夜見は霊夢達のいる場所へ向かおうと石畳の道をしばらく進んでいると目の前に建物が見えてきた。
その建物は正面に木の門があり、周りは3m程の瓦が上にある白色のいかにも和風な壁に囲まれていた。壁の外側から少しだけ瓦の屋根が見えることから壁の内側にある建物も同じような雰囲気なのだろう。
そしてこの建物の壁に沿って歩いていくと霊夢達のいる場所までかなり時間がかかりそうだったので夜見は血の翼を作り出して空を飛んで向かうことにした。
そしてしばらく空を飛んでいると大きな木の近くに霊夢、魔理沙、咲夜がいるのが見えたので、夜見は霊夢達の近くに着地をして血の翼を空気中に分解すると魔理沙が声をかけてきた。
魔理沙「お、夜影!遅かったじゃないか!」
夜見「そう言う魔理沙さん達も、3人もいたのに手間取ってたんだろ?」
霊夢「仕方無いじゃない、相手が思った以上に強かったんだから そんなことより、あんたがそんなにボロボロになってる様子を見た限り、随分と苦戦したようね」
夜見「刀をまともに使ったことの無い素人が、普段から刀を使ってる奴に無傷で勝てる訳ないだろ」
咲夜「まぁともかく、異変は解決出来たので一件落着ですね」
夜見「まぁ、そうだな」
そうは言っていたが夜見は自分の服装を見て、またさとり達に心配をかけさせるだろうなと思った。そして木の方をチラリと見ると木には背中を預けて座るように気絶している少女がいた。
その少女はピンク色のミディアムヘアーで頭に幽霊を連想させるような白い三角形の布がついた水色の布のように柔らかそうな帽子を被り、帽子の側面から反対側にかけて白い布が内側に付いていた。服装は水色と白色を基調とした着物を着ており腰には青い帯を巻いていた。
しかし夜見は異変はもう解決したため、この少女とは関わることも無いと思ったのでそっとしておくことにした。そして夜見達は帰ろうと来た道を引き返していると夜見は1つ気になることがあったので霊夢に声をかけた。
夜見「そういえば霊夢さんは最初は異変を解決する気が無かった様子だったが、何故急に異変の解決に来たんだ?」
霊夢「あぁ、実は頼まれたのよ」
夜見「頼まれた?一体誰に?」
?「私よ♪」
すると急に後ろから急に声が聞こえてきたので夜見達は後ろを振り向くとそこには白い大きな日傘を持った1人の少女が立っていた。
その女性は金髪のロングヘアーで毛先をいくつか束にして赤いリボンで結んでおり、頭には赤い紐状の赤いリボンが着いた白い帽子を被っていた。服装は紫色のドレスを着ていて、指先から肘までかけた白いロンググローブを着けていた。
そして霊夢はその少女を指差すと夜見にこう言った。
霊夢「こいつよ、私に異変解決を頼んだのは」
その少女は霊夢にそう言われると夜見に優しい笑顔を向けて自己紹介をしてきた。
?「初めまして、私は
その紫という少女は自己紹介のついでといった様子で軽々しくこの世界、幻想郷を創った1人だと言ってきた。紫の口調と態度からして嘘を言ってるとは思えないので相当な力を持つ者なのだろうと夜見は察した。
そして夜見は自分の自己紹介を始めたが...
夜見「...俺は「黒夜夜見、でしょう?」なっ!?」
紫は夜見の自己紹介を遮って自分の名前を言い当ててきたのだ。そして夜見が驚くと同時にまずいと思っていると、霊夢と魔理沙が何やら不思議に思っている様子だった。
霊夢「え、紫は何を言ってるの?確か名前は黒月夜影よね?」
魔理沙「あぁ、その筈なんだが...人違いか?」
すると紫はフフッと笑うと霊夢と魔理沙に向かってこう言った。
紫「2人とも騙されてたのよ 自分の素性を隠すためにね」
そして魔理沙は少し驚いたような様子だったが、よく考えると思い当たる節があった。
魔理沙「素性って...そういえば、夜影...じゃなくて夜見は異様に顔を見られるのを嫌がったり自分のことはあまり話したりしなかったな」
霊夢「そう言われればそうね 何か隠している気はしてたけど、まさか名前まで隠していたとはね」
そして霊夢も魔理沙の言っていたことに共感をしていると夜見は静かに紫に問いかけた。
夜見「...結局、何がしたいんだ?」
紫「そうそう、実はあなたに話があってきたのよ」
夜見「...話?」
そして紫は右手の2本の指を立てると夜見に選択肢を提示してきた。
紫「大事な話と今回の異変の話の2つがあるのだけれど、まずどっちから聞きたいかしら?」
そう言われると夜見は大事な話は後に取っておきたいのと、今回の異変の目的が知りたかったのでまずは今回の異変にの話を先に聞くことにした。
夜見「...異変の話から聞こうか」
紫「そう、わかったわ まずはあの子について話しましょうか」
そう言って紫は木の所で気絶している少女を指差した。
紫「あの子の名前は
夜見「...あぁ、それで?」
紫「実は幽々子はあの木、
そして紫が異変を起こした目的を話したのだが夜見はとあることが気になった。
夜見「...その西行妖とやらの封印を解いたら、そんなにまずいのか?」
夜見がそう聞くと紫は少し真剣な顔になって話し始めた。
紫「まずいだなんてものではないわ 西行妖の力は私が手出しできないほど強く、そして多くの人間の精気を奪い取る妖怪なのよ だから私はこの異変を解決してもらうために霊夢に頼んだのよ」
夜見(幻想郷を創った紫さんが手出しできないほど強い妖怪か...確かにそんな妖怪の復活が解かれたらまずいだろうが...
そして夜見はその話を聞いて不思議に思ったことがあったのでそれについて質問をした。
夜見「だったら何故、幽々子さんの友人である紫さんが説得をして異変をやめさせなかったんだ?西行妖の封印が解かれたらまずいのはわかってたんだろ?」
すると紫はこう答え始めた。
紫「それは霊夢の力を信用していたのが1つ そしてもう1つは私の目的として、あなたをここへ誘き寄せるためよ」
夜見「俺を誘き寄せる?...どう言うことだ?」
夜見がそう聞くと紫は説明を始めた。
紫「外来人であるあなたがこの幻想郷に来たのは私は即座に気付いて、あなたを探すためにいろんな場所を探したのだけれど何故かどうしても見つからなかったわ
そんな時に紅魔館の吸血鬼が異変を起こし、異変が解決して少しした所で紅魔館を訪問したのよ そして吸血鬼の話を聞いたら全身黒い服装をした人間が異変を止めたと言ったから、それがあなただと思って名前は聞けたのだけれど何処に住んでいるかはわからないと言ったわ」
夜見「...それで再度異変が起きたら俺が出てくると思って異変の解決が信用できる霊夢さんを呼び、俺をここまで誘き寄せたってことか」
紫「えぇ、その通りよ 話が早くて助かるわ」
そう言って紫は少し満足した様子で右手の指を1本立ててこう言った。
紫「さて、最後に大事な話ね この話に関しては霊夢達にも一応聞いておいてほしいわ」
霊夢「はいはい、早く帰りたいからさっさと話しなさい」
紫「そうね、待たせるのも悪いしね それで早速で悪いんだけど、あなたを外の世界へ帰らせるわ」
夜見「...は?」
紫の言葉を聞いた瞬間、一瞬頭の中が真っ白になった。紫さんはさっきなんて?外の世界へ帰らせる?そんな言葉だけが頭の中をグルグル回っていると紫はこの話の経緯を説明をした。
紫「あなたが今ここにいる世界である幻想郷は本来、外の世界で忘れ去られたものが流れ着く場所 つまりあなたはこの世界には本来存在するべきではないのよ そのあなたが幻想郷にいることでどんな影響を及ぼすかわかるかしら?」
夜見は紫の言葉を1つずつ聞いて今、この世界で自分がどんな存在かを考えると1つの答えが出てきた。
夜見「...本来起こらないはずのことが起こってしまうということか」
紫「ええ、そうよ つまりあなたはこの幻想郷に存在してはいけない、いてほしくない存在ということになるわ」
夜見「...そうか」
そして夜見は紫に言われたこの世界での現実を受け止めていると、急に後ろから肩を叩かれた。そして振り返るとそこには少し悲しそうな顔をした魔理沙がいた。
魔理沙「なぁ、夜見 外の世界に帰っちまうのか?」
夜見「...仕方ないだろ、俺がこの世界にいたら幻想郷の法則が乱れるんだからな」
紫「...それで、夜見は外の世界へ帰るということでいいのかしら?」
夜見「...あぁ、頼む」
夜見がそう言うと自分の目の前の空間に裂け目が出来た。その裂け目の両端には赤いリボンが付いており、その裂け目の奥には無数の目が広がる黒い空間があった。
そして夜見はその裂け目に一歩近付くと後ろを振り向かずに霊夢達に別れの言葉を告げた。
夜見「いろいろと世話になった ありがとう」
霊夢「ええ、短い間になんだかんだ少しあったけど楽しかったわ さようなら」
魔理沙「私は死ぬまで夜見のことを忘れないからな!元気でな!」
咲夜「もう会えないと考えると悲しいですが、それが黒夜様の選択です お嬢様もきっと、理解してくれるでしょう」
夜見「...じゃあな」
そして夜見はその裂け目に入ろうとした瞬間、どこからともなくある声が聞こえてきた。
?『行か、ないで』
その声には少しノイズが入っていて鮮明には聞こえなかったが夜見はその声に反応して足を止めると、紫は不思議に思っている様子で夜見に声を掛けた。
紫「何をしているの?早く入りなさい」
夜見(...さっきの声、俺だけが聞こえていたのか?)
夜見はノイズの入ったある声は自分にしか聞こえていないのかと不思議に思っていると再び聞こえてきた。
?『待、って、お、願い』
夜見(誰だ?なんで俺を止めるんだ?)
?『お別れな、んて、嫌だ 待って、よ』
夜見(この聞き慣れた声...この気持ちは?)
?『
そしてその言葉だけが鮮明に聞こえた。その瞬間に夜見はあることを思い出した。
夜見(そうだ、俺には...
?『嫌、もう1、人ぼっち、は嫌、なの』
夜見(この世界にたった1つしかない...
?『もう、嫌われ、たくない、の!』
夜見(俺の帰りをずっと待ってくれている場所がある!)
?『私のことずっとずっと愛して、お兄ちゃん』
そして夜見はゆっくりと夜刀を右手で引き抜き、裂け目に端にある赤いリボンを斬り裂くとその裂け目はゆっくりと消滅した。するとその光景を見ていた霊夢、魔理沙、咲夜は驚いているようすだったが、紫はこちらを睨みながら問いかけてきた。
紫「どういうつもりかしら?自分が一体何をしたのかわかってるの?」
夜見「...帰るわけにはいかねぇんだ」
夜見がそう言うと紫は夜見が一体何を言っているのか理解できなかった。
紫「何を言っているのかしら?あなたがこの幻想郷にいたら、どんなことが起こるかわかっているのでしょう?」
すると夜見は紫の方を向くと、夜見はこう言った。
夜見「たとえこの世界にいらないと思われていたとしても、必要とされていなかったとしても俺には、いてほしいと思ってくれる大切な家族がいる だから俺は帰るわけにはいかねぇんだ!」
夜見がそう言うと紫はため息をついた。そして紫は霊夢の方を向くとあることを聞いた。
紫「博麗の巫女としてはどうかしら?もしかしたら、この幻想郷が壊れてしまう可能性だって考えられるけど?」
そして霊夢は目を瞑って少し考えると、ため息をついて目を開くとこう言った。
霊夢「私の仕事は幻想郷を管理をするために異変解決をしたり、妖怪退治をする事 人の意見にとやかく言う権利なんて無いわ」
霊夢がそう言うと魔理沙も続いてこう言った。
魔理沙「霊夢の言う通りだ!そもそも夜見が異変を起こしたり、何か問題を起こすだなんて考えられないぜ!」
紫「...そこの吸血鬼の従者さんはどうかしら?」
紫は霊夢と魔理沙の回答に納得出来ない様子のまま咲夜にも聞くと咲夜はこう回答した。
咲夜「私はお嬢様の命令に従い、遂行をするのが仕事です それに博麗の巫女の言う通り黒夜様の意見を否定する権利は、たとえお嬢様だとしてもありません」
そして霊夢、魔理沙、咲夜の意見を聞いた紫はゆっくり夜見の方へ向き直ると淡々とこう言ってきた。
紫「そうとなると最悪の場合の手筈通り、夜見は殺して処分するしか方法は無いわね」
紫はそう言った瞬間、周囲に殺気を一気に放った。その殺気は常人であればいとも容易く気絶するような殺気で霊夢は平然としていたが、魔理沙と咲夜は気絶しないように意識を保つのがやっとだった。
霊夢(紫のやつ...本気で夜見を殺す気ね)
魔理沙(うっ!?なんなんだ、この異常な殺気は!?)
咲夜(この殺気はさっきの黒夜様が放った殺気とは明らかに違う...この殺気は純粋な強者としての殺気!)
そして正面から真っ向に殺気を受けている夜見はというと...
夜見(...へぇ、ここまでの殺気だとは...相当強いな)
なんと夜見は平然とした様子で、ましてや紫の殺気の強さに感心を受けていた。そしてその様子を見た紫は不思議に思って夜見に質問をした。
紫「あなた、どうしてここまでの殺気を受けて平然としていられるのかしら?」
夜見「...こんな殺気、アイツに比べたらなぁ」
紫(アイツ?)
紫は夜見の言ったアイツという言葉に疑問をもったが、夜見はそのままの様子で紫にこう言った。
夜見「とりあえずその殺気、魔理沙さんと咲夜さんにかなり影響するからさっさと沈めてくれないか?」
紫「...そうね、対象はあなただけだものね」
そう言って紫は殺気を沈めると魔理沙と咲夜は緊張が解けたようにその場にへたり込んでしまった。
そして紫は自分の背後の股関節辺りの高さに裂け目を作ってその裂け目に座り、裂け目が移動して紫は宙へ浮かんでいくと夜見に向かってこう言ってきた。
紫「さぁ、ここからは1対1の勝負といきましょうか この勝負はあなたの生死を賭けた、ただの弾幕ごっこではない、れっきとした弾幕勝負よ あなたが私を戦闘不能にさせればここに残れる、私はあなたを殺しにかかるというルールだけれど、どうかしら?」
夜見「...あぁ、いいだろう」
そして夜見は能力を使って血の翼とコルト・パイソンを作り出すと夜刀とコルト・パイソンを構えた。すると霊夢はその光景を見て魔理沙と咲夜にこう言った。
霊夢「さて、私達は帰りましょう 勝負の邪魔をしたら悪いわ」
そう言って霊夢が飛んで帰っていくと魔理沙と咲夜はなんとか立ち上がって夜見に向かってこう言ってきた。
魔理沙「夜見、負けるんじゃないぞ!絶対だからな!」
咲夜「黒夜様、十分お気をつけて...それでは」
そう言って魔理沙は箒に股がって飛んでいき、咲夜は一瞬にして姿を消していった。するとその瞬間、紫はスペルカードを3枚取り出した。
紫「[結界 夢と現の呪][結界 光と闇の網目][廃線 ぶらり廃駅下車の旅]」
そして紫はその3枚のスペルカードを同時に発動させると夜見の周囲に所狭しと弾幕とレーザーが展開され、夜見の逃げられる隙間など何処にもなかった。
すると夜見は冷静に周囲を見渡して状況を確認すると、自分に向かってくる弾幕だけを夜刀の斬撃とコルト・パイソンから放つ弾幕で相殺を図った。しかし何故か周囲の弾幕は夜見の弾幕を打ち破り次から次へと弾幕が迫ってきた。
夜見「なっ!?くぅ!」
すると夜見はコルト・パイソンを空気中に分解すると背中にある血の翼で弾幕を弾き、夜刀で弾幕を斬り落とし始めたが、しばらくすると血の翼からピキッという音が聞こえると共にヒビが入り始めた。
夜見(まずいな...早く打開策を見つけねぇと!)
そんなことを考えながら夜見は血の翼からなる音を耳にしながら弾幕を排除していると、急に後ろから幻想郷では絶対に聞かないはずの音が聞こえてきた。
プアーーン
その音を耳にした夜見は後ろを振り返るとそこには、空間に出来た裂け目からこちらに真っ直ぐ向かってくる電車の姿が見えた。
夜見「なっ!?嘘だろ!?」
すると夜見は素早く上に飛んでその電車を避けようとしたのだが、電車は進行方向を急に変更して宙に飛んでいる夜見へと真っ直ぐ向かってきたのだ。
夜見「ちっ!やっぱり来るか!」
そして夜見はその電車を横に避けようとしたのだが横から迫ってきていた弾幕に被弾してしまい、夜見は再び電車の正面へと戻されてしまった。
夜見「ぐあっ!くっ!」
すると電車の正面に戻されてしまった夜見は夜刀の峰に左手を添えて横に構えると夜見は両手に絶大な痛みを感じながら、夜見はそのまま電車に押されていき背後から迫ってくる弾幕は背中の血の翼で防いでいた。
夜見「がああぁ!?がっ!ぐぅぅぅ!...おらぁ!」
すると夜見は夜刀に添えていた左手を離して電車の正面を全力で押すと、無理矢理体を横に回転させながら移動をして電車から離れると電車は再び空間に現れた裂け目に入っていった。
しかし夜見は電車から離れた瞬間に仮面の左側面が当たったので左目の部分が欠けて仮面は吹き飛び、夜見の体も横に何回も回転しながら吹っ飛ばされた。
グキッ
夜見(くっ!?あ、危ねぇ...回転しながら移動したから威力を和らげられたものの、もう少し当たってた所が大きかったら首の骨がやられるところだった)
そして空中で何回も回転しながら吹っ飛ばされた夜見はなんとか体勢を立て直すとスペルカードを取り出した。
夜見「[爆符 宙に舞え]!」
夜見はスペルカードを発動させると夜刀を納めて両手に血のコルト・パイソンを作り出し、弾幕を周囲にひたすら乱射させると爆発を起こし周囲の弾幕を消し去っていった。
そして夜見の周囲に爆発が何度も起きている状況を見ていた紫は夜見に対して感心していた。
紫(へぇ、このスペルカードじゃ死なないのね なら、これはどうかしらね?)
紫はそう言って座っていた裂け目にそのままスルリと入ると裂け目が消えてしまった。しかし弾幕の排除を優先していた夜見は紫が姿を消したことに全く気が付かなかった。
夜見(あれで最後!)
ドオオオォォォン
そして夜見はスペルカードで周囲の弾幕を全て排除して周りを見渡したところで、ようやく紫の姿が消えたことに気付いた。
夜見(...紫さんの姿が消えた?)
夜見は紫の姿を消したので周りを警戒しながら両手のコルト・パイソンを空気中に分解した瞬間に後ろから声が聞こえた。
紫「こっちよ」
そして夜見が後ろに振り返ると裂け目に座って浮いている紫が今度はスペルカードを5枚手にしていた。
紫「[結界 動と静の均衡][罔両 ストレートとカーブの夢郷][罔両 八雲紫の神隠し][罔両 禅寺に棲む妖蝶][魍魎 二重黒死蝶]」
紫がスペルカードを発動させると3枚発動させた時とは比べ物にならない量の無数の弾幕が夜見の周りに放たれた。すると夜見も対抗して再びスペルカードを取り出した。
夜見「[賭符 JACKPOT]!」
夜見がスペルカードを発動させると周囲に大量の様々な銃が夜見を中心に展開されたが、前に発動させた時と比べて銃の量は明らかに少なかった。
夜見(翼に血を使ってるせいで7×7×7の343丁しか作れない!でも、仕方がない!)
夜見「くっ!発射!」
そして夜見が発射の合図を出すと銃口から血の弾丸が発射され、周りの弾幕を次々と破壊するものの一向に弾幕を全て破壊しきれる気がしなかった。
そして夜見は紫の方を見ると紫は口に手を当ててクスクスと笑っていた。
夜見「何がおかしい!」
紫「いえいえ、お気になさらず続けなさい」
夜見(舐めやがって!)
すると夜見は夜刀を引き抜いて血の銃の隙間から斬撃を飛ばすが紫のスペルカードの弾幕に当たってしまい、紫には夜見の斬撃は届かなかった。
紫「あらあら、何がしたかったのかしら?」
夜見(くそっ!斬撃でも弾幕でも、何か1撃でも当たればきっと勝機が見いだせるはず!)
そして夜見は紫の方をじっと見ながらこの状況を打開し、紫に勝つ方法を考えていると紫は急にこんなことを言った。
紫「さてと、もうそろそろ終わりにしましょうか」
紫がそう言った瞬間に突然周りに飛んでいた弾幕が急に消え去り、夜見はこの最大のチャンスを逃さまいと紫に向かおうとした次の瞬間...
夜見(今しかチャンスは「は~い、わかったわ~」
すると夜見の後ろから知らない声が聞こえてきた。そして夜見は後ろを振り向こうとした瞬間に、何者かに背中を触られた次の瞬間...
ドクンッ
夜見「ぶっ!?ごはっ!?」
夜見は視界が一気にぼやけ、口から大量の血を吐いたのだ。そして夜見の体に力が入らなくなり、意識も遠のいて能力もちゃんと使うことが出来ず地面に向かって真っ逆さまに落ちていった。
ドサッ
夜見(な、何、が...起き...て...)
夜見は仰向けになってゆっくりと口から血を吐きながら、どんどんぼやける視界で紫の方を見ると隣に誰かが飛んでいるのが見えた。
紫「ちゃんと手筈通りね、幽々子」
幽々子「紫~?私が目を覚ましたら紫の隙間の中入るって話だったのに、目を覚ましたらいきなり隙間の中だったんだから驚いたのよ~?」
紫「それは悪かったと思ってるわ でも、こうでもしないと幽々子が触れなかったじゃない」
幽々子「まぁ、確かにそうかもしれないわね~」
夜見(な、何を...話して...る...?)
そして夜見は手を伸ばすがその手はもちろん紫に届く筈もなく、どんどんと心臓の動きが鈍くなり深海に沈んでいくような感覚を感じた。
夜見(あぁ、俺...死ぬ...のか ごめんな、みんな...もう...会えない、みたいだ...)
そして夜見が意識を手放してゆっくりと目を閉じようとした瞬間に、ある少女が夜見の元に駆け寄ってきた。するとその少女は夜見の手を両手で握りしめ、夜見に話しかけてきた。
?「嫌!待って!死んじゃやだよ!お兄ちゃん!」
夜見「...え?こいし...さん...?」
すると夜見のぼやけた視界に見えたのは涙を流しているこいしだった。そして紫と幽々子も夜見のそばにこいしがいることに気付いた。
幽々子「あら?あの子は...」
紫「覚妖怪?なんでこんなところに?」
紫と幽々子は夜見のそばに何故覚妖怪がいて、何故その覚妖怪が涙を流しながら夜見の手を両手で握りしめて話しかけているのかが理解できなかった。
そしてこいしは夜見に向かって話しかけ続けるが、夜見にはこいしの声が聞こえていない様子だった。
こいし「死んじゃ駄目!お兄ちゃん!しっかりしてよ、お兄ちゃん!」
夜見(こいし...さん...?なんで...泣いてるんだよ... いつもみたいに...笑っていてくれよ...)
こいし「お兄ちゃん、約束したじゃん!私のことを、ずっと愛してくれるって!あれは私を満足させるための嘘だったの!?ねぇ、答えてよ!お兄ちゃん!」
夜見(こいし...さん...?...あぁ、そっか 約束...したんだった...)
そして夜見は少し意識がはっきりとすると、握られていない方の手に今も自分が吐き続けている血を集めて、とある物を作った。それは、ほとんどが黒色をした一輪の薔薇の髪飾りだった。
こいし「お、お兄ちゃん?それって...」
夜見「...ほら、こいし...さん プレゼントだ」
そして夜見はその髪飾りを器用に片手でこいしの左側の前髪の方に着けると、夜見は笑顔でこいしに向けてこう言った。
夜見「はは...似合ってるな... こいし...さん...」
するとこいしは手を震えさせながら片手で薔薇の髪飾りに触れた。こいしは黒い薔薇の花言葉を前に夜見の口から聞いたことがあった。そしてこいしは夜見に向かってこう言った。
こいし「な、なんで?黒い薔薇の花言葉って確か憎しみと恨みだよね?どうして!?なんでこんな物がプレゼントなの!?お兄ちゃんは私のことを恨んでるの!?憎んでるの!?嫌いなの!?ねえ!?」
夜見「...よく、その花言葉を...知ってたな でも、な...こいしさん、送る花言葉は...その2つの意味、じゃない...」
こいし「え...?どういう...こと...?」
そして夜見は空いている手でゆっくりと優しくこいしの頬に触れると夜見は満面の笑みで、優しい声でこう言った。
夜見「決して...滅びることのない、愛 それが...俺の送る花言葉と、約束を守る証だ」
こいし「...お兄...ちゃん」
そしてこいしの涙が夜見の頬に一滴落ちた瞬間、夜見の手がこいしの頬からゆっくりと離れていき地面に落ちた。
こいし「...お兄ちゃん?」
するとこいしは夜見のことを呼ぶが夜見は応答せず、指をピクリとも動かさなかった。こいしは目の前で何が起きたのかは、ちゃんと気付いていたのだがこいしは笑いながらこんなことを言い始めた。
こいし「...あ、はは、あはは、あは 駄目だよ、お兄ちゃん こんなところで寝たら風邪ひいちゃうよ?」
そしてこいしは壊れたように笑いながら両手で夜見の体を揺らしながら言い続けた。
こいし「お兄ちゃん、もう疲れて寝ちゃったのかな?だったら私も一緒に寝ちゃおうかな あはは、あは、あはははは、はは...は」
ドサッ
するとこいしは急に糸が切れた操り人形のようにプツンと動かなくなり、夜見の隣に倒れてしまった。そしてその光景を少し遠い所で見ていた紫と幽々子は不思議に思っていた。
幽々子「...なんだったのかしら、一体?」
紫「さぁ?でも、あの覚妖怪と外来人がどんな関係だろうが私の知ったことではないわ さあ、せめて外来人は火葬でもしてあげて埋めましょうか」
幽々子「...ええ、そうね」
そして紫と幽々子はゆっくりと地面に降りると、夜見とこいしにへとゆっくりと近付いてくるが夜見は一切動かなかった。いや、正確には動くはずがなかった。
何故なら夜見はこいしの目の前で死んだのだから。
どうも皆さん、お風呂場の蓋です。
今回はなんと主人公である夜見が家族の一員であるこいしの目の前で息を引き取ってしまいました。
はたして夜見はこの後どうなってしまうのでしょうか?
よければ次回もまた見てください。