陽だまりの双子と恋のロードナイト   作:ネム狼

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契約を結ぶまであと24時間


契約の前日、聖夜にて青薔薇は舞う

 12月23日、クリスマスライブ当日。友希那が何故クリスマスイヴの前日をライブに選んだか、それはイヴだと客が来なさそうだからだ。俺はライブの準備、もといリハに立ち会った。リサの調子は良好……よし、順調だ。

 

 あの時、俺とリサは約束した。二人で初めてを捧げ合うって……。それも唇の方じゃない、言うのは恥ずかしいから言わない。今でも思う、本当にこれでよかったのか、と。

 

 いや、これでいいんだ。俺とリサが決めことなんだ。誰が何と言おうと変えるつもりない、例え母さんでも、父さんでも、Roseliaであろうと……。

 

「皆、今日は全力でいくわよ」

 

 友希那の一言が全員の士気を高揚させる。友希那はこのクリスマスに全てを賭けるつもりだ。このライブを成功させ、その後にリサと本当の契約を結ぶ。契約というより、呪いか。呪いの方が正しいよな。

 

 午後、青薔薇の聖夜の宴が始まった。開幕BLACK SHOUTか、最初から全力だ。俺は裏方でしかないが、ステージ裏は特等席だ。なんかファンには申し訳ないが、こればっかりは譲れない。ファンの皆、今回は許してくれ。

 

 次にR、更にLOUDER、いやいや、飛ばしすぎだろ。皆ノリノリだし、紗夜は隙あらばドヤ顔するし、燐子とあこはアイコンタクトするし、友希那は感情込めて気づかれずにニヤっとするし、そしてリサ、お前はチラッとこっちを見るのを止めろ。

 

 友希那から言われたが、ギターとベースを持ってきておいてって、明らかに何かあるよな?

 

ーーなんかこのライブ、何か仕組んでるような気がするんだが……気のせいだろうか……。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 アタシは今凄く気分がいい。本番前にハルにキスをしてもらったからだ。ここで詰まらなければいい、でも慢心したら駄目だ。ここで足を引っ張ったら台無し、だからハルに良いところを見せなきゃ!

 

 友希那は本番前にアタシに言った。ライブの終盤でハルを呼ぶ、と。友希那はハルにギターとベースを持ってきておいてとも言った。

 

 このクリスマスライブの本当の目的はアタシとハルのためだ。付き合って半年を迎えるということで、友希那が皆で祝いたいという友希那なりのクリスマスプレゼントなんだ。ここまでしてくれるなんて、アタシとハルは幸せ者だ。

 

 ありがとう友希那、紗夜、燐子、あこ。ここまでアタシとハルを祝ってくれて。アタシは想いを込めてベースを弾いた。ハル、見ていて。ハルに綺麗だって言わせるように頑張るね!

 

 シャルルが終わり、ライブは終盤に入った。そして、アンコールが客席から湧いてきた。いよいよだ、これがアタシとハルの初めてのデュエットだ。

 

「リサ、アンコールだろ?」

「うん、でもねハル、このアンコールはハルも来てもらうよ」

「へ?ちょ待て紗夜、何ギターを持たせてようとしてるんだ!?」

「陽希さん、湊さんからです。貴方がいなくてはアンコールは出来ない、とのことです」

「……それ言われたら何も返せないじゃん。何をやるんだ?」

「深愛と陽だまりロードナイトよ。ハル、やれるわね?」

 

 上等!やってやるよ、とハルは言った。これは引き下がれないね。さぁ、ハル楽しむよ!アタシは深呼吸をして心を落ち着かせた。さて、ノリノリで行こうかな!

 

 

▼▼▼▼

 

 

 まさかアンコールに行くなんてな。これが狙いだったのか、リサもグルってことは知らないのは俺だけか。サプライズのつもりだろうけど、後で説明してもらわないといけない。

 

「ハル、やれるよね?」

「やってやるよ。急遽だけど、外すなよリサ。ライブ終わったら話聞かせてもらうからな!」

「はーい!じゃあノリノリで行くよ!」

「ああ!」

 

 俺はRoseliaと共にステージに上がった。友希那が俺のことを紹介し、客席からは拍手を貰った。これあれだよな?

ファンクラブ出来たりしないよな?はぁ、終わってからの日常が怖くなってきた。

 

 俺はリサのパートを一緒に歌うという形でやることになった。ギターでしかもリハなしのぶっつけ本番、友希那にしては無理やりすぎる。俺が失敗したら台無しだった。

 

 そしてクリスマスライブは拍手喝采の中、終わりを迎えた。というか疲れた。リサは弾いてる途中で泣くし、俺は涙堪えるのに必死だったし、マジできつかった。

 

「ハル、お疲れ様」

「ああお疲れ様。さて、友希那。何故説明しなかった?」

「サプライズよ。ハルとリサのためのね」

「サプライズ?どういうことだ?」

 

 付き合って半年になるから祝いたかったのよ、と友希那は言った。皆も頷いている。リサも頷いていた。それなら言ってほしかったな。でも、友希那は音楽で気持ちを伝えたかった。それだけは分かる。

 

 こういう時って何て言ったらいいんだ?これじゃあ怒れないし、余計な事を言ったら失礼だし……。普通にありがとうでいいか。

 

「ありがとう皆、リサもありがとう」

「いやいや、言わなかったアタシも悪いよ。何かごめんねハル」

「誰も悪くねえよ。むしろ嬉しい」

 

 俺はリサの頭を撫でながら言った。嬉しいっていうのは本当だ。けど、やり過ぎだろ。俺は心の中で突っ込んだ。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 明日はクリスマスイヴだ。アタシとハルは皆と別れた後、ハルの部屋で寛いだ。明日のクリスマスイヴでアタシとハルは罪を犯す。そう、初めてを捧げるんだ。

 

「ねえハル、いよいよだ明日だね」

「あ、ああ……。何か実感が湧かないな。俺とリサは大人の階段を昇るんだよな」

「そうだね。ねえハル、キスしていい?」

 

 どうぞお好きに、ハルはそう言いながら目を瞑った。うわぁ慣れてる、準備が早いこと。アタシはハルに近づき、唇を重ねた。ドキドキする、キスだけなのに、未だに慣れない。もう何回もした。ハルにキス魔って言われるくらいに唇を奪った。

 

 アタシとハルはここまで来た。穢れてしまった、後戻りも出来ない。幸せになる時も死ぬ時も一緒だ。だからアタシは、ハルに全てを捧げよう。人生も、幸福も、全てを分かち合おう。

 

 

ーー双子は罪を重ね、禁忌を犯す。

 

 

ーー禁断の果実を食した時、二人は最大の困難を乗り越える。

 




聖夜の夜、双子は過ちを犯す
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