決してデートではありません
「今日の練習は終わりよ。みんなお疲れ様」
「うへぇ、疲れた~」
今俺達はライブハウスにて練習をしている。といってもちょうど終わったところだけどな。
「じゃあ言うけど、まず紗夜は技術は完璧だけど、もう少し表現ほしいな。曲がどういう雰囲気なのかとかを見て研究してくれ」
「わかりました」
紗夜は技術は完璧なんだけど、表現がな。そこをカバーできればもう言うことなしなんだけど......。
「あと燐子。もうちょい体を動かしながらの演奏やってみてくれ。そうすれば滑らかに弾けると思うから」
「は、はい!」
「次はあこ。さっき走り気味だったから気をつけて。ドラムズレたら全体がズレるから重要だから、練習しっかりな」
「わかったよハル兄!」
燐子は元々ピアノやってたから問題はない。でも体が硬いから動きが問題だ。
あこも相当の練習をしてきたけど、どうしても走ってしまうところが目立つやはりそこが問題だな。
「あとは友希那とリサ。友希那はさっきのフレーズのところなんだけど、音程ちょっとおかしかったぞ。練習しっかりやるのと音程確認もう一度やってな。最後にリサ。リズム微妙にズレてたから楽譜を確認しながら反復練習してな」
「わかったわ」
「りょうかーい♪」
ふう。こうして全体を見て色々と指摘するのは疲れるな。それも2、3時間。Roseliaは人気が高いとはいえ、常に本気でやっている。いや、これは他のバンドにも言えることだな。
「ねえねえみんな。帰りにクレープ屋行こうよ!」
「おぉいいなそれはみんなどうする?」
「さんせーい!アタシは行くよ!」
「わ、わたしも...行くよ、あこちゃん」
さあ、友希那と紗夜はどうする?まあ二人のことだから帰って練習するって言いそうだな。
「私は帰って練習するわ」
「では私は行きます」
あれ、紗夜は行くのか。でも友希那はいつも通りか。さああこどう出る?その時、あこは友希那に近づいて爆弾を投下した。そう......。
――猫耳カチューシャを付けてだ。
「...友希那さん。どうしても行かないんですか?あこ、行ってくれないと悲しいニャン♪」
「っ!?」
あこお前、手をグーにして上目遣いするのは友希那に対して効果抜群だぞ。でも俺とリサ以外は友希那が猫好きなのは多分知らないと思うけど......。てか猫耳どっから持ってきたんだよ。
「......し、仕方ないわね。今日だけよ」
「っ!じゃあいきましょー!」
よかったなあこ。ていうか友希那お前今あこを抱き締めてお持ち帰りしようとしただろ。そんなことしたら猫好きなのバレるぞ。Roseliaの歌姫が猫好きなのバレたらイメージ崩れるって。
やっぱりみんなたまにポンコツになるよなあ。
▼▼▼▼
アタシとハルはクレープ屋から帰って今は家にいる。そう、ハルに指のケアをしてもらっている。やっぱり恥ずかしいなあこれ。
「リサ、今度二人でどっか出掛けないか?」
「えっ、二人で?」
ハルは急に言ってきた。えっ!?どうしたのハル?指のケアしながら言ってるけど、よくこんな恥ずかしいこと言いながらできるよね。ていうかそれってデートだよね!?
「もちろん。本当は友希那も誘って三人で出掛けようって思ったんだけど、友希那が用事できたみたいで誘えなかったんだ」
「そ、そうなんだ......」
「そう。あ、リサネイル塗るか?」
「うんお願い。後で髪梳いてあげるね!」
「頼むよ。いつもありがとな」
「アタシこそありがとうだよ」
なんかいいなこういうの。アタシとハルは双子の兄妹だけどこんな雰囲気もいい。まるで付き合っているみたいだし、青春しているようにも感じてしまう。
ハルの顔をよく見るとハルって綺麗な顔をしているなあと思ってしまう。髪はアタシと同じ茶髪で肩まで伸びている。目は双子であってもアタシとは違う。左目は青色、右目は黄緑色、所謂オッドアイだからだ。
「リサ、おーいリサー」
「な、なに!?」
「ケア終わったぞ」
アタシはいつの間にかハルに頭を撫でられていた。ハルは指のケアが終わると毎回頭を撫でてくる。なんでだろ?
「ねえハル。なんでケア終わったあとに頭を撫でるの?」
「まあそれはな...、リサがよく頑張ったなっていうご褒美かな」
「ご褒美なんだ」
「まあそういうことにしてくれ」
あれからアタシはハルの髪を梳いたけど、ハルの髪って触り心地いいなあ。サラサラだったからアタシとしてはやりやすかった。
アタシは次の日が学校と練習が休みの時はハルと一緒に寝ている。まあたまに寝るくらいだけどね。昔はよく一緒に寝てたけど、今だと恥ずかしいと思ってしまう。でも一緒に寝たいって思うのはなんでかな?アタシがブラコンだからかな?まあいっか!
▼▼▼▼
朝起きたら目の前にリサがいた。寝顔可愛いな。じゃなくて!また寝てるよマイシスター!とりあえず起こそう、このままだと俺の理性がもたない。
「リサ、起きろー」
「ハル〜待ってよ〜」
寝言言ってるけどどんな状況だよ。なんか俺追っかけられてるの!?リサってたまに俺に対してブラコンになるよな......。とにかく起こさなきゃ。
「リサー起きてくれー」
「う...うーん...おはよう、ハル......」
「おはよリサ。お前またベッドに入ってきたな」
「ごめんね~☆どうしても一緒に寝たかったからさ〜」
全くこいつは......。
俺はリサが可愛すぎたあまりに抱き締めてしまった。
「ハ、ハル!?」
「リサお前可愛すぎっ!」
「ま、待ってハル!恥ずかしいよこんなの!?」
「リサが可愛すぎるのが悪い!」
「可愛いって言わないで!」
俺はリサを30分も強く抱き締めていた。俺の妹ってなんでこんなに可愛いの?天使なのこの子?
それから俺達は着替えて朝食を済ませて出掛けることにした。私服のリサ可愛いなあ。
▼▼▼▼
「なあリサ」
「なに?」
「なんで腕組んでるの?」
「えーいいじゃん、カップルみたいでさ♪」
カップルみたいって......。腕に柔らかいの当たってんだけど。なーんか周りの男の視線が痛いなあ。俺達双子だから大丈夫だよな。多分......。
「最初どこに行く?」
「最初アクセサリーショップでいい?」
「いいよ。可愛い妹のためならどこへでも行くよ」
「ハルってたまにキザになるよね」
「えっ、そうかな?」
キザかな俺?リサのためならどこへでも駆けつけるみたいに言ったんだけどなあ。
俺とリサは他愛ない話をしていたらアクセサリーショップへ着いた。
「リサこれはいいんじゃないか?」
「どれ?ああイルカのネックレスかあ。どうかな?」
「リサなら似合うと思って選んだんだけど...」
俺は手に持っているイルカのネックレスをリサの首もとにあてた。うん、似合ってるな!
「リサ、買ってあげるよ」
「いいの!?お金出すよ...」
「いいよ。ここはカッコつけさせろよ」
俺はイルカのネックレスを買ってリサに渡した。
「ほい、リサ」
「あ、ありがと......」
「リサなら絶対似合ってるからさ!あとで付けてみてくれよ」
「う、うん。ハルありがとう!」
リサは笑顔でお礼を言った。可愛い笑顔だな。
▼▼▼▼
今度は服を見たけど、ハルを着せ替え人形にしようかなあ。さっきネックレス買ってくれたお礼にね☆
「なあリサその大量の服はなんだ?」
「これはね、ハルが似合いそうな服を選んだんだ♪」
「おい、まさか......」
「そのまさかだよ!ファッションショーに付き合ってもらうからね!」
それからアタシはハルのファッションショーを始めた。兄なのにカッコよかったり、可愛かったりもしたから見てて胸がキュンとしてしまった。ときめいちゃったよ、もう!
「お客様。お似合いですね!」
「ど、どうもです...」
「アハハ...」
「お二人はお付き合いされていらっしゃるんですか?」
えっ!?アタシ達ってホントにカップルに見えるの?なんか嬉しいなあ。
「ま、待って下さい!俺達はその......」
「はい!アタシ達付き合ってます!」
「リ、リサ!?」
「お付き合いされてましたか!どうぞごゆっくり!」
店員さんは去っていった。ふう......。
......ああああああ!やっちゃった!やっちゃったよアタシ!アタシはハルの背中に手を回して胸に顔を埋めて悶えた。
「リサ恥ずかしいんだけど...」
「アタシも恥ずかしいよぉ...」
「まあしょうがないよ、これは」
「そう...だね......」
なんかアタシハルに頭ポンポンされてるんだけど!?うぅ、なんかやっちゃったなあ。どうしよう......。
次は本屋に寄ることにしたけど、ハルは真っ先に小説のコーナーの所に向かった。何か買うのかな?アタシもハルの所についていくことにした。
「ハル何か本買うの?」
「実は今読んでる小説の最新刊が出てな」
「何の小説?」
ハルって普段なに読んでるのかな?ハルは顔を若干赤くしながら言った。
「......恋愛小説だよ」
「えっ?」
ハ、ハルが恋愛小説!?なんか意外だな~。
「そ、そうなんだ...。それって面白い?」
「面白いというか...。まあ泣けるかな。あと胸が苦しくなる」
「えっ、そんなに!?」
「そんな感じ。帰ったら貸してあげるよ」
「ありがと。後で読んでみるね」
ハルって色々と女の子っぽいところあるんだなあ。なんか意外な一面を知ったなあ~。友希那も知らない一面...、なんか得した気分だなアタシ。
この日からアタシはハルのことをもっと知りたいと思うようになり、なんとなくだけどハルを好きになりそうな気がした。
双子の兄妹ですが"まだ"付き合っていません
こっからリサのハルに対する想いがちょっとずつ変わります
ちょっとずつです
大事なことなので二回言いました
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