陽だまりの双子と恋のロードナイト   作:ネム狼

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昨日世界猫の日だったので書かなきゃと思いました
前回のラストは実は伏線です


猫物語 ―兄と猫となった妹との戯れ―
妹は猫に兄は飼い主に、夢は現実となる


 アタシは昨日猫になってハルの膝の上で寛ぎたいと言った。その一言はなってみたいなぁという物だった。

 

 まさかアタシがあんなことになるなんて、誰が予想したか……。

 

 

――時間は朝に遡る。

 

 

 今日は確か学校だったっけ?あ、違った。もう夏休みだった、すっかり忘れてた。

 

 アタシは体を起こそうとした。あれ?体が上がらない、それに頭になんか付いてるしそれに手足も短い。なんだろう、嫌な予感がする。

 

 昨日はハルが一緒に寝てくれなかったから自分の部屋で不貞腐れて寝ちゃったんだった。カーテン開けなきゃ。

 

(おかしい、手が届かない。ん?届かない?どういうことなの……)

 

 アタシは違和感を感じ自分の手を見た。へ?待って、これ猫の手だよね?あと肉球みたいなのがあるんだけど、なにこれ?

 

 

――え?肉……球……?

 

 

――まさかアタシ……。猫になっちゃったの!?

 

 

「に、にゃあああ!?」

 

 アタシは驚愕のあまり鳴き声を発してしまった。まずい、気づかれる!友希那やハルならまだしも、お母さんとお父さんにバレたらどうしよう!?

 

 その時、アタシの部屋のドアがバタン、と思いっきり開かれた。アタシは急なことで驚きすぐに布団に隠れた。

 

「どうしたリサ、何かあったのか!?隣から猫の鳴き声聞こえたけど入ってきたのか?」

 

 いやその鳴き声はアタシだよ。これバレるよね?友希那だと確実にスリスリしてくるしそれどころかキュン死するかもしれない。うん、友希那なら納得だ。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 リサの部屋から猫の鳴き声が聞こえた。なんだろう、俺はリサが心配になり、ノックもせず勢いよくドアを開けてリサの部屋に入った。そこには……。

 

 

――誰もいなかった。

 

 

 どういうことだ?それに猫もいない。俺はリサのベッドに視線を投げ掛けた。リサは布団に入ってるのか?俺はリサの方に何があったかを聞くために声を掛けることにした。

 

「リサ、何があったんだ?」

「……」

 

 反応がない。いや、待てよ?よく見たら布団が震えてる。泣いてるのか?それともなんだ?寒いだけなのか?

 

「リサ、悪いけど布団脱がすぞ?」

 

 俺はリサの了承を得ずに布団を脱がそうとした。その時、布団から何か小さな物が出てきた。何だ?あれは……猫……?

 

 それは茶色の猫だった。あの猫怯えてるようだな。でもなんで猫がいるんだ?リサはどこに行った?猫に一回聞いてみるか?

 

「君、どこから来たんだ?」

「……にゃあ」

「にゃあって……。どうしようか、ここは友希那を呼ぶか?」

 

 俺はポケットに入れたスマホを取り出し友希那に電話を掛けることにした。しかし、掛けようとする前に茶色の猫が俺の足に猫パンチをしてきた。

 

 可愛いなこの猫。いやいや、そんなことを思ってる場合じゃない!この猫もそうだけどリサを探さないといけない。

 

 この猫、友希那に連絡しようとした途端に止めようとしてきたな。友希那を呼んだらまずいということか?

 

「待て待て、わかったから。電話しないからパンチを止めてくれ。地味に痛いから」

「にゃあ~」

「あ、止めてくれた。ありがとなリサ」

 

 俺は猫の頭を撫でた。気持ちよさそうだ、いい表情だな。ってあれ?俺今リサって言わなかったか?気のせい……だよな……?

 

 もしかしてこの猫リサなのか?よく見ると茶色だし、顔も何処となくリサに似てる。目の色も同じだ。試しにリサって呼んでみるか。

 

 

▼▼▼▼

 

 

――撫でられてる、ああ~気持ちいい~。

 

 

 ハルがアタシの名前を呼んだ。あれもしかしてバレた!?バレるにしては早くない!?てかさっき友希那呼ぼうとしてたけど、さすがに呼んだら地獄絵図になるからそれはヤバイよ!

 

 ハルやっぱり猫パンチ痛かったんだ。アタシはあの時爪を立てないようにパンチしたけど器用にやるのは大変だった。

 

 ハルがアタシを見つめてる。そんなに見られると恥ずかしい。次は何が起こるんだろう……。

 

「リサ」

 

 今アタシの名前呼んだ!?呼んだよね!これは反応した方がいい?又は呼ばれたからスリスリしようか、どっちを選んだらいいのアタシは!?

 

 

――どうする、どうするのアタシ!?

 

 

「返事がない、もう一度呼ぶか。おいでリサ」

「……にゃ、にゃあ~」

 

 アタシは少しずつ歩を進め、ハルの足元に向かった。こうやって歩いてるってことはアタシがリサだっていうことだ。ハル、どう思うんだろう。

 

 頬をハルの足元にくっつけてスリスリする。人の肌ってこんな感じなんだ。猫の気持ちがわかったような気がする。

 

「毛が気持ちいい、猫の毛って気持ちいいんだな」

 

 

――よしよし、幸せそうで何よりだ。

 

 

 ハルがアタシを抱えた。今度は何なの!?てかそこ触っちゃいけないとこだよ!ハルが触ってるところはアタシの胸だった。まさか実の兄に胸を触られるなんて……。

 

「にゃあああ!」

「ちょ、暴れるな!痛い、腕を噛むな!血が出る!」

 

 アタシは胸を触られたことに怒り、ハルの左腕を噛んだ。逃がさないようにしてくれてるだろうけど、これはハルが悪いんだからね!

 

 

▼▼▼▼

 

 

 痛かった。猫の歯は鋭いって友希那から聞いたことがある。こんなに痛いだなんて思わなかった。

 

 一方のリサ?かもしれない猫はというと、俺の膝の上で寝ていた。のんびりしてるな。噛まれたのは俺が悪い、可愛いからいいか。

 

 さて、これからどうするか。夏休みだからよかったが、学校だったら俺も休まないといけなかった。確か今日って練習あったよな?どうしたらいいんだ?

 

 俺は猫が寝ていることをチャンスと感じ、友希那に電話をすることにした。体調崩したって誤魔化すか。

 

「もしもし、どうしたのハル?」

「ああ、友希那。今日練習あったよな?」

「ええそうよ。何かあったの?」

「今日俺とリサが風邪引いちゃってな。だから練習出られなくなったんだけど……」

 

 ごめん、みんな!こんなことで休む俺を許してくれ!俺はリサを探さないといけない。あとこの猫もなんとかしないといけないから!

 

「……わかったわ。次の練習の時は倍以上に取り組むのよ?」

「わかった。ありがとう」

「あと言っておくけど、休むからといってリサとナニをしないようにね」

「しねぇよそんなこと」

 

 俺はそう言って電話を切った。あの友希那からナニって言葉が出るなんて思わなかった。あの歌姫はどこに向かおうとしてるんだ?一体ナニを学んだんだ?

 

 俺は膝の上で寝ている猫を見つめてこれからどうしようかを考えた。この猫は一体なんなんだ?雰囲気がリサに似てる。それはいいけど、肝心のリサはどこに行ったんだ?

 

――こうして俺、今井陽希と一匹の茶色の猫による気まぐれな三日間だけの短いようで長いような物語が始まった。

 

 

 

 

 

 




ふと思いました
リサを猫にしてみるのもいいんじゃないのかと!
三、四話くらいですがよろしくです!

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