう

 

「待て」

「わかったよわかりました手伝うから!手伝うから構えるな!降ろせ!」

最早立派な恐喝である。しかしそれを取り締まる警察が居ないこの世界では何の意味もない。

…と言ってもここは街中、所謂『圏内』なので攻撃してもダメージは受けないはずである。

反射的に言ってしまっているのか、純粋に忘れているのか

それともこのやり取りを楽しんでいるのか。

いずれにせよ、キリト、前衛が居ないと一人でクエストなんて達成できない。

普通に狩りをするなら一人でも問題ないが、クエストになると厳しい。

ダンジョンだったらそこで試合終了である。

 

 

「じゃあこうしよう。家は二人で使うんだ。

俺は機材全部置くスペースをもらうから、後はお前のもんだ」

必要だとしてもさすがにただ働きしてもらう訳にはいかない

 

「それ、機材のスペースで家全部埋まらないか?」

機材の数的に普通にありうる。しかしここは嘘をついておく。

有利に事が運ぶなら多少の嘘は厭わないのである

 

「多分大丈夫だと思うが…

だったらその機材を転用して作るものを今後お前に提供してやる。

多分ポーションとかも作れるはずだ。」

 

キリトは数秒の間を挟んで口を動かした

「んー…プレイヤーが開発製造するポーションは効果が高いらしいしな…

わかった。引き受けよう」

「うっし。交渉成立だな」




はい。私です。
最近ソードアート・オンラインのアンチスレに常駐しておりました

あのスレは「こうすれ面白くなる」
「この辺りに矛盾あるからこうすればいい」が大量に転がってるので
1レスも見落とせない状況です。


二次創作を書くならアンチスレを見てみるのも良いかも知れません

まだ少しだけ多めに書いてる分があるんですが、それはまた今度。
次は二週間後くらいかな?

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