ということで初の誕生日回になります
八月二十五日。それは俺の妹にして彼女にして我がRoseliaのベーシストである今井リサの誕生日だ。
付き合い初めてから初の誕生日、プレゼントはどうしようかと俺は迷っていた。今までは友希那と話し合ったり決めていた。誕生日が同じであるため、リサとプレゼントを渡し合ったりもしていた。
「どうしようか、今年はスカーフ?それとも指輪?何がいいんだ……」
「ハル兄どしたの?」
「あこか。実はリサの誕生日プレゼントが決まらなくてな」
「リサ姉のプレゼントかぁ。私はりんりんと決めたから大丈夫だけど……。迷うよねぇ」
あこは燐子と決めたのか。何なのかはお楽しみだな。試しに俺の誕生日プレゼント聞いてみようかな?
「なぁあこ、俺の誕生日プレゼントって何?」
「それはハル兄でも教えないよ!お楽しみだよ。我が魔王からの……えっと……」
「贈り物……」
「そう!贈り物は楽しみにしているがいい!」
ん?待て!燐子お前いつからいたんだよ!怖いよ!何影を薄くしてスタンバってましたみたいな顔してんだよ。
「燐子、いつからいた?」
「最初から……いましたよ。気づきません……でしたか……?」
「ごめん気づかなかった」
「りんりん!フォローありがとね!」
おいあこ、何しれっと燐子がいたかのように話してんだよ。ホントこの二人相性いいよな。さすが廃人と魔王だ。
まぁ誕生日プレゼントを聞くのは不粋だったな。大抵の人は親に欲しい物を言う。中には内緒って言って教えてくれない時がある。それも悪くないか。
▼▼▼▼
アタシはハルの誕生日プレゼントをどうしようか迷っていた。去年はアタシにベースのピックをプレゼントして、アタシはハルにギターのピックをあげた。プレゼントにしては安い物だなって思ったけど、ハルはそれでもいいって言ってくれた。
今年は何にしようかとアタシはアクセサリーショップに行って選ぶことにした。友希那と紗夜も一緒に選んでくれるようだ。二人はまだ決めていなかったとのことだった。
「今井さん、プレゼントの方は決まりましたか?」
「全然決まんないよ~!ハルってどれが欲しいのか教えてくれなかったからさぁ」
「陽希さんならどんな物でも喜ぶと思いますよ」
紗夜はこう言うけど、そんなことを言われてもなかなか決まらない。一方の友希那は猫系の物を探している、何にするんだろう?
何にするのか聞こうとしたが、それは当日のお楽しみよ?と目をギラリと光らせるかのようにして言い、紗夜も微笑んで楽しみにしてて下さいね?と言った。そんなことをされたら気になっちゃうけど、楽しみにしておくかな。
友希那と紗夜で誕生日プレゼントを決めてアタシは家に帰った。とりあえずハルにバレないように隠そう、机の引き出しに入れておくのがいいかな。
ハルのプレゼントを机に入れた瞬間、隣からギターの音が聞こえた。久しぶりに弾いてるみたい、ハルの部屋に行こうかな。アタシはハルの部屋のドアをノックして部屋に入った。
「リサか、どうした?」
「ハル、ギター弾いてたんだ」
「まあな。リサと演奏したいなって思ったから久しぶりにな」
「それなら言ってよ。いつでもやってあげるから」
「口に出すのが恥ずかしかったんだ」
相変わらずハルは可愛い所があるな。わざわざ音でアタシを呼ぶなんて……
――可愛い彼氏だ。
アタシはそう思いながら自分の部屋からベースを持ってきてハルの部屋に戻った。何年ぶりかな、ハルと一緒に弾くのは……。二年ぶりかもしれない。
「それで何を弾くの?」
「陽だまりロードナイトかな。俺とリサ明日誕生日だろ?お祝いにどうかなぁと」
「お祝いにかぁ、ハルらしい!」
ハルは二人でデュエットをしたいと言った。アタシとハルは互いにアイコンタクトをして弾き始め、ハルが最初に歌い、そして次にアタシが歌った。
サビはアタシとハル、二人で歌い、二番も同じように歌った。友希那のパートをハルが、ソロパートはアタシが歌い、最後は互いに向き合って同時に言い合った。
陽だまりロードナイトを歌い終えたアタシ達は楽器を置いて互いに抱き合った。何て言うんだろう、こそばゆい、そんな感じがする。二人で向き合って歌っていたからまるで話をしているようにも感じた。
「ハルくすぐったいよ」
「俺もだよ。まさか抱き合うまでやること同じって凄いな」
「そうだね。なんか奇跡みたいだね」
「そうだな」
そう言ってハルはアタシの頭を撫で始めた。久しぶりにハルと一緒に歌ったけど、心が一つになってる感じがする。
明日はアタシとハルの誕生日だ。このデュエットは正に前夜祭と言っていい、明日が楽しみだ。
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そして俺とリサの誕生日の日が迫った。今日は練習は休みにして誕生日を祝おうということになった。
前は友希那と祝っていたが、今年はRoseliaの皆と祝う。昔とは大違いだ。ケーキは紗夜達が作ってくれたようで、味は絶賛だったようだ。
友希那はその際にバースデーソングをノリノリで歌い上げ、燐子とあこに至ってはおめでとにゃんと誰かが仕組んだかのようなことまでやりやがった。その瞬間に友希那は数秒昇天、仕組んだのは友希那だった。お前は燐子とあこに何をさせようとしてんだ……。
ケーキを食べ終えた後、リサはピアス、俺はチョーカーを貰った。ピアスは友希那と紗夜、チョーカーはあこと燐子が選んだらしく、それぞれで話し合って決めた、とのことだった。
お祝いを終えた俺とリサは部屋で寄り添い合って休むことにした。今日は疲れたな。まさか紗夜がケーキを作るって提案していたなんて予想してなかったな。
「そういえばハル」
「なにーリサ?」
「まだ貰ってないよね?」
「何をだ?」
貰ってない?貰ってないとは何のことだろう。まぁわかってはいるけど、もう少し遊んでみるか。リサはわかってて聞いてるだろうけど、ここはわかってないフリをするかな。
「プレゼントだよ。アタシから貰ってないでしょ?」
「そうだっけ?」
「そうだよ!知らんぷりしても無駄なんだからね!」
リサは頬を膨らませて言った。自分で言うのもなんだがやっぱり似てるな。俺も一回頬を膨らませた顔を鏡で見たけどリサの顔を見るとよく似ている。やはり双子は凄いなぁと俺は感心した。
知らんぷりしてたら本当に貰えなくなるかもしれない。それだけはさすがに死にそうになるからやめようか。
「ごめんごめん。リサが可愛いかったから知らんぷりしちまった、ごめんな」
「か、可愛かったって……。そんなこと言うのは反則だよハル」
「事実だろ。二人でプレゼント出し合わないか?」
今回はお互いに渡し合うということをリサに伝え、リサはそうしよう!と笑顔で言った。笑顔が眩しいんだが気のせいだろうか……。
リサは部屋から出てプレゼントを取りに向かった。楽しみだ、どんな物が渡されるんだろう。どんな物か考えるだけでも心が弾む。リサが来るのを待つとするか。
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「お待たせ!」
「早かったな。じゃあ渡すぞ、誕生日おめでとうリサ」
「ありがとう。楽しみアタシも渡すね。誕生日おめでとうハル!」
アタシとハルは互いにプレゼントを渡し合った。プレゼントを開けると、中には黒いスカーフが入っていた。これってアタシが欲しかったスカーフじゃん!ハル、覚えててくれたんだ。
「ハルこれって……」
「リサ欲しそうに見てただろ?俺がこっそり買ったんだ。リサに絶対に似合うって思ったから……」
「ありがとハル、嬉しい!」
アタシは嬉しさのあまりハルに抱き着いた。やっぱりハルはアタシにとって最高の彼氏だ。凄く嬉しかった。涙が出そうなくらいに嬉しかった。
「ちょリサ!落ち着けって!」
「これでも落ち着いてるよ。本当にありがとうハル」
「ま、まぁそのなんだ……。どういたしまして」
ハルは照れながら言った。顔は見えなかったけど、照れてる感じがするのは伝わった。
ハルからも開けていいかと聞かれ、アタシはいいよと言った。アタシがハルに渡したプレゼントは指輪だ。アタシとハルのペアルックだ。
どうしてペアルックにしたのかと聞かれ、愛の結晶という想いを込めて選んだんだよと答えた。ハルと離れたくない、ずっと一緒にいたいからとアタシは思ったことをハルに伝えた。
「離れたりはしない。俺がリサから離れると思ってるのか?」
「そんなこと思ってないけど、不安だよ」
「不安に思わなくてもいい。俺とリサは兄妹だけど付き合ってることに変わりはないだろ?それにさ、この指輪は俺とリサを結ぶ証だと俺は思うんだ」
ハルはアタシの手を握って言った。駄目だ、涙を堪えきれない。ハルが優しすぎる。もう兄とは思えない。もしアタシがハルの妹じゃなかったら結婚したくなる、そのくらいにハルは優しかった。
「そういえばリサ、俺の指いつ測ったんだ?」
「そりゃあね、ハルが寝てる時だよ?」
「そ、そうか。てか何寝込み襲ってんだよ!」
「襲ってないよ!」
それからは二人して襲っただの襲ってないだのと言い合い、最後はお互いに笑い合った。こうしているだけなのにアタシの心は暖かいなぁとそんな感じがした。
――ああ、神様。こんな罪深い妹と罪深い兄を結んでくれてありがとうございます。
――どうかいつまでも見守っていて下さい。
いい最終回だった
というわけでリサ誕生日回でした
文章滅茶苦茶な所ありましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます