陽だまりの双子と恋のロードナイト   作:ネム狼

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香水やマニキュアは時に危険な物となる


惑わそうとした結果、自分が惑わされる

 アタシはハルとウィンドウショッピングをする中である物を見つけた。それは香水だ。紗夜から聞いたけど、日菜も香水を自分で作っているらしい。日菜ならやるかもしれないし、パスパレ内でも流行ってるかもしれない。

 

「リサ、香水欲しいのか?」

「どうしようか迷ってるんだよねぇ。ハルは香水とか嫌いじゃないよね?」

「嫌いじゃないが、どうだろうな……。匂いとかも良いけど、それは素材によるからな。どっちかと言うと好きでも嫌いでもないな」

 

 好きでも嫌いでもない、なんとも曖昧な表現だ。ここは思い切って買ってみようかな。買ってみてハルにどうか聞いてみよう。よし、今回はアタシが選ぼう。普段はハルと相談することが多いけど、アタシが選んだ物なら喜んでくれるかもしれない。

 

 アタシはハルに選んでくるから待っててほしいことを伝えた。待っててねハル。アタシが選んだ香水で驚かせてやるからね!あ、あとマニキュアも買っとこ!

 

 次の日、アタシは日菜に顔がニヤけてることを指摘された。ヤバイ、嫌な予感がする。この前もハルと付き合ってることを聞かれたから、また色々と探られるかもしれない。まぁ日菜だからいいか。

 

「リサちー、どうしたのそんなにニヤけて。何か嬉しいことでもあった?」

「な、何でもないよ!?」

「リサ、貴女ハルとナニでもしたの?」

「違うよ!てか友希那、いつからいたの!?」

 

 最初からいたわ、と友希那はドヤ顔で言った。最近友希那のキャラが壊れて来てるような気がするんだけど、気のせいかな?いや、気のせいであってほしい。というか友希那、ナニとか言っちゃ駄目でしょ!

 

 さて、どうしようかな。ここは正直に言おうかな。このまましつこく聞かれるのは嫌だしなぁ。友希那も日菜も目をキラキラさせて待ってるし、これは仕方ない。正直に話すか。アタシは二人にこの前のウィンドウショッピングのことや香水とマニキュアのことを話した。

 

「なるほどー。リサちー、いっそのことハルっちを誘っちゃえば?」

「出来ないよ!アタシはハルにいい匂いだって言われれば充分だし……」

「リサ、ハルを呼んで来ましょうか?」

「呼ばなくていいから!」

 

 ここでハルを呼ばれるとアタシが気絶しちゃう。ハルは今部活の打ち合わせでいない。料理のレシピについて話し合っているそうだ。

 

 困ったな。ここまで言われるなんて、やるしかないのかな?アタシはこういうことに関してはウブな所がある。勇気がなかなか湧いてこない。もし変なことになったらどうしよう。

 

 

――はぁ、何とかならないかな?

 

 

▼▼▼▼

 

 

 俺は部活の打ち合わせで提案されたレシピを纏めたメモを見て、どの料理を作ろうか迷っていた。テーマは秋、そうなると薩摩芋や栗、この辺りが無難か。いや、後は炊き込み御飯があるか。

 

 炊き込み御飯となると栗だけじゃなく、人参や椎茸、牛蒡(ごぼう)を使う手がある。もし紗夜に味見をしてもらう時は人参は抜いておこうか。

 

「参ったな、食欲の秋っていうことでレシピを考えるなんて、何がいいんだろうか」

 

 うーん……。どれにするかによって俺の料理の評価が決まってくる。まぁこれは研究だからな。焦らずにやっていこう。さて、あれの続きをするか。

 

 俺は最近になって編み物を始めた。リサに教えてもらって二週間経つが、こんなに楽しい物だなんて思わなかった。なんでもっと早くにやらなかったのか後悔している。教えてもらったお礼に手袋を編もうかな。

 

 それにしても、そろそろ十月に入るのか。秋なのに外は冷えている。風も強いようだから、登下校する時が心配だ。そうなったらリサと手を繋いで行けば大丈夫だろう。その時はリサが友希那の手を繋ぐことになる。まぁそれも良いいか、と俺は口元を緩ませながら思った。

 

「よし決めた!今回は炊き込み御飯にしよう。今度友希那達を呼んで味見してもらうか」

 

 炊き込み御飯に人参は欠かせない。紗夜が人参が駄目なら代わりの材料を探そう。こう考えると料理は楽しく感じる。作るのが楽しみだ。

 

 それにしても隣が静かだな。リサ何やってんだろ。覗くのはさすがにまずいし、いくら兄であってもそれをしたらアウトだ。リサだって知られたくない事もある、そう考えると覗くのはやめた方がいいな。てか何で俺は覗くなんて言ってんだ?

 

 俺はそんな事を心の中で呟きながら編み物を進めた。あまり突貫でやるのはよくないな。失敗しないように慎重にやるか。ここで失敗したら一からやり直しになる。それだけは御免だ。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 これで大丈夫かな?アタシはハルを驚かせるためにマニキュアを塗っていた。前はハルに塗ってもらってたけど、今回は自分で塗っている。久しぶりだけど、何ヵ月ぶりだろう。香水も掛けたけど、正直不安だ。匂いはハルの好きな匂い、シトラスの香水だ。

 

 マニキュアは綺麗な物を塗ったけど、ここまでやるなんてアタシは何をしてるんだろう。どうしてこんなことをしようって思ったんだろう。ハルに綺麗だって言われたいからだっけ?わかんなくなったなぁ、まぁ言われればいいや!

 

 準備を終えてハルの部屋の前に立つ。ああ緊張する、何を言われるのか、どんな評価を貰えるのか。そればっかりが気になって頭がおかしくなりそうだ。ここは深呼吸だ。深呼吸をして緊張を解そう。

 

「はぁ……ふぅ……。よし!」

 

 

――心の準備は整った、行こう!

 

 ハルの部屋のドアをノックして部屋に入る。机には資料らしき物が数枚置いてある。遠くからだけど、材料とか手順とかが書いてある。料理のレシピかな?

 

「どうしたリサ?」

「今大丈夫かな?マニキュア塗ったんだけど……」

「全然大丈夫だよ。どんな感じだ?」

 

 アタシはハルの前に座り、手を出してハルに見せた。マニキュアといってもシンプルな物だ。後は香水、気づいてくれると思うけど、どんな風に言われるかな?

 

 心臓が鳴ってる。心の準備は整っても緊張してるじゃん!アタシは何を言われるのかわからないせいか、ちょっとだけ震えてしまった。ヤバイ、息が詰まりそうだよ!

 

「綺麗じゃん。ん?この匂いはシトラスか。リサ、香水掛けたのか?」

「あ、気づいてくれた。う、うん!そうだよ、掛けたんだ。ハルに綺麗だって言われたくて掛けたんだけど、どうかな……?」

 

 アタシがそう言うと、ハルは両手でアタシが差し出した片方の手を包み込んだ。へ?何が始まるの!?何をする気なの!?

 

 ハルが見つめてくる。目を逸らそうとするけど、ハルは目で追ってくる。待って、顔が熱い!頭が沸騰しそう!気づくと、ハルはアタシの耳元である言葉を囁いた。

 

「リサが綺麗なのはいつものことだろ。俺の妹が綺麗じゃないなんて有り得ないから」

「ハル……」

 

 そう言われた瞬間、目の前が真っ暗になった。そんな甘い言葉言われたら思考がオーバーヒートしちゃうよ。アタシの兄は平然とこんなことを言ってしまう。全く、酷い彼氏だ。

 

 今日は気持ちよく眠れそうだ。あの後アタシが目覚めたのは夜の十時だった。ハルに膝枕までされるなんて、アタシは運が良すぎる。ハル、ありがとうね。綺麗って言ってくれてありがとう。

 

 

 




自分でもわからない回になってしまった
反省はしてないがね!
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