心を閉ざした少年と少女   作:お風呂場の蓋

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第23話 3人の姉妹とライブの約束

夜見は森の奥へ進んでいたが、昼前だというのに薄暗かった。それは木の上に積もった雪のせいなのだが、今日はやけに薄暗いように見えた。

 

夜見(妙に薄暗いな まぁ、気にすることでも無いな)

 

夜見は薄暗さを気にすることなく地底への穴に向かっていると妙な音に気が付いた。

 

♪~ ♪♪~ ♪~

 

夜見(ん?この音...一体どこから?)

 

音の根源が遠いからか、うっすらとしか聞こえないが何やら楽器の音色が聴こえてきた。夜見は音からして弦楽器の部類だとわかった。

そして夜見は足を止めるとを目を瞑って、楽器の音色に耳を済ました。

 

夜見(右からだな 一体誰が演奏なんかしてるんだ?)

 

そして夜見は音色が聴こえる方向を確認すると、その方向へ足を進めた。音の方向に進むに連れて楽器の音がどんどん鮮明に聴こえてくると、夜見はこの音色はヴァイオリンが奏でていることに気が付いた。

そして夜見は前にこいし達とかくれんぼをして遊んだ開けた場所に出ると、その中央にヴァイオリンを演奏している少女が見えた。

 

その少女は金髪のショートヘアーで、頭には円錐形をした返しある黒い帽子を乗せており頂には赤い三日月の飾りが付いている。服装は白いシャツの上に黒い服、黒いスカートを着ていた。

 

その少女は夜見に背中を向けて演奏をしているからか、まったく夜見に気付く気配は無かった。そして夜見は少女には悪いがもう少し演奏を聴いていようと木に背中を預けるようにもたれかかってヴァイオリンの音色を聴いていた。

しばらく少女はヴァイオリンを演奏していたが、2分ほどで演奏が終わってしまった。すると少女はポツリと独り言を呟いた。

 

?「これなら、本番も大丈夫ね」

 

しかし夜見はその独り言は聞こえておらず、夜見は少女に向かって拍手をした。

そして少女は拍手の音にびっくりして振り返ると、驚いた様子だった。

 

?「ひゃっ!?だ、誰!?」

 

夜見「あぁ、驚かせてすまない 綺麗な音色だったから、つい拍手を」

 

?「に、人間!?あ、あなた大丈夫なの!?」

 

夜見「ん?大丈夫ってどういうことだ?」

 

?「...え?な、なんともないの?」

 

夜見「あぁ、大丈夫だが?」

 

?「ど、どのくらい聴いてたの?」

 

夜見「ん~、2分くらいだな」

 

?「ど、どういうこと...」

 

すると夜見はこのままだと話がなかなか進まないと思い、とりあえず仮面を外して自己紹介をすることにした。

 

夜見「俺は黒夜夜見っていうんだが、貴女の名前はなんていうんだ?」

 

?「あ、えっと、私はルナサ・プリズムリバー」

 

夜見「ルナサさんだな、よろしくな」

 

そして夜見は手を差し出すとルナサも手を出して握手をした。しかし夜見はその時にルナサから生気や体温が感じられなかった。

すると夜見はルナサにあることを聞いた。

 

夜見「...もしかしてルナサさんって人間じゃないのか?」

 

ルナサ「えぇ 私は騒霊だから」

 

ルナサは自分が霊であることを明かしたが、特に夜見は気にしていない様子だった。

 

夜見「へぇ、騒霊ねぇ 霊には実体が無いとか触れないとかよく聞くけど、案外触れるもんなんだな」

 

ルナサ「そうね」

 

夜見は話した時からルナサのテンションの低いなと感じていたが、別に話したくない訳でもなさそうなので本題を切り出した。

 

夜見「まぁそんなことより、さっきの大丈夫かって聞いてきたのはルナサさんの能力か何かが関係してるのか?」

 

ルナサ「うん、そう 私は[(うつ)の音を演奏する]能力を持ってるから、貴方が鬱になっていないかが心配だったの」

 

夜見「鬱の音ねぇ... 別に綺麗な音色だったし、鬱になるだなんて信じられないけどな」

 

ルナサ「そう それと、そんなに私の演奏上手だった?」

 

夜見「あぁ、上手だった ヴァイオリン1つだけで、あんな綺麗な音色が奏でられるんだな」

 

ルナサ「そっか、ありがとう」

 

ルナサは表情にはあまり出していなかったが、とても嬉しそうにしている様子だった。すると夜見の背後から2人の声が聞こえてきた。

 

?「あ、やっぱりここにいた 姉さん」

 

?「本当だ!メルラン姉さんの言う通りだったね!」

 

夜見は声が聞こえた方向を向くと、森の奥から2人の少女が現れた。

 

1人は薄い水色のショートヘアーで頭にはルナサと同じ形の薄いピンクの帽子を被っており、頂には太陽を連想させるような形の青い飾りが付いていた。服装は薄いピンク色をしたルナサと同じ服装だった。

 

もう1人は茶髪のショートヘアーで頭にはルナサと同じ形の赤色の帽子を被っており、頂には緑色の流れ星の飾りが付いていた。服装の上は赤色のルナサと同じ服だったが、下は赤色のキュロットを履いていた。

格好や言っていた言葉から察するに、おそらく姉妹なのだろう。

 

すると薄いピンク色の格好をした少女はルナサに話しかけた。

 

?「もー、姉さん 1人で練習するなら何か一言声をかけてから出掛けてよね」

 

しかしルナサはその少女が言っていたことに疑問を持っている様子だった。

 

ルナサ「え?私は朝起きたときにリリカに出掛けるように言ったはずなんだけど、聞いてないの?」

 

ルナサがそう言うと、その少女はキョトンとした。

 

?「え?でも私はリリカから何も聞いてないよ?」

 

?「あれ?私、ルナサ姉さんにそんなこと言われたっけ?」

 

ルナサ「...リリカ、人の話はちゃんと聞きなさい まったく」

 

ルナサは赤色の格好をした少女に呆れていると、その赤色の格好をした少女は夜見に話しかけてきた。

 

?「ねぇ、ところで貴方は一体誰?ルナサ姉さんと何か話してた様子だったけど?」

 

夜見「あぁ、俺は「もしかして、ルナサ姉さんの彼氏さん?」

 

赤色の格好をした少女が夜見の声を遮ってそういうと、ルナサは顔を真っ赤にしてその少女に怒鳴った。

 

ルナサ「な、何言ってるの!?そんなわけ無いでしょ!?」

 

?「あれ、違うの?でもルナサ姉さん、顔が真っ赤だよ?」

 

?「え、嘘 姉さん、まさか私達に黙ってたの?」

 

ルナサ「だから、違うって!」

 

しかしルナサは顔を真っ赤にして反抗しているため、その赤色の格好をした少女は夜見にこんなことを聞き始めた。

 

?「ねぇ、彼氏さん ルナサ姉さんとキスとかしたの?」

 

するとルナサは更に顔は赤く染まった。

 

ルナサ「ちょっと!リリカ!?」

 

夜見「いや、だから俺は「いや、やっぱいいや!言いずらいよね」...はぁ」

 

?「ね、姉さん?もうそんなに深い関係なの?」

 

ルナサ「だ、だから違うって言ってるでしょ!人の話を聞きなさい!」

 

?「あはは、でもルナサ姉さんが顔を真っ赤にしたってことはキスはしたんだね」

 

ルナサ「ち、違うって言ってるでしょ!」

 

するとルナサは赤い格好をした少女に殴りかかる勢いで襲いかかろうとしたので、夜見は両手で肩を掴んで止めた。

 

夜見「ルナサさん、落ち着いて」

 

ルナサ「リリカ!いい加減にしなさい!」

 

?「ルナサ姉さん、彼氏さんが落ち着いてって言ってるんだから落ち着いてあげなよ」

 

夜見「あぁ、あとちなみに2人も落ち着いてくれないか?話が進まない」

 

?「そ、そうね リリカ、まずは話を聞きましょう」

 

?「はいはい、わかったよ 彼氏さん♪」

 

ルナサ「リリカ!いい加減に「ルナサさん、だから落ち着いてって」

 

しばらく夜見はルナサを押さえていると落ち着き始めたので、手を離して2人に自己紹介をした。

 

夜見「俺は黒夜夜見 念のため言うけど、ルナサさんとはさっき知り合ったばかりだから彼氏でもなんでもない」

 

夜見は軽く自己紹介をすると、次に薄いピンク色の格好をした少女が自己紹介をした。

 

?「私はメルラン・プリズムリバー 姉妹の中の次女です」

 

?「はいはーい!私はリリカ・プリズムリバー!姉妹の中の三女でーす!」

 

夜見「えっと、メルランさんにリリカさんか よろしく」

 

リリカ「黒夜ー!よろしくねー!」

 

するとリリカは夜見の手を両手で掴んでブンブン上下に振り始めた。おそらくリリカはとても元気で活発な子なのだろう。

 

メルラン「リリカ、黒夜さんが困ってるよ」

 

リリカ「えー?そんなことないよ!ね?黒夜」

 

するとリリカは手を振るのを止めて笑顔をこちらに向けてきた。正直夜見は困ってもいないので、とりあえず頷いた。

 

夜見「まぁ、別に困ってないよ リリカさんはずいぶん元気なんだな」

 

リリカ「元気なのが何より1番だよ!」

 

夜見「そうかもな とりあえず、手はいつ放すつもりだ?」

 

するとリリカはルナサの方をチラリと見ると、リリカは笑顔でこう言って手を放した。

 

リリカ「そうだね、ずっと手を掴んでたらルナサ姉さんが妬いちゃうからね♪」

 

ルナサ「リリカ!いい加減にしなさい!」

 

リリカ「わ~、怒った怒った♪にっげろ~♪」

 

するとリリカは振り返って森の中へ走って入っていくと、ルナサも走って森の中へ入っていった。

そして残されたメルランは夜見に話しかけてきた。

 

メルラン「そういえば、黒夜さん ルナサ姉さんと一体なんの話をしてたんですか?」

 

夜見「ん?あぁ、演奏が上手だなって話をしてたんだ ヴァイオリンだけであんな演奏が出来るんだな」

 

するとメルランは心配そうな様子で聞いてきた。

 

メルラン「え?つまり黒夜さんはルナサ姉さんの演奏を聴いたってこと?」

 

夜見「まぁ、そうなるな」

 

メルラン「大丈夫?気分が下がったりとかしてない?」

 

夜見「あぁ、能力の話か?それに関しては特に影響は何も無かったが?」

 

夜見がそう言うと、メルランは少し疑問に思っている様子だったが安心したように言った。

 

メルラン「そうなんだ なら良かった」

 

すると夜見はふと、あることが気になったのでメルランに聞いてみることにした。

 

夜見「そういえば、メルランさんとリリカさんはルナサさんと姉妹なんだよな?」

 

メルラン「うん、そうだよ それがどうかしたの?」

 

夜見「姉妹って言うことは、何か似たような能力を持ったりしてるのか?」

 

メルラン「うん、持ってるよ 私の能力は[(そう)の音を演奏する]能力 リリカは[幻想の音を演奏する]能力なんだ」

 

夜見「躁の音に幻想の音か 姉妹揃って全員、音楽に関する能力を持ってるんだな」

 

夜見は正直な感想を言うと、メルランはある提案をしてきた。

 

メルラン「そうだ!もし良かったら、私の演奏も聴いてくれないかな?1人で練習したり、みんなで合わせて練習はしてるんだけど、聴いてる側の意見って取り入れる機会が少ないから ね?お願い!」

 

メルランはそう言って夜見に向かって手を合わせてお願いをしてきた。1人の演奏は聴いて他の人の演奏を聴かないというわけにもいかないので、夜見はそのお願いを受け入れることにした。

 

夜見「まぁ、別に構わないが...」

 

メルラン「よかった!じゃあ、ちゃんと聞いててね?」

 

するとメルランはどこからともなくトランペットを取り出して演奏をし始めた。メルランのトランペットの音は、ルナサのヴァイオリンとは一味違う心地よい音色を奏でていた。

 

♪♪~♪~ ♪~♪~

 

夜見はトランペットの音を静かに目を瞑りながら聴いていたが、あっという間に時間は過ぎてしまい、5分程で演奏は終わってしまった。

そして夜見は目を開けると目の前には何故か不安そうなメルランがいた。

 

メルラン「ど、どうだったかな?何か変なところあった?」

 

不安そうなメルランに対して夜見は拍手をしてこう言った。

 

夜見「いや、変なところは1つも無かった むしろ、とてもいい演奏だった」

 

メルラン「え!?ホント!?良かった~ 私、この曲少し苦手だったんだよね」

 

夜見「さっきの曲、苦手なのか?そうとは思えないほどいい演奏だったが?」

 

メルラン「そ、そんなに褒めないでよ、恥ずかしいよ」

 

メルランはそんなことを言っていたが、とても嬉しそうな様子だった。

そして夜見の後ろから足音が聞こえきたので夜見は振り返って見ると、そこにはリリカの首根っこ辺りの襟を掴んで引き()っているルナサがいた。リリカは結局ルナサに捕まったようだ。

 

リリカ「ちょっと、ルナサ姉さん!私が悪かったから引き摺らないで!」

 

ルナサ「はぁ、はぁ やっと捕まえた」

 

夜見「ルナサさん、大丈夫か?」

 

ルナサ「だ、大丈夫 これくらい」

 

夜見はルナサを心配していると、リリカは夜見に助けを求めてきた。

 

リリカ「ちょっと黒夜!?私の心配はしてくれないの!?」

 

夜見「追いかけられる理由は自業自得だろ 心配も何もないだろう?」

 

するとリリカは次にメルランに助けを求めてきた。

 

リリカ「そんな!メルラン姉さんも何か言ってよ!」

 

メルラン「え?えっと...私は黒夜さんの言う通りだと思うよ」

 

リリカ「メルラン姉さんまで!?」

 

するとリリカは希望が絶たれ、絶望したような雰囲気を出していたので、とりあえず夜見はルナサにリリカを放すように促した。

 

夜見「ルナサさん、リリカさんも反省しているようだし放してあげたらどうだ?」

 

するとルナサはリリカの様子を見て少し考え込むと、リリカに向かってこう言った。

 

ルナサ「...リリカ、黒夜さんに感謝しなさいよ」

 

ルナサはそう言うとあっさりと手を放してリリカを解放した。ルナサの発言から察するに、今回は夜見がいるから許してあげたのだろう。

するとリリカは夜見の前に立って頭を下げてきた。

 

リリカ「ありがとう、黒夜」

 

夜見「いや、いいんだ別に とりあえずリリカさんはからかうのも大概にな?」

 

リリカ「うん、ありがとう」

 

すると今度はルナサが夜見の前に来て話しかけてきた。

 

ルナサ「そういえば黒夜さん、私がリリカを追いかけてる間、もしかしてメルランの演奏を聴きましたか?」

 

夜見「あぁ、聴いたぞ メルランさんも演奏が上手なんだな」

 

メルラン「そうそう それで黒夜さん、演奏が上手って褒めてくれたんだよ?」

 

ルナサ「まぁ、メルランが褒められたのはどうでもいいとして「ちょっと!?姉さん!?」それより、黒夜さん 何か気持ちが高ぶったりしてませんか?」

 

すると夜見は何故ルナサがそんなことを聞いてきたか疑問に思ったが、ルナサの最後の発言の方で理解した。

 

夜見「いや、別に?そんなことは無いがなんでそんな...あぁ、能力のことか」

 

ルナサ「やっぱり、黒夜さんには影響しなかったんですか」

 

メルラン「でも、ルナサ姉さんの能力だって黒夜さんに影響は無かったんだから、不思議じゃ無いんじゃないの?」

 

ルナサ「メルラン、私の鬱の音と貴女の躁の音は、直接精神に作用するの なのに黒夜さんに一切影響が出てないのは逆に不思議なのよ?」

 

メルラン「いや、確かにそうだけど...」

 

夜見「...まぁ、別にいいだろ 結果的には影響は無かった、たったそれだけだ」

 

するとルナサは夜見に向かって真剣な様子でこう言った。

 

ルナサ「黒夜さん、そんな適当に済ませていい問題じゃないんです もし万が一のことがあったらどうするんですか」

 

すると夜見は疲れたようにため息をついた。

 

夜見「ルナサさんはちょっと真面目すぎじゃないか?結果的には影響無かった、たったそれだけのことだ 何に対しても真面目に向き合ってたらきりがないだろ?だからたまには適当でいいんだ、適当で」

 

するとメルランは夜見の発言に賛成した。

 

メルラン「確かに、黒夜さんの言う通りだよ ルナサ姉さんは真面目すぎだよ?たまには気楽に事を流したっていいじゃん♪」

 

しかしルナサは引き下がることは無かった。

 

ルナサ「駄目です、黒夜さん 万が一が危険なことに繋がる可能性だってあるんですよ?」

 

夜見「ルナサさん、ここは幻想郷だ 別に能力が効かない人間がいたって不思議じゃないだろ?実際に人間全員に効くか試した訳でもないだろうし」

 

ルナサ「た、確かにそうですけど...」

 

そして夜見はルナサに向かって優しくこう言った。

 

夜見「だから、たまには気楽に事を流したっていいんだ そんなに気を張ってたら、疲れてばっかりだろ?」

 

するとルナサは少し黙っていたが、夜見に笑顔を向けてこう言った。

 

ルナサ「...確かに黒夜さんの言う通りかもしれませんね 私は少し、気を張りすぎてたのかもしれません なんだか、いつもの疲れが取れたような気がします」

 

夜見「そうか、それなら良かった でも、ルナサさんのその真面目な性格は良い所だから、それだけは大切にな?」

 

ルナサ「はい、そうですね」

 

ルナサは笑顔でお礼を言うと、メルランはルナサにあることを提案した。

 

メルラン「そうだ!姉さん 良かったら黒夜さんに、今日のライブで演奏する曲を聴いてもらったらどう?」

 

するとその提案にリリカも乗り始めた。

 

リリカ「確かに!メルラン姉さんの言う通りだよ!」

 

ルナサ「た、確かに良い案かもしれないけど、黒夜さんは大丈夫ですか?」

 

するとルナサの質問に少し考え込んだが、夜見はルナサ達の練習にもなるんじゃないかと思った。

 

夜見「まぁ、ルナサさん達の練習になるっていうなら、別に構わないが?」

 

メルラン「じゃあ、決まりだね!」

 

リリカ「やった!よ~し、いつも以上に張り切ってやるぞ~!」

 

夜見「まぁ、本番に影響の無い範囲でな?」

 

するとルナサの手元にヴァイオリン、リリカの手元には両端に白い羽の生えたキーボードが現れた。そして彼女達の手元に楽器があるのをメルランが確認すると、メルランは少し前に出てルナサとリリカに確認を取った。

 

メルラン「準備は良い?ルナサ姉さん!リリカ!」

 

ルナサ「大丈夫よ」

 

リリカ「準備バッチリ!いつでもいいよ!」

 

メルラン「それじゃあ!最初の曲、いっくよ~!」

 

メルランが合図を出すと、リリカがキーボードで音色を奏でた。そして後に続くようにルナサとメルランも、それぞれの楽器で音色を奏でていった。

3人の組み合わさった音色はどんな楽器の音色より、どんな曲よりも心地よい音を奏でていた。

 

そして彼女達の心地よい音色は15曲程続いた。実際は1時間以上の長い時間が過ぎ去った筈なのに、彼女達の演奏はあっという間に終わってしまった気がした。

 

メルラン「最後までありがとう~!どうだった?黒夜さん」

 

すると夜見は拍手をして、彼女達に静かにこう言った。

 

夜見「とても綺麗な音色で素敵な演奏だった いままで聴いた演奏の中で1番素敵な演奏だ」

 

夜見がそう言うと、彼女達はとても喜んでいる様子だった。

 

リリカ「やったね!ルナサ姉さん、メルラン姉さん!大成功!」

 

メルラン「リリカの演奏と姉さんの演奏がとても良かったからだよ!」

 

ルナサ「いえ、メルランの演奏もとても良かったわよ」

 

彼女達はお互いに良かった所を褒め合っていたが、夜見はゆっくりと空を見上げた。日は森に入る前より高く昇っており、そろそろ帰らないと昼食に遅れてしまう気がした。

 

夜見(さて、そろそろ帰ろうかな)

 

そして夜見は地霊殿に帰るために森の中に入ろうとしたが、そこでリリカに呼び止められた。

 

リリカ「あ!ちょっと、黒夜!どこに行くの!?」

 

夜見「いや、そろそろ帰ろうと思ったんだが...」

 

リリカ「え~、他にもいろんな曲を聴かせてあげるからもうちょっといてよ」

 

ルナサ「リリカ、()(まま)言わないの また会った時にでも聴いてもらったらいいじゃない」

 

するとメルランはリリカにある案を言い出した。

 

メルラン「そうだ!それなら、今日のライブに来てもらったらいいんじゃない?」

 

リリカ「それだ!メルラン姉さん、ナイスアイデア!」

 

夜見「ライブか それなら行けるかもしれないが、一体どこで、いつからライブをするんだ?」

 

リリカ「場所は人里、時間は夜の8時だよ!」

 

しかしリリカの言った場所と時間はレミリアに聞いた内容と合致していた。

 

夜見(人里で夜の8時?その時間って確かレミリアさんが言ってた時間と同じだな もし別件だとしても、暇ならって言ってたし大丈夫か)

 

夜見「あぁ、その時間なら大丈夫だ」

 

リリカ「本当!?じゃあ、これを渡しておかないとね!」

 

するとリリカはこちらに近付いて紙を1枚差し出してきた。それを受け取るとその紙には今日のライブの日程が記載されていた。

 

夜見「これってライブの予定表か?」

 

するとリリカは首を横に振った。

 

リリカ「ううん、違うよ それは予定表兼入場券 それが無いとライブは見ることが出来ないんだ」

 

夜見「...まぁ、それはありがたいんだが あいにく今は金を持ち合わせていないんだ」

 

リリカ「え、そうなの!?」

 

そしてリリカはしょんぼりとしていたが、ルナサが意外な事を言い出した。

 

ルナサ「じゃあ、それは練習の演奏を聴いてくれたお礼としてあげるわ それなら解決じゃない?」

 

ルナサはそう言ったが、夜見はそれだけの理由で貰うのはなんだか気が引けてきた。

 

夜見「お礼って、別に俺はただ演奏を聴いてただけだが?」

 

ルナサ「言ったじゃない、練習の演奏を聴くのに付き合ってくれたお礼 聴く人がいるなかで練習するだなんてなかなかない機会なのよ」

 

そう言われて夜見はもう一度貰うのを拒否しようとしたが何故か、言っても同じ事の繰り返しが起きるような気がしたので素直に受け取っておくことにした。

 

夜見「...じゃあ、貰っておくか」

 

そして夜見はその紙を綺麗に2つ折りにしてポケットに入れると、夜見は森の奥へ向かって行った。

 

メルラン「じゃあ、黒夜さん またライブの時に会おうね~ バイバーイ」

 

リリカ「バイバーイ!また夜にねー!」

 

ルナサ「またね、黒夜さん」

 

夜見「あぁ、またな」

 

後ろでは彼女達が手を振っていたので、夜見は振り返って軽く手を振り返して地底へと目指していった。そして夜見は地底へ続く穴に着くと、そのまま地底に入って地霊殿を目指して歩いていった。

 

そして夜見はしばらく地底を歩いていると、目の前に見覚えのある人物が見えてきた。そしてその人物はこちらに気が付くと、あちらから声をかけてきた。

 

ヤマメ「あ、黒夜 今日は帰ってくるの早かったね」

 

夜見「あぁ、今日は特に仕事は無かったんだ」

 

ヤマメ「へぇ、そうなんだ でも、疲れないで済むからいいんじゃない?」

 

夜見「最近は仕事が少ないから、むしろ金銭的には困るんだけどな」

 

ヤマメ「そっか、じゃあいいことばかりって訳じゃないんだね」

 

夜見「まぁ、そういうことだな」

 

すると夜見は腰に差してある刀を鞘ごと引き抜くと、自分の頭の上を防ぐように構えた。するとすぐに

 

ガキィン!

 

落ちてきたものを刀で防いだ。そして夜見はある人物の名前を呼んだ。

 

夜見「はい、これで通算50回目だな キスメさん」

 

すると落ちてきたものがふわふわと浮かぶと夜見の目の前に降りてきた。それは地底に初めて入ったときに上から落ちてきた桶に入って白い着物を着た緑色の髪をした少女だった。

 

ヤマメ「あらら、今回も失敗だね キスメ」

 

ヤマメはその桶に入った少女をキスメと呼んで話しかけると、キスメは小さく頷いた。

 

夜見「ふぅ、今回は話で気を逸らしてる隙にってところだな」

 

ヤマメ「なーんだ、ばれてたみたいだね キスメ」

 

キスメ「...でも、楽しかった

 

キスメは小さく呟くと、夜見は少し驚いた様子だった。

 

夜見「やっと俺の前で話してくれたな キスメさん」

 

ヤマメ「おぉ、キスメ もう黒夜の前での人見知りは大丈夫なの?」

 

キスメ「...うん、少しだけ

 

ヤマメ「そっか 良かったね、黒夜」

 

夜見「ここ最近、こっちから話しかけても何も話してくれなかったから嫌われてるのかと思ってたけどな」

 

夜見がそう言うと、キスメは首を横に振った。

 

キスメ「ううん、そんなことない

 

夜見「そうか、ありがとう」

 

キスメ「どう、いたしまして それより...それ、何?

 

そう言ってキスメはある物を指差した。それは夜見のポケットからはみ出ていたライブの入場券だった。

すると夜見はそのライブの入場券をキスメに手渡すと、ヤマメも覗き込んで2人でその入場券を見始めた。

 

ヤマメ「へぇ、人里でライブなんかやるんだね」

 

キスメ「面白いのかな?

 

ヤマメ「さあね ところで黒夜はこのライブ、一体誰と行くつもりなんだい?」

 

夜見「え?誰と行くって、別に1人で行くつもりだが?」

 

ヤマメ「え?でも、ここにこう書いてあるけど?」

 

そして夜見の方に入場券を向けてヤマメの指差した所を見ると、そこにはこう書かれていた。

 

[これは2人用の入場券です。必ず2人でお越しください。]

 

夜見(...リリカさん、わざとこの入場券を俺に渡したな)

 

すると夜見はため息をつきながらその入場券を返してもらった。するとキスメは夜見に優しく声をかけてきた。

 

キスメ「...大丈夫?

 

夜見「あぁ、大丈夫、一緒に行く人だったら当てがあるからな じゃあな、ヤマメさん、キスメさん」

 

ヤマメ「じゃあね、黒夜」

 

キスメ「バイバイ、黒夜」

 

そして夜見はヤマメとキスメと別れて再び地霊殿へ向かっていると、夜見はあることを思った。

 

夜見(まぁ、さとりさん達にこれを見せたら、絶対こいしさんが付いていくって言うんだろうな)

 

しばらく夜見は地底を歩いていると地霊殿に着いたので、夜見はゆっくりと玄関を開けた。




どうも皆さん、お風呂場の蓋です。
今回は3人姉妹のプリズムリバー姉妹のお話を書いてみました。(次回も出てくるかもしれませんが)
私はたまに東方の原曲を聴くのですが、プリズムリバーの妖々夢の曲は雰囲気がとても素敵だと思います。よければ皆さんも少し時間があれば聴いてみたらどうでしょうか?
それでは、よかったら次回も見てください。
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