陽だまりの双子と恋のロードナイト   作:ネム狼

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苦悩は続く


冬の始まり、それぞれの想い

 オータムブライダル後、リサは積極的になってきた。積極的になったというより、甘える頻度が更に増えた。はぁ、誰のせいでこんなことになったんだよ。可愛いから許すけど……。

 

 そしてRoseliaは現在、クリスマスライブに向けて会議を始めていた。これは友希那が自分からやろうと言ったのだ。これにはリサも感動したようだ。成長したね、と涙を浮かべながら言った。

 

「さて、会議を始めるわよ」

「始めるのはいいが、どうするんだ?あと、リサくっつきすぎ」

「えぇーいいじゃんハルー」

「家帰ったらいくらでもくっついていいから」

 

 ああもう、こんなことしてるから紗夜が呆れてんじゃん。燐子は顔を赤くしながら両手であこの目を隠した。あれ見えないよーりんりん、とあこは言った。ごめんあこ、今のあこにはこんなリサは見せられない。ほんとにごめん。

 

 とりあえずセトリは決まった。友希那、すげぇ楽しそうだったな。はぁ、何かやりそうだなこの猫。言っておくが、俺は止めない。好きなようにやればいい、もう諦めてるし投げてるから。

 

 会議を終え、circleを出る。外が寒い、リサは首に俺が編んだ赤のマフラーを巻いていた。気に入ってるようで何よりだ。こんなに喜んでくれてると俺も嬉しくなってくる。

 

 

――さぁ、今月は何が起こるか……。""あのこと"も話さないといけない、問題は山積みだ。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 ハルと一緒に撮った写真を眺め、アタシはニヤリとした。口が緩んでしまう。ブライダルで撮った写真、ハルにお姫様抱っこされる所や一緒にカメラ目線になる所、何枚か撮ったけど、どれもお気に入りだ。

 

「はぁーやっぱりいいなぁ写真って。ハルカッコいいなぁ」

 

 やっぱり来てよかった。もう12月、アタシとハルが付き合って半年だ。時間が経つってこんなに早かったかな?

 

「……ハルはどう思ってるかな。アタシと付き合ってよかったって思ってるかな」

 

 兄と妹は結婚出来ない、これは事実で現実だ。避けようもなくて、越えられない壁、アタシとハルでは到底耐えられないものだ。このことはアタシの心に傷を残す、ハルも同じかもしれない。

 

 けど、アタシはそれでもいい。幸せであればそれでいいんだ。もう、手遅れなんだ。アタシとハルは後戻り出来ないんだ。

 

「こんなネガティブになってちゃ駄目だよね。よし、切り替えよう!気分転換に何かやろーと」

 

 アタシは気分転換にネイルを塗ることにした。気を紛らわしたい、今はこんなこと考えたくない。考えてると何かに飲まれそうで怖い。今はしっかりしないと!

 

 

▼▼▼▼

 

 

 俺は集中出来なかった。何故、ここまで考えるようになったか、もう一つ見落としていることがあるのでは、と俺は思った。結婚、これとまだある。それは何だ?

 

「あと何があるんだ?結婚と……もう一個、凄く大事なことなのに、何でわからないんだ?」

 

 これは俺とリサが今後付き合い続けるにおいて最も重要なことなんだ。俺の口では言うのが恥ずかしい、けれど思ってても口には出せない。今言えることは、俺とリサは何かを失っていない、それだけだ。

 

 顔が赤くなる。原因はわからないけれど、何故か赤くなってしまう。頭を冷やした方がいいか……。

 

「編み物やるか」

 

 編んでいよう、それで無心になろう。今は何も考えたくない。深く考えているとまた見落としてしまうかもしれない。

 

 しかし、編み物は何分も何分もやっても集中出来なかった。出来なかったというより、全く進まなかった。相当ヤバいな。

 

 駄目だ、寝よう。寝てれば落ち着く筈だ。俺は電気を消して布団に入った。自然と瞼が閉じる。こういう時は寝るに限るな。

 

 次の日、起きたら隣にはリサがいた。寝顔を覗きに来たのか、それとも起こしに来たのか、どっちなんだ?

 

「おはようハル、寝すぎだよ?」

「……おはようリサ、今何時?」

「11時、こんなに寝るなんて珍しいね。何かあったの?」

 

 いや、特に何もない。俺はリサの言うことを否定した。そうだ、何もない。何もないんだ。自分に言い聞かせながら否定する。今日は何もない。何もないけれど、リサと一緒にいると気まずく感じてしまう。

 

 こんなことを思うのは久しぶりだ。付き合う前と同じだ。心を押し潰されそうになっていたが、あの時よりも酷い。こうなったのは誰のせいだ?何が原因でこうなった?

 

 

ーー原因は俺と……リサなのか?

 

 

 確かに原因は俺とリサだ。そう、これだけは変えようのない事実だ。兄と妹、その関係であるにも付き合っている。犯した過ちは一つだけ、だが、このままだともう一つ罪を犯してしまうのではないか……。

 

 そんな想いが俺の頭の中をバラバラにしようとしていた。だが、そうなる寸前にリサに抱き締められた。ああ、またか。また、あの時のようになりかけてたのか、俺は……。

 

「ハル、大丈夫?様子が変だよ?」

「リサ、俺は……」

「今は言わなくていいよ。今は落ち着こうよ、ね?」

 

 リサの抱き締める力が強くなっている。ありがとうリサ。けど、時間がないんだ。俺とリサは決めなければならない。この先、どうするかを……。

 

 このまま別れて、半年続いた関係を無かったことにするか、または関係を続けて幸せになっていくか。だが、そこには更なる壁がある。更なる壁、それはーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー"肉体関係を持つ"という壁だ。

 

 




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