本編どうぞ
あの衝撃的な日から3日が経った。俺とリサは兄妹でありながら恋人になった。といっても、変わったのは少しくらいだ。
リサのベースの調子が良くなったり、甘えてくる頻度がさらに上がったり、それくらいだ。それ以外はなにも変わっていない。
「今井さん、最近ベースの調子がいいですね。なにかいいことでもありましたか?」
「そ、そうかな?いいことは特に何もないよ?」
「リサ姉なんか変わったよね?りんりん」
「そうだねあこちゃん。今井さん確かになんか変わったような気がするね」
確かにリサは変わったけど、俺と付き合ってることがバレたらおしまいだ。とにかく普通にしていよう。感付かれても誤魔化そう。
「ハル、あなた何かしたの?」
「どうした友希那?俺は何もしてないぞ」
「ホントにそうかしら?なんか怪しい」
友希那にまで怪しまれた。あ、リサと目が合った。ちょっと顔赤くなってるな。俺はバレるかもしれないということで頭がいっぱいになっていた。リサもそうかもしれない。
――バレるかもしれないということに焦っているのかもしれないということに。
俺は疑問に感じていることがある。リサと恋人になったのはいい。兄妹同士の恋愛とはなんなのかと、本当に俺はリサと付き合っていいのかと。そんなことを疑問に思うようになっていた。
リサと相談してみよう。俺とリサにとってすごく重要なことだからな。
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「ただいまー」
アタシとハルは家に入り、そのまま二人共ハルの部屋に入った。駄目だ、我慢できないや。アタシは我慢が出来ず、ハルを押し倒し、キスをせがんだ。
「ハル、早く......」
「わかったから、待っててくれ。目瞑るから」
「うん、わかった」
ハルは目を瞑った。ハルがキスを待ってくれてる。アタシの家は隣が友希那の家だけど、友希那の部屋からはハルの部屋は見えていない。アタシの部屋だと見えてしまう、だからハルの部屋でやるしかないんだ。
「じゃあハル、キスするよ?」
「いいよ。いつでも来てくれ」
アタシはハルに啄むようにキスをした。アタシの心はキスをしたという喜びに満たされた。学校にいた時も、練習をしていた時もずっと我慢をしていた。アタシはハルとのキスが癖になってしまったんだ。
本当に戻れなくなったなあ。こんなに堕ちるなんて思わなかった。ハルもアタシとのキスが癖になったみたい。けど、ディープキスはあのファーストキス以来やっていない。恥ずかしいからできないんだ。
「あれ、もういいのか?」
「うん。また後でやるからさ」
「そうか」
アタシはハルとのキスを止めた。やめておこう。これ以上やったら大変なことになるし、洒落にならない。
「リサ、我慢できなくなったら言えよ?」
「わかってるよ。あまりやらないようにするからさ」
「あまりって......」
なんか信用してない顔してるなあ。まあそうか、アタシは我慢できてても帰ったらすぐハルにキスしちゃうから言えないか。
「リサ、ちょっといいか?」
「いいよ、来てハル」
「ごめんなリサ」
ハルはアタシを抱き締め、鎖骨を甘噛みしてきた。
「い、痛い!」
「ごめんリサ!痛かったか?」
ハルは悲しそうな表情をしてアタシを見つめた。痛いけどこのくらい平気だ。ハルに甘噛みされるなら耐えられる。だからハル。
――そんな悲しそうな顔しなくてもいいんだよ?
「大丈夫だよハル。こんなのどうってことないから」
「リサ......」
アタシの場合はキスや身体にキスマークを付ける。ハルの場合は抱き締めたり、身体に甘噛みをしてくる。
アタシとハルは付き合い始めてからこういう愛情表現をするようになった。不気味なくらいに癖になってしまい、一日一回以上はやらないと気がすまないくらいになっていた。
なんでこんなことになったんだろう。どうしてアタシ達は変わってしまったんだろう。どうしてアタシはハルのことを......。
――こんなにも好きになってしまったんだろう。
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「リサ」
「なにハル?」
「話があるんだけどいいか?」
これから話し合うのはとても重要なことだ。俺とリサの関係についてだけど、どう話そうか......。俺とリサは隣り合って座り、ベッドにもたれ掛かった。
「話ってなに?」
「話はだな......。俺とリサの関係についてなんだ」
「アタシとハルの関係?」
「そう。リサは何か感じたこととかないか?俺はさ、付き合うことにはなったけど、なんか"恋をしてる"っていう実感が湧かないんだ」
そう、俺とリサは兄妹であるにも関わらず恋人になった。でも、付き合っているっていう実感が湧かない。俺はこの三日間、ずっと疑問に感じていたんだ。
――-兄妹との恋愛ってなんなんだろうって。
「湧かないって、アタシとハルが付き合っているっていうこと?」
「うん。なんでかはわからないんだ。本当に恋をしていいのかとかじゃないんだ。俺が思っているのは、兄妹との恋愛ってなんなのかなっていうことなんだ」
「ハル......」
これはリサに引かれたかな。そりゃそうだ、付き合っている=恋してますっていう単純な答えが出てる。でも俺にはわからないんだ。普通の恋愛ならまだしも、禁断の恋って言うのかな?
兄と妹との恋愛、これが俺にはわからないんだ。わからないからといってこれを否定したくはない。否定してしまったらリサは妹じゃないって認めたってことになる。だから俺はこの想いをリサに打ち明けてどうしたらいいのかを話し合おうと思ったんだ。
「ねえ、ハル」
「どうした、リサ。って急に何を!?」
リサは俺の唇に触れるくらいのキスをした。どうしたんだ一体......。なんで急にキスをしたんだ?
「ハル、まず落ち着こう」
「は?俺は落ち着いてるぞ?」
「落ち着いてなかったよ。身体が震えてたよ」
気づかなかった。そこまでわかってたなんて、さすが俺の妹、いや俺の彼女だな。リサは微笑んで俺にこう言った。
「じゃあさ、こうしようよ。二人で兄妹の恋愛が何なのかを考えるとかにしない?」
「二人で?」
「そう。正直言うとね、アタシもわからないんだ。妹が兄に恋をしていいのかとか、このままでいいのかとか、アタシもわかってなくてね」
リサもだったのか。なんでこんなにも俺とリサは気持ちが同じになるんだろうな。双子だからか?それとも、恋人だからか?いや、そんなのは関係ないか。
俺はリサを抱き締めた。ありがとうリサ、答えを出してくれて。そうだ、そうしよう。二人で考えるんだ。兄と妹の恋愛がなんなのかを、それで答えを出そう。
「ど、どうしたのハル!?」
「リサ、そうしよう。二人で考えよう。そうすればわかるかもしれない」
「ハルはそれでいいの?今度こそ戻れなくなるよ?」
「それでもいい。リサとキスもしたし、愛情表現までしたんだ。だったら堕ちてやる、リサも巻き込んでやる」
もういいんだ。戻れないのなら堕ちる、だったら堕ちてしまえばいい。俺はリサを愛するって決めたんだ。いいじゃないか禁断の恋愛。俺とリサにはとてもピッタリだ。
「ハルって悪くなったね」
「それはリサもだろ?俺達ってこんなにも悪い双子になったんだな」
「そうだね。アタシ達は悪い子だね」
いつから俺とリサはこんなに悪くなったんだろうな。お母さん達にも友希那達にも秘密にする。しかも実の妹のファーストキスも奪う、リサよりも俺が悪いんだ。
「リサ、愛してるよ」
「アタシも愛してるよ、ハル」
俺とリサはキスをした。それも濃厚な方のキスだ。三日間ディープキスをやっていなかったからお互いに求め合うかのように貪り合った。リサを愛しながら、考えていこう。
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深夜になり、アタシとハルは一緒に寝ることにした。貪り合ってキスしたなんて、アタシ達、結構溜まってたんだな。溜まってたといっても、一線は越えてないけどね。
アタシはこれからどうしようかな。アタシとハルは本当に恋をしていいのか、付き合っていいのかに疑問を感じてしまった。心のどこかで兄妹同士で恋をしていいのかって思ってたんだ。
「ハル、眠いの?」
「ちょっとだけな。リサも眠いのか?」
「アタシは眠くないよ」
「そうか。羨ましいな」
羨ましいって、あんなにキスをしていたのに眠くないっていうことかな?ハル可愛いなあ。兄で彼氏なのに可愛く感じるなんて、なんか変だなあ。
「リサは俺と一緒に寝ててドキドキしてるか?」
「う、うん。ドキドキ......してるよ」
「そうか。俺の心臓の音聞きたい?」
「聞いてみたい」
ハルはアタシを胸元に優しく抱き寄せ、心臓の音を聞かせた。ハル、すごくドキドキしてる。アタシと一緒に寝るのそんなに恥ずかしかったのかな?
「ハル、ドキドキしすぎだよ」
「しょうがないだろ。妹なのに彼女と寝てるんだぞ。こんなの恥ずかしいに決まってる」
「ハルって可愛いね」
「それを言うならリサも可愛いだろ」
二人でこんなに言い合うのはくすぐったいな。もう寝ようかな。
「ハル、寝ようか」
「そうだな。キスしてから寝ようか」
「うん。おやすみハル」
「おやすみリサ」
アタシとハルはキスをして眠りに就いた。もう完全に兄妹からカップルだな。付き合ってることを隠して兄妹の恋がなんなのかを考える、なんかロマンチックだな。アタシの求めてたものとは違うけど、相手がハルなら何だっていいかな。
――二人は兄妹の恋愛がなんなのかを考え始める。
――それは真っ当な恋なのか、それとも禁断の恋なのか。二人はどのような答えを出すのだろう。
物語の路線が変わってしまいましたが、作品は続けていきます。
陽希とリサの恋はまだまだ始まったばかりです。
これからの物語をお楽しみに。
感想と評価お待ちしてます。