ここからはネタを交えつつ本編を進めていきます
「ハル、指のケアやってあげるよ!」
リサが突然こんなことを言ってきた。まさかリサからこんなことを言われるなんて思わなかった。なにかあったのだろうか......。
「急にどうしたんだ?」
「やってもらってばっかりだから、たまにはアタシもやってあげようかなって」
「そ、そっか。なら頼もうかな」
リサは俺の前に座り、親指を揉んで来た。揉まれただけなのに気持ちいいと感じてしまう。リサは整体師の才能があるかもしれない。さすがだな。
「どう、気持ちいい?」
「気持ちいいよ。リサって整体師の才能あるんじゃないのか?」
「そ、そうかな?」
リサは照れながら言った。相変わらずリサはウブだな。攻めでは強くても受けになると弱い。俺はそんなリサが大好きだ。といっても俺もウブなところはあるけどな。
左手が終わり、今度は右手のケアが始まった。ベースやギターを弾いていたせいか、指がおかしいと感じていたからちょうどよかった。リサってよく見るとやっぱり美人だな。
「どうしたのハル?アタシのことジロジロ見て」
「なんでもない」
「そう......」
目の色はオッドアイである俺と違って綺麗な瞳をしている。睫毛も整ってるし、唇もぷにぷにしてるし......。
「ねえハル」
「なにリサ?」
「ハル、キスしたいの?」
「......しない」
今キスをする訳にはいかない。リサにキスを禁止してまだ一週間経ってないんだ。俺もキスをしたら歯止めが利かなくなる。
「しないの?」
「しないって言ってるだろ。キスを禁止にしてから一週間経ってないだろ?」
「そうだけどさ~。ハルはキスしないんだね」
「俺だって我慢してるんだよ。一週間経ったらご褒美にキスしてやるから」
やった、とリサは両手を腕の前に構えて喜んだ。まあキスは駄目だけど、それ以外は駄目って言ってないからな。なんか起きなきゃいいけど......。
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ハルに指のケアをやったら、ハルからもやり返された。やっぱり気持ちいいなあ、とアタシは心の中で思った。ニヤケそうになったけど、なんとか抑えることはできた。
「リサって美人だよなあ」
「へ?どうしたのハル」
「あれ?俺口に出てた?」
無意識に言ったのかな?ハルがアタシのことを美人だなんて......。なんか嬉しい。よし、アタシも何か言おうかな!
「ハルもカッコいいよ!」
「俺が?いやいや、そんなことはないよ」
「そんなことあるよ!料理もできるし、楽器も弾けるし、女子力高いし、アタシの彼氏だし、充分すぎるくらいにカッコいいよ」
アタシはハルが何故カッコいいのか理由を言った。理由というよりも要素かな?ハルの耳が赤くなっているのが見えた。アタシ、言い過ぎたかな?
「リサ、お前だって全然可愛いだろ!」
「え、アタシが!?」
「そうだよ!料理できる、編み物得意、世話焼き、女子力高いだろ。あと、可愛いし、嫁にしたいし、唇ぷにぷにしてるし、髪綺麗だし、いい匂いするし、それから......」
「ハル、充分!充分だから!これ以上言われたらアタシおかしくなっちゃうよ!」
ハル、途中からおかしなこと言ってなかった?唇とか髪とかって、もうそれ変態じゃん!なんでアタシの彼氏はこんなに変態になったのだろうか。あ、アタシが原因か。
「なんだよ。まだ言いたいことはいっぱいあるのに」
「アタシも言いたいことはいっぱいあるよ!このブラコン、ド変態!」
「誰が変態だ!このシスコン、キス魔!」
「うるさいよ!恋愛脳!兄なのになんでそんなに綺麗なのさ!」
「やかましい!ギャルのくせに女子力高いとか可愛すぎるんだよ!」
アタシ達は喧嘩にならない程度に言い合った。言い合う度に饒舌になり、ベッドに押し倒されてまで言い合ったりと、やりたい放題だった。幸いなことにお母さん達がいないことが不幸中の幸いだった。
もしいたらアタシ達の関係がバレてしまうからだ。それだけは気を付けないと......。
――けれど、アタシとハルは気づいてなかった。
――言い合っている場所がアタシの部屋で、しかもカーテンを閉めていなかったことに気づいていなかったのだ。
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なにやら隣から音がする。リサがこんなに騒がしいなんて、一体どうしたのかしら?私は今次のライブに向けて新曲を作っていた。なかなかフレーズが思い浮かばず、どうすればいいのかに詰まっていたのだ。
「リサ、なにかあったのかしら?」
私は気になり、カーテンを開けてリサの様子を見ることにした。あら?カーテンが開いてる、それに、ハルもいる。何をしているのかしら?
なにか聞こえる。キス魔だったり、恋愛脳だったりがちょっとだけだけど、聞こえてくる。え?ハルとリサに何があったの!?
「これは、見ない方がいいのか......。それとも、放っておいた方がいいのか、どっちが正しいの?」
私は試行錯誤して考えた結果、放っておくことにした。そうよ、これは夢。夢に違いないわ。聞かなかったことにしておきましょう。
私はカーテンを閉めようとした。しかし、そこからチラッと見えた。いや、見てしまった。ハルがリサを押し倒していたのだ。
「へ?う、嘘......でしょ。嘘よね?」
いつからハルとリサはあんな関係になったのか。あの二人は兄妹なんだからそんなことはあるはずない。これは、聞かないほうがいいかもしれない。私の推測だけど、聞いたら生きて帰れなくなるかもしれない。私の心がそう叫んでいた。
「......やめておきましょう。これは絶対に夢だわ。きっと夢よ」
私はカーテンを閉めて作曲に戻ることにした。やっぱり思いつかないわね。今度、紗夜達にアイデアがないか聞いてみようかしら。
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褒め殺しやらなんやらが終わって数分後、夜になった。マジで疲れた。リサが可愛いのは事実だけど、あれは言い過ぎたな。
「リサー、入るぞー」
「ちょ、ちょっと待ってハル!着替えてるから待ってて!」
「そ、そうか!ごめん!」
俺はドアの前で待つことにした。ドア越しから着替えてる音が聞こえる。駄目だ、想像してしまう。想像したらリサを襲ってしまうかもしれない。抑えろ、抑えるんだ!
「は、入っていいよー」
「じゃあ、入るぞ」
俺はドアを開けてリサの部屋に入った。リサは部屋着を着ているが、似合いすぎて可愛いとしか言い様がなかった。
「さ、座って座って!」
「ありがと。隣いいか?」
いいよ、とリサは言った。やっぱりリサの隣は落ち着く。恋人になるとこんな感じに落ち着くんだなと俺は思った。
「リサ、さっきはごめんな」
「さっき?えっと、アタシとハルが言い合ってたこと?」
「そう、それ。なんか変なこと言ってたよな?あれは、俺が思ったことを言っただけなんだ」
そうなんだ、リサは俺の肩に頭を乗せながら言った。あ、なんかいい感じがする。リサってこんなにも暖かいんだな。ん?俺はなにを言ってるんだ?
「リサ、くすぐったい。頬を舐めないでくれよ」
「いいじゃん。キスできないなら代わりにやろうかなって思ったから」
「代わりって......。そんなにキスしたいのか?」
「したいよ。ハルが悪いんだからね、アタシをキス魔にさせたのは」
「それを言われたらなにも言えないな」
確かにそうだ。リサをキス魔にさせたのは紛れもない俺だ。でも、リサにはキスをもう少し自重してほしい、そう思って俺はリサにキスを禁止にさせた。これはもう重症だ。けれど、我慢はしてほしいものだ。
「じゃあハル、おでこならいい?」
「まあ額ならいいかな。ただし、唇は駄目だからな」
「はーい!」
リサは俺の額に唇を重ねた。なんだこれ?なんか額に冷たい感触がする。これが額にキスか。なんか悪くないな。
「これで済んだだろ。俺はもう寝るから」
「今日は一緒に寝ないの?」
「さすがにやめたほうがいい。お母さん達がいるんだ。二人きりの時にしよう」
「そう......だね」
リサは残念そうにしながら言った。ごめんなリサ。でもしょうがないんだ。バレないようにするためにはこうするしかないんだ。こんな兄で......。こんな彼氏でごめんな。
――俺は全く気づいていなかった。
――昼のやり取りを幼馴染みに見られていたことを。どうして気を付けていなかったのか、どうしてバレるようなことをしてしまったのか、と。俺は後悔していた。
ここから陽希とリサの関係がバレるかもしれません
前書きでも言ったように、ネタを交えつつ本編を進めていきたいと思います
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