俺はcircleで友希那達の練習を見つつリサと紗夜の指導をやっていた時のことだ。そういえば思ったが、紗夜と日菜っていつからあんなに仲が良くなったのだろうか、最近になって疑問に感じてしまった。いや、今更か......。
「そういえば紗夜」
「何でしょう今井さん、今は練習の時間なのですが......」
「紗夜と日菜ってあんなに仲良かったっけ?」
リサが聞いた時、周囲の音が静まった。あこや燐子、友希那の手が止まり、紗夜に至っては「え?そんなこと今更聞くの?」なんて顔をしている。そんなに驚かなくてもいいんじゃないのか?
「そうですねぇ、いつからだったかしら......」
紗夜は顎に手を当てて考えた始めた。なんか始まりそうなのは気のせいだろうか、いや気のせいであってほしい。
だが、最近の紗夜は色々とおかしかった。燐子が密かに録画したというポテトを食べさせ合っている所やリサと付き合う前の買い物でもいい雰囲気だった。
紗夜は息を吐いて語り始めた。なんか始まったんだけど、誰か止めてくれよ......。
「あれは七夕の頃です......。私は日菜に今まで拒絶してしまったことを謝り、日菜はおねーちゃんの気持ちをわかってあげられなくてごめんね、とお互いに謝ったんです。その後ですね、日菜と仲良くなったのは」
「そうなのか?俺からしたら気づいたらそうなってたような感じだったが、見間違いか?」
すごい、紗夜さんかっこいい、とあこは語彙力が無くなるくらいに驚いていた。そりゃそうだ、紗夜と日菜は仲が悪いというより紗夜が一方的に壁を作っていたんだ。それが急に仲良くなるなんておかしいに決まってる。
俺とリサなんて喧嘩をしたことは一度もない、むしろリサが俺に懐いていたからな。あこは姉の巴とは喧嘩をしてるところなんて見たことはないし、そんなことあったら一大事だってなる。燐子と友希那は一人っ子だからこういうことはわからないかもしれない、俺とリサ、あこならこの気持ちはわかる。
「確かに紗夜の雰囲気は前より良くなったわ。それに音にも迷いがないし紗夜自身の表情もいい、いいことじゃない」
「ありがとうございます湊さん、ですが悩みがあるんです」
「悩み?」
「どんな......悩みなんですか......?」
あこと燐子が紗夜に聞いた。どんな悩みなんだ?俺とリサは見つめ合いなんだろうな、とアイコンタクトを送った。リサは首を傾げてわからないよ、と送った。まだ聞いてないからわからないよな。なお、このアイコンタクトは俺とリサが双子であり付き合っているからこそ成せる技だ。
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アタシとハルは練習が終わり、二人してアタシの部屋で寛いだ。紗夜が言っていた悩みとは日菜が壁ドンをしてほしいと言ってきたことだった。お互いにどんな気持ちなのかを言い合いたいと日菜が言ってきたらしく、紗夜は恥ずかしくて言えないのでどうしたらいいか、と打ち明けた。
壁ドンかあ、そういえばハルにはされたことないな。アタシは隣にいるハルに話し掛けようとしたけど、彼は眠そうな表情をしていた。それを見たアタシは悪戯をしようかと思った。
「ハル、風邪引くよ」
「ん......んぁ?」
ハルは眠そうになりながらも目を少しだけ開いた。表情が可愛いなぁ、抱き締めたいけど抑えよう。アタシはハルの可愛い表情を見て悪戯はまた今度にしようと思い、止めておくことにした。
「ハル、大丈夫なの?眠そうだけど......」
「んぅ~......ふぅ、起こしてくれてありがとリサ。今起きたから問題なし!なんか話掛けようかなって顔してるが、なんかあったのか?」
あ、そうだった。何を話すんだったっけ?えっと、紗夜のことだったかな。アタシは話すことを思い出し、ハルに練習の後に紗夜に受けた相談のことを話した。
「壁ドンのこと?さっき練習の時に紗夜が言ってたことか?」
「実はね、練習の終わりの後に紗夜から言われたんだ。ハルに壁ドンをしてどんな気持ちかを聞いてくれって言われてさ......」
「でもそれって他人に聞いて分かるものなのか?」
「アタシに言われても分からないよ。まあやってさ、アタシ達が付き合ってることバレない感じに言えばいいんじゃあいかな?」
確かにハルの言う通りだ。本人が実際にやらないと分からないし、日菜ならるんって来る!って言うに違いない。でも紗夜が何を言うかは想像できない。というかアタシがやられたら間違いなくキュンってなりそうだ。自分が攻めに弱いっていうのは自覚してるからね。
とりあえずハルがこんな状態だけど、聞いてみようかな。しかし、聞こうとした瞬間にハルに押し倒されてしまった。ちょ、ちょっと待って!?
「ハ、ハル!?」
「ごめんリサ!これはわざとじゃないんだ、不可抗力だ!」
「心の準備が出来てないよ~」
アタシは焦りながらハルの顔を見つめた。よく見たら眠そうな状態だった。あれ、もしかしてアタシの勘違いかな?
「ハル?」
「引っ掛かったなリサ、俺が眠そうにしているとでも思ったか?」
「だ、騙したの?酷いよハル!」
ごめんごめん、とハルは起き上がりアタシの手を引いた。ハルに悪戯しようと思ったら逆にやられるなんて想定してなかった。
ハルはアタシを見つめて口元を微笑ませてこんなことを言った。
「話が変わるけど壁ドンだったか?なんなら今からやってやろうか?」
「え、やるの?」
「紗夜に言われたんだろ?壁ドンされたらどんな気持ちかなのかをさ、お互いにやろうぜ」
うわあ、アタシとハルでお互いにやり合うなんて......。男子が女子に壁ドンされたらどうなるかは気になっていたけど、このタイミングでやるかな?まあいいや。
アタシは壁に背をつけた。目の前にはハルがいる、緊張するなぁ。ハル、若干張り切ってるような気がするけど、気のせいかな?
「じゃあやるぞ?」
「い、いいよ......」
ハルは壁に手を突くと同時に顔を近づけた。び、ビックリした。危うく腰が抜けそうになったけど必死に耐えたが今度は心臓が鳴り始めた。
アタシとハルの距離は唇が重なるくらいに近かった。ハルは目を細め、アタシの顎をクイッと持ち上げた。なに、なにが起こるの!?なにを言うの、ねえ!
アタシの顔が火照っていく中、ハルはアタシの唇を重ねてきた。やっぱりやったよこのシスコン!キスの次は何をやるの!?と心のどこかで次を期待してしまうアタシがいた。
「ハ、ハル......」
「リサ......」
ハルは唇を離し、耳元で囁いた。
――リサ、愛してる。
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恥ずかしかった。あんなことをリサの耳元で言うなんて俺らしくない。てかこれ壁ドンですらないような気がする。やり過ぎたなと俺は心の中で反省した。
「リサ大丈夫か?」
「大丈夫......。ていうかハル、ズルいよ!」
「あー、さっきのことは謝るよ。ごめんな」
嬉しかったから許す、とリサは許してくれた。リサが弱ってる、どうしようか。
どうしようか考え始めようとした瞬間、リサが俺に飛び付き、俺はベッドに押し倒されてしまった。あ、これ終わったな。
「ハールー」
「ごめんって!謝っただろ!」
「今夜は寝かせないからね!」
俺はリサにベッドにドン、もといベッドンをされてしまい滅茶苦茶にされてしまった。しかもあいつ俺のうなじにキスマーク付けやがった。この前リサに同じことしたけど仕返しされたということか。
そして次の日、紗夜に壁ドンの結果を俺とリサが付き合っていることがバレないように誤魔化して説明したところ......。
「そうですか、わかりました。しかし今井さんと陽希さん仲が良すぎやしませんか?」
こんなことを言われた。もちろん俺とリサは声を揃えて気のせいなんじゃない?と否定した。昨日のリサは発情してたからマジで怖かったな、壁ドンは今後は控えた方がいいな。
壁ドンといっても色々な種類があるのかなと書いてて思いました
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