心を閉ざした少年と少女   作:お風呂場の蓋

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第15話 夜見は変わり者かも

夜見達は人里を進んでいくと、目的の場所に着いた。

 

夜見「ここだ 入るぞ」

 

そして夜見達は入るとお昼頃なのか、客はかなりの数がいた。

そして椅子がすべて空いているテーブルは、1つしかなかった。

 

こいし「お兄ちゃん、空いてるの1つしかないよ?」

 

夜見「...仕方ない、相席を頼むしかないな」

 

そして夜見は、誰かに相席を頼もうとした。すると、見覚えのある人物がいた。

それは、アリス・マーガトロイドだった。

 

夜見「あ、アリスさん」

 

アリス「あら、黒月じゃないの どうしたの?」

 

すると夜見は説明をした。

 

夜見「実は、5人でうどんを食べに来たんだが、あいにく席が空いてないから相席を頼もうとしてたんだ」

 

アリス「そうなの なら、相席していいわよ」

 

夜見「そうか、すまないな」

 

そして夜見はアリスの正面に座ると、こいしが横に座ってきた。チルノ達は、隣が空いているテーブルなので、そこに座った。

そして夜見はお品書きを手に取ると、こいしが覗き込んでくるため、こいしと一緒にお品書きを見ていた。

お品書きを見ていると店員が来て、水の入ったコップを置いてきた。

そして、アリスが夜見に質問をした。

 

アリス「ねえ、1つ聞いていいかしら? 妖精2人と妖怪1人はわかるんだけど、その白い布を被ったのは一体誰?」

 

その質問に夜見はこう答えた。

 

夜見「あぁ、妖怪だよ 別に害を与えるわけでもないし、構わないだろ?」

 

アリス「えぇ 別に構わないけど、あなたは人間以外にそんなに好かれるのかしら?」

 

夜見「いや、妖精だろうと妖怪だろうと、別に俺は構わないが?否定する理由なんて無いだろ?」

 

アリス「...あなた、随分変わった考えをしてるのね」

 

夜見「ん?そうか?」

 

そんな会話をしながらお品書きを見ていると、ある料理が目に留まった。

 

[激辛うどん]

時間無制限

食べきったら賞金100銭

ギブアップの際には罰金があります

 

夜見(...なんだこりゃ)

 

こいし「...お兄ちゃん?これ食べるの?」

 

こいしが料理に指を指すと、アリスが止めに入った。

 

アリス「それ、やめておいた方がいいわよ」

 

夜見「そうなのか?」

 

アリス「えぇ、成功者0人って話よ さっきそれを頼んだ人がいたから、見てみれば?」

 

すると男の店員が、ある男性に例のうどんを持っていった。

 

男性「本当にこれを食いきったら100銭なんだな?」

 

店員「はい、そうです」

 

男性「後悔しても知らねぇからな?」

 

店員「大丈夫です どうぞ」

 

男性「よっしゃ!いただきます!」

 

そして、男性は勢いよく麺をすすった。すると男性は汗を滝のような勢いで流し始めた。

 

男性「がっ!?ごほっごほっ!!」

 

すると男性は一口食べたところで咳き込み、箸を置いた。

 

男性「な、こんなん無理だろ!ごほっごほっ!!」

 

そして夜見はアリスの方を向くと、アリスはこう言った。

 

アリス「ね?ご覧の有り様 あと、ちなみにギブアップなんかすると...」

 

すると男性は店員に叫んだ。

 

男性「む、無理だ!食えない!」

 

店員「はぁ?ギブアップでしょうか?」

 

男性「あぁ、そうだ!ギブアップだ!」

 

すると店員は、とんでもないことを言い出した。

 

店員「そうなりますと、罰金として1銭になりますが...」

 

男性「なっ!?そんな額払うわけ無いだろ!」

 

店員「いや、お客様 払ってもらわないと困りますよ~」

 

店員は男性を、ニヤニヤした顔で見始めた。そして夜見は大体この料理がどんなものか理解した。

 

夜見(なるほど、要は賞金で釣って金を巻き上げると まぁ、店側は一応罰金とも記載はしてるから訴えるにも無理と)

 

アリス「ね?だからやめておいた方がいいわよ?」

 

すると夜見はこう言った。

 

夜見「じゃ、俺食べてみるわ」

 

するとアリスは、驚いて言った。

 

アリス「はぁ!?話聞いてたの!?」

 

夜見「聞いてたよ まあ、食えなかったら素直に払うし」

 

夜見がそんなことを言うと、隣のこいしが、服を引っ張ってきた。

 

こいし「お兄ちゃん?本当に食べるの?」

 

夜見「ん?あぁ まあ、無理そうだったら食べるのやめるから」

 

こいし「...うん、わかった」

 

アリス「ちょっと!やめておいたほうが...」

 

夜見「そういえば、こいしさんは決まった?」

 

こいし「あ、うん 普通のうどん」

 

すると夜見は立ち上がって、チルノ達の方へ向かった。

そして夜見はチルノ達に頼むものを決めたか、聞いてみた。

 

夜見「なぁ、食べるの決まったか?」

 

チルノ「決めた!うどん!」

 

ルーミア「ん~、私も普通のうどんでいいぞー」

 

大妖精「あ、私も同じです」

 

夜見「そうか、わかった」

 

そして夜見は、厨房の方へ向かった。すると店員が夜見に話しかけてきた。

 

店員「ん?注文かい?」

 

夜見「あぁ、うどん4つと、あの辛いうどんを頼む」

 

すると、店員がニヤニヤしながら言ってきた。

 

店員「は~い、今作りますんで~」

 

夜見(...なんだよ)

 

そんなことを思いながら席に戻ると、アリスが言ってきた。

 

アリス「ねぇ、黒月、店員のあの態度見たでしょ?今からでもやめておいた方いいわよ?」

 

すると夜見は不思議そうに聞いた。

 

夜見「え?確かに接客の態度は少し悪い気はしたけど、別に料理を食べないことには繋がらないだろ?」

 

そう言うと、アリスはポカンとしていた。

 

アリス「...え?」

 

夜見「...え?」

 

するとアリスは、こいしの方に顔を向けた。

 

アリス「ねぇ、ちょっと1つ聞いていい?そこの妖怪さん」

 

こいし「え?な、何?」

 

アリス「もしかして、この人って天然?」

 

こいし「お兄ちゃんが?ううん、そんなことないよ?」

 

アリス「そ、そう」

 

そんな会話をしていると、女の店員がうどん2つを両手に持ってきた。

 

店員「えっと、うどんと、天ぷらうどんですね」

 

アリス「あ、天ぷらうどんは私、うどんはその子よ」

 

店員「あ、はい どうぞ」

 

そして、アリスとこいしの前にうどんが置かれた。ちなみにアリスのうどんには、茄子(なす)の天ぷらが乗っていた。

 

こいし「わぁ、美味しそう」

 

夜見「ほら、こいしさん、箸」

 

そして夜見がこいしに箸を渡すと、こいしは美味しそうにうどんを食べ始めた。するとアリスが再び話しかけてきた。

 

アリス「ねえ、1ついいかしら?」

 

夜見「ん?なんだよ?」

 

アリス「あなたって、天然って言われたことある?」

 

夜見「...いや?そんなことはない」

 

アリス「そ、そう ごめんなさいね、この子にも聞いたのに」

 

夜見「別に」

 

すると隣のテーブルにも、女の店員がうどんを持ってきていた。そしてチルノ達もうどんを美味しそうに食べていた。

 

そして夜見は、厨房の方を少し見た。すると店員2人が何か話していた。

 

夜見「...まだかな、俺のうどん」

 

夜見がポツリと呟くと、こいしが言った。

 

こいし「お兄ちゃん、お腹そんなに減ってる?私のうどん、少し食べていいよ?」

 

するとこいしは、うどんを夜見の方へ寄せたが、夜見は首を横に振った。

 

夜見「ううん、いいよ 待ってればそのうち来るから」

 

こいし「そう?大丈夫?お兄ちゃん」

 

夜見「大丈夫大丈夫、気にしないで」

 

こいし「うん、わかった」

 

そしてしばらくすると、男の店員がこちらにうどんを持ってきた。別にそれは構わなかったのだが、問題があった。

 

夜見(...え?でかくね?)

 

店員の持ってきたうどんのサイズは、大盛サイズのうどんだった。先ほど食べていた男性より大きいサイズなのは明らかだった。しかも、スープが赤いのは構わないのだが、麺自体も赤くなっていた。

するとアリスが急に立ち上がって、店員に言った。

 

アリス「ちょっと!何よこれ!?明らかにさっきの客より大きいじゃない!?」

 

店員「いやいや、そんなことはありませんよ?」

 

アリス「明らかに卑怯じゃない!恥ずかしくないの!?」

 

夜見「おいおい、アリスさん 落ち着いて」

 

アリス「黒月もおかしいと思わないの!?」

 

夜見「アリスさん、俺を心配するのはいいけど、周りを見て」

 

そしてアリスは夜見に言われて周りを見ると、全員の客がアリスに注目していた。するとアリスは顔を赤くして、大人しく座った。

そして店員はニヤニヤしながら夜見に言ってきた。

 

店員「えっと~、言っときますけど ギブアップすると罰金ですからね?」

 

夜見「わかってる いただきます」

 

すると夜見は仮面をテーブルに置き、箸を手に取った。そして夜見は、うどんをすすった。すると夜見は店員に言った。

 

夜見「あぁ、やっぱり辛いですね」

 

店員「...は?」

 

すると店員はポカンとしていた。それを見て夜見は、不思議そうに聞いた。

 

夜見「えっと、何か?」

 

店員「え、い、いやいや どうぞ?」

 

夜見「...ま、いいか」

 

そして夜見は平気な顔をして、うどんを食べ進めていった。するとアリスは、心配そうに聞いてきた。

 

アリス「ちょっと?大丈夫なの?」

 

夜見「ん?ちょっと辛いけど、別に食えないほどではないよ」

 

すると店員は、厨房へ走って行ってしまった。

 

夜見(...なんなんだ?まったく)

 

こいし「ぷはー、お腹いっぱい」

 

するとこいしがちょうど、うどんを食べ終えた。そしてこいしは、夜見に聞いてきた。

 

こいし「お兄ちゃん、そのうどん美味しいの?」

 

夜見「ん?まあ、美味しいのかな」

 

こいし「そっか、良かったね♪いっぱい食べれて」

 

夜見「あぁ、そうだな」

 

そして夜見は、うどんをどんどん食べ進めていく。すると、周りの客がざわざわしてきた。

 

アリス「ちょ、ちょっと黒月?」

 

夜見「ん?どうした?」

 

アリス「あなた、やっぱりおかしいわよ」

 

夜見「どこが?」

 

アリス「どこがって...はぁ やっぱりなんでもない」

 

そして夜見は、スープまで全て食べきった。

 

夜見「ふぅ、ごちそうさま」

 

すると、周りの客が夜見に向かって拍手を送った。そして夜見はチルノ達の方を見ると、チルノ達もうどんを食べ終えていた。

 

夜見「さて、そろそろ出るか」

 

そして夜見は、仮面を被ってこいし達と一緒に会計に向かうと店員はこう言い出した。

 

店員「えっと、合計1銭と400文ですね」

 

夜見「...はい?」

 

夜見は、店員の言っていることが理解できなかった。そして店員は夜見にこう言った。

 

店員「いやいや、お客さん インチキは駄目ですよ」

 

夜見「...」

 

すると夜見は、400文だけ出した。

 

店員「いやいや、お客さん あと1銭足りませんよ?」

 

すると夜見は、急に声を低くして言った。

 

夜見「...じゃあ聞くが、どんなインチキしたってんだ?」

 

店員「いやいや、そんなの知りま

 

ダアンッ

 

すると夜見は、いきなり壁を殴った。そして夜見は再び店員に聞いた。

 

夜見「どんなインチキしたって?」

 

店員「...うるさいですね 知らないって言ってるじゃないですか」

 

すると、テーブルに座っていた客達がこちらに向かってきた。そして客達は、店員にいろいろ文句をいい始めた。

言ってる内容は大体[インチキはそっちの方だろ!][インチキだって言うんなら証拠を出せ!]といった内容だった。

 

すると、厨房にいた男の店員も来て、言い争いはさらにヒートアップした。もはや、夜見の入る隙間すら無かった。

するとこいしが、夜見に言った。

 

こいし「お兄ちゃん、どうする?」

 

夜見「...出るか」

 

そして夜見達は店を出ていった。後ろから店員が呼び止めていた気がしたが、夜見は特に気にしなかった。

すると、チルノがこう言い始めた。

 

チルノ「あ~楽しかった 今日は解散!じゃあね~」

 

そう言ってチルノはどこかへ飛んでいってしまった。するとルーミアもチルノと一緒にどこかへ飛んでいった。

そして大妖精は、夜見とこいしにこう言った。

 

大妖精「今日はありがとうございます それじゃあ、またどこかで こいしちゃん、またね」

 

こいし「うん、またね」

 

そして大妖精もどこかへ飛んでいき、こいしは手を振っていた。

すると、店から女の店員が出てきて夜見に急に頭を下げてきた。

 

店員「も、申し訳ございませんでした!」

 

夜見「...いや、いいよ もう来ないから」

 

すると店員は頭を上げたが、今にも泣きそうになっていた。

 

店員「そ、そうですよね すいません」

 

そして店員が店に戻ろうとしたが、夜見は肩を掴んで止めた。

 

店員「え?なんですか?」

 

夜見「...一応、話だけでも聞こう」

 

すると店員は事情を説明し始めた。

 

店員「実は、父がここで店長として働いていたんですが、急に辞めてしまったんですよ。それで、新しい店長が決まってからずっとあの状態なんですよ」

 

すると夜見は、前に来たときのことを思い出した。

 

夜見(そういえば、前に来たときの人はいなかったな)

 

すると夜見は、店員にこう言った。

 

夜見「悪いことは言わない、今すぐここを辞めた方がいい 潰れたとしても、責任のとばっちりが来るのも時間の問題だしな」

 

店員「...ですよね 今日限りで辞めます」

 

夜見「まあ、次に働く場所が良いとこだといいな じゃあ」

 

すると夜見はこいしの手を繋いで、店を離れていった。

そして夜見はこいしに聞いた。

 

夜見「こいしさん、そろそろ帰るか?」

 

するとこいしは首を横に振った。

 

こいし「やだ、まだお兄ちゃんとお散歩するの」

 

夜見「...そうか じゃあ、もう少し散歩するか」

 

そして夜見とこいしは、人里を歩いていると1軒のお店を見つけた。

 

夜見「...花屋か」

 

そう、それは花屋だった。店先には色んな種類の花があり、とても華やかだった。

そしてこいしは夜見に聞いた。

 

こいし「ん?お兄ちゃん、お花好きなの?」

 

夜見「...まあ、嫌いではない...かな」

 

こいし「そうなんだ ちょっと見てみよう♪」

 

そして夜見は、こいしに手を引かれて花屋に向かった。

すると、花屋にはある人物がいた。その人物は、白い日傘を指している風見幽香だった。

 

こいし「あ、幽香さんだ!こんにちは」

 

こいしが声をかけると、幽香はこちらを向いて微笑んだ。

 

幽香「あら、こいしちゃんと夜見じゃない ごきげんよう」

 

そして夜見も幽香に気軽に声をかけた。

 

夜見「幽香さん、人里に来てたのか」

 

幽香「ええ、何かお花でも買おうと思ってね あなた達は何故ここに?」

 

そして夜見は幽香の質問に答えた。

 

夜見「ただの散歩だ そして花屋があったから少し寄ろうとしたんだ」

 

幽香「へえ、そうなの てっきり私はデートでもしてるのかと思ったわ」

 

すると、こいしが顔を赤くした。それを見て幽香はこう言った。

 

幽香「ふふ、こいしちゃんは可愛いわね、こんなに顔を赤くしちゃって もしかして、こいしちゃんはデートのつもりだったのかしら?」

 

するとこいしは俯き、夜見を手を強く握った。

 

ギュッ

 

夜見「...こいしさん?」

 

こいし「...」

 

幽香「あら、ごめんなさい ちょっとからかっただけなのに...」

 

幽香が謝ると、夜見はこう返した。

 

夜見「あぁ、気にしなくていい 最近、こいしさんはこうなんだよ」

 

そして夜見はしゃがみこんで、こいしの頭を撫で始めた。

 

幽香(...もしかして、気付いてないの?かなり...鈍感なのね まあ、私は見守るだけにしましょう)

 

そして幽香は、夜見にある質問をした。

 

幽香「ところで夜見、あなたは好きな花はあるのかしら?」

 

夜見「え?そうだなぁ、花なら基本なんでも」

 

すると幽香は少し驚いた。

 

幽香「へえ、意外ね てっきり無いって言うのかと思ってたわ」

 

夜見「まあ、強いて言えば綺麗な花、かな?」

 

すると、幽香は夜見にこう言った。

 

幽香「そうなの そういえば、夜見は秋の花はどんなのがあるか知ってる?」

 

すると夜見は少し悩んで答えた。

 

夜見「確か、菊とか秋桜(コスモス)があったな」

 

幽香「そうね じゃあ、花言葉はわかるかしら?」

 

夜見「菊が高貴、秋桜が謙虚じゃなかったか?」

 

幽香「そうよ まさか花言葉まで知ってるとはね」

 

夜見「まあ、ある程度のことならわかるしな さて、こいしさん、大丈夫か?」

 

そして夜見はこいしを撫でるのをやめると、こいしは言った。

 

こいし「あ ...うん 大丈夫だよ」

 

しかしこいしは、少し悲しげな顔をしていた。すると夜見はこいしにこう言った。

 

夜見「...もうちょっと、撫でるか?」

 

こいし「ううん、大丈夫」

 

夜見「...そっか、わかった」

 

そして夜見は立ち上がって、花屋の花を眺めた。

 

夜見(ガザニア、桔梗(ききょう)彼岸花(ひがんばな)ねぇ、他にも色々あるな)

 

その様子を見ていた幽香は、夜見に言った。

 

幽香「夜見は少し面白いわね」

 

すると夜見は、幽香の方を向いた。

 

夜見「ん?どういうことだ?」

 

夜見がそう聞くと、幽香は答えた。

 

幽香「男性であるあなたが、花を眺めてるのが珍しいと思ったのよ」

 

夜見「そうか?花は綺麗だし、何より意味があるってのは俺は好きだな」

 

幽香「へえ?その言い方だと、花言葉を全部把握してるみたいな言い方じゃない?」

 

夜見「まあ、大体は」

 

そう答えると、幽香はある提案をした。

 

幽香「じゃあ、ここで1つ勝負をしてみない?」

 

夜見「勝負?」

 

幽香「私は花言葉に関する問題を出す あなたはそれに答える とても簡単でしょう?」

 

すると夜見は、幽香に向かって言った。

 

夜見「...勝負をしたいってんなら受けてたつ」

 

夜見がそう言うと、幽香は少し笑った。

 

幽香「ふふ、じゃあ1問目は簡単なのからいきましょう 薔薇の花言葉は?」

 

そして夜見は軽々と答える。

 

夜見「愛だろ?」

 

幽香「さすがにわかるわね じゃあ2問目 向日葵の花言葉は?」

 

夜見「...崇拝(すうはい)

 

幽香「正解 3問目 繊細は何の花の花言葉?」

 

すると夜見は、少し悩んでから答えた。

 

夜見「...鈴蘭か?」

 

幽香「正解よ さすがに難しいかしら?」

 

すると夜見はため息をついた。

 

夜見「はぁ、さすがに全部は把握はしてないからな」

 

幽香「じゃあ、最後まであと2問にしましょう 4問目 短気の何の花の花言葉?」

 

夜見「...えっと、確か...ホウセンカだった気がする」

 

幽香「合ってるわ すごいわね」

 

夜見「合ってたか じゃあ、最後の問題だな」

 

そして幽香は、最後の問題を出した。

 

幽香「最後の問題 黒い薔薇の花言葉は?」

 

夜見「...」

 

幽香「あら?どうかしたかしら?」

 

急に夜見が黙ったので幽香は声をかけたが、夜見は返事をしなかった。

そしてこいしが、夜見の服を引っ張った。

 

こいし「お兄ちゃん?どうしたの?」

 

すると夜見は、我に帰った様な反応をした。

 

夜見「ん?あ、あぁ、なんだっけ?黒い薔薇の花言葉だっけか」

 

するとこいしは、夜見を心配そうな目で見た。

 

こいし「...お兄ちゃん、大丈夫?」

 

そして夜見は返事をした。

 

夜見「大丈夫、少し考えてただけだ」

 

そして夜見は、幽香に向かって答えを言った。

 

夜見「花言葉は、憎しみと恨み...だろ?」

 

幽香「そう、正解 さすがね、夜見」

 

こいし「お兄ちゃん、すごい!全部正解しちゃった!」

 

しかし夜見は、何も反応しなかった。

すると夜見はいきなり右手を強く握りこんだ。そして夜見の手から、血が流れた。

 

こいし「お兄ちゃん!?どうしたの!?」

 

幽香「ちょっと!?夜見!?」

 

こいしと幽香に声をかけられると、夜見は不思議な様子で2人を見た。

 

夜見「...どうしたんだ?」

 

まるで夜見は自分の手から、血が流れていることに気付いていないようだった。

そしてこいしは、夜見に言った。

 

こいし「お兄ちゃん!手から血が出てるよ!」

 

夜見「ん?血が?」

 

夜見は右手を見ると、手に爪が食い込んで血が出ていた。それを見た夜見は、能力で血を止めた。

そして夜見は、こいしと幽香に言った。

 

夜見「あぁ、すまないな あることを思い出しちまったんだ、気にしないでくれ」

 

幽香「...本当に、大丈夫なの?」

 

こいし「お兄ちゃん?」

 

夜見「あぁ、大丈夫だ さて、勝負には勝ったが?」

 

夜見がそう言うと幽香は、思い出した様に言った。

 

幽香「そういえば、そうだったわね じゃあ、全問正解した代わりとして、何か好きなお花を買ってあげるわ」

 

すると夜見は、少し遠慮をした。

 

夜見「いや、いいよ 別に自分で買えない訳じゃないし」

 

幽香「いいのよ 私を楽しませてくれたお礼として受け取って?」

 

夜見「...じゃあ、ありがたく」

 

幽香「ほら、こいしちゃんも選んでいいわよ?」

 

幽香がそう言うと、こいしは喜んだ様子で幽香に言った。

 

こいし「え!?本当にいいの?」

 

幽香「ええ、もちろん」

 

幽香が微笑むと、こいしは夜見の手を引っ張った。

 

こいし「お兄ちゃん!一緒に選ぼう?」

 

夜見「あぁ、わかったよ」

 

そして夜見とこいしは、花を選び始めた。

 

こいし「う~ん、お兄ちゃんはどれがいいと思う?」

 

そう言われると夜見は、サルビアという赤い花を指差した。

 

夜見「そうだな こいしさんには、あれなんてどうだ?」

 

こいし「お兄ちゃん、なんでそのお花なの?」

 

こいしがそう言うと、夜見は答えた。

 

夜見「あぁ 花言葉が、家族愛なんだよ こいしさんは家族に愛されてるからね」

 

こいし「そっか じゃあ、あのお花の花言葉はわかる?」

 

するとこいしは、あるピンク色の花を指差した。

 

夜見「あぁ、あのピンク色の花か あれは皇帝ダリア 確か花言葉は乙女の真心だったかな?」

 

こいし「じゃあ、あのお花は?」

 

次にこいしは、皇帝ダリアとは違うピンク色の花を指差した。

 

夜見「あれは秋海棠(しゅうかいどう) でも、こいしさんがあの花を選んでもなぁ」

 

夜見はそう言ったが、こいしは目を輝かせて言った。

 

こいし「お兄ちゃん、あのお花がいい!小さくて、可愛い!」

 

夜見「そうか?じゃあ俺はこの花にするか」

 

そして夜見は、オレンジ色の花を選んだ。

 

こいし「お兄ちゃん、なんでそのお花なの?」

 

こいしの疑問に、夜見は答えた。

 

夜見「この花はナスタチウム 花言葉は、勝利と困難に打ち克つ どんな困難にも打ち克ちたいからな」

 

幽香「選び終わったかしら?」

 

すると幽香が後ろから声をかけてきた。

 

夜見「あぁ、こいしさんが秋海棠、俺はナスタチウムだ」

 

幽香「そう、わかったわ」

 

すると幽香は、2人の選んだ花を5本ずつ手に取った。そして幽香は花屋の奥へ入っていった。

しばらくすると、幽香が2つ白い紙で軽く包まれた花束を持ってきた。

 

幽香「はい、どうぞ」

 

そして夜見は2つの花束を受け取り、秋海棠の花束をこいしに渡した。

そして夜見は、幽香にお礼を言った。

 

夜見「ありがとう、幽香さん」

 

幽香「いいのよ、私はやりたいと思ったことをしただけよ 何より、こいしちゃんはとても嬉しそうにしてるしね」

 

そして夜見はこいしを見ると、こいしは輝いた目で秋海棠を見ていた。

 

夜見「あぁ、そうだな」

 

こいし「お兄ちゃん!早く帰って、飾ろうよ」

 

夜見「そうか、わかった じゃあ、俺達は帰るよ じゃあな」

 

こいし「幽香さん、またね」

 

幽香「ふふ、さようなら」

 

そして夜見はこいしと手を繋いで幽香と別れ、2人は地底へと戻っていった。

そして夜見とこいしは、地霊殿へと帰ってきた。

 

夜見・こいし「ただいま」

 

そしてこいしは地霊殿に入ると、1階の右側の廊下へと走っていった。

しばらくするとこいしは、2つのあるものを持ってきた。

 

こいし「はい、お兄ちゃんの分の花瓶」

 

それは、ガラスの花瓶だった。そして夜見は花瓶を1つ受け取った。

 

夜見「ありがとう、こいしさん」

 

こいし「えへへ、どういたしまして」

 

そして夜見とこいしは、キッチンへと向かった。すると、そこで2人は花瓶に水を入れた。

 

夜見(まぁ、こんなもんかな?)

 

夜見がそう思っていると、いつの間にかこいしがいなくなっていた。おそらく、自分の部屋に飾りにいったのだろう。

そして夜見は、自分の部屋へ向かった。

 

夜見は自分の部屋に入ると、花束についている白い紙を取って、花束を花瓶に入れた。

そして夜見は、仮面を取ってナスタチウムをよく眺めた。

 

夜見(綺麗な花だな 花言葉の通りに、どんな困難にも打ち克っていかないとな)

 

そう思って机の上に花瓶を置くと、部屋の扉が開いた。そこには、さとりが立っていた。

 

さとり「おかえりなさい 黒夜さん」

 

夜見「あぁ ただいま、さとりさん」

 

するとさとりは、机の上にある花に気付いた。そしてさとりは夜見に花について聞いた。

 

さとり「その花は?」

 

夜見「あぁ、人里に行ったら知り合いに出会って、貰ったんだよ」

 

さとり「そうだったんですか こいしも花を貰ったんですか?」

 

夜見「あぁ、こいしは秋海棠 ちなみに俺のはナスタチウムっていう花だ」

 

するとさとりは、夜見にある質問をした。

 

さとり「花言葉とかはわかりますか?」

 

夜見「あぁ、ナスタチウムは、勝利と困難に打ち克つ 秋海棠は、片思いと恋の悩みだったかな?」

 

するとさとりは笑顔で言った。

 

さとり「そうなんですか とてもぴったりじゃないですか」

 

そしてさとりは、もう1つ質問をした。

 

さとり「そういえば、人里ではこいしはどうしたんですか?」

 

夜見「マントを被らせて、周りから目を見えないようにしてたから大丈夫だ」

 

さとり「そうだったんですか やっぱり、お燐の言ってた通り、安心でした」

 

夜見「はは、さとりさんは心配しすぎだよ」

 

そして夜見がベッドに座ると、さとりは夜見の隣に座った。

そしてさとりはある質問をした。

 

さとり「ところで黒夜さん お燐から聞いたんですが、こいしに友達が出来たと言ってたんですけど、本当ですか?」

 

その質問に夜見は笑顔で答えた。

 

夜見「あぁ、本当だよ とても楽しそうに遊んでたし、いい友達だと思うぞ」

 

さとり「そう、ですか」

 

するとさとりは何故か俯いてしまった。そして夜見は心配して問いかけた。

 

夜見「さとりさん、どうしたんだ?」

 

さとり「...その、黒夜さんに、助けられてばかりだなと、思ってしまって」

 

夜見「...いや、そんなことない」

 

すると夜見は、さとりの頭を撫でた。

 

夜見「さとりさんだって、いつも地底の管理を頑張ってるだろ」

 

するとさとりはあることに気付いた。

 

さとり「はい...あれ?黒夜さんに、私の仕事の話ってしてないですよね?」

 

夜見「ん?だって、最初に見たからな あの書類」

 

するとさとりは、初めて夜見と会ったことを思い出した。

 

さとり「あぁ、あの時に よく覚えてますね」

 

夜見「まあ、さとりさんに初めて会った時のことは、印象が強かったからな」

 

さとり「そうですか あと、そ...そろそろ、やめてくれませんか?頭撫でるの」

 

そう言ってさとりは、少し顔を赤くした。しかし夜見は、さとりの髪で三つ編みをし始めた。

 

さとり「な、何してるんですか!?」

 

夜見「う~ん さとりさんの髪、結構癖毛だから編みにくいな」

 

さとり「人の髪で遊ばないでください!」

 

夜見「はは、わかったよ」

 

そして夜見がさとりの髪から手を離すと、さとりは少し怒っていた。

 

さとり「まったく 黒夜さんは、私をなんだと思ってるんですか」

 

夜見「え?大切な家族だけど?」

 

そう言うとさとりは、顔を真っ赤にして夜見に言った。

 

さとり「ま、真顔でそんなこと言わないでください!」

 

夜見「だって、本当にそう思ってるぞ?」

 

さとり「もう、黒夜さんは...私をからかったから、私の仕事を1つしてください」

 

するとさとりは、からかったから仕事をしてほしいと夜見にお願いをした。

 

夜見「ん?そうか、何をすればいいんだ?」

 

さとり「お空の様子を少し見に行ってください 地霊殿の後ろに回って、道なりに行けば会えますから」

 

さとりは仕事の内容を伝えると、夜見は素直に仕事を受けた。

 

夜見「わかったよ じゃあ、行ってくる」

 

そして夜見は立ち上がって、地霊殿を出て裏に回った。

壁には穴が空いており、奥へ進めるようになっていた。

 

夜見(さてと、さとりさんを少しからかいすぎたな あとでちゃんと謝っておくか)

 

そして夜見は奥へ進んでいくと、ある場所へ出た。

 

夜見(暑いな、なんだここは?)

 

そこは、円柱の形をした空間だった。壁際は地面がなく、5mほど下にマグマが流れており、天井は無かった。

その空間の中央に空が飛んでいた。

 

夜見「お~い、空さーん」

 

夜見が呼びかけると、空は振り返って不思議そうな顔をしていた。

 

空「あれ、黒夜さん?どうしたの?」

 

夜見「実は、さとりさんに空さんの様子を見てきてって頼まれたんだ けど、一体ここで何をしてるんだ?」

 

空「あぁ、ここの温度調整だよ」

 

すると夜見は、不思議に思った。

 

夜見「温度調整?」

 

空「そう、でも私にもよくわかんないんだ なんでここの温度調整をするか」

 

夜見「へぇ、そうか それで、温度は大丈夫なのか?」

 

空「うん、大丈夫だよ」

 

夜見「そうか、わかったよ」

 

そして夜見は、地霊殿へ戻っていった。夜見が地霊殿に入ると、そこでこいしが待っていた。

 

こいし「お兄ちゃーん♪」

 

こいしがこちらに気付くと、こいしはおもいっきり抱き付いてきた。

 

夜見「おわっ!な、なんだ びっくりした」

 

こいし「えへへ、お兄ちゃん♪」

 

夜見「まったく よしよし、こいしさんはいい子だな」

 

そして夜見が頭を撫でると、こいしは嬉しそうだった。

 

こいし「えへへ♪なでなで~♪」

 

夜見「よしよし、こいしさんはいい子だからな さとりさんがどこにいるか教えてくれないかな?」

 

こいし「お姉ちゃんはね~、今は仕事部屋にいるよ」

 

夜見「それは最初にさとりさんと会った場所かな?」

 

こいし「うん、そうだよ」

 

夜見「そっか、じゃあ一緒に行こうか」

 

そして夜見はこいしと手を繋いで、さとりのいる部屋へ向かった。そしてその部屋に入ると、さとりは椅子に座って書類をまとめていた。

 

夜見「さとりさん、空さんの様子見てきたぞ」

 

さとり「あ、黒夜さん ありがとうございます」

 

夜見「あぁ、いいんだ別に そうだ、お金返すの忘れてたな」

 

さとり「あ、そうでしたね」

 

すると夜見はさとりに近付いて、お金の入った袋を返した。そしてさとりは袋の中身を確認した。

 

さとり「400文だけ使ったんですか 一体お昼に何を食べたんですか?」

 

さとりの質問に夜見は答えた。

 

夜見「あぁ、うどんだよ こいしさんの友達を3人連れてな」

 

するとさとりは夜見にこう言った。

 

さとり「そうすると、1人100文辺りですが?」

 

夜見「それは、あれだ 俺が激辛うどんっていうのを食べたからだよ」

 

さとり「そうだったんですか 食べきったら無料とかなんですか?」

 

夜見「まあ、そんな感じかな」

 

こいし「でも、お兄ちゃん以外の人も頼んでたけど、その人はすごく咳き込んでたよね」

 

するとさとりは、こいしの話を聞いて夜見に質問をした。

 

さとり「え?そんなうどんを食べたんですか?」

 

夜見「うん まあ、確かに辛かったな」

 

さとり「黒夜さんは咳き込んだりしなかったんですか?」

 

夜見「あぁ、そうだな」

 

するとさとりは、夜見にこう言った。

 

さとり「...黒夜さんって変わってるんですね」

 

夜見「え、そ、そうか?」

 

さとり「ええ、とても変わっていますよ」

 

夜見「そ、そっか」

 

夜見は顔には出ていなかったが、少しショックだった。




どうも、お風呂場の蓋です。
今回は夜見が一体どんな人物かをもう少し詳しく書いたお話としました。
ちなみに私は花言葉とかは一切わかりません。
花言葉に関してはインターネットで調べたものを引用しましたので、若干意味が違ったりするかも知れません。そこはご了承ください。
それでは、よければ次回も見てください。
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