私とハル、友希那と三人で昼食を済ませ、話をしていた時、友希那からある話を持ち掛けられた。
「ハル、リサ。今度の休みの日は予定は空いてる?」
「その日は空いてるぞ」
「アタシも同じく。それでどうしたの?」
アタシとハルはその日は空いている。もし休みならハルとデートか家でイチャつくか一緒に練習、大体このくらいだ。
アタシとハルはお互いに好きになった理由を話してから関係が更に深まった。本当に後戻りできなくなってしまった。けどアタシはそれでもいいと思っている。例え戻れなくても、ハルと一緒なら別にいいって思っているからだ。
「よかった。その日なのだけど、猫カフェに行かない?」
「へ?猫カフェに?」
「珍しいな。友希那が誘うなんて。普段は一人で行ってるのに......」
「なんでハルは知っているのかしら?私はそんなことはしない人間よ?」
友希那、ハルの言う通りだよ。一人で猫カフェに行ってるのバレバレなんだよ。猫カフェで撮った写真を見て一人喜んでたから、それが見えたから「ああ、行ったんだな」って。それでわかるんだよ、友希那。
「なにリサ?その顔は?疑っているの?」
「なんでもないよ!?疑ったりとかしてないから!」
「ホントかしら?怪しい......」
ごめん、友希那。疑ってないって言ってるけど、本当は疑ってるからね!幼馴染みに隠し事してるなんて、アタシは罪深いなあ。というかハルと付き合ってるのを隠してる時点でアウトか。
「いいのか?紗夜達は誘わなくて」
「紗夜は日菜と出掛ける約束をしていて、あこと燐子はNFOのイベント周回に行くとのことらしいわ」
そうなんだ。あこと燐子はブレナイなあ。ていうか紗夜はまた日菜と出掛けるんだ。ホント紗夜ってシスコンだなあ。そういえばシスコンは目の前にいるな。
「そうか。まああいつららしいな。誘えなくて残念だ」
「そうね。じゃあ、私は先に戻るから。授業に遅れないようにね」
そう言って友希那は先に屋上を出た。
......よし、もう誰もいない。これでアタシとハル、二人きりだ。
「ハル、いい?」
「わかった。とりあえず人気のないところに行こうか」
アタシとハルは屋上の見えないところに移動した。そう、アタシはもう抑えられなくなっていた。ハル、早くして!
「よし、ここなら大丈夫だ。いいぞ、リサ」
「じゃあ、するね」
ハルは目を瞑り、アタシはハルとキスをした。アタシはハルと付き合ってからおかしくなっていた。前に練習の後に帰ってからキスをして、その後は大丈夫だったけど、今ではハルとのキスが癖になってしまったのだ。
一日に一回だけじゃ足りない、もっとハルとキスがしたい、それくらいに重症になっていた。
ハルとの濃厚なキスを終えてアタシは唇を放した。ハルとアタシの唇の間には銀の糸が垂れていた。糸は終わりを告げるかのように切れていった。
「リサ、激しすぎだ」
「だって、我慢できなかったから......」
アタシがそう言うと、ハルはアタシを抱き締めた。ああ、ハルの匂いだ。またキスをしたくなってしまう。キスだけじゃ足りない。傷をつけたい。ハルに傷を刻みたい!
「リサ、もしかして足りないのか?」
「よくわかったね。さすがアタシの彼氏♪」
「そりゃわかるよ。顔に出てたぞ」
「え、嘘!?」
冗談だよ。とハルは笑いながら言った。うわあ、恥ずかしい!酷いよハル。アタシは耳が赤くなっているような気がし、ハルの胸に顔を埋めた。
「ハルのばかぁ......」
「ごめんごめん。鎖骨に噛みついていいから。それで終わりな。続きは家でやろう」
ハルはそう言うと、Yシャツのボタンを外してアタシに鎖骨を見せた。綺麗な鎖骨だ。宝石のようで、今にも砕けてしまいそうな感じで、アタシには眩しかった。
「じゃあ噛むよ?」
「っ!?き、急にがっつくなあ......」
ハル、痛いって言っていいんだよ?そんなに無理しなくてもいいのに、悪いのはアタシなんだ。抑えられてないアタシが悪いんだ。
あ、血が出ちゃった。血が出たのがわかった瞬間、アタシは噛みついたところから出てる血を舐めた。ハルの血、美味しいなあ。何を言ってるんだろうアタシは......。
「ハル、大丈夫?」
「このくらいどうってことないさ。可愛い妹のためなら耐えられるよ」
ハルは辛そうな表情をしながらアタシの頭を撫で、抱き寄せた。それにしても、アタシ達のことバレてないよね?不安で怖いなあ。
「アタシ達ってバレてないよね?」
「大丈夫、バレてないよ。そうなったとしても、リサのことは全力で守るから」
「ホント?」
「ホントだよ!俺は何があってもリサから離れないし、誰にも渡さないよ。それに、俺が守ってやらないで誰がリサを守るんだよ?」
安心する。ハルの胸の中は本当に安心する。アタシはこの人が彼氏で本当によかったと思ってる。妹が兄に恋をするのはよくないけど、そんなのアタシ達には関係ない。お互い好きだからこそ付き合っているんだ。
「さあ、授業が始まる。続きは家でやろうか」
「わかった。楽しみにしてるよ!」
アタシ達は教室に戻った。明日は友希那と猫カフェだ。いつ以来だろう。というか友希那の猫好きって完全に隠しきれてないような気がする。気のせいだよね?
▼▼▼▼
朝から大変だった。いきなりリサにキスされ、俺の部屋で着替えると駄々をこねたりで大変だった。着替えてる時はちゃんと目を瞑っていたが、目を開けた瞬間にリサを見たら残念そうな表情をしていた。
「ハル、アタシの着替えてるところ見ててよかったのに~」
「見ねえよ!本当にリサかお前は?」
「アタシだよ、今井リサだよー!可愛い可愛い妹で彼女ですよー!」
リサは俺に抱き着いて叫んだ。一言言わせてもらう。
――どうしてこうなった?
リサは多分猫かぶってやってるんだろう。ホントになにやってるんだよ俺達は......。朝からやるようなもんじゃねえよ。
しばらくして、外を出て友希那と合流し、猫カフェに到着した。あれ、ここって最近できたところなんじゃないのか?友希那にしてはいいところを見つけたな。
「ここがそうなのか?」
「ええ、ここよ。最近できたらしいの」
「へえ、結構いい感じじゃん!」
リサ、お前さっきとキャラ違うぞ。俺は兄として心配した。リサってこんな妹だったのかと。まあいいや、今日は猫で癒されるか。
俺達は早速猫カフェに入った。店員から説明を受け、猫達の元に近づくことにした。近づいた瞬間、一匹の茶色の猫が俺に飛び付いて来た。なんだ!?
「ハル、羨ましいわ」
「へ?な、なんだ!?」
「あ、その子が飛び付きましたか。その子滅多に人に懐かないんですよ!」
「そうなんですか?」
滅多に懐かないって、そんな猫もいるんだな。猫については友希那が詳しいから聞いてみるとしよう。そう思っていると、飛び付いて来た茶色の猫が俺の頬を舐めて来た。
「く、くすぐったい!」
「ハル、好かれてるね!」
「そうだな。この猫すごいな」
よく見ると、まるでリサみたいだな。舐めてるところが違って噛みついてたら完全にリサだ。
友希那の方を見ると、友希那は猫に囲まれていた。あれ!?お前、猫に好かれてたっけ!?
「ヤバい、リサ!」
「い、いいんじゃない?友希那の目見なよ、喜んでるよ?」
「えぇ......」
「ふふふ、にゃーんちゃん......」
友希那が壊れた。うちの歌姫が壊れたんですけど!?
「見てよハル!この子、ハルにそっくりだよ!」
「え、俺ってそんな感じなのか?」
「多分だけど、こんな感じだよ?」
「多分って......」
はあ、癒されるどころか疲れた。もう休んでいいかな?
一匹の茶色の猫は呑気ににゃあと鳴いた。猫って呑気で羨ましいな。ホントお前ってリサに似てるよ。っておい、頭に乗るなよ!
「にゃーん」
「アハハ、ハル!写真撮っていい?」
「いいよ、もう好きにしてくれ。そして友希那、なにしれっと撮ろうとしてるんだよ。撮ってもいいけどさぁ」
二人とも連写で撮ってるし、友希那はやったわ。と言い、リサは小さい声で待ち受けにしようと言っていた。リサ、聞こえてるから。
なんやかんやあって充実した一日になった。猫は癒しだけど、撮られるのは御免だ。
猫カフェ回終了です
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