心を閉ざした少年と少女   作:お風呂場の蓋

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第39話 魔法の練習 ー実践編ーと...

魔理沙「ほらほら、いつもの翼はどうしたんだ?」

 

夜見「魔理沙さんには関係ないだろ?」

 

魔理沙「まぁ私にとっては、やりやすくて助かるんだけどな!」

 

魔理沙との弾幕ごっこが始まると夜見は今現在、地上で魔理沙の魔法陣から放たれる弾幕を回避していた。何故夜見がそのようなことをしているのかは、とても単純な理由だった。

 

夜見(今回の弾幕ごっこは魔力の実践練習だからな、魔力だけで戦わないと意味がない)

 

そして夜見は魔理沙の弾幕を回避しながら霊力を魔力に変換し続けていると、魔理沙は弾幕の密度を上げてきたが夜見はギリギリで弾幕を躱していた。

 

魔理沙「反撃はしないのか、夜見?ここままじゃ負けちゃうぜ?」

 

夜見「あぁ、そうだな そう言うなら、そろそろ反撃してやる」

 

そして夜見は魔理沙の方に手のひらを向けると、手のひらに黒い魔法陣が現れて弾幕が放たれた。すると魔理沙は夜見が魔法を使って弾幕を放ったことに驚いたが、軽々と魔理沙は夜見の弾幕を躱した。

 

魔理沙「おぉ、魔法も使えるようになったのか!?だけど、こんな密度じゃ私は倒せないぜ?」

 

夜見「あぁ、だろうな」

 

そう言って夜見は手のひらから弾幕を放ちながら背後に黒い魔法陣を3つ作り出すと、その魔法陣からも弾幕が放たれた。それに対抗して魔理沙は魔法陣を4つに増やして弾幕を相殺してきた。

 

魔理沙「中々強い魔力だな それなら私も、火力を上げてくぜ!」

 

魔理沙がそう言って弾幕に魔力を更に込めると、魔理沙の弾幕は夜見の弾幕を突き破り始めた。

 

夜見(くっ!押されている!?)

 

すると夜見はこのままではまずいと思い、回れ右をして弾幕を放ちながら走って逃げ始めたが、魔理沙は弾幕を容赦なく放ちながら追い掛けてきた。

 

魔理沙「あっ、こら!待つんだぜ!」

 

そう言って魔理沙は夜見のことを追い掛けるが夜見は詠唱をして魔力を練り上げると、本棚の角を曲がった瞬間に赤い魔法陣を床に仕掛けた。そして魔理沙が夜見を追って魔法陣の上を通ろうとした瞬間に、その魔法陣が光ったかと思うと小さな弾幕が無数に放たれた。

 

魔理沙「どわっ!?あ、危なかったぜ」

 

しかし魔理沙はすぐに気付いて間一髪で後ろに下がって弾幕を躱すと、その隙を突いて夜見は魔理沙に向けて弾幕を放つが避けられてしまった。

 

魔理沙「おっと!そう簡単にはやられないぜ?」

 

夜見「それなら、これはどうだ?」

 

そして夜見は再び魔力を練り上げて少し大きい白い魔法陣を作り出すと、そこから何発かに別れてレーザーが魔理沙に向かって放たれた。しかしレーザー同士の隙間は大きい空間があったので、魔理沙はほとんど動くことなくレーザーを避けた。

 

魔理沙「おいおい、夜見 そんな弾幕じゃ私を倒すなんて到底無理だぜ?」

 

夜見「あぁ、わかってる だからこうしたんだ」

 

魔理沙「はぁ?何を言ってるんだ?」

 

魔理沙は夜見の言ったことに不思議に思っていると、魔理沙の背後から先程避けた筈のレーザーが飛んできて魔理沙の背中に直撃した。

 

魔理沙「あだっ!?な、何だ!?」

 

魔理沙は驚いて後ろに振り向くと先程避けたレーザーの弾幕が全て迫ってきていた。その光景を見た魔理沙は慌ててレーザーの弾幕を避けた。

 

魔理沙「おわっと!何で弾幕が返ってきてるんだよ!?」

 

そして魔理沙はなんとかレーザーの弾幕を全て回避したのだが、魔理沙はレーザーの弾幕が何故返ってきたのがわからなかった。すると魔理沙は周囲を観察してあることに気がついた。

 

魔理沙「なっ!?魔力結界!?」

 

なんと夜見と魔理沙の周りが、いつの間にか魔力結界によって囲まれていたのだ。すると夜見は魔理沙に向かって魔力結界とレーザーの弾幕の種明かしをした。

 

夜見「さっき魔理沙さんの引っ掛かった罠は2段構えで、弾幕を放った後に魔力結界を展開するんだ そしてさっき俺の放った弾幕は跳弾する ここまで言えばわかるだろ?」

 

魔理沙「なるほどな、レーザーの弾幕は魔力結界に当たって跳ね返ってきた訳か それならレーザーの弾幕は、もう問題ないぜ」

 

魔理沙はそう言って器用に箒の上で立ち上がるとレーザーの弾幕が魔理沙に向かっていくが、魔理沙は体を軽く反らしただけで躱わした。

 

魔理沙「ふふん♪跳ね返ってくる弾幕は、私の得意分野なんだぜ!」

 

そう得意気に言って魔理沙はスケートボードに乗ったような体勢になると、こちらに向かって高速で飛んできながら弾幕を放ち始めた。すると夜見はその弾幕を避けながら黒い魔法陣を作り出して弾幕を放つが、魔理沙は夜見の周りを高速で飛び回っているため中々狙いが定まらなかった。

 

夜見(狙いがつけにくい...それに魔力もそろそろ尽きそうだ)

 

そしてしばらく夜見は弾幕を避けつつ弾幕を放っていたが、いきなり魔法陣がボロボロと崩れ落ちると周りの魔力結界も同時に崩れ落ちた。どうやら夜見の思っていた通りに魔力が尽きてしまったようだった。

 

魔理沙「お、魔力切れか?これはチャンスだぜ!」

 

すると魔理沙はこのチャンスの逃がさないように魔法陣の数を増やして弾幕を放ってくるが、魔力切れの筈の夜見の周りにいきなり魔力結界が展開されて弾幕を防ぎ始めた。

 

魔理沙「なっ!?魔力切れのじゃないのか!?」

 

夜見(この魔力結界...まさか)

 

そう思って夜見は周囲を見渡すと本棚の陰で魔道書を開いているパチュリーを見つけた。するとパチュリーは本棚の陰から口パクで夜見にこう伝えた。

 

パチュリー『黒夜、今の内に魔力を補給しなさい』

 

夜見(ありがとう、パチュリーさん)

 

そしてパチュリーは本棚の陰からどこかへ行ってしまうと夜見はその場で霊力を魔力に変換し始めるが、魔理沙は魔力結界を破ろうと更に魔力を込めた弾幕を放ってきた。しかし魔理沙は何発弾幕を放っても魔力結界はびくともしなかった。

 

魔理沙「だー!もう、面倒だぜ!」

 

そう言って魔理沙は魔力結界がびくともしないことにイラつき始めると、スペルカードを取り出して八卦炉を構えるとスペルカードを発動させた。

 

魔理沙「[恋符 マスタースパーク]!」

 

そう言って魔理沙がスペルカードを発動させると八卦炉から虹色のビームが放たれた。魔力結界はそのビームを浴び続けていると魔力が少しずつ無くなってきているのか、それとも魔理沙の[恋符 マスタースパーク]の威力が強いのかヒビが少し入り始めた。

しかしそうしている内に夜見は魔力の補充を終えると床に詠唱で白い魔法陣を作り出し魔力結界が壊れた瞬間に魔法陣を踏んだが、魔理沙の[恋符 マスタースパーク]が床に当たると爆発を起こして煙が立ち込めた。

 

魔理沙「どうだ夜見!これで倒れなくとも、大ダメージは確実だぜ!」

 

魔理沙は煙の中にいるであろう夜見に向かって勝利を確信しながらそう言ったのだが、夜見の声は魔理沙の背後から聞こえてきた。

 

夜見「あぁ、当たればな 毎回凄い威力だ」

 

魔理沙「なっ!?いつの間に!?」

 

魔理沙は後ろに振り返ると、そこには腕を組んで爆発を見ていた無傷の夜見がいた。しかし魔理沙は夜見の足元に白い魔法陣があることに気付き、夜見がどうやって後ろに回り込んだかを理解した。

 

魔理沙「転送魔法まで使えるのか!?これは厄介な相手かもしれないぜ...」

 

魔理沙は少し不味いなという顔をしてそう言ったのだが、夜見はその様子を不思議に思った様子でこう言った。

 

夜見「何を言ってるんだ?寧ろ厄介な相手をしているのはこっちだ、俺はまだ魔力を使い始めて数時間しか経っていないからな」

 

魔理沙「...へぇ、それはいいことを聞いたぜ」

 

夜見(...何を企んでいるんだ?)

 

魔理沙はそう言ってニヤッと笑みを浮かべて箒に股がると、夜見は警戒をしながら弾幕を放つための魔法陣を展開して弾幕を放つ準備をした。すると魔理沙は急にクスクスと笑い始めた。

 

夜見「...何が可笑しい?」

 

魔理沙「おいおい、夜見 魔法陣は無闇に展開しない方がいいぜ?」

 

夜見(...どういうことだ?)

 

すると魔理沙がそう言った直後、夜見は警戒をしていたのだが急に夜見の背後が爆発して前に吹き飛ばされた。

 

夜見「がっ!?ぐあっ!」

 

予想もしていないことが起きて訳がわからないでいる夜見は宙を舞ったかと思うと、すぐに床に落ちて何mか転がった。そして夜見は止まった所でようやく立ち上がって爆発が起きた場所を見てみると、そこは夜見が展開した魔法陣と同じ場所だった。

 

夜見「くっ!一体何が?」

 

魔理沙「あっはっは!夜見、驚いたか?だから魔法陣は無闇に展開するなって言ったんだぜ」

 

魔理沙は訳がわからないで混乱している夜見を見て笑っていると、夜見はすぐに冷静になって何をされたのかを考えながら魔理沙に質問をした。

 

夜見「...魔理沙さん、一体何をしたんだ?」

 

魔理沙「さぁな、そう簡単に種明かしをしたら面白くならないぜ?」

 

そう言って魔理沙は弾幕を夜見に向かって放つと、夜見は魔法陣を展開するのは危ないと判断して弾幕を全て避け始めた。そしてしばらく夜見が弾幕を躱していると魔理沙は不意に青い液体が入った小瓶を何個か取り出すと、それを夜見の近くに落ちるように軽く放り投げた。

 

夜見(前に博麗神社で戦った時と同じ様な物か?)

 

夜見はそう思うと同時に以前博麗神社で戦った時に瓶を投げられ、それを夜刀で斬ったことが原因で魔理沙に負けたことを思い出した。

すると夜見は一番近くに落ちてきた瓶だけをキャッチすると後ろに跳び、他の瓶が床に当たって瓶が砕けると中に入っていた液体は青い煙となってその場に立ち込めた。

 

魔理沙「ちっ!やっぱりそう簡単には当たってくれないか」

 

夜見(やっぱり煙になって立ち込めたか...それにしても、あの煙の効果はなんなんだ?)

 

そう不思議に思って瓶の中の液体を見ていると夜見はあることを思い付き、魔理沙にバレないように瓶の蓋の裏側にとても小さな魔法陣を展開させると瓶を魔理沙に向かって投げつけた。

 

魔理沙「お!返してくれるのか?助かるぜ」

 

そう言って魔理沙は夜見の投げた瓶を片手でキャッチした瞬間、夜見は魔力を練り上げて魔法陣に注ぎ込むと瓶が砕けて魔理沙は青い煙に囲まれた。

 

魔理沙「ぶあっ!?げほっげほっ」

 

そして魔理沙は慌てて煙の中から飛び出て咳き込んでいると、1回だけ箒がグラッと揺れて落っこちそうになった。しかし魔理沙はすぐにバランスを整えるといつも通りに箒に股がって宙に浮いていた。

 

魔理沙「くっ!まさか瓶の中に魔法陣を仕組んでただなんて気付かなかったぜ、よくもやってくれたな!」

 

夜見「いや、それを持ってきたのは魔理沙さんだろ?それに、俺が丁寧にそのまま瓶を返すとでも思ったか?」

 

魔理沙「そ、それもそうだぜ...」

 

夜見「一応言っておくが、返ってきた物は無闇に受け取らないで警戒しておいた方がいいぞ」

 

魔理沙「くっ!夜見は毎回私に言い返しをするな![魔符 ミルキーウェイ]!」

 

そして魔理沙はいきなりスペルカードを取り出して発動させると、魔法陣から星の形をした弾幕が大量に放たれた。すると夜見は弾幕をなんとか避けながら詠唱をして、魔力結界を張って魔理沙の弾幕を全て防ぎ始めたが魔理沙は何故か余裕そうな表情だった。

 

魔理沙「魔力を使い始めたばっかりのくせに、私のスペルカードを防ごうだなんて100年早いぜ!」

 

そう言って魔理沙は夜見の魔力結界なんかすぐに壊せるだろうと思って弾幕を放ち続けていたが、一向に魔力結界は壊れるどころかヒビすら入らなかった。すると魔理沙は驚いた様子のまま、明らかに動揺していた。

 

魔理沙「な、何で壊れないんだよ!?まさか私のスペルカードを防げるほどの結界なのか!?」

 

夜見「まぁ多分そうなんだろうな、実際に結界はヒビすら入ってないしな」

 

魔理沙「魔力使い始めたばっかの奴がそんなこと出来る筈無いだろ!魔力を使い始めたばっかりって嘘ついたな!?」

 

夜見「嘘はついていないが、魔力の使い方は理解してきているぞ?それと、魔理沙さんのスペルカードを防ぐのに100年もかからなくてよかった」

 

どうやら夜見は魔理沙がさっき言ったことを真に受けていたらしく素直にそう言ったのだが、魔理沙にとっては調子に乗って挑発しているようにしか聞こえなかった。

 

魔理沙「もういい加減怒ったぜ!すぐにその余裕そうな態度をとれないようにしてやる!

 

そして魔理沙は夜見が挑発していると勘違いしたのと、言い返しをされたことが相まって怒りだすと魔理沙は2枚のスペルカードを取り出し、1枚目のスペルカードを発動させた。

 

魔理沙「[恋心 ダブルスパーク]!」

 

スペルカードを発動させると魔理沙は少し距離をとって八卦炉を構えると虹色のビームを放ち、そのビームを魔法陣を使って放ち続けると別の方向から八卦炉で同じ虹色のビームを放ってきた。そしてその2つのビームが魔力結界に直撃し続けていると少しずつ嫌な音を立て、遂にヒビが入り始めた。

 

夜見(このままじゃ不味いな 1度転送魔法で逃げるか)

 

そして夜見は魔力結界の中で魔法陣を作り出すと夜見からはビームで見えていなかったが、魔理沙はニヤッと笑うとこう言った。

 

魔理沙「夜見、言った筈だが忘れたか?魔法陣は無闇に展開するなって」

 

夜見(そういえばそんなこと言ってたな...)

 

夜見は魔理沙に言われたことを思い出したが特に気にもせず、魔力を魔法陣に注ぎ込もうとした瞬間に再びあることが起きた。

 

ドカアアアァァァン

 

なんと、再び魔法陣があった場所から爆発が起きて煙が立ち込めたのだ。すると魔理沙はその煙の中に向けて今度は黄色の液体が入った瓶を何個か投げ入れると煙の中で爆発が起こり、煙が吹き飛ばされると同時に煙の中にいた夜見も吹き飛ばされて宙を舞った。

 

夜見「ぐっ...ぁ... な、何が...?」

 

夜見はどうやら爆発に直撃してしまったらしく、痛みでまともに声が出せない状態で絞り出すようにそう言ったのだが、夜見はそのまま落下して地面に叩きつけられた。

 

夜見「がっ!?がぁ...ぐっ...」

 

魔理沙「あっはっは!ちゃんと忠告しておいてあげたのに、無視するからそんなことになるんだぜ!」

 

夜見(一体...何が起きた!?確か魔法陣に魔力を注ぎ込もうとした瞬間に、いきなり魔法陣が爆発して...)

 

そして夜見はゆっくりと立ち上がりながら起きたことを思い出しながら魔理沙が一体何をしたのかを考えていると、夜見はあることが思い浮かんだ。

 

夜見(...まさか、そういうことか?)

 

すると夜見は自分の背後に魔力を込めた魔法陣を作り出したのだが、今度は何故か爆発することがなかった。そして次に夜見は自分の前に魔力を込めずに魔法陣を作り出した瞬間に、今度はその魔法陣が爆発を起こしたのだ。

しかし夜見は爆発と同時に魔力結界を作り出したため無傷で済んだ。

 

夜見「...なるほどな、随分と面白いことをしてくれるな」

 

そう言いながら夜見は自分の作り出した魔力結界を解くと、魔理沙は夜見にあることを聞いた。

 

魔理沙「ん?もしかして私が何をしていたのか気付いたのか?」

 

魔理沙がそう聞くと夜見は頷いて、魔理沙がどんなことをしていたのかを言った。

 

夜見「あぁ、ようやくな まさか魔理沙さんが俺の魔法陣に魔力を注ぎ込んでわざと暴発させるとは思わなかった」

 

夜見がそう言うと魔理沙は笑いながらこんなことを言ってきた。

 

魔理沙「いやぁ、夜見が魔力を使い始めてから数時間しか経ってないって言うから、まさかと思って魔法陣に魔力を送ってみたらそのまさかだったぜ だから私はまだ魔力が送られていない魔法陣に不適切な魔力を注ぎ込んで、わざと暴発させたって訳だ」

 

夜見「魔法陣の性質を逆手に取るだなんて、俺でも思い付かなかったぞ」

 

夜見はそう言って魔理沙のことを軽く褒めると、魔理沙は誇らしそうな様子でこんなことを言ってきた。

 

魔理沙「魔法陣は基本的に相手に利用されないために、あらかじめ少しだけ自分の魔力を注ぎ込んでおくのが基本だぜ?勉強になっただろ?」

 

夜見「あぁ、勉強になった ありがとう」

 

夜見はそう言って魔理沙に向かってお礼を言ったのだが、夜見は言葉に対して全く別のことを思っていた。

 

夜見(良かった、これでとりあえず怒りは収まってくれた筈だ)

 

そう思って夜見は安心しきっていたのだが、魔理沙は笑いながら八卦炉を夜見に向けてこんなことを言ってきた。

 

魔理沙「あ、少し言い忘れてたぜ 私は褒めてくれたからって言い返しと挑発への怒りを忘れる程、頭は悪くないぜ?」

 

夜見(...まぁ、そうだよな)

 

魔理沙「これで終わりだぜ![魔砲 ファイナルマスタースパーク]!」

 

そう言って魔理沙は夜見に向けてスペルカードを発動させると夜見は身構えたのだが、何故か八卦炉からビームが出るどころかビームが出る気配すらしなかった。

そしてしばらくお互いの間に沈黙が流れると、夜見は魔理沙に声をかけた。

 

夜見「えっと、どうしたんだ?」

 

魔理沙「...わからないぜ 八卦炉に何故か魔力が注ぎ込められないんだ」

 

夜見「...どうするんだ?本気でこれで終わりにさせるっていう雰囲気出してたけど」

 

魔理沙「う、うるさい!今すぐ発動させてやる!」

 

そう言って魔理沙は頑張って八卦炉に魔力を注ぎ込み始めると、少しずつだが八卦炉に魔力が集まってきた。そして3分程経つ頃にはやっと1割程の魔力を注ぎ込められた。

 

夜見「...まだなのか?そろそろ待つのもどうかと思ってきたんだが」

 

魔理沙「もう少しだけ待ってくれ!5分でいいから!」

 

夜見「あぁ、わかった」

 

夜見(...そもそも何で俺は、律儀に魔理沙さんが攻撃できるまで待ってるんだ?)

 

夜見は何故自分がこんなことをしているのだろうと疑問を感じながらも、律儀に魔理沙が八卦炉に魔力を注ぎ込むのを待った。ちなみに魔理沙が八卦炉に魔力を注ぎ込み終わるのは合計で20分程経った頃だった。

 

魔理沙「よし、やっと準備出来たぜ!」

 

魔理沙がそう言うと夜見の方に八卦炉を両手でしっかり構えて、今にも[魔砲 ファイナルマスタースパーク]を放とうとしていると、夜見はこんなことを思った。

 

夜見(随分と時間がかかったな、今日は調子でも悪いのか?...まぁ、今は防ぐことだけを考えるか)

 

魔理沙「行くぜ、夜見![魔砲 ファイナルマスタースパーク]!」

 

そして魔理沙は夜見に向かって容赦なく極太の虹色のビームを放つと、夜見は全力で今ある全部の魔力を使いきるつもりで魔力結界を張ろうとした。

しかしその瞬間に夜見の目の前にある人物が舞い降りると、その人物は手に持っている物でビームを防ぎ始めた。

 

魔理沙「なっ!?何でお前がここにいるんだよ!」

 

夜見「...レミリアさん?」

 

なんと、その人物とは紅魔館の主であるレミリアだった。レミリアは手に[神槍 スピア・ザ・グングニル]を持っており、その紅い槍で魔理沙のビームを防いだのだ。

 

レミリア「ぐっ!?うぅ...ぐぅ!せりゃあ!」

 

するとレミリアは紅い槍を無理矢理横に振るってビームを掻き消すと、体力を相当使ったのか肩で息をしていた。そしてレミリアはすぐに息を整えると、夜見の方に振り返って素っ気ない様子でこんなことを聞いてきた。

 

レミリア「黒夜、大丈夫だったかしら?」

 

レミリアがいきなり現れてそんなことを聞いてきたことに夜見は少し不思議に思ったが、とりあえず夜見は無事であることを伝えた。

 

夜見「あぁ、大丈夫だ...」

 

レミリア「そう、それなら良かったわ」

 

レミリアは夜見の返事を聞くと笑顔でそう言ってきたのだが、夜見は何故レミリアが図書館に来たのかが気になった。

 

夜見「そんなことより、どうしてレミリアさんはここに来たんだ?」

 

すると夜見がそう言ってレミリアが図書館に来た理由を聞くと、何故かレミリアは顔を少し赤くすると少し視線を逸らしてこう答えた。

 

レミリア「べ、別に!騒がしいと思ったから、気になって来ただけよ!」

 

夜見「...レミリアさん?」

 

レミリア「そ、そんなことより黒夜!今から私の部屋に行くわよ!」

 

レミリアは何故か少し動揺しているような様子でそう言ってスペルカードを解除し、夜見の腕を掴んで図書館から出ようとした。しかし夜見はまだ魔理沙を追い出していないのでその場に留まろうとした。

 

夜見「いや、ちょっと待ってくれ」

 

夜見はそう言ってレミリアに抵抗してその場で動かないでいると、レミリアは夜見の顔を少し睨んでこんなことを聞いてきた。

 

レミリア「何?私の部屋に行くのがそんなに嫌かしら?それとも、ここにまだ用事かあるというのかしら?」

 

夜見「後者の方だ、魔理沙さんを追い出さないといけなくてな」

 

そして夜見はそう言ってレミリアに腕を放してもらおうとしたのだが、レミリアは腕を放さずにこう言ってきた。

 

レミリア「そんなのパチェに任せればいいじゃない、さっさと行くわよ」

 

夜見「いやいやパチュリーさんに頼まれたんだ、それを放棄するわけにはいかないだろ?」

 

レミリアは魔理沙を追い出すのはパチュリーがやればいいと言ったのだが、夜見がパチュリーに魔理沙を追い出すのを頼まれたことを言うと、レミリアは夜見の腕をゆっくりと放した。

 

レミリア「...お人好し過ぎなのよ わかったわ、5分だけ待ってあげるわ」

 

夜見「あぁ、すぐに終わらせる」

 

そう言って夜見は振り返ったのだが魔理沙の姿は無く、どうやらレミリアと話している間にこっそりと何処かに行ってしまったようだった。しかし夜見は床に白い魔法陣を作り出して魔力を送り込むと、夜見はそれを踏んで転送された。

そして夜見が転送された先は、ちょうど本を盗ろうとしていた魔理沙の後ろだった。

 

夜見「お、ラッキー」

 

夜見がそう言うと魔理沙は本を盗ろうとしていた手を引っ込めて、恐る恐る振り返って夜見の姿を見ると驚いた。

 

魔理沙「なっ!?何でここがわかったんだ!?」

 

夜見「いや、なんとなくここかなって」

 

そう言って夜見は黒い魔法陣を背後に作り出すと魔理沙は急いで逃げようと走り出したが、夜見は魔理沙を囲むように魔力の壁を作り出した。すると魔理沙は夜見の方を向いてこんなことを言い出した。

 

魔理沙「ま、待ってくれ!降参だぜ!」

 

夜見「降参?急にどうしたんだ?」

 

夜見は魔理沙がそんなことを言い出すとは思わず夜見は理由が気になったので聞いてみると、魔理沙はこう言った。

 

魔理沙「多分あの青い煙の影響で魔力が使えなくて戦える状況じゃないんだぜ、降参するから見逃してくれないか?」

 

夜見(多分って...つまりは得体の知れないのを人に向かって投げ付けてきたのか しかも見逃してくれって、虫が良すぎるだろ)

 

夜見は魔理沙の行動と言っていることに呆れていると、魔理沙はその様子を見て追加でこう言ってきた。

 

魔理沙「わ、わかった!それなら夜見の言うことを出来る範囲で1つ何でも聞いてやるぜ!それならいいだろ?」

 

夜見(出来る範囲で何でもか それなら...)

 

すると夜見は魔理沙を囲んでいる魔力の壁の中に魔法陣を作り出した。魔理沙は夜見のその行動を不思議に思っていると、夜見は魔理沙にこう言った。

 

夜見「実はまだ試したい魔法があるんだ、だからその練習に付き合ってくれ」

 

魔理沙「え?それってつまり、私は魔力が使えない状況で避けなきゃいけないってことか?」

 

夜見「あぁ、そう言うことだ」

 

夜見がそう返事をすると次々と容赦無く魔法を魔力の壁の中で発動し始めた。魔理沙はなんとか魔法を避けようとしていたが当然すべて避けられる筈もなく、3分程経った頃には魔理沙は気絶していた。

 

夜見(...少しやり過ぎたか?まぁ、窃盗と不法侵入の刑罰ってことにすればいいか)

 

そして夜見は魔力の壁を解除すると再び床に白い魔法陣を作り出し、魔力を送り込んで魔法陣を踏むとレミリアの目の前に出た。

 

レミリア「早かったわね、もう追い出したのかしら?」

 

レミリアは魔理沙を追い出すには随分早く帰ってきたと思ったのか、夜見にそう聞いてみると夜見はこう返した。

 

夜見「いや、色々あって気絶させた」

 

レミリア「まぁそんなことだろうと思ったから、もう咲夜に外に放り出すように頼んどいたわ さぁ、早く行きましょう」

 

レミリアはそう言うと夜見の腕を掴むと、一緒に図書館を出てレミリアの部屋に入っていった。そしてレミリアはベランダに出て白い椅子に座ると、夜見は白いテーブルを挟んだ向かい側の椅子に座った。

 

夜見「それで、用件はなんだ?何か用があるから呼んだんだろ?」

 

すると夜見はレミリアに呼ばれた理由を聞いてみると、レミリアは少し緊張している様子で返答をした。

 

レミリア「え、えぇ、もちろんよ」

 

しかしレミリアは返答をしたものの、何故かもじもじとした様子で一向に話す気配がなかった。そして夜見は机に肘を置いて頬杖をついてしばらく待っていると、レミリアはようやく口を開いた。

 

レミリア「く、黒夜?用って言うのは、その...え、宴会の時のことなんだけど...」

 

しかしレミリアは何故か緊張しているような様子で喋り出した。そして夜見は頬杖を止めると、中々話が進まなさそうなので自分から聞いていくことにした。

 

夜見「宴会?何かあったのか?」

 

レミリア「あ、あった...じゃない ほ、ほら、フランと咲希の言ってた...事...」

 

夜見(...えっと、フランドールさんと咲希さんと話した事って確かあまり遊んでくれないって話だったよな)

 

夜見は一昨日の宴会でフランドールと咲希と話した内容を思い出すと、夜見は何かを理解したかのように頷いてレミリアに言った。

 

夜見「あぁ、フランドールさんと咲希さんと遊んでくれってことか それなら別に構わないぞ?」

 

レミリア「違う!その話じゃないわよ!

 

するとレミリアはいきなり怒った様子で夜見に怒鳴ってきた。その様子に夜見はビックリしていると、レミリアは少し顔を赤くして視線を少し夜見からずらした。

 

夜見(え、違うの?いや、でも、フランドールさんと咲希さんと話した事ってそれだけだよな...他に何か話したか?)

 

レミリア「と、(とぼ)けてるの!?黒夜が人里へ買い物に行こうとした時に言ったことよ!言ったこと!」

 

夜見「言ったこと?...あぁ、レミリアさんが俺の事が好きとかって言ってた事か?」

 

夜見が思い出したようにそうレミリアに聞くと、レミリアは顔を耳まで染まるほど真っ赤にして俯いた。そしてレミリアはゆっくりと顔を上げると夜見にこう言った。

 

レミリア「そ、それで...ど、ど、どうなの...よ?」

 

夜見「...どうって?」

 

レミリア「わ、わた、私...が、、その...く、黒、夜のことが、、す、好きってことに、どう思って...いるのよ?」

 

夜見「...嬉しいが?」

 

夜見がそう一言言うとレミリアは目を見開いて立ち上がると翼を嬉しそうに振り、机に乗りそうな勢いで机に手をついて前のめりになって夜見に聞いた。

 

レミリア「ほ、本当かしら!」

 

夜見「あぁ、別に好きって思われて嫌な気持ちにはならないだろ?」

 

そう言って夜見は椅子から立ち上がると、レミリアの前に手を出して握手を求めるとレミリアに向かってこう言った。

 

夜見「今更言うのもなんだが、よろしくな」

 

レミリア「え、えぇ!もちろんよ!」

 

そう言ってレミリアはとても嬉しそうに夜見の手を両手で握ったのだが、夜見はレミリアに握手した瞬間にこう言った。

 

夜見「友達として色々あるだろうけど、そこはお互いに協力しよう」

 

レミリア「えぇ!もちろんって...え?」

 

夜見「...え?何かおかしいか?」

 

レミリア「い、いえ、何もおかしく...ないわ」

 

そう言ってレミリアは夜見の手を放すとゆっくりと椅子に座り、夜見の言葉の意味と今の状況について整理し始めた。そしてレミリアは夜見がどう思っているかに気付いた。

 

レミリア(もしかして好きって、友達として好きって意味合いで捕らえてたの?嘘をついているようにも思えないし...まさか、私が黒夜のことを異性として好きって気付いてないの?)

 

夜見「...レミリアさん、どうした?大丈夫か?」

 

夜見はレミリアが椅子に座って俯いたまま動かなくなったので心配して声をかけると、レミリアは顔を上げるといつもの様子でこう言った。

 

レミリア「えぇ、大丈夫よ これからもよろしく」

 

夜見「...あぁ、よろしくな それじゃあ用事も済んだし、俺はそろそろ帰らせてもらう」

 

夜見は空気中の血を集めて血の翼を作り出してそう言うと、レミリアは笑顔で夜見にこう言った。

 

レミリア「えぇ、またいつでもいらっしゃい 歓迎するわ」

 

夜見「あぁ、じゃあな」

 

そう言って夜見はベランダの柵に足をかけて跳び、血の翼を羽ばたかせて地底へと帰っていった。そしてその様子を見ていたレミリアは、こう思いながら見送っていた。

 

レミリア(いつでも私の気持ちを伝える機会はあるわ、別に焦らなくていい 今度は、自分で思いを伝えられるようにしなきゃいけないわね)




どうも皆さん、お風呂場の蓋です。
また話の構成が中々思い浮かばすグダグダと小説を書いていると、気付いたら10月になって消費税も上がってしまいました。
楽しみに待っていた方、本当に申し訳ございませんでした。これからは用事が無ければ1週間のペースで投稿できるように頑張っていきたいと思います。
そして10月と言えば東方projectの二次創作のスマホゲーム、東方キャノンボールがリリースされました。
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それでは、よければまた次回も見てください。
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