ではどうぞ
双子のホワイトデー、唇の味は甘酸っぱい?
ホワイトデーなのに、まさかリサとチョコを作ることになるなんて思わなかった。いきなりリサが「チョコ一緒に作ろうよ!」なんて言ってきたから焦ってしまった。
「今回はなに作るの?」
「今回はガトーショコラを作ろうと思ってるんだ」
「ガトーショコラなんだ!ハル大丈夫、作れるの?」
「やれるだけやってみるよ。リササポートよろしくな。後で一緒に食べような」
「うん!」
笑顔のリサ可愛いなあ。やる気が出てくるな。よし!ここはリサのために頑張ろう!
ホワイトデーなのに妹と作るってなんかおかしいような気がする。なんでリサは俺と一緒に作りたいって言ったんだ?
「リサ、何で一緒に作ろうと思ったんだ?」
「まあ単にハルと作りたいって思っただけだよ」
「そうか。でも今日はホワイトデーだぞ?ゆっくり休んでればいいのに......」
「アタシじっとしてるのは嫌だからさ。ハルと一緒に美味しいものを作れたらいいって思ったからさ」
リサってやっぱ世話好きなんだな。俺も人のことは言えないか。俺はシスコンだし、リサはブラコンだからな。よく考えたらお互い世話焼きだな。なんか嬉しいな。なんでだろう?
「リサ、頑張って作ろうな!」
「うん!ハルお互い頑張ろうね!」
リサのために頑張ろう!今日はとっておきのお返しをしないとな!
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ハルが張り切ってる。アタシも負けてられないな!ホワイトデーだからかな?こんなに張り切ってるの。アタシのためって思ってるかもしれない。こういう時のハルってかっこいいし、さすがのアタシもときめいちゃうよ!
実の兄なのにドキっとするなんて......。アタシってもしかしてハルに恋してるのかな?なんかわからないや。
「リサ、卵白とチョコ混ぜてるか?」
「うん、順調だよ!ねえハル、ちょっと味見していいかな?」
「構わないよ。俺も味見してみようかな」
アタシはボウルに入っているチョコをちょっとだけ小皿に移し、ハルと味見をした。口に含んだ味は甘くて溶けていきそうな味だった。あれ、アタシって案外混ぜるの上手いのかも。
「リサって混ぜるの上手だな」
「そうかな?アタシは普通にやっただけだよ」
「いや、なんていうかな......。なんかこう、大切な人のために愛情を注いでいるとかかな?」
「あ、愛情っ!?」
「そうだ。リサならいいお嫁さんになるよ。誰にも渡さないけど」
「ハ、ハル~っ」
アタシはハルの胸に顔を埋めて悶えた。アタシって毎回ハルの胸に顔を埋めて悶えてるけど、ハルっていい匂いするからどうしてもやっちゃうんだよね。これはハルからいい匂いがする、これが原因だよ!
「ハルのバカ!」
「ごめんリサ。頭撫でてやるから許して」
「いいよ、許す」
撫でられるだけで許すってアタシっていつからこんなにチョロくなったのかな?ハルのこと好きすぎだなぁアタシ。アタシがブラコンなのは仕方ないし、ハルがシスコンなのはしょうがないよ。
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俺とリサは互いにサポートしつつ、生地を作り、焼いてしばらく経ち、完成した。俺はついでにイチゴとバナナを切ることにした。
「あれ、ハル何切ってるの?」
「イチゴとバナナを切ってるんだ。チョコが余ったから一緒にしようかなって思ってな」
「それいいね!」
リサと一緒に作ったけど、どんな感じかな?リサは美味しいと言ってくれるかな?どういう風に喜んでくれるかな?頭の中がパニック状態になるくらいに俺は緊張していた。こんな状態になるのは久しぶりだな。どういう感想が来るのかは食べてみてからだ。
そんなことを考えていた時、果物を切っている間に指を切ってしまった。
「痛っ!」
「ハル、大丈夫!?」
「大丈夫。かすり傷だよ」
リサに心配を掛けたくない。正直言ってすごく痛いが、リサを泣かせたくない。とりあえず消毒しないと......。
「ハル、ちょっと指見せて」
「えっ、リサ何を......」
「すごい血出てるじゃん!ハル、駄目だよ。アタシに隠し事なんて通用しないよ!」
「ご、ごめん」
リサには隠し事はだめだったか。すっかり忘れてた。あれ、リサなにしようとしてんだ?
――しかしそれは突然のことだった。
「ハルごめん、ちょっと我慢してて!」
「えっ、リサなにを......」
「はむっ!」
リサは俺の血の出てる人差し指を口に入れた。えっ!?な、なにしてんだリサは......。しかも指舐められてるし。
「リ、リサ......恥ずかしいんだけど」
指に生暖かい感触がする。リサの舌だ。見てると指を口の中で舐めてるリサはサキュバスみたいな感じがしていて、艶やかで色っぽくて怖いくらいに惹きつけられそうだった。耐えよう、下手したら理性が崩れそうだ。リサってたまにセクシーなところが出るから、俺にとってはそれがすごく怖い。
「リサもういいか?」
「......ふう。うん、もう大丈夫だよ!ごめんねハル」
「いいよ。リサありがと」
俺は左手の指を舐められたので、右手でリサを撫でた。それにしても頭撫でられてるリサって可愛いな。この子が俺の妹っていうのが未だに信じられない。
もしリサが彼女だったらどんな感じになるんだろう?どんな恋愛をしていたんだろう?恋愛小説や少女漫画みたいな恋をしてたのかな?なんかこれじゃリサのことを妹として見れなくなるな。
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さっきのハルの顔可愛かったなあ。まさかアタシがハルの指を舐めるなんて思わなかった。自分でも何してるんだって思ったし、一度はやってみたかったなんてハルには言えない。
友希那や紗夜、燐子、あこにも見せたこともない普段のアタシ、ハルと二人きりになると甘えん坊になるなんて絶対に見せられないよ。
「リサ」
「何ハル?」
「返事遅くなったけどバレンタインの時はありがとな。それとこれからもよろしく」
「アタシこそよろしくだよ」
「こちらこそよろしくだ」
他の人からしたら「いい雰囲気だな」って思われるかもしれない。アタシとハルって今どんな感じかな?今のアタシ達って......。
――兄妹じゃなくて"恋人"みたいなのかな?
どうしよう......。ハルの唇を見てると胸が熱くなる。なんでかな?どうしてこんなにも胸が熱くなるのかな?アタシにはよくわからないけど、今にも引き寄せられてしまいそうだ。
「ハル」
「どうしたリサ?」
「な、なんでもない!」
「?」
アタシ何してるんだろう。なんでハルの唇に引き寄せられてるんだろう。このまま先に行くと元に戻れないような気がする。
アタシとハルは互いに見つめ合っていた。
もうアタシは我慢できなかった。ハルも顔を近づけている。ハル、近づけてるってことはキミも同じなんだね。
アタシとハルは自然と目を瞑り、唇を合わせた。
――アタシのファーストキス、ハルに捧げるよ。
たとえ兄妹だから駄目だって言われてもアタシはそれでもいい。ハルのことが好きなんだから。
ハルの唇はチョコの味がしたけど、甘酸っぱかった。さっきまで熱くなっていた心が静まってきた。ハルってこんなにも暖かい人だったんだなあ。アタシは恋人としてじゃなく、"兄妹"としてキスをしたんだ。
わからないって言われてもアタシにはそんなのは関係ない。好きな人にキスをすることに何が悪い、アタシはハルのことが好きだからこそキスをしたんだ。
――許してねハル。アタシって罪深い女の子だからさ。
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どうしてなんだろう。リサの顔や唇を見ていると、引き寄せられてしまう。抑えているのに、今にも理性が崩れそうだ。俺にとってリサは最愛の妹で、大切な女の子だ。でも大切なといってもそれは彼女としてではなく、"世界でたった一人の最愛の妹"という意味だ。
どうする?このまま俺のファーストキスをリサに捧げるか?なんで俺の心は苦しくなっているんだ?もう我慢できなさそうだな。ごめんリサ!
俺の唇はリサに引き寄せられていた。リサも同じだった。リサ、本当にいいんだな?どうなっても俺は知らないからな
俺とリサは自然と目を瞑り、引き寄せられるかのように唇を合わせた。
――リサ、俺のファーストキスあげるよ。
初めてキスをした。リサの唇は柔らかくて、とても甘かった。キスの感じってこんな感じなのか?初めてだからよくわからないな。俺はリサのことは好きだ。このキスは恋人としてではなく、"大切な妹"だからキスをしたんだ。
数分が経って俺とリサは唇を離した。それは短いようで長いような時間だった。リサはどう思ってるんだ?
「リサごめんな」
「えっ、なんで?」
「その、こんな形でキスしちゃってさ......」
「いいよそんなの!アタシ達は恋人じゃないけど、兄妹としてキスをしたんだよ!」
「でもそれは......!」
俺はリサに取り返しのつかないことをしてしまったんだ。こんな形でキスをしたのなら俺はリサに嫌われてもいい。もし嫌われたとしたら死んでしまいたいくらいに苦しくなるのかもしれない。
「アタシはねハル、ハルだからキスをしたんだよ?」
「えっ?俺だから......?」
「そう。ハルもアタシに引き寄せられたじゃん。アタシとハルも同じなんだよ」
「同じってそれでいいのか?」
「それでいいよ。ハル、大好き!」
リサは突然抱きついて来た。ホント俺の妹って可愛いな。俺はリサを抱き締めた。
「リサ危ないぞ」
「でもハル受け止めてくれたじゃん!」
「はあ、まあいいや。まあその......なんだ。リサこれからもよろしく」
「よろしくねハル!」
俺とリサは抱き合った。恋人ではないけど、俺とリサなら幸せになれると思う。
――リサ、絶対に幸せにするからな!
他の作品でも言いましたが、今回の話は
別の世界線です。あと、くっついてません。
ハルとリサは本編ではまだ付き合っていません。
感想と評価お待ちしてます