今回で関係明かされます
俺は友希那達に関係を打ち明けることにした。多分だが友希那以外は俺とリサの関係を知ってるかもしれない。それに、俺達の関係がバレるのは時間の問題だ。
リサの顔色はだいぶ良くなった。あんなに泣いていたのに今は平気みたいだ。でも放っておけない、何かあってからじゃ遅いんだ。
打ち明けるといってもいつ打ち明けようか、それが問題だ。今はライブが迫ってるからそれが終わってからがいいかもしれない。大事な時期に話を持ち込んだらまずいが、友希那から聞かれたら素直に言おう。
「リサ、体調は大丈夫か?」
「うん、さっきよりは良くなったかな。ありがとハル」
「どういたしまして、それならよかった。リサに何かあったらどうしようかと思ったよ」
そんなに心配しなくても、とリサは半笑いに口元をゆるませて言った。リサはこんなことを言ってるが、俺にとっては心臓が止まるくらいにヤバいことだ。だが、リサが良くなったのなら安心だ。
さて、今後のことはライブが終わってからだ。落ち着いてから友希那達に俺とリサが付き合っていることを言おう。落ち着くまではリサとは距離を置いた方がいいかもしれない。
リサは大丈夫に見えるが、少しだけ体が震えてる。バレたことに対して恐怖を感じているように見える。恐怖を感じているのは俺も同じだ。リサにバレたって聞いた瞬間に倒れそうになったからな。
「リサ、とりあえずさ......一旦距離置かないか?」
「え?距離を......。なんで?アタシ何かしたの?ハルに嫌なことした?」
「嫌なこととかじゃない。今は大事な時期だろ?ライブ前に何かあったらまずいから、外では距離を置こうってことだよ」
「そう......なんだ。うん、わかった」
よかった、納得してくれたようだ。嫌なことしたかって聞かれたけど一瞬焦ったな。とりあえず、この話は終わりにしよう、今はリサの側にいてあげないとな......。
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ハルはアタシを安心させるために一緒に寝ようと言った。三日ぶりの添い寝、それはアタシにとっては久しぶりのことだった。
はぁ......。アタシは心の中で軽く溜め息を吐いた。アタシはハルに後ろから抱き締めてほしいと頼み、ハルはアタシの言う通りに抱き締めてくれた。今の状態だとハルに合わせる顔がない、アタシはそう感じてハルに抱き締めるように頼んだ。
心配を掛けたというより、アタシが気をつけていればバレることはなかった、むしろ罪悪感でハルに顔を合わせることができなかった。アタシはそれがとても悲しかった。
「ハル......ごめんね......」
アタシは顔を手で覆って涙を抑えながら言った。ハル、ごめんなさい。こんな妹でごめんなさい。アタシはハルの彼女に相応しくないのかな?アタシの想いは本当にハルに届いているのかな?
いや、こんなことを思ってちゃダメだ!ハルと距離を置くことになる、それはライブが終わるまでの辛抱だ。アタシの心は壊れてしまうかもしれない。でも、少しの間だけだから頑張ろう。
「ハル、まだ起きてる?」
ハルに問い掛けたが、返事はなかった。起きてるわけないよね。起きてたらアタシのさっきの言葉を聞かれてるし、どうしたんだって言われてる。あんまりハルやロゼリアの足を引っ張らないようにしないといけない。
――アタシなりに頑張ろう、できることを探さないと!
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それから次の日、リサは練習に復帰した。もちろん、外にいる時は距離を置くようにし、屋上でキスをするということも控えるように言った。リサは言う通りにしてくれたが、前にあったように我慢ができないということも起きてしまった。
俺はそれを抑えるためにリサの要望に応じた。要望と言ってもキスくらいだ。またしてもリサはキス魔になるのか......。
それから一週間後、ライブを終えた次の日、俺は友希那達を家に呼んだ。関係を明かすとはいえ、緊張するな。
「みんなをここに呼んだのは理由がある。今から話すことはとても重要なことなんだ」
「重要なこと?」
「それは何ですか?私達に関係あることですか?」
紗夜は疑問に感じながら問い掛けた。関係がある、それは俺やリサもそうだが、むしろロゼリアの今後にも関係があるんだ。
関係を明かす、それだけのことなのに喉が詰まる。言わなきゃっていう時なのに口に出すのを躊躇ってしまう、何故躊躇うんだ?怖いのか?わかってもらえないことに怖いと感じているのか?
いや、駄目だ!ここまで来たからにはちゃんと言わないと!リサとこれからのことに向き合うって決めたんだ!
「もちろんだ。今回の話は俺とリサの関係についてなんだ」
「ハルとリサの関係?二人共何かあったの?」
「まあ色々あったかな。それと今から言うことは本当のことだ。聞いてくれるか?」
四人は頷いた。さぁ、言うんだ。俺とリサは付き合っているんだって言うんだ。ここで言えなかったら言う機会がなくなる、今しかないんだ!
「俺とリサは実は......」
――付き合っているんだ。
ああ、言ってしまった。とうとう言ってしまった。リサが心配そうに俺を見つめる。大丈夫だリサ、何があっても......何があっても俺が守るから。
「......本当だったのね」
「え?」
「貴方達が付き合っていたことが本当だったなんて......」
信じられないことだろう。幼馴染みの兄妹が付き合っていたなんて到底信じられないことだ。普通の人ならそう言うのだから、驚いて当たり前だ。俺とリサはおかしいんだ。いや、おかしいというより歪んでいると言った方が正しいか。
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ごめんね友希那、ごめんねみんな。黙っていたことは悪い、これはきっと見損なったに違いない。アタシは今絶望の淵に立たされていた。アタシからすれば地獄、それはきっとハルも同じだ。ハルが喉を詰まらせそうにしてまで言ったんだ。
「友希那、見損なったよね?これがアタシとハルなんだよ?」
「俺とリサが付き合っているのは事実だ、みんな黙っててごめんな」
「付き合い始めたのは......いつから......ですか?」
「付き合い始めたのは六月からかな。中間試験の勉強会からしばらく経ってからになるよ」
あの梅雨の時期、俺達は過ちを犯した。その過ちによって俺とリサの関係は変わってしまった。
付き合っていることを言ってから数分、友希那達は口を閉じた。何を考えているんだ?何を言うんだ?俺は乾いた唇を少し噛んで肩の力を抜いた。
――重大な事だってことはわかっていたが、ここまで空気が重くなるなんて思ってなかったな。
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アタシは今絶望の淵に立たされていた。急に静かになったけど、アタシからしたら嫌な予感しかしない。友希那は何て言うんだろう......。
紗夜はどうだろう、こんなことを言うのはアレだけど期待しない方がいい。きっと怒っているに違いない。現にあこと燐子だって下を向いている。この状況でどう言ったらいいのかわからないのかもしれない。それはアタシも同じだ。
「リサ」
「な、何......?」
友希那がアタシを呼んだ。何を聞かれるの?ハルと別れてって言われないよね?そんなことを言われたらアタシは生きていけない。友希那は言わないはず、言わないはずだ。祈ろう、祈るしかないんだ。
「貴女は今どんな気持ちなの?」
「え?どんな気持ちって......。どうしたの友希那?」
「貴女の想いを聞きたいの。リサ、どうしてハルと付き合うって決めたの?私はそれが聞きたいの」
友希那の口から出た言葉は予想外のことだった。アタシの気持ち?そんなことを聞いてどうするの?友希那が何を考えているのか、アタシには全くわからなかった。
どうして友希那はこんなことを聞いたのだろう。それにアタシがハルと付き合おうって決めた理由?そんなの決まってるよ。
――ハルのことが好き、それがアタシの答え。
締まりの悪い終わり方ですが、まだまだ続きます