心を閉ざした少年と少女   作:お風呂場の蓋

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第17話 行方不明者

夜見はしばらく森の中を歩いていると、霧が薄くかかった湖に出た。そして夜見は湖に沿って歩いていると、足元にあった何かを蹴った。

 

夜見(ん?なんだこれ?)

 

夜見の足元にあったのは蛙だった。いや、正確に言えば氷の中に蛙が入っていた。

 

夜見(なんで蛙が氷に...あぁ、あいつの仕業か)

 

そして夜見は足元の蛙が入った氷を拾うと、それを上に軽く投げた。すると夜見は、血で手元にハンマーを作り、そのハンマーを横に振るった。

 

パリィン

 

すると蛙が入った氷がちょうどあたって、氷が砕けた。そして夜見は氷が砕けた瞬間に血のハンマーを分解した為、蛙は無傷でその場に落ちた。しかし蛙は、一向に動く気配はなかった。

 

夜見(あれ?まさか、手遅れか)

 

そして夜見はその蛙を拾い上げると、微かに動いていることがわかった。

 

夜見(あぁ、良かった てか、この蛙デカイな 10cmはあるだろ...)

 

そして夜見は蛙をしばらく持っていると、体温で蛙が暖まったのか蛙の後ろ足が急に激しく動いた。

 

夜見「うわっ!?急に動くなよ」

 

そして夜見はその蛙を地面に下ろすと、その蛙は湖へ入っていった。そしてその蛙は湖の中央辺りまで泳ぐと、湖の中へ垂直に潜り始めた。

 

夜見(...え?蛙って潜る...いや、幻想郷じゃ不自然じゃないか)

 

そして夜見は紅魔館へ歩こうとした瞬間、後ろから声をかけられた。

 

チルノ「おい!そこの、黒...白?まぁなんでもいい!」

 

すると夜見はため息をついて振り返った。

 

夜見「俺は黒夜夜見だ 人の名前ぐらいはちゃんと覚えろ」

 

チルノ「だって、白いのを被ってるじゃないか!」

 

夜見「格好で名前が変わる訳ないだろ」

 

チルノ「ええい!とにかく、よくもあたいの作った氷を壊したな!」

 

夜見「...は?」

 

夜見は、チルノの言っていることにまったく心当たりがなかった。せめて、壊したといったらあの蛙が入った氷ぐらい...

 

夜見(あぁ、あれのことを言ってるのか)

 

そして夜見はチルノに言った。

 

夜見「あのなぁ、蛙をいじめるなよ 可哀想だろ?」

 

チルノ「うるさい!なんでもいいから覚悟!」

 

そしてチルノが弾幕を放ってきた。しかし夜見がその弾幕を避けた瞬間、あることが起きた。

 

ザパアアァァン

 

夜見「...え?」

 

音を立てた正体は、湖の中からやって来た。その正体は、5mは越えているであろう大きな蛙だった。

そしてその蛙の鼻先に、10cmほどの蛙が乗っていた。

 

夜見(あぁ、さっきの蛙か?恩返し的なのとかいらねぇよ?)

 

そう思った次の瞬間、大きな蛙が口を開けて舌を伸ばした。そしてその舌で捕らえたのはチルノだった。

 

夜見「あ」

 

チルノ「うえっ!?ちょっと待っ

 

すると大きな蛙は、チルノを口の中に入れてしまった。おそらく、蛙なりの恩返しのつもりだろうが夜見は少し可哀想な気がした。

 

夜見「あぁ... おーい!すまないが、出してやってくれないか?」

 

夜見がそう蛙に言うと、蛙はチルノを吐き出した。そしてチルノは頭からつま先まで濡れていた。

 

チルノ「うえぇ、気持ち悪い」

 

すると蛙は、湖の中に潜っていった。それを夜見は見送ってチルノの方を見ると、チルノは手で服に付いた液体を落としていた。

 

チルノ「うわぁ、全然とれない」

 

夜見「自業自得だ、そんなことをするからだろ?」

 

チルノ「うぅ...」

 

夜見「...はぁ、仕方ない」

 

すると夜見は被っていたマントをとって、そのマントでチルノを拭き始めた。

 

チルノ「うわぁ!?なんだよ!」

 

夜見「おい、動くなよ」

 

そして夜見は暴れるチルノをある程度拭き終わると、チルノに付いていた液体はほとんど取れていた。

 

夜見「ほら、拭き終わったぞ」

 

チルノ「うぅ、あ、ありがとう」

 

夜見「どういたしまして じゃあな」

 

そう言って夜見はマントを血で宙に浮かせながら、紅魔館へと向かった。

紅魔館に着くと門には、美鈴がいた。そして美鈴はこちらに気付くと、声をかけてきた。

 

美鈴「あ、黒夜さん おはようございます」

 

夜見「美鈴さん、おはよう 今日は服を返しに来たんだが」

 

美鈴「ええ、それは構わないんですけど それ、どういうことですか?」

 

すると美鈴は、宙に浮かせていたマントを指差した。その質問に対して夜見はこう答えた。

 

夜見「蛙の唾液 まあ、気にしないでいい」

 

美鈴「...一体何をしたら、そんなことになるんですか?」

 

夜見「まぁ、なんだ 蛙の怒りを買った妖精を助けたらこうなった」

 

美鈴「そ、そうですか でも、早く洗わないと大変なことになりますよ?」

 

夜見「そう言っても、服を返し終わらないと話にならないんだが?」

 

美鈴「あ、そうでしたね!今すぐ開けますから!」

 

そして美鈴が門を開けようとした瞬間に、夜見はこう言った。

 

夜見「あぁ、やっぱりいいや」

 

美鈴「いや、何を言って...あれ?」

 

美鈴は夜見の方を見ると、いつの間にか持っていた執事服が制服一式と黒いマントに変わっていた。

すると美鈴の背後から声が聞こえた。

 

咲夜「お客様が来た時は、まずは用事を済ませてから世間話をしてくれないかしら?」

 

美鈴「さ、咲夜さん!?」

 

すると美鈴は急に後ろにいた咲夜に驚いた。そして夜見は咲夜にお礼を言った。

 

夜見「ありがとう、咲夜さん 服を取ってきてくれて」

 

咲夜「いえ、時間がかかりそうだったので...それは?」

 

すると咲夜も美鈴と同様に、血で浮かせているマントに疑問を持った。

 

夜見「あぁ、これ?蛙の唾液でこうなってるんだよ まあ、そんなに気にしないでいい」

 

咲夜「そうですか もし良かったら、こちらで洗いましょうか?」

 

夜見「え?いいのか?」

 

咲夜「ええ、既に掃除などは全て、終わらせてしまったので そのマントなら夕飯前には洗い終わります」

 

夜見「そうか じゃあ、頼もうかな」

 

夜見がそう言った瞬間、浮いていたマントと咲夜が消えてしまった。そして夜見はベルトを着け、刀を差してマントを被り、制服は血の紐で小さくしてベルトと繋げた。

 

夜見「じゃあな、美鈴さん また夕飯前ぐらいに来るよ」

 

美鈴「ええ、気をつけて」

 

そう言って夜見は、次に人里へ向かった。

 

そして夜見は森を抜け、人里に入ると、掲示板のところへ向かった。そして掲示板には、1枚の依頼状があった。

 

[依頼:人捜し]

内容:行方不明者の特定

報酬:1人につき10銭

 

夜見(行方不明者?どういうことだ?)

 

夜見はその依頼状を剥がすと、その依頼状の裏にも何か書いてあることがわかった。

 

夜見(これは...行方不明者のリストか?ざっと50人以上はいるぞ...)

 

依頼状の裏には、行方不明者と思われる人の名前が隙間無く書かれていた。そして夜見は何か嫌な予感がした。

 

夜見(なんだ?この違和感、普通じゃないって言うか...)

 

そんなことを思いながら夜見は人里を出て、人里の外へ行方不明者を捜し始めた。

そして夜見はしばらく歩いていると、再び紅魔館の前に戻ってきてしまった。

 

美鈴「あれ?黒夜さん、どうしたんですか?」

 

夜見「あぁ、少し依頼でな 行方不明者を捜してるんだ」

 

美鈴「行方不明者?...ちょっと待っててくれますか?」

 

すると美鈴は門を開けて、紅魔館の中へ行ってしまった。しばらく待っていると、美鈴は着物を着た黒髪のロングヘアーの幼い女の子を1人連れて戻ってきた。

 

美鈴「もしかして、この子じゃありませんか?」

 

美鈴の言葉に、夜見は疑問を持った。

 

夜見「どういうことだ?」

 

美鈴「実はお嬢様が、散歩中に偶然見つけたようです 危ないから紅魔館で保護をしておくと、言っていましたが...」

 

すると夜見は少し考え込んで、美鈴に言った。

 

夜見「...すまないが、レミリアさんと話しをさせてくれないか?」

 

美鈴「ええ、いいですよ どうぞ」

 

すると美鈴は夜見に道を譲ったので、夜見は遠慮無く紅魔館へと入っていった。

そして夜見はレミリアの部屋の前に着くと、夜見は軽くノックをした。

 

コンコン

 

レミリア「いいわよ」

 

そして夜見は部屋の中へ入ると、レミリアは中央の紅い椅子で頬杖をついていた。するとレミリアはこちらを見て、笑顔で聞いてきた。

 

レミリア「あら?黒夜じゃない どうしたのかしら?」

 

すると夜見はレミリアに向けてこう言った。

 

夜見「行方不明者って言ったらわかるか?」

 

するとレミリアの顔から笑顔が消えた。そしてレミリアは夜見に質問をした。

 

レミリア「何が聞きたいのかしら?」

 

夜見「今知っている行方不明者の情報を聞きに来た」

 

するとレミリアは少し考え込んで、夜見に言った。

 

レミリア「...そうね 今の所知っているのは、人里で行方不明者がいきなり増えたことぐらいよ」

 

夜見「じゃあ、さっきの女の子はなんなんだ?」

 

夜見がそう聞くと、レミリアは大きくため息をついた。

 

レミリア「はぁ、美鈴から聞いてないのかしら?散歩中に見つけた、そして保護をした ただそれだけよ」

 

夜見「へぇ、そうか じゃあ、なんでここで保護をする必要があったんだ?」

 

するとレミリアは夜見にこう返した。

 

レミリア「それは、あの子供をそのまま人里に戻すと、死ぬ運命を辿ることになるからよ」

 

すると夜見は、レミリアにどういうことか質問をした。

 

夜見「死ぬ運命?一体どういうことだ?」

 

レミリア「そのままの意味よ あの子供から、人里に戻すと何者かに殺されるという運命が見えたの それを阻止して何がいけないのかしら?」

 

夜見「...レミリアさんは、運命を見れる能力でも持ってるのか?」

 

レミリア「半分正解 正確には、[運命を操る]能力よ」

 

夜見「じゃあ、その能力を使えば解決しただろ」

 

レミリア「まあ その方法もあるけど、私はそんなことはしないわ」

 

夜見「何故?」

 

するとレミリアは夜見をまっすぐ見て、こう言った。

 

レミリア「むやみにそんなことをしたら、この幻想郷の法則が乱れることと同じなのよ」

 

その言葉を聞いた夜見は、レミリアの行動に納得していた。

 

夜見「なるほどな じゃあ女の子は、いつ頃帰らせることが出来る?」

 

レミリア「まだそこまでの運命は見えない、今は時が過ぎるのを待つしかないわ」

 

するとノックもせずに誰かが部屋に入ってきた。夜見は振り返るとそこには、先ほどの女の子がいた。

すると女の子はレミリアに近付いていった。

 

レミリア「どうしたのかしら?」

 

レミリアは女の子の頭を撫でながら聞くと、女の子は言った。

 

女の子「お腹減った おやつちょうだい」

 

レミリア「朝からお菓子なんて駄目よ 我慢しなさい」

 

すると女の子はレミリアのスカートを掴んで、駄々をこね始めた。

 

女の子「やだやだ、お腹減ったの」

 

レミリア「駄目よ、我慢しなさい ちょっと、咲夜?」

 

レミリアが咲夜を呼ぶと、夜見の隣に咲夜が現れた。

 

咲夜「はい、どうしましたか?お嬢様」

 

すると女の子は咲夜に近付いていって、駄々をこね始めた。

 

女の子「お腹減った、おやつ食べたい」

 

咲夜「駄目です 朝からお菓子を食べるなんて」

 

女の子「むー、お腹減ったのー」

 

すると夜見はレミリアに近付いて、小さな声であることを聞いた。

 

夜見「なぁ、朝食は食べさせたか?

 

レミリア「ええ、そうなんだけど 量が少なかったかしら

 

夜見「どうするんだ?なかなか言うこと聞かなそうだが

 

レミリア「そうね

 

するとレミリアはふと気になったことを夜見に聞いた。

 

レミリア「そう言えば、黒夜は一体どこで行方不明者のことを知ったのかしら?」

 

夜見「それは、えっと確か...」

 

すると夜見は依頼状をポケットから取り出し、その依頼状をレミリアに渡した。

そしてレミリアはその依頼状をゆっくりと見ていると、あることに気付いた。

 

レミリア(なんでこんな依頼状が?一体誰が、なんの目的で...)

 

夜見「...どうかしたか?」

 

するとレミリアは夜見に依頼状について聞いた。

 

レミリア「黒夜、この依頼状おかしいと思わない?」

 

夜見「ん?あぁ、確かに何か違和感は感じたが?」

 

するとレミリアが感じた違和感を話し始めた。

 

レミリア「まず、人里が行方不明者の捜索を依頼するにしても、何故依頼状にしたのかしら それに、報酬にしても額が全然情報と労力が釣り合っていないわ そして何より、報酬は一体誰が渡すのかしら」

 

夜見「あぁ、そうだな この依頼状、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()って言ってるみたいだな」

 

レミリア「一体、誰がなんの目的でこんなものを」

 

2人は依頼状に疑問を感じていると、夜見は女の子がすぐそばに来ていて、咲夜がいなくなっていることに気付いた。

そして夜見は女の子に優しく声をかける。

 

夜見「ん?どうかしたか?」

 

声をかけられた女の子は不思議そうに聞いた。

 

女の子「ねぇ、おじさんだぁれ?レミリアお姉ちゃんのお友達?」

 

すると夜見はため息をついて、仮面を外した。

 

夜見「俺はおじさんって言うほどの歳じゃない 俺はまだ16だ それと、レミリアさんと友達ってのは間違ってはいないかな」

 

女の子「わぁ、かっこいいね お兄さん」

 

夜見「そうか、そりゃありがとう」

 

そして夜見は女の子の頭を撫でると、女の子は嬉しそうだった。

すると女の子は自己紹介をした。

 

女の子「私、咲希(さき)っていうの お兄さんは?」

 

夜見「俺は黒夜夜見だ」

 

そして咲希は夜見に向かってこんなことを言った。

 

咲希「ねぇ、黒夜!私と遊ばない?」

 

咲希がそう言うと、レミリアは夜見に言った。

 

レミリア「遊んであげたら?この子、暇だから」

 

夜見「いや、俺は仕事をしないと 一応行方不明者を捜せば、この異変の犯人がわかるかも知れない」

 

するとレミリアはこう言い出した。

 

レミリア「そんなの今日中に見つかる筈ないわ そもそも情報がないじゃない それに、この子と遊んであげたら報酬もあるわよ?」

 

すると夜見は少し考え込んでから、レミリアに言った。

 

夜見「要するに、犯人がまだわからないんだから、この子と遊んであげなってことか?」

 

レミリア「まあ、そういうことね」

 

すると夜見は諦めたようにため息をついた。

 

夜見「まあ、仕方ないか よし、じゃあ咲希さん、何して遊ぼうか?」

 

咲希「ん~とねぇ、鬼ごっこがしたいな」

 

夜見「そうか じゃあ、俺が最初に鬼をやろう」

 

咲希「わかった じゃあ、ちゃんと10数えてね」

 

すると咲希は部屋から出ずに、ベランダへ向かった。

 

夜見(ん?何してんだ?)

 

夜見が不思議に思っていると、咲希はベランダの手すりをよじ登って、そのままベランダから飛び降りた。

 

夜見「な!?」

 

夜見は急いで咲希の方へ向かおうとしたが、レミリアに腕を掴まれて止められた。

 

夜見「何するんだ!レミリアさん!」

 

レミリア「落ち着きなさい黒夜、よく見てみなさい」

 

夜見「何を言っ...」

 

すると夜見はあり得ない光景を目にした。それは咲希が宙に浮かんでいる様子だった。

そして夜見はレミリアに質問をした。

 

夜見「お、おい なんで人里の人間が空を飛べるんだ?」

 

レミリア「不思議でしょう?人里の人間は普通、空を飛べることはない しかもあの子はまだ幼すぎる そんな子供が人里であんなことをしたら、何が起こるかは想像がつくわ」

 

夜見「まさか、あれが本当の理由か?」

 

レミリア「いえ、本当の理由はさっき話した事 あの力についてはあくまでも別だわ」

 

すると夜見はレミリアが咲希を保護している理由について、あることに気付いた。

 

夜見「なぁ、1ついいか?」

 

レミリア「どうしたのかしら?」

 

夜見「レミリアさん、フランドールさんと重ねただろ」

 

レミリア「あら?一体どういうこと?」

 

すると夜見は少し口調を強くして言った。

 

夜見「とぼけるな、フランドールさんの狂気とあの子の特別な力、重ねて見たんだろ?」

 

するとレミリアはいきなり怒った様子で立ち上がり、夜見の首を掴んでこう言った。

 

レミリア「これ以上言うと、首をへし折るわよ?」

 

レミリアは夜見を脅すが、夜見は顔色を変えずに言った。

 

夜見「何を言ってるんだ?まさか、またビビってんのか?」

 

するとレミリアは、手に少し力を込めた。

 

ギリッ

 

レミリア「言った筈よ これ以上言うと、殺すって」

 

夜見「はっ、何言ってんだ? 俺を殺したってどうにもならねぇ、わかってるだろ」

 

レミリア「黙れ!お前に何がわかる!」

 

夜見「へぇ、それじゃまるでレミリアさんはあの子がどう苦しむかを知ってるみたいな言い方じゃねえか」

 

レミリア「五月蝿い!黙れ!」

 

すると夜見は首を掴んでいるレミリアの手に自分の手を添えてこう言った。

 

夜見「...いい加減にしろよ?」

 

ゾクッ

 

その瞬間、レミリアは一瞬寒気を感じた。するとレミリアの手が緩んだ隙に夜見は、レミリアの手から抜けた。

 

レミリア(な、何!?さっきの寒気は!?異変の時と、同じ寒気...)

 

そしてレミリアはその場で腰を抜かしてしまった。

 

夜見「なんなんだ?さっきからよ あの子が嫌われるのが怖い?じゃあ、聞くけどよぉ、お前はフランドールさんが狂気に呑まれない為に、お前はフランドールさんに寄り添ったのか?」

 

するとレミリアは震えた声で答えた。

 

レミリア「う、五月蝿い!貴方には関係ないでしょ!」

 

夜見「今回もお前は同じ事をしてんだよ あの子が嫌われないように紅魔館に置いておく フランドールさんを閉じ込めた時と何も変わんねぇじゃねえか」

 

レミリア「じゃあ何!?貴方ならあの子を嫌われないように出来るって言うの!?」

 

すると夜見は不思議に思っている様子で言った。

 

夜見「何を言ってるんだ?お前は?」

 

レミリア「はぁ!?貴方が言ったんでしょ!?」

 

そして夜見はため息をつく。

 

夜見「はぁ、まだわかんねぇのか」

 

すると夜見はベランダに出て、レミリアに言った。

 

夜見「幻想はどれだけ見ても言ってもいいけどよ、叶えるために努力をしろよ 何もしねぇで幻想を見ても、何にも変わんねぇだろ」

 

すると、その言葉を聞いたレミリアはゆっくりとしゃべり始めた。

 

レミリア「...そうよね、私は確かにこうなればいいってばかり思っていた」

 

そしてレミリアはゆっくりと立ち上がった。

 

レミリア「でも、もうそうするのも終わり ありがとう、黒夜 おかげで目が覚めたわ 私は、私の方法でみんなとしっかりと向き合うわ」

 

すると夜見は笑顔でレミリアに言った。

 

夜見「なんだよ さっきはビビってたくせによ」

 

レミリア「うるさいわね もうあの子は苦しませないわ」

 

夜見「へぇ 一応聞いておくが、どうするつもりだ?」

 

するとレミリアはクスリと笑った。

 

レミリア「決まってるじゃない、あの子は紅魔館で雇うわ」

 

夜見「まぁ、どうせそんなことだろうと思った」

 

そう言うと夜見は血の翼を作り、空へ羽ばたいていった。

するとレミリアの後ろに咲夜が現れた。そしてレミリアは咲夜に話しかけた。

 

レミリア「咲夜、盗み聞きなんて良くないわよ」

 

咲夜「申し訳ありません、お嬢様 黒夜様が何か大事なお話をしてると思って、待っていただけなのですが」

 

レミリア「...まぁ、いいわ 今日は気分がいいから見逃してあげるわ 次は気を付けなさい」

 

咲夜「はい、お嬢様」

 

一方、夜見は屋上で辺りを見渡していた。しかしなかなか咲希が見当たらなかった。

 

夜見(レミリアさんと話してて、少し時間がかかったからな 遠くに行ったってことは無いだろうけど...)

 

すると夜見の背後から声が聞こえた。

 

咲希「おそーい、お兄さん 時間かかりすぎだよ?」

 

夜見が振り返ると、そこには咲希が宙に浮いていた。そして夜見は咲希に話しかけた。

 

夜見「あぁ、悪かった お詫びとして、一瞬で捕まえてやろうか?」

 

咲希「へぇ じゃあ、やってみてよ」

 

夜見「あぁ、後悔するなよ?」

 

そして夜見は咲希に向かって全力で飛んだ。しかし咲希との距離があと2mほどになった瞬間、咲希の姿が消えた。

 

夜見「なっ!?どこだ!?」

 

夜見は辺りを見渡すと、咲希は夜見の後ろにいた。

 

咲希「あれれ?どうしたの?あはは」

 

夜見(...まさか、咲夜さんと同じ様に時を操ったのか?とりあえず、あの瞬間移動は空間に関する能力の筈だ)

 

そして夜見は再び咲希に向かって飛ぶが、捕まえる1歩手前で咲希は背後に移動してしまう。すると咲希はそんな様子の夜見を少し馬鹿にし始めた。

 

咲希「さっき一瞬で捕まえるとか言ってたのに、全然捕まえられないじゃん ほら、私はここだよー?」

 

夜見(...瞬間移動 いや、どこを通って移動をしたんだ?)

 

すると夜見は違和感を感じ、翼の一部を空気中に分解した。そして夜見は少し小さくなった翼を羽ばたかせて咲希へ近付いた。しかし、やはり咲希は捕まえる前に一瞬で夜見の背後に回ってしまう。

 

そして夜見は急いで振り返ると、あることを確信した。すると夜見は咲希に話しかけた。

 

夜見「1ついいか?咲希さん」

 

咲希「どうしたの?もしかして、降参?」

 

夜見「どうして、俺の真後ろに回らないんだ?」

 

咲希「ん?なんのことかな~?」

 

咲希は首をかしげていたが、すぐに嘘だと見抜いた。

 

夜見「知らないふりをしたって駄目だ 咲希さんの能力がどんなものかはわかった」

 

すると咲希は少し間を開けて話した。

 

咲希「へぇ、わかったんだ でも、わかった所で私を捕まえるのは無理じゃないかな?」

 

夜見「あぁ、わかってる だから、こっちも能力を使わせてもらった」

 

咲希「ん?何を言って...あれれ?体が動かない?」

 

すると咲希の体にいつの間にか赤い糸のようなものが絡まっていた。そして咲希は夜見に話しかけた。

 

咲希「何これ?お兄さんの能力?」

 

夜見「あぁ、そうだ」

 

咲希「へぇ でも、無駄だよ?」

 

すると咲希は体に絡まっていた糸を、手でさらっと取ってしまった。そして夜見はゆっくりと咲希に近付いた。

 

咲希「ゆっくり近付いても、変わらないよ?」

 

そして咲希が消えた。すると夜見の横で声が聞こえた。

 

咲希「あだっ!?」

 

そして夜見は横にいた咲希の肩に手を置いた。そして夜見は咲希に言った。

 

夜見「やっと捕まえた 随分と待たせたな」

 

咲希「いったーい なんで壁が?あぁ、これもお兄さんの能力かぁ」

 

すると咲希の前には、赤い壁が浮かんでいた。それはもちろん、夜見が能力で作った血の壁だった。

そして夜見は咲希に話しかけた。

 

夜見「咲希さんは俺の背後に移動しなかったんじゃなくて、俺の背後に移動出来なかったんじゃないか?」

 

咲希「なーんだ、もうばれちゃった メイドさんとレミリアお姉ちゃんには、ばれるまでもう少し時間かかったんだけどなぁ お兄さん、随分目がいいんだね」

 

夜見「あぁ、一瞬だが、咲希さんが俺の真後ろにいなかったのが見えた それで確信したよ」

 

すると咲希は夜見に問題を出した。

 

咲希「じゃあ、私の能力は一体なんでしょうか?」

 

そして夜見は答えた。

 

夜見「おそらく、近付ける能力だろ?」

 

咲希「まぁ、大体正解 ちゃんと言うと[縮める]能力 私は物も距離も時間も縮めることが出来るの」

 

そして夜見は咲希がどうやって移動していたかを理解した。

 

夜見「つまり咲希さんは縮地を使って、まさに瞬間移動をしたように見せたってわけだな」

 

咲希「そうだよ だけど、まさか途中に壁が出てくるとは思わなかったよ よく反応出来たね」

 

夜見「まぁ、反応出来なくても結局柔らかい壁にぶつかることになってた筈だ 近付くと同時に、血を集めてたからな」

 

咲希「失敗しないようにそんなことまで考えてたんだ て言うか、血?お兄さんは血を操る能力なの?」

 

夜見「あぁ、そうだ」

 

すると咲希はこんなことをいい始めた。

 

咲希「へぇ、じゃあ弾幕ごっこに負けないじゃん 血を操って、相手の動きを止めちゃえばいいんだもん」

 

咲希はそう言いながら屋上に座った為、夜見も屋上に座り、血の翼を空気中に分解した。

 

夜見「さすがにそんなことはしない そんなことしたら、さすがに反則と変わらない」

 

咲希「そういう所も、ちゃんと考えてるんだ」

 

夜見「平等に戦わないと、弾幕ごっこの意味がないだろ」

 

咲希「そっか、確かにそうだね お兄さんは随分とこだわってるんだね、そういうの」

 

夜見「ルールは守って平等に決める 当たり前のことだ」

 

咲希「そっか」

 

そして咲希は夜見の考えに納得していた。すると咲希は夜見に質問をした。

 

咲希「ところでお兄さんって彼女とか気になる人っているの?」

 

夜見「おいおい、そういうのは聞くもんじゃないぞ」

 

すると咲希は夜見を見ながらニヤニヤし始めた。

 

咲希「そっかぁ、恥ずかしいんだ?」

 

夜見「そんなじゃねぇよ」

 

咲希「恥ずかしく無いなら、言えるよね?」

 

夜見「...はぁ いないよ、気になる人も彼女も」

 

咲希「え~?つまんないの だったら、レミリアお姉ちゃんにお兄さんが好きだって言ってたって言ってあげようか?」

 

夜見「やめとけ 怒られるぞ」

 

すると咲希は夜見の話を聞かずに、ベランダから紅魔館へ入っていった。するとレミリアの怒鳴り声が聞こえてきた。

 

夜見(あーあ、だからやめとけって言ったのに)

 

そしてしばらくすると咲希がベランダから湖の方向へ飛んでいってしまった。するとレミリアが夜見に向かって飛んできた。

そしてレミリアは顔を真っ赤にしながら夜見に話しかけてきた。

 

レミリア「あ、貴方!何を急に変なことをあの子に言わせてるのよ!」

 

夜見(いや、本気にすんなよ)

 

レミリア「わ、私なんかが貴方と釣り合う訳無いでしょ!自分の身分をわかってるの!?」

 

夜見「はいはい、わかってるよ とりあえず、これでも指しとけ」

 

すると夜見は血で作ったあるものをレミリアに投げた。それをレミリアはキャッチすると、不思議そうに夜見に聞いた。

 

レミリア「黒夜、なんで傘なんか渡すのよ?」

 

夜見「ん?吸血鬼は確か、日が弱点なんじゃなかったか?」

 

するとレミリアは、日傘を急いで開いた。そしてレミリアは夜見に向かって言った。

 

レミリア「は、早く言いなさい!そういう大事なことは!」

 

夜見「いや、自分で気付けよ」

 

レミリア「とりあえず、あの子と引き続き遊んであげなさい 出来ればフランともね」

 

そう言ってレミリアは、自分の部屋へ戻っていった。そして夜見はレミリアが部屋に入ったであろうタイミングで日傘を分解して、血を自分のところまで戻した。

 

夜見(さてと、とりあえず咲希さんを連れ戻さないとな)

 

すると夜見は血で翼を作り、湖まで飛んでいった。

夜見は湖に着くと、湖の近くで座っている咲希の近くに降りた。

 

夜見「おい、咲希さん 戻るぞ」

 

咲希「どうだった?レミリアお姉ちゃんの反応は?」

 

夜見「あぁ、なんか怒られた」

 

すると咲希はその場で寝転び始めた。

 

咲希「なーんだ 貴方がそのつもりなら、いいわよ みたいなの期待してたのになぁ」

 

夜見「あんまり恩人で遊ぶな 咲希さんを助けてくれたんだから」

 

咲希「いやー、だって面白いんだもん さてと、戻ろうっと」

 

すると咲希は立ち上がり、紅魔館へと飛んでいった。そして夜見も紅魔館へと飛んで戻っていった。

 

そして紅魔館の屋上に咲希と夜見は降りた。そして咲希は夜見に向かってこう言った。

 

咲希「さてと、今度はかくれんぼ もちろん、お兄さんが鬼だよ?」

 

夜見「あぁ、わかったよ ただし、隠れる場所を距離を縮めて移動とかは無しだ」

 

咲希「えー 絶対見つからないと思ったのに」

 

夜見「さすがに駄目だろ 半永久的に終わらなくなる」

 

すると夜見の後ろから、誰かが着地する音が聞こえた。振り返るとそこには日傘を指したフランドールがいた。

 

フランドール「何してるの?黒夜と咲希は?」

 

咲希「あ!フランお姉ちゃん!」

 

夜見「あぁ、フランドールさんか 今、咲希さんとかくれんぼをする事になったんだ」

 

夜見がそう言うと、フランドールは目を輝かせてこう言った。

 

フランドール「私も遊びたい!いいでしょ?」

 

夜見「そうだな、人数は多い方が楽しいしな」

 

咲希「じゃあ、フランお姉ちゃん 早く紅魔館の中に隠れよ!」

 

フランドール「黒夜 絶対に見つからないからね!」

 

フランドールと咲希はそう言って屋上から降りて、紅魔館の玄関から中に入っていった。そして夜見はその場で10数えた。

 

夜見(...9 10 さてと、数えたし さっさと探すか)

 

そして夜見は、紅魔館の屋上から降りて紅魔館の玄関から中に入っていった。

そして夜見は隠れたフランドールと咲希を探しに向かった。




どうも、お風呂場の蓋です。
今回は主人公以外のオリジナルキャラが出てきました。
あと、オリジナルキャラは2~3人ぐらい出そうかどうか迷ったりしています。
よければ、次回も見てください。
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