久しぶりの本編更新です。
勉強会開始になります、どうぞ。
時期は5月下旬。この時期になってくると中間試験が訪れる。これは俺達学生にとっても大事な事であり、結果によっては補習や補習を免れる者に分かれてくる。
「じゃあ来週から試験だから気を緩めないように。しっかりと復習しておくようにな!」
隣を見ると、友希那の顔が青ざめている。はあ、これは勉強会をしないとやばいな......。
「友希那顔青ざめてたが大丈夫か?」
「だ、大丈夫よ......」
「言っておくが、音楽に勉強は必要ないわ!とかはなしな」
「ハル、なんで言おうとしたことがわかったの?」
「友希那なら絶対に言うだろうと思ったからだ」
友希那が黙り込んだ。はあ、本当に大丈夫なのか?燐子と紗夜は大丈夫だと思う。あとはあこも問題だ。あこはリサに任せるのがいいかもな。
来週から中間試験のため、練習は各自個人練になった。燐子と紗夜は土日なら一緒にできるということになり、俺は友希那を、リサはあこを教えるという形になった。今は俺の家で勉強会をやることになったのだが......。
「友希那、この方程式はわかるか?」
「いいえ、全くもってわからないわ」
「あこ、これはわかる?イギリスとロシアとフランスが結んだのは何かな?」
「えーと、英露仏同盟!」
――あこと友希那は壊滅的にやばかった。
あこは全部というかなり、いやガチでヤバい状況だった。もうこれリサだけじゃまずいかもな。ここは俺も教えてあげるしかないな。あとは友希那だが、なんと友希那も全部ダメだという。現代文と英語ができないって、お前作詞やっててなんでできないんだよ。
「友希那さすがにヤバいぞお前」
「できなくても問題ないと思うけど。私は音楽だけできればいいわよ」
「友希那。それだと留年するからホントにやめてくれ!フェスどころじゃなくなるから!」
頼む友希那。そこで見栄を張らないで素直にわからないって言ってくれ!はあ、なんか胃がキリキリしてくるんだけど、気のせいか?
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まさかあこがここまでヤバいなんて思わなかった。これはもう最悪ハルにも助けを求めた方がいいかもしれない。アタシがヤバくなったらにしよう。今助けを求めちゃうとハルが死んじゃうかもだから。
「あこ、それはね三国協商ね」
「三国協商?」
「そう。でも今やってる問題は第一次世界大戦についての穴埋めだから覚えれば大丈夫だから」
「なるほど。じゃあ覚えればいいってことだね!」
あこ、本当に大丈夫かな?たまーに中二?っぽいことを言うときがあるからそれと混じっちゃいそうで怖いなあ。
「あこ、家ではどう勉強してる?」
「家だとわからないところはおねーちゃんに聞いてるよ」
「巴に聞いてるんだね、わかった。じゃあわからないところはアタシが教えていくよ」
「ホント?ありがとリサ姉!」
あこは喜びながらアタシに抱きついた。なんか妹ができたみたいだ。嬉しすぎてニヤケそうになっちゃったよ。ヤバい、ヤバい。
友希那も苦戦してるけど、ハルが必死に教えてるから大丈夫みたいだ。よし、アタシもあこが合格できるように頑張らなきゃ!
「ねえリサ姉」
「なにあこ?」
「リサ姉は普段どうやって勉強してるの?」
「アタシはハルと一緒にやって、わからないところは互いに教え合ってやってるよ」
そう、アタシとハルは互いにフォローし合っている。ハルは理数系が得意で、アタシは現代文や社会、英語を得意としている。二人共苦手なところが対になってるから教えやすいし、アタシもハルと勉強をやるのは楽しいからね。
――まさに一石二鳥だね!
「へえ、すごいねリサ姉とハル兄」
「そんなことないよ。ハルもアタシも二人で教え合いながら勉強してるだけだから」
「でもすごいよ!なんだろう......。"恋人"みたいだね!」
......え?あこ今何て言ったの?恋人?アタシとハルが?いやいや、そんなことないよ!ってあれ、なんでかな。なんか顔が熱いんだけど、なんでなの!?
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「っ!?」
「ハルなにかあったの?」
「い、いや、なんでもない!続きをやろうか!」
「ええ」
危ない。友希那に感づかれそうになった。今あこがすごいこと言ったけど、聞こえてるんだけどなあ。俺とリサが恋人って......。いや、そんなことはないと思うんだけどなあ。
俺とリサが恋人かあ。もし付き合うとしたらどんな感じになるんだ?全く想像できない。
「ハル大丈夫なの?耳が赤くなってるわよ?」
「えっ、耳?赤くなってるってなんでなんだろうな!」
「今日のあなた変よ。本当に大丈夫なの?」
「だ、大丈夫だよ!さあやろう」
隠さないと!耳どころか頭の中もおかしくなってきてる。今日の俺どうしちまったんだ!?
時は過ぎて中間試験は終わりを迎えた。あこは無事合格し、友希那はギリギリだったが、なんとか合格できた。燐子も感動し、紗夜もほっと胸を撫で下ろして安心したようだ。ふう、なんとかなったな。
2週間ぶりの練習を終えての夜、練習で久しぶりにベースを弾いた。指弾きは慣れてるから俺は大丈夫だが、リサは女の子だから指のケアは欠かさずやっておかないと、指を傷つけてしまう。
「ねえハル」
「なにリサ?」
「先週あこが言ってたことって覚えてる?」
ここでその話はしない方がいいんじゃないか?顔赤くなってるし、表情も暗い。
「覚えてるよ。どうしたんだ?」
「その......。もしもだよ?アタシ達が恋人同士だったらさどうなってるのかな?」
「それは、なんだろうな。想像できないな」
「えっ、想像できないの!?」
うん、全くもって想像できない。だって俺とリサが恋人って......。俺にはハードルの高い質問で答えが出せないよ。
「まあ想像できないよ。さすがにそれは聞いたことがないし、それに俺とリサは双子の兄妹だぞ?」
「そうだけど......」
「とりあえずこの話は、答えがわからない。それなら二人で考えよう。どんなものかはわからないけど、そのうちわかると思うんだ」
「根拠はあるの?」
「ない!」
根拠はないに決まってる!少しずつ答えを探して、それで考えていこう。まだわからないんだ。あれ、恋愛小説にもあったような気がするなこの話。気のせいか?
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指のケアが終わり、アタシはハルに抱きついて休んでいる。ハルはどう思ってるんだろう?あこがあんなこと言ったけど、ハルの言う通り考えてもわからなかった。
「リサ髪くすぐったいんだけど」
「いいじゃん☆今はこうさせてよ!」
「わかったよ。好きにしてくれ」
今の状態はハルがベッドに寝ててアタシはハルの背中に腕を回して抱きついて足を絡めている状態だ。アタシの髪の毛がハルの鼻に当たったのはこれが原因だ。
「ハル、これから毎日甘えてもいい?」
「構わないよ。リサが甘えてくれるなら大歓迎だ」
「ありがとハル!」
「やめろ、首筋にキスするなって。キスマークは付けるなよ?」
「付けないよ♪」
この時間はアタシにとってゆっくりできる貴重な時間だ。もしアタシに兄がいなければどうなっていたんだろう?
あまり考えたくない。アタシとしてはハルが居てくれるだけでも充分だし、ハルが居てくれたから今のアタシが居るんだから。それに......。
――恋というものに憧れを持てたんだから......。
これにて終了です。
あこの爆弾発言でリサとハルはこれから恋愛について考えていくようになります。
こっからちょっとだけ進展しました。
感想と評価お待ちしてます。