夢物語り~奮闘記   作:ゆ~り

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6月2日、雨が降り注ぐ中、俺は産まれた。強力な万華鏡写輪眼をその身に宿して……



紅月メモリー1

 

キン、キン、チャキン、ワー、ギャー、グサッ、

 

 

・・・・俺が生まれてから、4年がたったが、世界は未だに争い続けていた。俺は父さんと離れてしまい、戦場をさ迷っていた。人が死んで行く、彼らは里に名誉ある死、戦死として家族の元に額宛や武器の一部だけが、里へ帰ると聞いていた。世界は…里は皆、疲弊していた。クローンカグヤの存在で争う余裕はもうないハズなのに……何故、争い殺し合うのか?……だが、彼らは争いを止めないのだ。守る為、新たな地を力を…金を得る為、女を手に入れる為に……死神が世界を管理でもしているかの様に、死の連鎖が絶ちきれずに終わらないのだ。俺はその日、この戦場で初めて人を殺した。向こうが、俺を敵と判断して、殺そうと襲って来たのだから仕方がない。

 

その後、俺は父さんと合流し、木の葉里へと帰った。だが、俺はあの戦場での事は忘れられなかった。沢山の命がそこにはあり、喪われて行ったのだから……

 

人はどうして生きるのだろう?何の為に生まれるのだろう?どうして争い続けるのだろう?俺は何の為に生きているのだろう?

 

俺の……この万華鏡写輪眼の力は何の為にもたらされたの?

 

俺が修行から帰ると丁度、母さんが産婦人科の病院から出てくるのが見えた。

 

「……母さん?」

 

俺が声を掛けると、母さんは嬉しそうに振り向いて答えてくれた。

 

「あ、イタチ!お帰りなさい。貴方に嬉しいお知らせが在るの。私に赤ちゃんが出来たわ。まだどちらかは、はっきりとは分からないけれど…きっと男の子だと思うわ。母親の勘ね。うちは一族は血が濃いと男の子に成りやすいし、間違い無いと思うわ。イタチ、貴方に弟が出来るのよ。私達は頭領としての仕事が在るからイタチ、貴方がこの子の面倒を診る事になりそうだわ。この子が産まれたらお願いね!」

「うん、解った。必ずこの子は俺が守るよ。だから、母さんも安心して!」

「ありがとう。イタチ、この子の事はお願いね!」

 

それから数ヶ月後、7月23日の夏の日に弟がやっと、母さんのお腹から出て来た。俺に可愛い弟が出来たんだ。弟が母さんに抱かれて出て来た時、俺は泣いてしまった。小さな命がそこには確かに合って、息ずいていたから……命の尊さをこの時、俺は初めて知ったんだ。

 

父さんはその子に"うちはサスケ"と名付けた。二代目の夫、猿飛ヒルゼン様の父の名を頂いたそうだ。

 

サスケ、俺の大切な唯一の弟だ。お前は俺が必ず守るからな……

 

 

 

 

 

 

俺達、家族は幸せに包まれていた。だが、そんな幸せは長くは続かなかったんだ。赤ん坊の目は産まれた直ぐは開きにくく、数週間はほとんど閉じて居たために、発見が遅れたんだ。サスケが産まれて数週間後、事件は起こった。赤ん坊のサスケの目が完全に開いたのだ。サスケの左の瞳は伝説の輪廻眼だったのだ。俺は当然、輪廻眼は初めて見た。模様は波紋のようで、色は薄い紫色をしていた。うちは一族の記述と全く同じだった。俺は焦った。今は母さんも父さんも会合で家を空けていた。もし、里に木の葉に知れたら…サスケはどうなる?うちは一族も駄目だ。サスケを利用する為に俺達から取り上げて、武器としてサスケを訓練して扱う可能性が高かった。或いは、どちらもサスケを危険と判断し、殺そうとするだろう。サスケ……サスケは俺の焦った声を聞き首を傾げて、グズっていた。俺は直ぐに荷物をまとめて、サスケを抱えてうちは一族の住むうちは地区から離れた。俺は迷いながらも死の森へたどり着いた。ここなら直ぐには見付からない。一刻も早く、サスケを誰かに預けるか、木の葉で保護して貰える人を何とか見付けなければ、サスケの未来も命も恐らくは無いだろう……

 

「ビャー、ビャー、ヒック、ヒック!」

「サスケ、お腹が空いたのか?ほらミルクだ。サスケ!もうちょっと我慢しろ、何とか兄ちゃんがお前を守る方法を考えるからな。お前は絶対に死なせないからな…」

 

グビ、グビ、サスケは哺乳瓶を必死に抱えてミルクを飲んでくれた。サスケはミルクを飲んで落ち着いた様だ。だが、サスケは訳が分からない場所に連れて来られて、不安そうにしていた。俺は考えた結果、何とか三代目火影であるクシナさんに連絡を取る事にした。クシナさんは母さんの親友だし、あの真っ直ぐな性格なら間違いなく、サスケを守ろうとするだろう。それまで、何とか隠れて逃げ続けるしか道は無かった。巻物に事情を書きカラスに持たせて、空に放った。

 

ガサガサ、……やはり来たかうちは一族は監視去れていた。志村ダンゾウに……根の者がサスケと俺を捕らえに来た様だ。サスケの輪廻眼が奴らに知れたな。俺も出し惜しみはしない!ここなら自由に戦える。来るなら来い!サスケに手を出すなら容赦はしない!

 

 

はぁ、はぁ、はぁ、何とか万華鏡写輪眼でしのげたが、流石に根の数も多くこのままでは、いずれ俺のチャクラも切れてしまう。須佐能乎で凌ぐか逃げるかしなければ…アマテラスは、森では危険過ぎて使えない。月読は眼とチャクラを使いすぎる。単体戦では不利だった。ガサガサ、今度は上忍クラスの根の実力者か、凌ぎ切れるか……

 

「その子を渡して、貴様も一緒にダンゾウ様の元まで来て貰おう」

「断る。行けばどうなるかは、想像が付く。サスケはお前らの武器には差せないし、殺させない」

「残念だな、チャクラももう僅かだろうに……仕方がない…ならば、貴様を殺して赤子を奪うまでだ!」

 

俺は覚悟を決めて、身構えて戦おうとした。その時、サスケがこれ以上無い程の大泣きをして癇癪を起こした!?その直後、異空間に亀裂が出来き、穴が空いた!その穴に、全ての敵が無理矢理、異空間に引き摺り込まれて行ったのだ。俺は余りの事に驚いて呆気に取られていたが、サスケが俺の限界を感じ取ったのか、無意識に輪廻眼を発動した様だった。

 

「サスケ、兄ちゃんを守ってくれたのか?」

「グゥー、アゥー……」

 

サスケは解って居るのか、居ないのか?空にパンチを繰り出して、オレも戦うと言った姿勢をして見せた。

 

「ふ、そうか、お前も戦うか……」

「ダァー、アゥー」

 

今の力はサスケの感情に反応して、輪廻眼の能力で、異空間が開いたと思われる。本来ならば発動は勿論、赤ん坊のチャクラではまず、不可能なのだが…ここは死の森。生き物も木々も沢山あり、自信のチャクラを補う物が合った為に、サスケは輪廻眼を発動出来て終った様だ。変わりに周りは草木が荒れ果て、木々もほとんど虫の息だった。これにより、サスケの輪廻眼は仙術チャクラだと推測された。自然エネルギーと自信のチャクラを練り合わせた物がそうなのだが……明らかに…この惨状はサスケが、自然エネルギーのみで無理やり発動し、使った様な有り様だった。根の者も行きなり、異空間に掃除機の様に吸い込まれては、成すすべが無かった様だ。俺は、サスケの輪廻眼に守られて吸い込まれずに済んだが……彼等は一体、何処に跳ばされたのだろうか?一瞬、肥溜めの様な物が空間の向こうに見えた気がしたので、恐らくは今頃…肥溜めに漏れなく、全員ダイブしてそうだが……どうやら、嫌いな者はサスケが嫌いな場所へと座標が固定され、向かったと推測された。く、彼等の姿を想像すると少し笑えたが、今は笑っている暇は無いな。

 

まずは、何とか火影に会わなくては成らない。根の者が嗅ぎ付けた以上、隠れていても意味は無いし、逆に町中の方がまだ安全だと判断したからだ。幼い子供と赤ん坊に何かすれば目立つし、人目も合って下手な事は出来ないからだ。火影室まで行けるかどうかは賭けだな。サスケは疲れてしまい、糸が切れた様に眠っている。弟は自分が赤子でも、俺を守ろうと必死に戦っていた。俺もだ、サスケ!俺は……兄ちゃんは必ず、お前を守るからな。例え…俺の命と引き換えにしてでも構わない。弟が…サスケが生きられるのなら、俺はどうなっても良い。だから、どうかサスケだけは、何とか救わなくては……

 

 

 

 

 

死の森は狂暴な獣達も多くいたが、先程のサスケの輪廻眼の影響で、警戒したのか全く現れず…襲われずにすんだ。根の者は幸い、会わずにすみ俺達は死の森を抜けて、木の葉の町中を歩いていた。直ぐに俺達だと分からぬ様に、俺は平凡な赤子連れの父親に変化した。丁度、赤子を連れた父親集団に鉢合わせたのは、とても運が良かった。俺達は、その集団に紛れ混んだ。

 

「お、あんたも子守りかい?俺もだよ。俺の子は男の子だから、仕方ないんだよなー後数年もすれば、託児所に預けられるからそれまでは、どうしてもなー赤子で託児所に預けると金が倍以上掛かるから、上忍レベルの給料じゃないと俺達には手が出ない。金が合っても託児所は上忍優先らしくてな。そこのアンちゃんは金が合っても順番待ちだとよ」

「男って何なんだろうなー、俺達はこれじゃまるで、女に使える地を這う働き蟻だよなー、一般人で生まれちまうとコイツも一生苦労するだろうなー……はぁ、悪いな、父ちゃん頑張ったんだけど、お前を男の子にしちまった。責めてまともな女をお前は見付けろよ!お前は絶対に顔だけで行くんじゃないぞ!ふ、俺はな、見た目で騙されたのさ!俺の女は顔は良いが金遣いが荒くてなー、性格は後から変えられるとは言うが、あれは嘘だな……毎日、俺達は女の金を稼ぐ為に馬車馬の様に働かされ、搾取されているんだぜ。唯一良かったのは、この子達は整形する必要がなさそうだった事だよ。まぁ、結局の所、稼ぐ額は対して変わらないんだろうがな……」

「何だよ。良いじゃないか、女に金さえ与えてたら良いんだからな。俺の所の妻は顔が微妙の上に、性格もキツイし女としても微妙なんだぜ。だから、子供も微妙さ。成長にもよるが、顔は整形する必要が在るから今から金を貯めないとならない、今からコツコツ俺の小遣いを節約して節約生活さ」

「俺の子供は…今回も男の子だったから、この子は女の子として育て様と思うんだ」

「!?おね~にするのか?確かに男よりは優遇去れるし、男同士でも結婚は出来るが…女がいない分、忍になれば色任務が優先になるし、忍以外でもまともな仕事は僅かで、結局はそう言う店になるって言う話しだぜ!良いのか?」

「ああ、それに…俺の所はもう金が無いんだ。こいつを育てられる金がな。妻とも上手く行かずに先月、結局は…離婚しちまった。他の夫達の助けも金も当てには出来ない。生き延びるすべは、この子を女の子として育て将来はこの子に俺達を養って貰わなければ、生活も出来ずに生きては行けないだ。仕方がない…それに悪い事だけじゃない。裕福な大名や優秀な忍と御近づきに慣れて、結婚した者もいる。コネを作って兄弟達に裕福な女の紹介もして貰えるって話しだ。それに何より、給料が格段に良い!体を売らなくても接待だけのお水の道もある。優秀な人材なら教師にだってなれるんだ。悲観はしていない!」

「……そうか、離婚しちまったのかー、男の子じゃあ、苦しいよなー離婚すると優秀な忍でもない限りは、里からの援助は打ち切られるからなー。子供がもう出来ない、作れない…貢献出来ないって理由でよ。里からの子供の援助は夫婦で居る事が絶対条件だからな……」

「ああ、妻にも責めてこの子達が[忍者学校/アカデミー]を卒業するまではと説得したんだが、俺は他の夫達との折り合いも悪かったセイで…結局はな…」

「だから、俺はお前達が羨ましいよ。まだ妻が居るってだけで、そうやって愚痴も言って居られるんだ。それだけで幸せなんだぞ!」

 

その後、男達は彼に何て声を掛ければ良いのかも解らずに黙ってしまった。俺も同じ気持ちだった。頑張れと言った所で、彼はもう十分過ぎる位に頑張っているし、苦しいだけだろう。約束されたうちはの…子供の俺では、解らない世界がそこには存在していた。俺は当たり障り無く彼等と時を共にして、書類を出すと言って彼等と別れて火影塔に向かった。

 

 

 

 

木の葉の里は今や根の者だけでなく、うちは一族と火影直轄の暗部の者まで、俺達の捜索に当たっていた。その為、隠れ通すのは難しく…後一歩と言う所で、俺達はうちは一族達に発見され周りを囲まれてしまった。

 

「うちはイタチだな!その子を渡して貰おう。その子は危険だ!あのマダラの生まれ変わりだからな。その輪廻眼がなりよりの証拠!」

「ああ、世界に災厄と混乱しか招かない。今の内に始末するか、こちらで調教して監視下に置く必要が在る危険人物だ!渡さないなら子供とて容赦はしない」

 

サスケは周りの殺気を感じたのか、起きていた。サスケも周りを警戒している様だった。

 

「イタチ、サスケ!貴方達、無事なのね!」

「イタチ、サスケは……」

「!?母さん、父さん……サスケはマダラ何かじゃないよ。俺の大切なたった一人の弟何だ……俺はサスケを守る!約束したんだ!ずっと一緒に居るってだから、ごめん…母さん、父さん」

 

そう言って、俺は周りの攻撃からサスケを守る為に、万華鏡写輪眼を発動して赤色の

須佐能乎を出して守りに撤した。

 

「!?馬鹿な……その年で万華鏡写輪眼だと……須佐能乎まで発動出来る何て一体、どうなっているんだ?」

「おい、兄のその子も普通ではないぞ!一緒に捕らえるか?それとも後で一緒に始末するのか?」

 

木の葉の暗部がそう溢した。どうやら暗部は、サスケを始末する為にやって来た様だ。恐らくはご意見番である二人の命令で動いて居るのだろう。うちは一族達もサスケを始末する事には、抵抗が無い様だった。これ以上、うちは一族が里と世界に混乱を招く訳には行かないと、家族を守る為には仕方がないとの考えだったのだ。その時、サスケもその事を感じ取ったのか、サスケも命の危険を察知し、自分と俺を守ろうと紫色の須佐能乎を発動した。そして俺の須佐能乎と合わせて来た!二つの須佐能乎は融合して、赤紫のより強力な須佐能乎へと変化した。サスケは須佐能乎を発動するだけで、手一杯だったのだろう。もう無理だと言う様に、俺の須佐能乎と合わせた時点で、この須佐能乎は俺のチャクラとコントロールに切り替わり全て俺に委ねられていた。サスケは意識を何とか、辛うじて保っている程度だった。サスケも意識を手放さないように必死に頑張ってくれている様だ。サスケの意識が途絶えたら須佐能乎は、どうなるのだろう?消える可能性が高いな。だから、サスケも必死に耐えて居るのだろうからな……

 

「な、須佐能乎だと、まだ赤子だぞ!マダラの記憶が在るのか?」

「危険だ!構わない、二人共どもやってしまえ!」

 

そう言って、俺達に周りが一斉に攻撃を仕掛けて来た!俺達も攻撃の衝撃に備えた。そして、俺達に攻撃が当たる正にその瞬間、金色の強固な鎖が俺達を包んだ。気が付くと、攻撃は跡形も無く防がれていた。鎖の内側に居る俺達には、衝撃も何も全く感じなかった。正に鉄壁と言われる最高法の術の結界で俺達は守られていたのだ。俺は火影で在るクシナさんかと思ったが、ここまで強力な結界はクシナさんでも不可能だ。ならば…今~現在…木の葉でこれ程の強固な最強の結界を貼れる人間はただお一人しか居ない。そう、初代火影ミト様を置いて他には居ないのだ。

 

「そこまでです。その子達に手を出す事は、私が許しません。その子達は未来に…世界に必要です。その子達に今後一切の攻撃、並びに蔑む行為や言葉も禁じます。貴方達は自分達が犯そうとしたの罪の重さを理解して居ない。大筒木一族による襲来の脅威は確実に迫っています。輪廻眼は世界に必要なのです。輪廻眼は雄一彼等と対等に渡り合う事が出来る物です。それを失っては我々に生きる術は…恐らくは、無いでしょう。それとも代わりに貴方達がそれらの脅威と戦い、世界を守ってくれるのですか?力も持たない貴方達が?マダラが恐いと言って赤子に怯える貴方達が…それ以上の脅威を前に戦えるとはとても思えませんが?その子を手に掛けると言うのならば…全ての責任と罪を背負い、当然、戦ってくれるのでしょう。それが出来ないのに手を掛ける等と考えるとは、全く貴方達にはほとほと、呆れます。全く愚かな…」

「初代、我々は……」

「だまれ、お前達が犯そうとした物は自分達の未来と家族達だけではない、世界すら滅ぼす行いと心得なさい。この子達に洗脳や調教、監禁と言った物も禁止です。いえ、むしろ恨みを持たれたら最後、その子は能力を我々の為には使ってはくれなくなるでしょう。うちは一族の者なら理解しているハズです。その危険性に……この子達をそれでも攻撃し、何かをすると言うのならば、私が相手になります。死にかけの老いぼれだが、かつての私の実力は柱間とマダラと並び称された物です。最強と謳われた結界術もあります。戦ってみますか?この私と?私が攻撃されれば、私の孫の綱手もその夫の自来也とダンも参戦する。火影のクシナと夫のミナトも…ああ、一つ忠告だ。孫の怪力は喰らわない事をお勧めする。何せ自来也が本当に死にかけましたからね~、一撃で肋骨が砕けて内臓破裂をした。誰だって苦しんで死にたくは無いでしょう……」

「う、お婆様、それは蒸し返えさないで下さい!」

「悪い事は言わん、お前達、止めて置け!あれはマジで痛みを超える痛さじゃたからのぅ。お前達は確実に死ぬぞ!死の保証はしてやれるが、命の保証は全くないぞぅ!」

「ほぅ、自来也…何なら、もう一度喰らわしてやっても良いんだぞ!」

 

ビク!ブルル

 

「すまん、もうワシは何も言わん!あれだけは、もう本当に勘弁だのぅ」

「二人共、夫婦はもっと仲良くするものだってばね!」

「いや、クシナ…この二人はこれが愛情表現何だよ。先生…自来也様達は昔からこうだったし、これからもそうだと思うよ。喧嘩する程、仲が良いんだよ。夫婦には色々な形があるからね」

「ミナトよぅ、こんな恐ろしい命懸けの痛い愛情表現は、ワシは本当は嫌なんじゃが……工程せんでくれんかのぅ。ワシはサンドバックでは無いしのぅ。殴られて喜ぶ趣味も無いしのぅ」

「あ、すみません。自来也先生…」

「そこ、煩いぞ!」

「「はい」」

 

どうやら、他一族の者達と根の者達への牽制の様だ。他一族の頭領と他一族達がこの争いと事の次第の成り行きを伺っていた。彼等は場合によっては、敵になり得ると言う事だ。

 

「クシナ!綱手様もオレ達の後ろに下がっているんだ。二人は身重な体なのだから戦いは、オレ達に任せるんだよ」

「ミナト、私は戦うわよ。もし、私がお腹の子だったら、私は立場や状況とは全く関係なく、親友の子を守る強くてカッコいい母親が良いってばね。きっとこの子もそうだってばね。それに私は結界術中心のガードに徹するから心配は入らないってばね!」

「ふん、クシナの言う通りだ!私の子ならこの程度の一戦位で、弱音を吐いて流れる様なヤワな子じゃないさ!それに私の子の予定日は、クシナよりずっと後で腹もまだそれほどでかくもないしな。私は十分に戦える。心配されずとも私は一流の医療忍者だ。クシナも含め、自分の体の限界はちゃんと見極めているし、私が見ている。だから、お前達もこちらの心配はいらない。お前達は、もしもの時は自分の戦闘に集中し、専念するんだ。それにこちらを心配する余りに、ヘタレな役立たずな父だったといの一番に子に伝わりたくはないだろう。なら、戦いに集中しろ!」

「と言う訳だが、どうだ?戦うのか?ダンゾウに根の者達よ。私は一向に構わないが、この子達に手を出せばお前達の全滅は覚悟せよ。容赦は一切しません」

「止めて置こう。現火影で在る身重のクシナに手を出す事は里に取っての不利益にしかならん。九尾の封印を我々は第一に考えている。それに初代まで引っ張り出されては、他里も世界も今回の事は嫌でも注目する。我々が無駄に争って、木の葉は一枚岩では無いと他里へ知られれば、無用な争いになるだろうからな。我々は何よりも木の葉の里を守る義務が在るのだ。それは理解して置くのだな……特に火影であるクシナ、貴様はな!火影はお飾りではない。夫の事も子の事も…時には、諦めも覚える物だ。今回、貴様がしゃしゃり出た事、後悔するぞ!」

「余計なお世話だってばね、親友の子供達を見殺しにする事の方が、後悔するってばね。それは私が憧れ、目指した火影では無いわ。それにこれが木の葉の為になるのだと私は信じているってばね!」

「ふん、貴様は何時までも、理想に憧れる夢見勝ちな少女のままだったと言う事だな。これからもお前はそれで居れば良い。火影は我々の力で代えさせれば、済む話しだ。それで実際にどうする積もりだ?輪廻眼は確かに必要だが、我々にその子を抑える手立てが無い以上、野放しには出来ぬし、周りも黙ってはいまい!」

「そうです。初代、我々はどうすれば良いのですか?その子が我々に危害を加えないと言う保証は無いのですよ」

「安心なさい!貴方達に里の者達には、その子に手は出させません。綱手…すみません、これはその子の宿命であり、運命です。諦めなさい……もう、これしか無いのです。皆、聞きなさい!私の孫である綱手の腹の中に居る赤子には、初代柱間の木遁能力がある事が解りました。それだけではなく、うずまき一族である私の結界術の適性もあると判明したのです。そしてその子は女です。察しの良いものは解りますね!そうです。私の曾孫であるこの子に輪廻眼を封じて貰うのです。その子と歳も同じですから問題は無いでしょう。この子達には婚約して貰い、将来は一緒になり、大筒木一族との戦いに備えて貰います」

「馬鹿な……今まで…初代、柱間様以降、千手一族の中で木遁忍術を扱える者は全く生まれず、失われていたと思われていた能力が、このタイミングで生まれると言うのか?輪廻眼と共に現れると言うのなら……ククク、初代よ。何を言うかと思えば…その子はもしや、柱間様の生まれ変わりだとでも言う積もりならば、逆に危険だぞ。二人は、相容れない運命に在るのだからな!争ってそれこそ世界を救う処ではないだろう……」

「それはダンゾウ、貴方の勘違いです。私の曾孫は初代柱間の血と能力を引き継ぐ者では合っても、アシュラと柱間と行った転生者ではあり得ない。転生者は必ず、相手と戦い拮抗する為に男となる。これはかつて、夫である柱間がハゴロモ様にお聞きした事によって明らかになっています。私達の子は女だったので、柱間が不安になり、術を用いて何とかお聞きしていたのです。転生者は必ず、前転生者が亡くなった後に産まれます。そして、必ずインドラの転生者が先に生まれ、続く様に後を追い、アシュラの転生者も生まれると…そして、互いに戦い勝つために、肉体的にも強力な能力を獲られやすく、それぞれの能力と性格に見合った一族(者)の男になるのだと言っておられたそうです。詰まり、私の曾孫は女で在る以上、転生者ではあり得ないと言う事です。ですから、輪廻眼を持つその子と一緒にさせても問題にはなりません」

「……初代よ。ならば…これは余りに出来すぎて入るな。偶然では無いな」

「ええ、恐らくは…これは偶然ではありません。大筒木一族の襲来に備えて戦える者を生み出そうとしているのです。祖先から受け継いだ一族の血と遺伝子が、我々に危険と警告を発しているのです。千手一族の中に拮抗する全ての能力を引き継いだ娘が生まれるのならば、最強の能力を受け継ぐうちは一族の転生者と一緒にさせなくては、血と能力を一つにすべき時が来たと言う事でしょう。来るべき戦いに備えて、より、ハゴロモ様に…能力に近づけた子供を作らせるのです。大筒木一族の力は未知数ですが、クローンカグヤの強さを考えると…備えて置かねば、我々の未来は無いでしょう。ですからダンゾウ!この子達にはくれぐれも手を出さぬ様に…解りましたね!」

「兄のうちはイタチもか?兄は不要では無いのか?」

「ダンゾウ、なりません。兄である彼は必要です。彼も曾孫の婚約者に据えます」

「ふん、初代よ。随分欲張りだな!」

「欲張りなのは、貴方です!ダンゾウ、弟である転生者の心をケアーし、支える者は必須です。同じ親から生まれた血と遺伝子を持つ能力者ならば、外からの輪廻眼への干渉も可能なハズです。兄ならば、弟も抵抗無く受け入れるでしょう。実際に須佐能乎も抵抗無く融合しています。つまりは、コントロールが可能と言う事です。二人の…兄弟の絆は硬いと私は見ました。弟は兄の言う事ならば聞くでしょう。消して引き剥がしてはなりません。曾孫には多くの子を…対応出来る優秀な能力者を出来るだけ、作らせ無くてはなりません。兄ならば血と遺伝子では、弟の輪廻眼の開眼者にもっとも近い存在です。優秀で能力のある子を少しでも多く遺すのです。我々はこの子達を守り未来に子孫を遺さねば……我々に未来はありません」

「……良いだろう。話の筋は通っている様だ。ならば、今回は初代に免じて私は引こう。その優秀な子孫には、私も興味深い。他一族との混血ならば、その子供はうちは一族の混血で合っても、女で在る可能性が極めて高い……運が良かったな。ミコトにフガクよ。綱手の子が娘で合った事に感謝する事だ」

 

そう言ってダンゾウは去って言った。須佐能乎はとっくに消滅していた。俺のチャクラの限界が来て、強制的に消えてしまった。サスケは須佐能乎が消滅した瞬間に、気絶したように深い眠りに付いていた。初代の暖かくも力強い、優しい結界で安心したのだろう。当事者である俺達を置き去りに話は決まり、終わってしまった様だ。子供であり、存在を問題視されている存在で在る以上、俺達に拒否権は存在しなかった。いや、むしろ…良く生き延びられたと思わずには居られなかったのだから、これはもはや奇跡としか言えない出来事だろう。初代ミト様が俺達の両親と共に俺達の前までやって来た。

 

「うちは一族の現頭領…そしてこの子達の母親で在るうちはミコトよ。すまぬ……私の力を持ってしても、この子達を生かす道はこれしかありませんでした」

「いえ、十分です。むしろこの子達の為に初代のミト様の曾孫様を差し出す様な形になってしまい、申し訳ありません。うちは一族は現在、微妙な立場な以上…私達はこの子達の両親でも在るのに…一族達を止める手立ても思い付かず、何も言えず、出来ませんでした。この子達の母とて心から感謝申し上げます」

「……曾孫の事は…綱手には申し訳無く思っています。ですが、これしか二人を救う手が無い以上は、致し方ありません。確か…兄の…うちはイタチと言いましたね?」

「は、はい」

「貴方達の未来を勝手に決めた事、お詫びします。ですが、貴方達を生かす為にはこれは必要だったのです。まだ、貴方達の未来は決まってはいません。婚約の事もそうですが…貴方が本当に運命を人生を変えたいと願うのならば、力を付けなさい。そして一人でも多くの味方を増やすのです。さすれば…道は作れるハズです。貴方が…貴方達が本当に居たいと思い、願う場所に…居られる事を私は願っています。それまではどうか私の曾孫を…よろしくお願い致します。そしてどうか…世界の為に兄弟共ども力を貸して下さい。うちは一族は愛故に絶望し、暴走します。ならば、止めるのもまた…愛なのです。弟を命懸けで守ろうとした、貴方ならば理解出来るハズです。弟を貴方が愛を持って導くのですよ。そして災厄の場合は…弟だけは何としてでも守るのです。カグヤ復活の恐れが在る以上、転生者だけは何としても生かすのです。何を犠牲にしてもです。転生者が生きてさえいれば、世界は~未来は続くのですから……」

「はい、必ず…弟は…二人は俺が守ります」

「貴方には辛い役目を背負わせました。ですが、誰かがやらねばならぬ事。曾孫もまた、生まれる前から重い運命を背負わせてしまった。千手一族の私の曾孫で合ったばかりに……こんな事に……」

「初代…そろそろ、お身体に触ります」

「ええ、解っています。直ぐに……この身体はもう永くは無いでしょうからね。術印の花がそろそろだと…言って居ますから…曾孫の誕生と入れ違いになるかも知れませんね。責めてそれまでは、何とか持たせなくては…クシナの出産も在ります。若い者に全てを託すまで~私は死ねません。貴方と合うのはこれが最初で最後かも知れませんが、どうか忘れないで下さい。転生者で在る弟を生かすも殺すも全ては貴方次第です」

 

そう言って、初代ミト様は連れの者と一緒に去って行った。俺がミト様の話を考え、干渉に浸って居ると会話が聞こえて来た。

 

「うむ、火影か…順当に行けば、綱手かのぅ」

「?!自来也様ナイスだってばね!綱手様なら喜んで、私は火影を譲るってばね!」

「勘弁してくれ、誰があんな激務をすると思っているんだ。私は御免だ!クシナ…お前、自分が激務に終われているからと言って、私に押し付けようって魂胆だな!」

「ち、違うってばね!」

「目が泳いでいるんだよ!このガキ!」

「うー、でも、こんなに火影の仕事が激務だなんて聞いてなかったてばね!詐欺だってばね!ビアコ様とヒルゼン様に騙されたんだってばね!憧れと現実はやっぱり違うってばね……これじゃ、ミナトと一緒にいる時間が全然ないんだってばね」

「オレは、火影であるクシナを誇りに思っているよ。その子もきっと…だから、オレは頑張れるんだよ。今、火影はクシナじゃなければならないし、駄目だと思う。ね、オレも支えるから頑張ろう!」

「ミナト……うん、この子の為にも私は頑張るってばね」

「あーもう、暑っ苦しいしいしー、鬱陶しい!勝手に自分達の世界を作るな!帰って家で、二人で勝手にやってくれ!」

「お、初代ミト様は帰られたのかのぅ?」

「お婆様ももう、歳で限界が近い…曾孫は見せてやりたいが…難しいな……」

「大丈夫じゃろうのぅ。あの人は意外にしぶといからのぅ。それより、聞きたい事が合ってな、イタチ!おぬし…選りすぐりの根の者をまとめて、肥溜めにぶちこんだと言う話は本当かのぅ?ワシらが見た時は酷い有り様じったぞ!おぬし性格が意外に悪いのぅ」

「・・・いえ、俺では無くサスケです。サスケが、彼等を肥溜めにぶちこんだのだと思います」

「赤子がか?」

 

結局…いくら俺が説明をしても、皆…サスケが生まれたばかりの赤子と言う事も合って、半信半疑に聞き流されてしまった。何より、根の者達が俺にヤられたと思い込み、自来也様達に話して居たのだから、サスケだと言った処で、無理な話しだったのだ。彼等も流石に、赤子にヤられたとは言えなかったのだろう。

 

何であれ、俺達は命の最大の危機を脱した様だ。だが、俺達は命の保証と引き換えにまだ、この世に誕生しても居ない腹の子と、運命を共にする事になってしまった。サスケが将来、彼女を気に入らなければ…また、命の危機に…振り出しに戻される可能性が高く、予想された。こればかりは、相手との相性も在るため、俺にはどうにも出来ない。災厄、俺だけでも婚約出来れば、彼女の能力を借りられそうだが…どちらにせよ、サスケと彼女次第だった。

 

 

 

 

 

3ヶ月後……三代目火影、クシナさんの出産が在り、九尾の封印が取れかかり里は一時…混乱し、騒動となった。里の者は避難を余儀無くされ、避難所まで俺はサスケを背負って向かっていた。その時に俺は"うちはイズミ"と言う少女と遭遇した。彼女はこの騒動で親と逸れたらしく、両親を呼びながら泣いていたのだ。ほっとく訳にも逝かず、俺は彼女を連れて、避難所へと俺達は避難した。

 

《この少女との何気無い出会いが、今後…俺達に大きく関わる事となる。》

 

この騒動は、九尾の膨大なチャクラの影響で地震が起こり、建物や家が崩壊したのが原因だと、里の者達には知らされた。その後…俺達には、クシナさんから正確に説明された。九尾の封印が取れかかり、自分と息子に九尾を分けた事が原因だったのだと…もしもの時は、息子を頼むと…クシナさんにお願いされた。万華鏡写輪眼ならば、幻術を九尾に掛け、九尾のコントロールが可能だからだ。だが、問題は…そこではなかった。火影…クシナさんの息子は、初代柱間様の生まれ変わりであり、アシュラの転生者で在ると判明した事だ。これは、チャクラを調べて判明した。災厄の組み合わせだったのだ。九尾と転生者と言う組み合わせは…サスケの眼ならば、難なく九尾をコントロールしてしまうだろう。転生者同士、ぶつかり合えば…結果は明らかだった。サスケは、里から厳しい制限が付けられ、家から…うちは地区から外へは、めったに出られなくなってしまったのだ。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

それから、数ヶ月後……綱手様の娘が遂に誕生した。その日、彼女の誕生を祝うかの様に…桜が満開に咲き誇ったのだ。その数日後、彼女の誕生を見届け、安心したのか、初代ミト様が静かに旅立たれた。初代ミト様の死はとても穏やかだったそうだ。

 

 

そして、初代ミト様が亡くなった事で、うちは一族の滅亡と言うカウントダウンが始まってしまった。ダンゾウが動き出したのだ。俺達の運命も翻弄され、急速に加速する。彼女にサスケを託すまで、俺は一族は持ち堪えなければならない。俺達と彼女が出会うまで、後数年……遂に運命が動き出す……

 

 

 

 

 




少しずつ誤字・脱字を修正しています。皆様にはご迷惑をお掛けしております。スマホで執筆して居るので、どうしても誤字・脱字が出てしまいます。そして、ハーメルンのシステムに未だに慣れず、上手く機能を生かせませんでした。pixivにて連載していた物を載せています。

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