心を閉ざした少年と少女   作:お風呂場の蓋

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第2章 幻想郷での自分
第14話 たまには休みでも


夜見「ふわぁ、そろそろ朝か?」

 

夜見は目を覚まし、執事服から黒い服に着替え始めた。

 

夜見(そういえば制服、返して貰わないと いや、そもそも執事服を洗って返さないと)

 

そんなことを考えて着替え終わると、扉が開いた。

そこには、サードアイが開いたこいしが立っていた。

 

こいし「お兄ちゃん、パジャマ...じゃなかった、服を回収しに来たよ♪」

 

夜見「あぁ、いつもありがとう」

 

そう言って執事服を渡すと、こいしは嬉しそうな顔をしていた。

 

こいし「えへへ、どういたしまして」

 

そして夜見は思い出す様に言った。

 

夜見「あぁ、そういえば、こいしさん」

 

こいし「ん?どうしたの?」

 

そして夜見は、夜中の時のことについて聞いた。

 

夜見「風邪は大丈夫か?咳とかは出てないか?」

 

すると、こいしは顔を赤くした。

そしてこいしは少し俯いた。

 

こいし「だ、大丈夫、だよ」

 

夜見「本当に?少し顔、赤いけど?」

 

夜見の手が、こいしの額に触れると、こいしは更に顔を赤くした。

 

夜見「やっぱり少し熱いな、寝てた方が「だ、大丈夫!大丈夫だから!」

 

そう言ってこいしは、どこかへ走って行った。

 

夜見(風邪...じゃないのか?)

 

そんなことを思っていると、さとりが部屋から出てきた。

 

さとり「黒夜さん、おはようございます」

 

夜見「あぁ、さとりさん、おはよう」

 

そしてさとりは、夜見に質問をした。

 

さとり「...さっき、こいしが走って行きましたよね?」

 

夜見「あぁ、なんか急にな」

 

そこで夜見は、あることに気付く。

 

夜見「そういえば、こいしさんの心の声って、さとりさんに聞こえるのか?」

 

するとさとりは、こう返した。

 

さとり「えぇ、こいしが心を開いてる時は聞こえますが?それがどうかしたのですか?」

 

夜見「じゃあ、こいしさんはさっき、どう感じていたかわかるか?」

 

するとさとりは、少し悩んだ表情で言った。

 

さとり「...それは、ちょっと」

 

夜見「あぁ、言いにくいならいいんだ、別に」

 

さとり「えぇ、すいません」

 

夜見「いいよ、別に今すぐに聞きたいわけでもないしさ さて、朝食の準備をしよう」

 

さとり「えぇ、そうですね」

 

そして夜見とさとりは、キッチンで朝食の準備をし、隣の部屋へ運んだ。

しばらく待っていると、皆が集まってきた。そして皆で食事を始める。

 

夜見・さとり・こいし・燐・空「いただきます」

 

そして食事を始めると、さとりが夜見に話しかけた。

 

さとり「そういえば黒夜さん、1つお願いがあるんですが」

 

夜見「ん?なんだ、おつかいか?」

 

するとさとりはこう言った。

 

さとり「いえ、その逆です 今日はお仕事を休んでください」

 

夜見「...え?」

 

夜見は、さとりの言ったことを理解できなかった。

そして夜見は、さとりに聞いた。

 

夜見「えっと...なんでだ?さとりさん」

 

すると、さとりは言った。

 

さとり「黒夜さん、仕事をしてくれるのは嬉しいですけど、たまには休みをとって散歩でもしてください そうじゃないと、体がもたないですよ?」

 

それを聞いた夜見は、納得した。

 

夜見「まあ、確かに体は大事にしないとな じゃあ、今日は休むか」

 

するとこいしが、さとりに聞いた。

 

こいし「ねえ、お姉ちゃん 私、お兄ちゃんと散歩に行きたい」

 

さとり「だそうですが、黒夜さん 大丈夫ですか?」

 

するとさとりは、夜見に話を振った。そして夜見はこいしに言った。

 

夜見「まあ、別にいいよ 1人で散歩するのもあれだしな」

 

こいし「えへへ、やった」

 

そして夜見はこいしと散歩することが決まり、食事を終えた。

 

夜見・さとり・こいし・燐・空「ごちそうさま」

 

そしてこいしと燐と空は、部屋を出ていった。さとりは食器を片付け始めたが、夜見も手伝った。

 

さとり「え?いいですよ、黒夜さんは」

 

夜見「いいんだ、今日は休みだから」

 

さとり「そうですか、ありがとうございます」

 

そして夜見とさとりはキッチンに食器を持っていき、夜見が食器を洗い始めた。

するとさとりは、夜見に聞いてきた。

 

さとり「ところで、黒夜さん」

 

夜見「ん?どうした?」

 

するとさとりは、夜中のことについて聞いてきた。

 

さとり「夜中帰ってきた時に、一瞬だけですが、黒夜さんの心の声が聞こえたんですよ」

 

夜見「あぁ、言ってたな それで?」

 

さとり「その、今は心が読めないんですよ」

 

夜見「そうか、つまり俺の心が一瞬開いたってことか?」

 

さとり「はい、そう言うことですね」

 

すると夜見は、考え始めた。

 

夜見(つまり俺は、心を閉ざしてるってことか? でも、なんでだ?別に心を読まれても困ることはないんだけどな)

 

そう思っていると、キッチンの扉が開いた。そこには、こいしがいた。

そしてこいしは、夜見に近付いてきた。

 

夜見「こいしさん?どうかしたか?」

 

ちょうど夜見は食器を洗い終わったので、夜見は手を洗って、手を手元にあった布で拭くと、こいしは抱きついてきた。

 

こいし「...」

 

夜見「なんだよ、どうしたんだ?」

 

そして夜見は、こいしの頭を撫でた。すると、さとりは驚いたように言った。

 

さとり「え?黒夜さんの心が読める?」

 

夜見「ん?本当か?」

 

さとり「え、えぇ」

 

どうやら、さとりは今なら夜見の心を読めるようだった。そしてこいしは、上目遣いで夜見に言った。

 

こいし「...お兄ちゃん、早くお散歩に行こう?」

 

夜見「そっか、じゃあ行こうか さとりさん、行ってくるよ」

 

そう言って夜見とこいしは、キッチンを出ようとした。しかし、さとりに呼び止められた。

 

さとり「あ、黒夜さん 一応お金を渡しておきますね」

 

さとりはそう言って、夜見に小さな袋を渡してきた。それを夜見は受け取ると、さとりにこう言った。

 

夜見「ありがとう 夕食には帰るよ」

 

そして夜見とこいしはキッチンから出た。夜見は自分の部屋で仮面と白いマントを身に付けていると、こいしは後ろから服を引っ張ってくる。

 

こいし「お兄ちゃん、早く」

 

夜見「わかってるよ ほら、行こうか」

 

そして夜見とこいしは手を繋いで、地霊殿を出た。

2人は旧地獄街道を歩いていると、周りはひそひそと話をしていた。

 

夜見(まあ、噂はそうそう消えないか)

 

そして夜見はこいしの方を見ると、こいしはこちらを見て、首を傾げた。

 

こいし「どうしたの?お兄ちゃん」

 

夜見「いや、なんでもないよ」

 

こいし「そう?でも、なんかお兄ちゃんを見てひそひそしてるね」

 

どうやらこいしも、周りがひそひそ話していることに気付いていたようだ。

そして夜見は、うっすらとこんな声が聞こえた。

 

?「おい、見ろよ 人間と妖怪がよ」

 

?「あぁ、本当だ まったく気味が悪い」

 

どうやら周りは、夜見とこいしが2人で歩いていることが不思議なのだろう。そして夜見とこいしは、そのまま地上へと出た。

地上は快晴で、森の中でも日が眩しかった。

 

夜見「うっ、日が眩しい」

 

こいし「ほら、早く早く♪」

 

夜見「うわっ、待ってくれ」

 

そして夜見はこいしに手を引かれながら、森の中を進んでいった。しばらく進んでいると、少し開けた場所に出た。

そこは、ほぼ円形に木が生えておらず、上からは日が射していた。

 

夜見「お、おい、待ってくれって」

 

こいし「ふふ、お兄ちゃんが遅いからいけないんだよ♪」

 

夜見「はあ、悪かったよ」

 

こいし「ふふ、わかればよろしい」

 

そう言うと、こいしはやっと止まった。夜見は別に疲れているわけではないが、一旦座り込んで仮面を外し、フードを後ろに下げて休憩をした。

 

夜見「ふぅ、ここは日が当たって気持ちいいな」

 

こいし「そうだね」

 

こいしはそう言って、夜見の隣に座り込んだ。そしてこいしは、夜見に寄りかかり、サードアイはこちらに向いてきた。

 

こいし「ん~♪」

 

夜見「どうした?こいしさん」

 

こいし「ふふ、お兄ちゃんといるとね、幸せな気持ちになれるの」

 

夜見「...そうか、嬉しいな」

 

そう言って夜見は、こいしの帽子を取って頭を撫でる。するとこいしは少し照れている様子だった。

 

こいし「えへへ、嬉しいな ねえ、ぎゅーってして」

 

夜見「はいはい、わかったよ」

 

そして夜見はこいしを抱き締めると、こいしも夜見を抱き締めた。そしてこいしは、夜見に聞いてみた。

 

こいし「ねえ、お兄ちゃん お兄ちゃんから見て私は、どんな人?」

 

夜見(どんな人?うーん、そうだなぁ)

 

夜見は悩んだ挙げ句、こんな答えを出した。

 

夜見「甘えん坊な妹、かな?」

 

そう言うと、こいしは嬉しそうだった。

 

こいし「ふふ、じゃあ、お兄ちゃんは私のお兄ちゃんってことだね♪」

 

夜見(ん?あぁ、こいしさんの兄って話ね)

 

そんなことをしていると、背後の草むらがガサリと音を立てた。

 

こいし「...ね、ねえ、今さっき」

 

夜見「わかってる、大丈夫だよ」

 

そして夜見は仮面を被った瞬間、音を立てた正体が出てきた。

 

チルノ「ほら、遅いよ!大ちゃん!」

 

大妖精「待ってよ、チルノちゃん」

 

ルーミア「早くするのだー」

 

大妖精「ルーミアちゃんまでー」

 

妖精2人と妖怪が1人現れた。するとチルノ達はこちらに気付いた。

 

チルノ「ん?あ、あいつ!」

 

大妖精「え、だ、誰?」

 

ルーミア「んー?誰だー」

 

夜見「...なんだ、お前達か」

 

そう言って夜見は、こいしを離して立ち上がり、仮面を外した。そしてこいしは、夜見の後ろに隠れた。

すると大妖精とルーミアは、自分が誰だかわかった様子だった。

 

大妖精「あ、黒夜さんだったんですね」

 

ルーミア「おー、黒夜だー」

 

チルノ「ん?誰だ!そいつ!」

 

チルノがこいしを指差すと、こいしはビクッとした。そして大妖精がチルノを落ち着かせ始めた。

 

大妖精「ちょっと、チルノちゃん落ち着いて 怖がってるよ」

 

チルノ「ふふん、あたいの恐ろしさがわかってるようだな」

 

しかしチルノを落ち着かせるのは、どうやら無理そうだった。そして夜見はチルノ達に聞いた。

 

夜見「なぁ、何故お前達はここに来たんだ?」

 

その質問には、大妖精が答えた。

 

大妖精「えっと、私達、いつもここで遊んでるんです」

 

チルノ「今日はかくれんぼだ!」

 

ルーミア「かくれんぼなのだー」

 

夜見(ふーん、なるほど そうだ、いい機会だし)

 

そして夜見はこいしの方を向いて、しゃがんでこいしに言った。

 

夜見「ほら、こいしさん 一緒に遊んでって言ってきな」

 

こいし「え?で、でも、私」

 

夜見「大丈夫、ほら、頑張って」

 

笑顔でそう言うと、こいしは元気よく返事をした。

 

こいし「う、うん!」

 

するとこいしは、チルノ達の前に出た。そしてこいしは、チルノ達にこう言った。

 

こいし「わ、私、古明地こいし、その、一緒にあ、遊ぼう?」

 

するとチルノが、こう言った。

 

チルノ「じゃあ、4人でかくれんぼだー!」

 

するとこいしは、少し嬉しそうな様子だった。それを見た夜見は、安心した。

 

夜見(さて、俺は少し様子でも見てるか)

 

そして夜見は、近くの木にもたれ掛かって4人の様子を見ていた。しばらく何かを話していると、こいしがそばに寄ってきた。

 

夜見「どうした?こいしさん」

 

こいし「お兄ちゃんも入れて遊ぼうって」

 

すると夜見は、手を横に振った。

 

夜見「いや、俺はいいよ 4人で遊んできな」

 

しかしこいしは、首を横に振った。

 

こいし「やだ、お兄ちゃんも一緒に遊ぶの」

 

夜見はこの時点で、遊ぶと言うまでこいしは引かない気がした。そして夜見はため息をついて言った。

 

夜見「...はあ、わかったよ 一緒に遊ぶか」

 

こいし「えへへ、じゃあお兄ちゃんが鬼だよ」

 

すると4人は、一斉に周りの森へ入っていった。しかし遠くに行くと危ない為、夜見は空気中の血をドーム状にばらまいた。

 

夜見(まあ、これで大丈夫だろ さて、数えるか)

 

そして夜見は、その場で目を瞑って10数えた。数え終わると、夜見は大きな声で言った。

 

夜見「も~いいか~い?」

 

しかし周りから、返事は無かった。

 

夜見(いいってことでいいのか?あまり遠くには行ってないから、まあ大丈夫だろ)

 

そして夜見は、隠れた4人を探しに行った。といっても、夜見は血をばらまいた時点で大体の4人の位置はわかっていた。

だから夜見はあえて、誰もいない方向へ向かった。

 

夜見(さて、しばらくここでうろうろするか)

 

そして夜見は、わざと誰もいないところで4人を探した。そして夜見は、だんだんと違う方向へ向かった。

 

夜見(さて、ここら辺に1人いるはず といっても、どこにいるかな)

 

そして夜見は草むらを探すと、スカートの裾が少し見えた。

 

夜見(あ、いた)

 

そして夜見は、草むらに隠れた人物を持ち上げた。

 

夜見「ほら、こいしさん 見つけた」

 

こいし「わっ!えへへ、見つかっちゃった」

 

こいしは1番に見つかったのに、何故か嬉しそうだった。そしてこいしを下ろすと、こいしは手を繋いできた。

 

こいし「じゃあ、残りの人を探さないとね♪」

 

そして夜見は、こいしに手を引かれながら森の中を歩いた。

 

しばらく歩いていると、夜見は木の陰に誰か隠れたのが見えた。しかし、こいしは気付いていない様子だった。

 

こいし「ん~、どこだろう?」

 

夜見「さあな、木の後ろとかも確認した方がいいんじゃないか?」

 

夜見がそう言うと、こいしは木の陰を探し始めた。

 

こいし「そうだね、ここは?いないかぁ」

 

そしてこいしは、木の陰を次々と探すと、1人見つけたようだった。

 

こいし「いた!大妖精ちゃん見つけた!」

 

大妖精「きゃっ!見つかっちゃった」

 

夜見(楽しそうでよかった、さてと)

 

すると夜見はこいし達にばれないように、森の奥へと入っていった。そして夜見は、ある人物に呼び掛けた。

 

夜見「なんだ?心配で見に来たのか?」

 

すると、木の陰からある人物が出てきた。

 

燐「いや、さとり様が心配してたから仕事ついでに寄っただけ」

 

その人物は、黒い猫車(手押し車)を押していた燐だった。

 

夜見「まったく、さとりさんも心配性だな」

 

燐「でも、自分の妹を心配しちゃうのは仕方ないでしょ?」

 

夜見「ま、それもそうか」

 

そして夜見は、木に背中からもたれ掛かった。

そして燐は聞いてきた。

 

燐「それで、どうだい?こいし様の様子は?」

 

夜見「楽しく遊んでる、心配はいらねぇよ」

 

燐「そうかい?まあ、黒夜さんがいるから心配いらないか じゃあね、仕事に戻るよ」

 

夜見「そうか、それじゃあ」

 

そして燐はどこかへ飛んでいき、夜見はこいし達の元へ戻った。

 

こいし達の元へ戻ると、いつの間にか1人増えていた。それはルーミアだった。おそらく、見つかったのだろう。

そしてこいしはこちらに気付いた。

 

こいし「あ、お兄ちゃん!もう、どこに行ってたの!?」

 

しかしこいしは、少し怒っている様子だった。

 

夜見「いや、あっちに誰かいると思ったんだけどな 気のせいだったよ」

 

こいし「心配したんだから!まったく」

 

夜見「悪かったよ、ごめんな」

 

そして夜見は、こいしの頭を撫でると、こいしは機嫌を直した。

 

こいし「次は、許さないから」

 

夜見「わかったよ、それにしても、ルーミアさんが見つかったのか」

 

夜見がそう言うと、大妖精が説明をした。

 

大妖精「さっき、あそこの草むらで見つけたんです」

 

ルーミア「うー、見つからないと思ったのに」

 

こいし「私が見つけたんだよ!お兄ちゃん」

 

夜見「そうか、じゃあ、あとは1人だな」

 

そして夜見達はチルノを探す為に、森の中を歩き回った。しかし、なかなかチルノの姿を見つけることが出来なかった。

 

こいし「う~ん、いないなぁ」

 

ルーミア「どこだー?チルノはー」

 

大妖精「なかなか見つかりませんね」

 

夜見(まぁ、森の中にいたら見つからないのは当たり前だな)

 

しかし夜見は、チルノがいる場所については大体わかっていた。

 

夜見(あいつだけ森の上で飛んでるんだ さて、どうやってこいしさん達に伝えるかな?)

 

すると夜見は、あることに気が付いた。

 

夜見(なっ、あいつ、遠くに行きやがった!)

 

すると夜見は、空気中の血を集めて血の翼を作った。

そしてこいし達は、その様子に驚いていた。

 

こいし「お、お兄ちゃん!?どうしたの!?」

 

大妖精「く、黒夜さん!?」

 

ルーミア「どうしたのだー?」

 

そして夜見は、こいし達に言った。

 

夜見「ちょっと、探してくる みんなは最初の場所に戻っていてくれ」

 

夜見はそう言い残して、空へ羽ばたいた。

 

夜見(あいつは、あっちか)

 

夜見はチルノが遠くに行った瞬間に、血の1部をチルノに付けた為、どこにいるかはすぐにわかった。

しばらく飛んでいると、チルノの姿が見えた。

 

夜見「おい!チルノさん!止まれ!」

 

チルノ「わあっ!?ば、ばれた!」

 

そしてチルノは何故か、更に加速して飛んでいく。夜見も負けじと飛ぶ速度を上げるが、なかなか追い付けなかった。

 

夜見(くそっ!やっぱりもともと飛べる妖精には歯が立たない!)

 

すると夜見は血を操り、長いロープのような物を作り出した。そして夜見はそのロープの端を、チルノに向かって投げた。

するとそのロープは、チルノの体に巻き付いた。

 

チルノ「な、なんだこれ!?離せー!」

 

夜見(ふぅ、ギリギリ届いた)

 

チルノ「このー!はーなーせー!」

 

そして夜見は、じたばた暴れるチルノを引いて、こいし達のところへ戻った。

 

そして夜見は、こいし達のところへたどり着くと、チルノに巻き付いていたロープを分解した。

 

こいし「お兄ちゃん、見つけたんだ」

 

夜見「あぁ、なんとかな」

 

チルノ「くそー、もう一度だ!もう一度かくれんぼだ!」

 

そしてチルノは、もう一度かくれんぼをしたいと言い出した。夜見は、今度こそ見てるだけでいようと思ったが。

 

こいし「じゃあ、最初に見つかった私が鬼だね お兄ちゃん、絶対に見つけるから♪」

 

どうやら、諦めるしかないようだった。

そしてこいしは、木に腕を置いて目を伏せた。

 

こいし「い~ち、に~、さ~ん」

 

こいしが数え始めると、チルノ達は一斉に森の中へ入っていった。そして夜見は再び血をドーム状にばらまいた。

 

夜見(今度こそは、遠くにいかないでくれ 困るから)

 

夜見はそんなことを思いながら、ある場所へと隠れた。

そしてこいしは、10数え終わった。

 

こいし「もーいいーかーい」

 

そしてこいしは返事が返って来なかったが、隠れたみんなを探しに森へと入っていった。

 

夜見(頑張れ、こいしさん)

 

夜見はそんなことを思いながら、仮面を顔の上に乗せて少し目を瞑った。

 

しばらくすると、夜見はある音に気付いた。

 

ガサッ

 

夜見「...」

 

一瞬だけ音がしたのを、夜見は聞き逃さなかった。そして夜見は仮面を取り、ゆっくりと辺りを見渡した。

 

夜見(...音は前から 血で探すにも、集めるのは危ないしなぁ)

 

すると、夜見の背後から声が聞こえたと同時に、目を手で覆われた。

 

?「だーれだ?」

 

夜見(...あれ?この声は確か)

 

そして夜見は、その声の主の名前を言った。

 

夜見「サニーミルクさん、だったかな?」

 

サニー「正解」

 

そう言ってサニーミルクは、手を外して夜見の正面に座った。

 

サニー「何してるの?こんな木の上で」

 

夜見「そう言うサニーミルクさんこそ、何をしてるんだ?」

 

そう、夜見はこいしが目を伏せた木の上の太い枝で横になっていたのだ。

そしてサニーミルクは夜見にこう言った。

 

サニー「私は暇だから散歩をしてるの ちなみに残りの2人はまだ寝てると思うよ」

 

夜見「そうか、俺はかくれんぼの最中だ」

 

サニー「へぇ、かくれんぼか もしかして、さっき見た黒い帽子を被った妖怪が鬼?」

 

夜見「あぁ、そうだ」

 

すると、サニーミルクは夜見にこう言った。

 

サニー「でも、あの妖怪って...覚妖怪だよね?」

 

その言葉に夜見は顔色ひとつ変えなかったが、少し動揺していた。

 

夜見(な、なんでわかったんだ!?)

 

そして夜見は、サニーミルクに聞いた。

 

夜見「なんで、そう思ったんだ?」

 

サニー「ん?だって、3つの目とか覚妖怪ぐらいしか思い付かないもん」

 

夜見(なるほどな 確かに、根拠としてはありだな)

 

そして夜見はこう言った。

 

夜見「...そうか あぁ、そうだ、覚妖怪だ」

 

サニー「やっぱり でも、一緒に遊んでる妖精と妖怪は気付いてない様子だったね」

 

夜見「...あぁ、そうだな」

 

サニー「...なんで、黒夜が覚妖怪と遊んでるの?」

 

夜見「...」

 

サニー「まぁ、いいや 言いたく無いようだし それじゃ」

 

そう言ってサニーミルクは、どこかへ飛んでいった。そして夜見は、こいしのことについて考える。

 

夜見(...もし、こいしさんが覚妖怪って気付かれたら、こいしさんはまた、嫌われ...いや、させない 絶対にそんなことはさせない)

 

そう思っていると、下の方から声が聞こえた。

 

こいし「う~ん、お兄ちゃんどこだ?」

 

大妖精「見当たりませんね」

 

チルノ「くそー、黒夜め 一体どこだ?」

 

ルーミア「どこだー?黒夜ー」

 

どうやら、自分以外はこいしに見つかったようだった。そして夜見は、こいしを見た。

 

夜見(こいしさんが覚妖怪だってばれないようにするには、一体どうすれば? ...くそっ、何も思い付かねぇ)

 

するとこいしは、上を見上げた。そして、枝の上に夜見がいるのに気が付いた。

 

こいし「あ!お兄ちゃん、見つけた!」

 

夜見(...すまない、こいしさん こうするしか、方法は無い)

 

そして夜見は、こいしの近くに着地した。

 

こいし「お兄ちゃん、やっと見つけたよ なんだっけ、灯台もと暗しってやつ?」

 

こいしは呑気にそんなことを言っていたが、夜見は真面目な顔をしていた。

 

夜見「...なぁ、みんな、1つ聞いてくれ」

 

こいし「...どうしたの?」

 

すると、夜見はこう言った。

 

夜見「こいしさんは実は、覚妖怪っていう心を読む妖怪なんだ」

 

すると、こいしは絶望したような目で夜見を見た。

 

こいし「...え、お兄...ちゃん なんで?」

 

夜見「でも、こいしさんは「や、やめて!お兄ちゃん!」

 

すると、こいしは急に叫んだ。

 

夜見「...こいしさん」

 

こいし「なんで?なんでよ?せっかく私に友達が出来たのに、なんでお兄ちゃんはみんなに私のことばらしちゃうの! なんで!?お兄ちゃんは、私のことが嫌いなの!?答えてよ!ねぇ! 私は、私は、お兄ちゃんのこと、お兄ちゃんの...こと...」

 

すると、チルノが言った。

 

チルノ「...よくわかんないけど、だから...何?」

 

すると、こいしは目を丸くした。

 

こいし「...え?」

 

大妖精「こいしちゃんが覚妖怪っていうのは驚きましたけど、こいしちゃんはもう友達です 妖怪だろうとなんだろうと、別に良いじゃないですか」

 

ルーミア「そうだぞー、私達は友達だー」

 

こいし「み、みんな」

 

すると、こいしは泣き出してしまった。

 

こいし「ぐすっ、あ、ありがとう、私を、友達って、呼んでくれて、ひぐっ」

 

チルノ「覚妖怪とかよく知らないけど、私達は友達だ!」

 

大妖精「そうですよ、こいしちゃん 私達はいつまでも友達です」

 

ルーミア「友達なのだー」

 

すると夜見は、こいしの正面でしゃがみ込んで、こいしに言った。

 

夜見「こいしさん、友達ってのは認めてくれるもんだ」

 

すると、こいしは夜見に抱き付いてきた。そして夜見はしりもちをつく。

 

こいし「うぅ、よかった、よかったよぉ、お兄ちゃん」

 

夜見「...あぁ、そうだな こいしさん」

 

そして夜見は、こいしを抱き締め、頭を優しく撫でた。

すると、こいしは腕に力を入れてきた。そうなるともちろん。

 

夜見「痛い痛い こいしさん、痛いって」

 

こいし「ぐすっ、お兄ちゃん」

 

夜見(あぁ、だよな まーた聞いてないや)

 

そしてしばらくすると、こいしは落ち着いてきた。

 

こいし「...ん、もう大丈夫 お兄ちゃん」

 

夜見「そうか?別にまだこうしてもいいぞ?」

 

こいし「大丈夫 って言うか、その」

 

するとこいしは、少し顔を赤くした。夜見は不思議に思っていると、こいしはこう言い出した。

 

こいし「と、友達の前だと、恥ずかしいよ」

 

そう言われた夜見は、チルノ達を見た。

チルノとルーミアは普通にこちらを見ていたが、大妖精は、あきらかに視線を逸らしていた。

 

夜見「え、あぁ、そうか」

 

そして夜見はこいしを離すと、こいしは離れた。

 

こいし「ありがとう、お兄ちゃん」

 

夜見「ん?いや、お礼なら俺じゃないだろ?」

 

こいし「ううん、そうじゃない」

 

不思議に思っていると、こいしはこう言った。

 

こいし「私の友達を信じてたんでしょ?ありがとう、お兄ちゃん」

 

夜見「...まあ、正直に言うと賭けではあったんだがな」

 

そう言って夜見は立ち上がると、チルノがこう言い出した。

 

チルノ「遊んだらお腹減ったな そうだ!黒夜のお金で人里にご飯食べに行こうよ!」

 

チルノがそう言うと、ルーミアがこう言った。

 

ルーミア「そーだなー、賛成だー」

 

しかし、大妖精はかなり遠慮していたようだった。

 

大妖精「そ、そんな急に決めても、黒夜さん困っちゃうよ」

 

そしてこいしは、夜見に向かって言った。

 

こいし「ねえ、お兄ちゃん みんなでご飯食べようよ」

 

夜見「う~ん、ちょっと待ってな」

 

そう言って夜見は、ポケットからさとりからもらった袋を取り出した。その袋の中には、1銭と500文入っていた。

 

夜見(5人だから、1人300文まで食べれるな 前にうどん買った時は、1つ100文だったし大丈夫だろ)

 

そして夜見は袋をしまうと、みんなに言った。

 

夜見「よし、じゃあ人里に行ってご飯を食べに行くか」

 

大妖精「え!?だ、大丈夫なんですか?」

 

夜見「大丈夫、遠慮しなくていい」

 

チルノ「やったー!」

 

ルーミア「やったぞー」

 

こいし「みんなでご飯だー!イエーイ♪」

 

そして大妖精以外は、とても盛り上がっていた。

 

夜見「じゃあ、人里へ向かおう」

 

夜見がそう言って、夜見達は人里へと向かって行った。

ちなみに夜見は、途中で仮面を被った。

 

しばらく歩いて人里の前まで着くと、夜見はこいしに自分のマントを被せた。

 

こいし「きゃっ!?お、お兄ちゃん?」

 

夜見「それ、被っておけ 目を閉じると、見えなくなっちゃうしな」

 

こいし「う、うん」

 

そして夜見達は人里の門に向かうが、門の横にいた若い門番に止められた。

 

若い門番「おいおい、待ってくれ 明らかに怪しい奴を人里に入れる訳にはいかないよ」

 

夜見(まあ、人里って言うぐらいだしな あの門番がいてくれればなぁ)

 

そんなことを夜見は思いながら、人里に入るときに会った素っ気ない門番の顔を思い出していると、聞いたことのある声が聞こえた。

 

門番「おい、交代の時間だ」

 

若い門番「あ、先輩!ありがとうございます!」

 

門番「ん?お前は」

 

するとそこには、あの素っ気ない門番がいた。そして夜見はその門番に声をかけた。

 

夜見「お、いいタイミングで来てくれたな」

 

門番「またお前か なんだ?」

 

夜見「いや、こいつらと人里に入りたいんだけど...」

 

すると門番は、1人ずつしっかりと見た。

 

門番「妖精に、妖怪か? あと、その白い布にくるまってる奴は?」

 

夜見「あぁ、妖怪だ といっても別に害を与えようって訳じゃない」

 

そう説明すると、門番は道を譲った。

 

門番「ならいい」

 

若い門番「え?ちょっと、先輩!?」

 

門番「...なんだ?」

 

すると若い門番は、納得がいっていなかったようだった。

 

若い門番「こんな怪しい奴を、入れていいんですか!?それに、妖怪なんて危ないに決まってますよ!?」

 

すると門番は、若い門番に聞いた。

 

門番「...新人、知らないのか?」

 

若い門番「え?何を?」

 

若い門番が疑問に思っていると、門番はこう答えた。

 

門番「危害を与えないという条件なら、人里の出入りは基本自由だぞ?」

 

若い門番「は?そんなの聞いてませんよ!?」

 

門番「...新人、この前の説明で言ったはずだぞ 人の話聞いてなかったな?」

 

そう言うと、若い門番は視線を逸らした。

 

若い門番「い、いや、そんなことは...」

 

門番「すまない、通っていいぞ それと、新人、お前は仕事が終わったら話がある」

 

そう言うと、若い門番は顔が青くなっていた。そして夜見達は、遠慮なく人里へと入っていった。

 

人里に入ると、夜見はこいし達に聞いた。

 

夜見「そういえば、みんな何が食べたいんだ?」

 

そう聞くと、それぞれこう答えた。

 

チルノ「美味しい物!」

 

ルーミア「美味しい物ならなんでもいいぞー」

 

大妖精「私は、麺類がいいです」

 

こいし「私はうどん お兄ちゃんがこの前行ったお店がいい」

 

それぞれの話を聞いた夜見は、行くお店を決めた。

 

夜見「じゃあ、うどんでいいか あのうどん屋は、もうちょっと先だったな」

 

そして夜見達は、ご飯を食べにうどん屋へ向かっていった。




どうも、お風呂場の蓋です。
今回は日常回を書いてみました。
たまにはのんびりした、話もいいなと思いました。
よければ、次回も見てください。
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