紫「それにしても、一体なんで外来人なんかが来たのかしら?」
幽々子「さぁ?何故かしらね~ いつもだったらそんなことはないんでしょう?」
紫「えぇ、その筈なんだけど...とりあえず、火葬が済んだら少し結界の様子を見てこようかしら」
そんな会話をしながら紫と幽々子は夜見をせめて火葬でもしようと歩いて近付いていくと、急に紫は幽々子の前に手を伸ばして歩みを止めた。そして幽々子もその場で止まり、不思議に思った幽々子は紫に話しかけた。
幽々子「紫?一体どうしたのかしら?」
すると紫は夜見の死体の方を少し睨むように見ながら幽々子にあることを聞いた。
紫「幽々子、まさかあの外来人に触れたときにちゃんと能力を使ったんでしょうね?」
幽々子「当たり前じゃないの~ 紫が言った作戦通りにちゃんと私は外来人に触って能力を使ったわよ~」
紫(...だったらおかしいわ 何故あの外来人の死体から霊力が溢れだしているのかしら?)
紫がそう思っていた次の瞬間、夜見の死体を中心に暖かい暴風が吹き荒れた。すると紫と幽々子は体を前のめりにして腕で顔を守るように覆ったが紫と幽々子は後ろに吹き飛ばされてしまった。
幽々子「きゃあ!」
紫「うっ!一体何が!?」
そして吹き飛ばされた幽々子は宙に飛んで体勢を立て直し、紫は裂け目を作ってその裂け目に乗って夜見の死体があった場所を見てみると、そこにはこいしをお姫様だっこしている夜見が立っていた。
幽々子「ゆ、紫!?一体何が起こっているのよ!?」
すると幽々子は風でなびく髪を手で抑えながら紫に何が起こっているのか聞いてみたのだが、紫に幽々子の声は届いておらず別のことを考えていた。
紫(何よ、この純粋な霊力と量は!?こんなに純粋な霊力なんて霊夢と同じ...いや、それ以上の純粋さに加えて比にならないこの霊力の量はなんなの!?それに...
そして夜見はこいしをお姫様だっこをしながら周りを1回見渡すと、後ろに下がってこいしを灯籠にもたれかかるように座らせた。
紫(霊力でも魔力でも無い、ましてや妖力や神力でも無い、この純粋な霊力に少しだけ混じっている神力と同等の邪悪な力はなんなの!?)
すると紫は夜見に起こっていることが不思議で仕方がなく、思わず声に出してしまった。
紫「くっ!あなた、一体どうして生きているのよ!説明しなさい!」
紫が夜見に向かってそう言うと夜見は振り返ってゆっくりと紫と幽々子の方へ歩いていった。
夜見(そうだ...よく考えたらわかってた筈なんだ)
そして紫と幽々子は夜見が一歩一歩近づいてくると、いつでも弾幕を放てるように身構えた。
夜見(前の異変でレミリアさんとフランドールさんと戦ったとき、俺は明らかに致死量を軽く上回る血を流した しかも俺はあの後に気絶して、自分の血を一切自分の中に取り込まなかったんだ)
そして夜見は自分が先程倒れていた場所に着くとそこに落ちている夜刀に視線を移した。
夜見(そしたら何故、俺は生きているんだ?その答えは俺が能力を初めて使うときには無意識に使っていたこと、次に俺の体質だと思っていた異様な治癒能力、そして俺の能力だと思っていた血を操る能力、最後に確実に死んでいた筈の状況でも俺が生きていられたということ、このパズルのピースをはめれば自然と答えは見えてくる)
すると夜見は足元に落ちている夜刀を右手でゆっくりと拾い上げた。
夜見(俺は無意識に使っていたんだ、あの過去の呪縛から解放される死というものに抗う罪を そして、本当の俺の
そして夜見はゆっくりと顔を上げて紫と幽々子の方に向かって言った。
夜見「[生を操る]
夜見がそう言った瞬間に紫と幽々子は恐怖で体が一瞬動かなくなり、体が震え始めていた。何故なら夜見がこちらを向いて自分の能力を言った瞬間、夜見の顔が一瞬だけだが死神に見えたのだ。
そしてその姿を見た紫と幽々子は夜見の気迫に自分の死を一瞬見せられた。すると夜見は夜刀の刃先を向けると紫に声をかけた。
夜見「紫さん、だったっけか?」
すると紫は冷静を装って返事をした。
紫「...何よ?」
夜見「最初に勝負のルールを提示したよな 勝負は1対1で行うと言った筈だが?」
夜見がそう言うと紫はこう返してきた。
紫「あなたはこの世において幻想郷の運命を変えてしまうような存在、そんなあなたを殺す為なら私はどんな手でも使うわ なのにあなたは何を思って、生きようとし続けるのかしら?」
そして紫は逆に夜見に問いかけてきたので夜見は自分の生きる理由を言った。
夜見「...それは俺の幻想を叶えるため、そして俺の大切な存在の幻想を叶えるためだ」
夜見のその答えに対して、紫は呆れた様子で夜見にこう返した。
紫「残念ながら、あなたの理想は叶わないわ この世界はあなたが思っているほどあまいものではない、前の異変を解決出来たのもただの偶然に過ぎないのよ?」
紫がそう言ったのだが、夜見は静かにこう言い返した。
夜見「理想じゃない、幻想だ そして叶うさ、だってここはどんな幻想でも叶う幻想郷なんだからな」
そして夜見は満面の笑みで更に続けてこう言った。
夜見「だからその幻想を叶えるために俺は幻想郷の運命を狂わせたという罪を一生負いながら、俺はこの幻想郷で生き続けよう」
夜見がそう言うと紫は幽々子に声をかけた。
紫「幽々子、もう一度よ」
幽々子「え?で、でも、あの外来人の能力は...
紫「いいから、もう一度よ」
幽々子「...え、えぇ、わかったわ」
そう言って幽々子は少し戸惑いながらも紫の作った裂け目の中に入ると紫は弾幕を夜見の周囲に隙間無く展開してきた。
しかし夜見は四方八方から迫り来る弾幕を全て夜刀だけで斬り落とし始めた。そしてその光景を見た紫はさっき程とは打って変わった夜見の動きに驚いていた。
紫(さっきとは違って一切の無駄の無い動きをしている!?あいつは私の弾幕がどこから来るか把握しているの!?)
その夜見の動きはまるで紫の弾幕がどこから来るのか全て把握をしているような動きをしていたのだ。すると夜見は何を思ったのか、夜刀を納めて自分の霊力を全方位に放つと夜見を中心に風が吹き荒れた。
夜見「邪魔だ」
そして夜見は手を上に挙げて指をパチンッと鳴らすと夜見の周りの弾幕が一瞬にして消え去った。その光景に紫は驚きを隠せなかった。
紫「なっ!?なんで弾幕が!?」
紫が驚きのあまりにそう言葉を漏らすと夜見はどうやって弾幕を消したのかを説明した。
夜見「簡単な話だ 紫さんの弾幕は妖力によって生成されている、その弾幕に俺の生を操る能力を乗せた霊力を放って妖力を崩しただけだ」
夜見がそう言うと紫は夜見の能力で、どんなことが出来るかを把握した。
紫(と言うことはつまり、あいつは生命と繋がりの深い霊力や妖力に干渉が出来るってこと!?随分と厄介な能力ね!)
そして紫は夜見を睨んで殺気を放つと夜見の意識は紫の方に向き、そして警戒をした。その時に紫は先程と同じように夜見の背後に裂け目を作った。
紫(今よ、幽々子!)
幽々子(わかったわ、紫!)
そして裂け目の中から幽々子は上半身だけを出して夜見の背中に触れようとした瞬間、夜見は後ろを見ないで軽く手で幽々子の手を払い除けた。すると夜見は後ろに振り返ることもせずに幽々子にこう言った。
夜見「2度も同じ手が通用するとでも思ったのか?」
紫「くっ!幽々子、一度戻りなさい!」
幽々子「えぇ、わかったわ!」
そして幽々子は裂け目の中に戻ると紫の隣に裂け目が作られ、その中から幽々子が出てきた。すると紫は幽々子にこう言った。
紫「おそらくあいつには多くの死を与えないと効果を示さないわ 幽々子、出来るかしら?」
紫がそう言うと幽々子は大きく頷いた。
幽々子「えぇ、任せて!」
すると幽々子は両手を夜見の方へ向けると手元から大量の蝶の形をした白い弾幕が現れ、その弾幕が夜見の方へと向かっていった。しかしこれでは紫の弾幕の二の舞になる筈なのだが紫にはある考えがあった。
紫(あの外来人は幽々子の手を払い除けた、つまり生を操る能力といっても幽々子の能力を打ち消すことは出来ないということ!)
夜見(あの弾幕、死の気を感じるな... あんな大量に食らったら流石に能力を使って復活してもまずいだろうが...)
そう思った夜見はその大量の蝶の弾幕に手のひらを向けると前方に霊力を放って風が吹き荒れた。そして夜見がその手を思いっきり握ると...
パアンッ
紫「えっ!?」
幽々子「嘘でしょ!?」
なんと夜見に向けられた弾幕が一斉に破裂して全て消え去ったのだ。すると夜見は手をゆっくりと開きながらこんなことを言った。
夜見「当たる前に俺の能力で死の気を相殺すれば何も問題はない」
そう言って夜見は何もなかったかのように手をゆっくりと下ろした。またしても夜見を殺すことが出来ずに焦った紫は急かすように幽々子に聞いた。
紫「幽々子、他に手は無いの!?」
幽々子「そ、それなら!さっきよりも、もっと多い弾幕を全力で放てば!」
そう言って幽々子は再び蝶の形をした弾幕を放ってきたが、その量は視界に収まりきらないほどだった。その量を見た夜見は再び霊力を放って全ての弾幕を消すのは無理だと思ったのか、夜見は1枚のスペルカードを取り出した。
夜見「[賭符 JACKPOT]」
そして夜見がスペルカードを発動させると血の銃と、夜見から溢れ出ていた霊気によって出来た白い銃が夜見の背後に現れた。その銃の数は前回の異変の時よりも多い、777,777丁の銃だった。
すると夜見は再び蝶の形をした弾幕に手のひらを向けると一言だけ発して弾幕を放った。
夜見「発射」
そう言って夜見の作った血の銃と霊気によって出来た白い銃から白く輝く弾幕が放たれると次々と蝶の形をした弾幕を撃ち消していった。そしてすべての銃が弾幕を撃ち切る頃には蝶の形をした弾幕は跡形も無く消えていた。
幽々子「う、嘘...」
幽々子は自分が全力で放った無数の弾幕が全て目の前で掻き消された光景を見せられ唖然としていた。しかし紫は諦めまいと再び幽々子に声をかけた。
紫「幽々子!私が時間を稼ぐから、あの手段でいくわよ!」
しかし幽々子は紫に自信無さげな声でこう言った。
幽々子「で、でも...その作戦も、もしかしたら...」
幽々子はこの時点で既に夜見にどんな作戦でも殺せないことがわかっていた。しかしそれは紫も一緒だったが次の作戦は絶対にうまくいくと自分に言い聞かせ、幽々子に向かって言った。
紫「幽々子は幻想郷がどうなってもいいって言うの!?次の作戦は絶対にうまくいくわ、やるわよ!」
幽々子「...えぇ、わかったわ」
そう言って幽々子はしぶしぶといった感じで自分の手のひらを合わせると手の隙間から光が溢れ出てきた。すると紫は夜見に向かってスペルカードを発動させた。
紫「[結界 生と死の境界]!」
そして紫はスペルカードを発動させると紫を中心に弧を描くように弾幕が放たれたのだが、その弾幕は妙に密度が他のスペルカードに比べてとても低かった。それを不思議に思いながら夜見はその弾幕を避けているとどんどんと弾幕の密度が濃くなってきた。
夜見(面倒だな それなら...)
すると夜見は避けるのをやめて自分の前に霊力で壁を作るとその壁に触れた弾幕は妖力を乱されてどんどんと消されていった。そのような状況がしばらく続いていると紫は後ろを振り返って幽々子に聞いた。
紫「もういいかしら!?」
幽々子「えぇ、もう大丈夫よ」
すると夜見は弾幕が邪魔で見えていなかったが幽々子の手の隙間から溢れ出ている光はいつの間にかとてつもない量になっていた。そして幽々子が手のひらをゆっくりと離すと10mは軽く越える巨大な白い蝶が現れて夜見に向かって羽ばたき始めた。
夜見(死の気を最大まで集めて作ったってところか ならこのスペルカードで...)
すると夜見は霊力の壁を消すとスペルカード[斬弾 弐斬撃]を取り出したのだが、そのスペルカードは淡い白色の光を放っており夜見はこう宣言して発動させた。
夜見「[
そしてスペルカードを発動させた夜見は夜刀に右手を添えて居合の構えで刀を少し鞘から引き抜くとすぐに刀を納めた。すると次の瞬間に幽々子の放った巨大な白い蝶の弾幕の羽が斬り刻まれた。
紫「こ、これも効かないっていうの!?」
幽々子「そんな...どうやって...?」
あの時夜見はスペルカードを発動させると刀を目に見えないスピードで刀を振って斬撃を無数に放って蝶の羽を斬り刻んだのだ。
しかし蝶はバランスを崩して夜見に向かって墜落していったのだがその蝶の頭を夜見は回り蹴りをして蝶の体を粉々に砕き、蝶の体は白く輝く小さな粒になって空気中に散って消えた。
夜見「どうした?もう終わりなのか?」
夜見がそう言うと紫は拳を握って震えさせながら幽々子に向かって覚悟を決めたように言った。
紫「幽々子、もうあの手しか方法は無いわ やるわよ」
幽々子「紫...でも、あの手は絶対に使わないって...」
紫「責任は、ちゃんと取るわ だからお願いよ幽々子 これで終わりだから...」
幽々子「...わかったわ、紫」
すると幽々子は手のひらを合わせて再びあの大きな蝶の弾幕を作り始めた。そして紫は幽々子が弾幕を作り終えるまでの時間稼ぎとしてスペルカードを取り出した。
紫(本当はこんな手は使ったらいけないのはわかってる でも、こうでもしないとあいつは殺せない!)
そして紫は意を決してスペルカードを発動させた。
紫「[紫奥義 弾幕結界]!」
すると夜見を中心に弾幕が囲むように配置され、その弾幕のドームが何重にも作られた。そして内側の弾幕からどんどんと夜見に迫ってきた。
夜見(...また同じ手?一体何がしたいんだ?)
そして夜見は自分の周りを霊力の壁で囲むと迫ってきた弾幕は霊力の壁によって妖力を乱されて消えていった。しばらく夜見は周囲の弾幕が消えるまで待ち、周囲の弾幕が消えた所で霊力の壁を崩すと、どうやら幽々子は弾幕を作り終えた様子だった。
幽々子「くっ!紫!出来たわよ!」
紫「いいわよ!やって!」
そして幽々子が手を離すと白い大きな蝶の弾幕が夜見に目掛けてとんでもない速度で突っ込んできた。しかし夜見はその蝶の弾幕を霊力で纏った拳で全力で殴り飛ばしたのだが次の瞬間、その蝶の弾幕は分散して何百匹もの白い蝶の弾幕となり先程と同じ速さで突っ込んできた。
夜見(なるほど...だがこのスペルカードで...
そして夜見は分散した無数の蝶の弾幕が全てこちらに向かってきたところを一網打尽にしようと思ったのだが、何故か大半の蝶の弾幕が夜見の後ろへ飛んでいった。
夜見(何処に行くんだ?)
そして夜見が後ろを振り向くとその蝶の弾幕は大きく広がって何処かへ飛んでいこうとしていた。すると夜見はそこで蝶の弾幕には目が無いことに気がついた。
夜見(あぁ、目が無いから見えな...はっ!まさか!)
すると大きく広がった蝶の弾幕の中で、こいしの近くを通った蝶の弾幕は急に方向転換してこいしに突っ込み始めた。そう、この蝶の弾幕は目が見えないせいで近くの生きている者の生気を察知して無差別に殺しにかかるのだ。
夜見「ふざけんじゃねぇぞ!この害虫が!」
すると夜見はこいしの方に手のひらを向けてこいしの周りを真っ先に霊力の壁で囲み、次に自分を霊力の壁で囲んで死の気を持っている蝶の弾幕を相殺しようとしたのだが蝶の弾幕は消えずに霊力の壁を突き破ろうと頭を突っ込んで霊力の壁を破ろうとしていた。
夜見(目を失った代償として耐久力と威力、速度を底上げしたってことか!?しかもこいしさんに向かわなかったあの害虫が冥界を出たら大変なことになる!)
すると夜見は自分の周りを囲んでいる霊力の壁に更に霊力を送り込むと壁の外側が内部の圧に耐えられなくなって爆発を起こした。
そして周りから蝶の弾幕を引き離した夜見はスペルカード[降符 ブラックレイン]を取り出すと、そのスペルカードも[斬弾 弐斬撃]と同様に淡い白色に輝いており、こう宣言して発動させた。
夜見「[壁符 ブラックボックス]!」
夜見がスペルカードを発動させると冥界の外に向かっている蝶の弾幕の前に黒い弾幕がまるで壁を作るかのように弾幕の雨が降って道を阻むと、その黒い弾幕の壁は蝶の弾幕を全て囲むように四角い箱へと形を変えて蝶の弾幕を閉じ込めた。
そして夜見は走ってこいしの元に向かおうとすると、後ろから紫と幽々子が弾幕を飛ばしてくるが夜見はその弾幕を避けながら向かった。
幽々子「紫!当たらないわよ!?」
紫「いいから攻撃を続けなさい!あの蝶が1匹でも外来人に触れられる隙を作れればいいのよ!」
そして夜見がこいしの近くまで来ると蝶の弾幕は霊力の壁にかなりのヒビを入れていたのだが、突き破るのを諦めると夜見に向かって突っ込んできた。しかし夜見は夜刀を引き抜くと紫と幽々子の弾幕を避けながら蝶の弾幕を1匹ずつ斬り落とし始めた。
紫「幽々子、スペルカードで隙を作るわよ![人間と妖怪の境界]」
幽々子「わかったわ![桜符 完全なる黒染の桜ー開花ー]」
そして2人はスペルカードを発動させると夜見の周りには避けられる隙間のない弾幕が展開された。そんな中で夜見はこいしに危害が加わらないようにするために蝶の弾幕を斬り落としていたのだが、夜見の背中に弾幕が直撃すると蝶の弾幕が数匹夜見の腹に頭を突っ込んで体内に入っていった。
ドクンッ
夜見「ぐっ!?ぶはっ!」
すると夜見は幽々子に背中を触られた時のように口から血を大量に吐いた。そして夜見の足が一瞬ふらついたが踏ん張ってなんとか立って、能力を使いなんとか死を免れ意識をしっかりと持ちながら再び蝶の弾幕を斬り落とし始めた。
夜見(これで最後の1匹!)
そして夜見はこいしの周りにいた蝶の弾幕を全て斬り落としたのだが、紫と幽々子のいる方向を見ると最初に夜見の周りにいた蝶の弾幕が再び向かってきていた。
夜見(流石にまずいな...あの害虫だけならまだしも、周りの弾幕を対処しながらなんて不可能だ しかもスペルカードを発動しながら霊力の壁を維持し続けるのもそろそろ限界...せめて、せめてあの害虫だけに集中できれば!)
そして夜見は周りの弾幕に気を使わないで蝶の弾幕だけに集中するにはどうすればいいか考えていると、こいしの声が微かに聞こえた。
こいし「[サブタレイニアンローズ]」
すると次の瞬間、夜見の周りに赤い薔薇と青い薔薇が展開されてあらゆる方向に回りだし、周りの弾幕を次々と相殺し始めた。
幽々子「なんで!?あの薔薇は何!?」
紫「スペルカード!?一体誰が!?」
紫と幽々子が驚いているなか夜見はこいしの方を見てみると、気絶しているこいしの手にはスペルカードが力強く握られていた。
夜見(...こいしさん、意識を失ってるままなのに俺を守るためにスペルカードを発動させてくれたんだな ありがとう、お陰であの害虫だけに集中できる!)
そして夜見が夜刀を構えると薔薇の間をすり抜けて蝶の弾幕が向かってきた。しかし夜見はその蝶の弾幕を1匹ずつ確実に斬り落とし、全ての蝶の弾幕を斬り落とした頃には紫と幽々子のスペルカードは時間切れでスペルカードが解除され、こいしのスペルカードはまだ発動していた。
夜見「こいしさん、ありがとう もう大丈夫だよ」
夜見が笑顔でそう言うとこいしの顔が一瞬だけ笑ったように見えた。そしてこいしのスペルカードが解除されると同時に霊力の壁は崩れ、夜見は後ろに振り返って浮かんでいる黒い箱に手のひらを向けた。
夜見「俺のせいで幻想郷の誰かが死ぬ必要なんて1つもない」
そして夜見が手を握ると黒い箱はどんどん小さくなって中の蝶の弾幕がどんどんと潰されていき、全ての蝶の弾幕が潰れた所で夜見がスペルカードを解除すると白い粒子がサラサラと地面に落ちた。
幽々子「う、嘘でしょ?もうあの外来人を倒す手段なんて...もう何も...」
紫「何くよくよしてるのよ、幽々子!あの外来人を殺さなければ幻想郷を救えないのよ!」
幽々子「で、でも...「でもじゃない!幻想郷を守るためにあの外来人を意地でも殺すのよ!」...そうね、わかったわ!」
そして夜見は紫と幽々子の方に向き直り血の翼を作り出してゆっくりと羽ばたいて向かうと紫と幽々子は弾幕を飛ばしてくるが夜見はそれを避けながら淡い白色の光を放つスペルカード[撃符 ファイブショット]をこう宣言して発動させた。
夜見「[終撃符 シックスショット]」
スペルカードを発動されると夜見の手には霊力で出来た白いコルト・パイソンが現れ、そのコルト・パイソンを夜見は幽々子に向けて5発の弾幕を放った。
紫「幽々子!私が弾幕を放ってるから今は避けて!」
幽々子「えぇ!わかったわ!」
すると幽々子は紫に言われた通りに夜見の放った5発の弾幕を避けたかと思いきや、弾幕はすぐさまUターンしてきて幽々子の背中に5発全て命中すると幽々子は前に吹き飛ばされた。
幽々子「きゃあ!」
紫「まずい!幽々子、すぐに避けて!」
そして幽々子が吹き飛ばされて体勢を立て直したがそこは夜見のすぐ目の前だった。すると夜見は銃口を幽々子の眉間に向けると幽々子に一瞬の隙与えないまま、こう言いながら容赦なく引き金を引いた。
夜見「これが幽々子さんの罪の代償だ」
そして最後の6発目が幽々子の眉間に当たると幽々子はすぐに気絶して地面へと落ちていき、幽々子は地面へ仰向けになって倒れた。
紫「幽々子!しっかりして!」
すると夜見は紫が幽々子を心配して叫んでいるの尻目にコルト・パイソンを分解して白紙のスペルカードを3枚取り出してスペルカードを作り出すと、その内の1枚を発動させた。
夜見「[罪符 サブタレイニアンギルティ 集の刑]」
夜見がスペルカードが発動すると球体状に茨が紫の周りをまんべんなく囲み、茨の内側の方に黒い薔薇の花が咲いたかと思うとその薔薇はすぐに散って花びらが紫に襲いかかってきた。
紫「こんな弾幕!」
すると紫は薔薇の花びらの弾幕を打ち消そうと弾幕を放って相殺をしようとしたのだが...
ドオオオォォォン
その薔薇の花びらの弾幕は紫の弾幕に触れた瞬間に爆発を起こし、紫を吹き飛ばした。
紫「なっ!?」
そして吹き飛ばされた紫はなんとか空中で体勢を立て直して宙に浮き始めようとしたのだが、背中に薔薇の花びらの弾幕が触れた瞬間に再び爆発を起こした。
ドオオオォォォン
紫「かはっ!?くっ!」
爆発に巻き込まれて吹き飛ばされた紫は痛みに耐えながらも目の前の空間に裂け目を作り出して茨の中から脱出しようとしたのだが、裂け目の片方のリボンが打ち砕かれて裂け目が消えた。
紫「え!?なんで!?」
そして紫は体勢を立て直して再び目の前に裂け目を作り出したのだが、その裂け目も片方のリボンか打ち砕かれて消えてしまった。
紫「な、なんで...?」
夜見「無駄だ」
紫が目の前で起きていることが理解できないでいる中で夜見がそう言うと、紫は夜見の方を向いて薔薇の花びらの弾幕を避けながら問いかけた。
紫「あなた、一体何をしたの!?答えなさい!」
夜見「簡単な話だ その裂け目を作るのは紫さんの能力、つまりは妖力で作り出している そこまで言えばわかるだろ?」
紫「なっ!?まさか私の裂け目の妖力を乱して!?」
夜見「あぁ、その通りだ そして紫さんの逃げ場は、もうどこにも無い」
そして夜見は茨の球体に手のひらを向けてゆっくりと握り始めるとその動きに合わせて茨の球体の大きさも小さくなり始めた。紫はこの逃げられない状況を見て夜見にこう叫んだ。
紫「こんなのはルール違反よ!弾幕ごっこでは避けられないスペルカードは使ってはいけないのよ!」
すると夜見は紫の様子を不思議に思いながらこう言った。
夜見「...紫さんは何を言ってるんだ?この勝負、弾幕勝負のルールを提示したのは紫さんだろ?」
夜見がそう言うとそこで紫は思い出した。自分は弾幕ごっこでは無く、夜見の生死を賭けた弾幕勝負を挑んだことを。
つまり夜見が今行っている弾幕を回避出来ない状況は弾幕勝負のルール違反では無いのだ。
夜見「そもそも自分で俺が避けられない弾幕を放ってたのを忘れたか?自分で提示したルールが仇となったな、紫さん」
そして紫はどんどん小さくなっていく茨の球体を見て焦りながら早口になって夜見に問いかけた。
紫「くっ!あなたは、この幻想郷がどうなってもいいって言うの!?」
紫がそう言うと夜見はゆっくりと口を開けた。
夜見「だから俺は、1人で罪を一生負うことにしたんだ」
紫「それってどうい「もう終わりにしよう、紫さん」
そう言って夜見が手を握ると茨の球体は紫を中心に爆発を起こし、紫は地面に仰向けに落ちていった。
そして夜見はこいしの方を見て安全だったことを確認すると夜見は笑みを浮かべた。しかし夜見はフッと意識を失い、血の翼が消えてそのまま地面へと落ちていった。
どうも皆さん、お風呂場の蓋です。
今回は挿し絵を描いていたので投稿がかなり遅れて申し訳ありませんでした。
次から挿し絵を入れる際には前々から少しずつ描くようにするので投稿のペースは用事が無い限り遅れることはないと思います。
もしよければ、次回も見てください。