心を閉ざした少年と少女   作:お風呂場の蓋

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第40話 甘い物と2度目の宴会

夜見「ふぅ、ただいま」

 

夜見は紅魔館を出て真っ直ぐ地底へと入り、地霊殿の正面まで来ると仮面を外し懐に仕舞うと玄関を開けた。

するとエントランスではこいしが待っており、夜見の姿を見るなり夜見に目掛けて跳び、夜見の首に腕を回して抱き付いてきた。

 

こいし「お兄ちゃん、お帰り!」

 

夜見「おっと、こいしさんか よしよし」

 

そして夜見は抱き付いてきたこいしを抱き締め頭を撫でていると、こいしはとても満足している様子だった。そしてこいしはしばらく撫でられると昨日のように、夜見の頬にキスをした。

 

こいし「えへへ♪お帰りなさいのチュー♪」

 

夜見「まったく、こいしさんはすぐにそうやって...はぁ、ありがとう」

 

夜見はこいしがすぐにキスをしてくることに少し呆れながらもありがとうと言うと、こいしは満面の笑みを浮かべて夜見にこう言った。

 

こいし「えへへ、嬉しかった?それじゃあ...もう1回♪」

 

こいしは嬉しそうにそう言ってもう一度夜見の頬にキスをして、力強く抱き締めると同時にサードアイから伸びている管のような部分を巻き付けてきた。そして夜見はこいしの頭を撫でているとこいしに向かってこう言った。

 

夜見「こいしさん、悪いが離れてくれないか?少しやることがあるんだ」

 

こいし「え?それって私をギューってしながら出来ない?」

 

夜見「少し難しいかな、もしかしたら怪我しちゃうかもしれないからな」

 

こいし「う~ん...そっか、それじゃあ仕方無いね」

 

そう言ってこいしはあっさりと離れたので夜見はこいしの頭を再び撫でると2階へ上がり、自分の部屋にマントと仮面、夜刀を置くとキッチンへと入っていった。

 

夜見(さてと、今日は小悪魔さんに少し迷惑をかけたから何か作ってあげないとな でも小悪魔さんだけにあげるわけにもいかないし、みんなにも作ってあげないと...)

 

そう思いながら夜見は冷蔵庫を開けて中にある物で何を作ろうかと考えていると、ふと卵と牛乳が目に入った。

 

夜見(卵と牛乳があればプリンが作れるな...レミリアさんとフランドールさんも多分喜んでくれるだろうし、プリンを作るか)

 

そして夜見は小悪魔さんに迷惑をかけたお詫びを兼ねてプリンを作ることにすると、卵を数個と牛乳を冷蔵庫から取り出して調理スペースに置くとオーブンを余熱をした。次に夜見はキッチンの収納から調理器具を取り出そうとしていると、背中を誰かが指先でつついてきたので振り返るとそこにはさとりがいた。

 

さとり「黒夜さん、お帰りなさい」

 

夜見「あぁ、さとりさんか ただいま」

 

さとり「ところで黒夜さん、一体何をしているんですか?夕食の時間はまだですよ?」

 

さとりはどうやら夜見が夕食を作ろうとしていると勘違いしていたので、夜見は手を横に振ってプリンを作ることを伝えた。

 

夜見「いやいや、別に夕食を作ろうとはしてないよ 俺はプリンを作ろうとしてるんだ」

 

さとり「プリン...ですか?」

 

そう言ってさとりは不思議に思って首を傾げたので夜見は何故プリンを作ろうとしているかを説明すると、さとりは納得した様子だった。

 

さとり「成る程、そんなことがあったんですか それでお詫びとしてプリンを作ることにしたんですか」

 

夜見「あぁ、そういうわけで冷蔵庫の中にあった卵と牛乳を使うけど、別に構わないよな?」

 

さとり「いや、駄目ですよ?」

 

夜見「え?そ、そうなのか...」

 

さとりに卵と牛乳を使うのは駄目だと言われた夜見は、どうしようか考え込もうとした瞬間にさとりは少し笑いながらこう言ってきた。

 

さとり「ふふ、冗談ですよ 使って構いません」

 

夜見「なんだ、冗談か からかわないでくれ」

 

さとり「ふふ、すみません それと、プリンを作るのなら手伝いますよ?」

 

夜見「え?さとりさん、プリンの作り方知ってるのか?」

 

夜見はさとりがプリンを作るのを手伝うと言ってきたので、さとりにプリンの作り方を知ってるのか聞いてみるとさとりはこう答えた。

 

さとり「いえいえ、作り方は知りませんよ 私はあくまでも、手伝いをするだけです」

 

夜見「そうか、わかった それじゃあ早速このボウルに、そこに出した卵を入れて泡立て器で混ぜて、砂糖を加えたらまた混ぜてくれ」

 

さとり「はい、わかりました」

 

そして夜見はボウルと泡立て器をさとりに渡すと、さとりは卵を上手に割って中身をボウルの中に入れて泡立て器で混ぜ始めた。さとりがそうしている間に夜見は調味料の収納場所から砂糖を取り出し、フライパンの中に砂糖と水を入れるとフライパンを傾けながら焼き始めた。

 

夜見「それにしてもさとりさん、随分と料理が出来るようになってきたな」

 

夜見はフライパンを傾けたままゆっくりと焼いていると、さとりに向かって話し掛けた。するとさとりはボウルの中の卵をかき混ぜながらこう言った。

 

さとり「お燐に色々教わりながら頑張りましたから、今では1人で色々な料理が作れるようになりましたよ まぁ、黒夜さん程上手に作ることは出来ませんけどね」

 

夜見「別に上手でも何でもないだろ、ただ調理の方法に従って手を動かしてるだけだ」

 

さとり「いえいえ、とても上手ですよ 黒夜さんの料理は、見た目も味付けも全て完璧ですから」

 

夜見「そうか?俺はさとりさんのちょっと濃いめの味付けとか、燐さんのちょっと変わった味付けも美味しいと思うけどな」

 

さとり「美味しいと思ってくれてたんですか、とても嬉しいです」

 

こうして会話をしながら作業をして、さとりが卵を完全にかき混ぜ終えるとボウルに砂糖を入れて再びかき混ぜた。そして夜見は火を止めて食器棚からカップ状の容器を何個か取り出すとフライパンで作ったカラメルを容器の中に均一に入れ、今度は鍋の中に牛乳を入れて火に掛けると今度はさとりが夜見に話し掛けた。

 

さとり「それにしても、黒夜さんはよくプリンの作り方なんて知っていましたね 誰かに作ってあげたんですか?」

 

夜見「いや、ただ作ってみたことがあるだけだ 特に理由なんかは無い」

 

さとり「へぇ、そうなんですか 他に何か作ったことはあるんですか?」

 

夜見「そうだな...クッキーとかケーキなんかも作ってみたな まぁ、どれもこれも特に理由なんか無かったが」

 

さとり「でも、今作っているプリンにはちゃんと理由がありますよ 良かったですね」

 

夜見「あぁ、まさか役立つとは思わなかった」

 

さとり「あ、黒夜さん 全部かき混ぜましたよ」

 

夜見「ん、そうか ちょっと貸してくれ」

 

そしてさとりは卵と砂糖をかき混ぜ終えて夜見にボウルと泡立て器を手渡すと、夜見はボウルの中身に先程火に掛けていた牛乳をゆっくりと入れながら泡立て器で混ぜ始めた。

 

さとり「黒夜さん、危ないですよ?鍋の方を持ちましょうか?」

 

さとりは夜見が片手で鍋を持ちながらボウルに牛乳を入れつつ、もう一方の片手で泡立て器でかき混ぜている様子を見て危ないと思ったのでそう言ったのだが、夜見はさとりにこんなことを言った。

 

夜見「いや、大丈夫だ そんなことよりバットを用意して、お湯を沸かしてくれないか?」

 

さとり「はい、わかりましたけど...気を付けてくださいよ?」

 

夜見「あぁ、わかってるよ」

 

そしてさとりが棚から金属製のバットとヤカンを取り出している間に、夜見は鍋の中の牛乳を全てボウルに移し終えるとボウルを片手で押さえて泡立て器で混ぜ始めた。一方さとりはバットとヤカンを持ってきてヤカンの中に水を注いでお湯を沸かし始め、夜見の混ぜているボウルの中を覗き込むと気になったことを聞いた。

 

さとり「随分と量がありますけど、一体何人分作る気でいるんですか?」

 

夜見「紅魔館の7人分と、さとりさん達の4人分の合計11人分だ」

 

夜見がそう言ったので、さとりはカップ状の容器が置いてある所を見てみると確かに11個置いてあったのだが、さとりはある疑問が浮かんだ。

 

さとり「え、私達の分は4個なんですか?そうしたら誰かがプリンを食べられなくなってしまいますよ?」

 

さとりは夜見が地霊殿の人達の分が4個であることに不思議に思ってそう言うと、夜見は液状のプリンを混ぜながらこう言った。

 

夜見「俺は食べないから4人分だ みんなに食べては欲しいが、別に俺はいらないからな」

 

さとり「だ、駄目ですよ!自分の分もちゃんと作らないと!」

 

そう言ってさとりは食器棚からカップ状の容器を1個取り出すと、容器が置いてあった場所に取り出した容器を置いた。すると夜見は混ぜるのを中断して容器を食器棚に戻すために手に取ろうとすると、さとりが先に取って容器を大事そうに抱えるとこう言った。

 

さとり「駄目ですよ、自分の分もちゃんと作ってください もし自分の分をどうしても作らないと言うなら、私はプリンを食べませんからね」

 

そう言ってさとりは夜見のことを真剣な目で見つめていると夜見はさとりの意地に負けたのか、ため息をついてこう言った。

 

夜見「...はぁ、わかった 俺の分も作るけど、時間的にカラメルを作るのは無理だからな?」

 

そう言って夜見は再び液状のプリンをゆっくりと混ぜると、さとりは満足そうな顔で容器を置いた。そして夜見はボウルを持ち上げると、容器の中に液状のプリンを丁寧に均一に入れた。

 

さとり「これで後は蒸すだけで出来上がりですか?」

 

夜見「あぁ、そうだ 後はオーブンで蒸すだけだが、その前にアルミ箔で容器に蓋をしないとな」

 

さとり「オーブンで蒸すんですか、だからオーブンが余熱してあったんですね」

 

夜見「あぁ、その通りだ」

 

夜見はそう言いながらキッチンの収納からアルミ箔を取り出すと、1つ1つ丁寧にアルミ箔で容器に蓋をした。次に夜見はバットの上にキッチンペーパーを敷くと、その上に容器を置いてバットにお湯を注いだ。

そして夜見はオーブンの中にプリンの乗ったバットを入れると、タイマーを20分程にセットした。

 

夜見「よし、後は出来るまで待つだけだ」

 

さとり「そうですね、完成がとても楽しみです」

 

夜見「じゃあ、待ってる間に洗い物でもするか」

 

さとり「あ!そういえば私、仕事が残ってるんでした 黒夜さん、すみませんが洗い物を全て任せてもいいでしょうか?」

 

夜見「あぁ、大丈夫だ」

 

そしてさとりは残っている仕事を済ませるためにキッチンから出ていき、夜見は流し台で使った調理器具を洗い始めた。

しばらく夜見が流し台で調理器具を洗っていると、扉の開いた音がしたかと思うと夜見の背中から誰かが腕を首に回して抱き付いてきた。しかし夜見から回された腕の袖が見えていたので、夜見は抱きついてきた人物の名前を呼んだ。

 

夜見「どうしたんだ?こいしさん」

 

こいし「えへへ♪お兄ちゃん、もうやることは終わった?私、ずっと待ってたんだよ?」

 

夜見「あぁ、ほとんど終わったよ」

 

こいし「本当!?やったぁ!」

 

そう言ってこいしは腕に思いっきり力を込めて抱き締めてきた。そうなると勿論、こいしの腕が回されている夜見の首は絞められた。

 

夜見「こ、こいし...さん く、苦しい...」

 

こいし「え?や、わわ!ごめんなさい、お兄ちゃん!」

 

夜見は絞り出すような声でこいしに苦しくなっていることを伝えると、こいしは慌てた様子で夜見から離れた。そして夜見は呼吸を整えながら後ろに振り返ると、こいしはしょんぼりとした様子で立っていた。

 

こいし「ご、ごめんなさい、お兄ちゃん」

 

夜見「...はぁ、ったく」

 

そして夜見はこいしのその様子に呆れてこいしにゆっくりと近付くと、夜見は優しくこいしの頭を撫で始めた。

 

夜見「こいしさん、別に怒ってもいないから大丈夫だ だからそんなにしょんぼりするな」

 

こいし「う、うん...で、でも私、お兄ちゃんの首思いっきり絞めちゃったよ?何で怒らないの?」

 

夜見「...はぁ、じれったいなぁ」

 

そう言って夜見はこいしの背後に腕を回すと、夜見はこいしを撫で続けたまま抱き締めた。そして夜見は優しい口調でこいしに話し掛けた。

 

夜見「別に嬉しくなって首を絞めちゃったのは、仕方の無いことだろ?それとも、わざと俺の首を絞めたってことか?」

 

こいし「...ううん、違う 嬉しくてつい、やっちゃっただけなの」

 

そう言ってこいしも腕を夜見の後ろに回すと、今度は優しく抱き締めてきた。すると夜見はこいしの耳元でこう囁いた。

 

夜見「大好きだ、こいしさん

 

こいし「...私もお兄ちゃんのこと、大好き」

 

そして夜見とこいしはしばらく抱き合っていたのだが、こいしが腕を放したので夜見も腕を放した。するとこいしは満面の笑みを夜見に向けたので夜見も笑みを返して立ち上がると同時に、オーブンからチーンという終了の音が鳴った。

 

夜見「お、もう出来たか」

 

そして夜見はオーブンを開けて手に血を纏わせると熱々のバットごとプリンを取り出し、自分が食べるプリンの容器の蓋を外してみるとプリンはしっかり出来ていた。するとこいしは夜見の横でピョンピョンと跳んで容器の中を見ようとしていたので、夜見はこいしに容器のプリンを見せた。

 

こいし「わぁ、プリンだー!もしかしてやることって、プリンを作ることだったの?お兄ちゃん」

 

夜見「あぁ、そうだ 後は冷ましてから、冷蔵庫に入れるだけだな」

 

こいし「食べるのが楽しみだね、お兄ちゃん!」

 

夜見「あぁ、そうだな」

 

こうして夜見達はプリンが冷めるのを待ち、冷蔵庫にしばらく入れた後に全員でプリンを食べたのだが、さとりがどうやら砂糖を入れすぎたようでプリンを食べた瞬間に夜見以外が異常な甘さに悶絶したのはまた別の話である。

 

そして翌日の早朝に夜見はプリンを再び作り直してから朝食を食べ終え、仕事のために出掛ける準備を終えて手にプリンの入った袋を持ちエントランスに向かって廊下を歩いていると後ろから夜見を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

こいし「お兄ちゃん、待って!」

 

夜見はこいしの言葉を聞いて足を止めその場で振り返ると、こいしが何か銀色の物を2個持ってこちらに走ってきていた。

 

夜見「こいしさん、どうしたんだ?」

 

すると夜見はこいしが目の前まで来た所でそう聞くと、こいしは手に持った物を差し出してこう言った。

 

こいし「こ、これ、おにぎり作ったの!」

 

夜見「おにぎり?」

 

夜見はこいしの持っているもの見てみると、おにぎりが包まれているだろう少し大きめの丸いアルミ箔を2個持っていた。それがどうしたんだろうと夜見が思っていると、こいしは少しオドオドとした様子でこう言った。

 

こいし「い、いらない...かな?お兄ちゃんの昼食にって思って作ってみたんだけど...べ、別にいらないなら、受け取らなくていいよ」

 

すると夜見はそこでようやくこいしが自分のためにおにぎりを作ってくれたことを理解して、夜見はこいしの頭を撫でながらこう言った。

 

夜見「ありがとう、こいしさん わざわざ俺のために作ってくれたんなら、喜んで頂くよ」

 

そう言って夜見は笑みを浮かべてこいしの作ったおにぎりを受け取ると、こいしは嬉しそうな様子でこんなことを言った。

 

こいし「あ、愛情込めて作ったの!帰ったら味の感想聞かせてね!」

 

夜見「あぁ、わかったよ それじゃあ、行ってくる」

 

そう言って夜見はおにぎりを血で作ったケースに入れてプリンの入った袋の中に入れると仮面を被り、玄関から地霊殿を出るとそのまま地底から地上へ出た。

そして夜見は紅魔館のみんなにプリンを渡すために森の中を歩いて湖へ出て紅魔館へ向かい、夜見は紅魔館に着いたのだが門には誰もいなかった。

 

夜見(あれ?いつもなら美鈴さんがいるんだが、何かあったのか?)

 

夜見は門に美鈴がいないことを不思議に思うと同時に入っていいのかと迷っていると、門が開かれて門の向こう側にはプリンを渡す予定のレミリア、フランドール、咲希、咲夜、美鈴、パチュリー、小悪魔がいた。

 

レミリア「あら、黒夜じゃない?どうしたのかしら?」

 

するとレミリアは夜見がいることに不思議に思いながら質問をしてきたので、夜見は逆にみんながいることを不思議に思いながらも袋を少し前に差し出して質問に答えた。

 

夜見「あぁ、昨日実は小悪魔さんに少し迷惑をかけたから、そのお詫びも兼ねてみんなにプリンを作ったから渡しに来たんだ」

 

フランドール・咲希「え!?プリン!?」

 

しかし夜見がプリンのことをレミリアに伝えた瞬間に、フランドールと咲希が嬉しそうな様子で反応した。するとフランドールと咲希は袋を引ったくる勢いでこちらに来たが、次の瞬間には咲夜に首根っこを捕まれていた。

 

レミリア「へぇ、そうなの わざわざ作ってくれたのはありがたいのだけれど、生憎今から博麗神社に向かうところなのよね」

 

夜見「博麗神社?何であそこに全員で行くんだ?」

 

レミリア「何でって、宴会に決まっているじゃない」

 

夜見「宴会?それって3日前にやらなかったか?」

 

夜見はそう言ってレミリアに3日前にも宴会をやったことを確認すると、レミリアは首を縦に軽く振ってこう言った。

 

レミリア「えぇ、やったわね けれどもまた宴会をするって話を聞いたから、今回は全員で行くことにしたのよ」

 

夜見「そうか...じゃあプリンはどうする?今から紅魔館の冷蔵庫の中にでも置いてくるか?」

 

夜見がそう言うと咲夜はフランドールと咲希を放して動こうとしたのだが、その前にレミリアが夜見にこう言った。

 

レミリア「わざわざそんな面倒なことはしなくていいわ、宴会の時に食べればいいじゃない」

 

夜見「そうか?じゃあプリンは咲夜さんに渡しておくか」

 

そう言って夜見は手に持っていた袋からおにぎりの入った血のケースを取り出したら、咲夜に渡そうとしていたのだがレミリアは夜見にこんなことを言った。

 

レミリア「何を言っているの?黒夜も来るんだから、そのまま持っていたらいいじゃない」

 

夜見「...は?俺も付いていくのか?」

 

レミリア「当たり前じゃない、さぁ行くわよ」

 

そう言ってレミリアは日傘を片手で差しながらもう一方の片手で夜見の腕を掴んで歩き始め、その後に続いてフランドールや咲夜達も付いてきた。そして夜見はプリンを渡してから人里で何か依頼があるか確認しようとしたのだが、半ば強制的に博麗神社へ行くことになった。

 

そして夜見達が博麗神社に着いた頃には宴会はまだ始まっていないのか、前回の宴会に来ていた人達がちらほらと桜の木の下で談笑をしていた。するとレミリアはそこでようやく夜見の腕を放して夜見にこう言った。

 

レミリア「それじゃあ私達は私達で場所取りとかしているから、黒夜も好きなようにしなさい それと、プリンを食べる時になったら咲夜を迎えに行かせるわ」

 

そう言ってレミリア達は何処で座ろうかと、桜の木の下を見て回りに行った。するとその場に残った夜見はため息をつくと、真っ直ぐ博麗神社の裏側に回った。

そして夜見が博麗神社の裏側に回って血で長い梯子を作り出すと、博麗神社の屋根に梯子をかけて屋根の上に登ると腰を下ろした。

 

夜見(...また宴会か、賑やかな場所は好きじゃないんだよなぁ)

 

そう思いながら夜見は屋根の上から宴会に来ている人を見ていると、いきなり後ろから声をかけられた。

 

紫「あら、随分と憂鬱そうな様子ね」

 

夜見「...紫さんか」

 

それは裂け目から上半身を出しながら日傘を差している紫だった。しかし夜見は振り返らずにそう言うと紫は裂け目から出てきて、夜見の隣に来ると腰を下ろした。

 

紫「どうしたの、今日は宴会よ?何か嫌なことでもあったのかしら?」

 

夜見「別に...ただ賑やかな場所が好きじゃないだけだ」

 

紫「そういえば、そんなこと言ってたわね」

 

そう言って紫はこちらを見て微笑むと裂け目を作り出してそこから酒瓶と盃を取り出し、盃に酒を注ぎ始めたのだが夜見は紫にこう言った。

 

夜見「そういや、あれから何か情報は集まったか?」

 

夜見が紫にそう聞くと紫の顔から微笑みが消えて盃に酒を注ぐのを止めると、紫は真剣な顔でこちらを向いてゆっくりと口を開いた。

 

紫「少しだけ集まったわ けれどそれは貴方が幻想郷に来れた理由じゃなくて、もう1人の外来人の情報よ」

 

夜見「...そうか それで、何がわかったんだ?」

 

紫「どうやら人里での行方不明者が出るのは、決まって深夜から朝方にかけてらしいわ そして人里の人間達は深夜から朝方には極力外に出ないようにしてみた所、どうやら行方不明者は出なくなったそうよ」

 

夜見「なるほど...つまりは深夜から朝方の暗い時間帯に、何か起きているのか」

 

そして夜見は顎に手を添えて何が起きているのかを考え込んだのだが、情報が少なすぎるせいで何も思い付かなかった。

 

夜見「もう少し情報が必要だな、それだけの情報じゃ何もわからない」

 

紫「そうね、もう少し頑張って情報を探してみるわ だから貴方も出来るだけ調べてくれると嬉しいわ」

 

夜見「あぁ、わかったよ」

 

紫「それじゃあ、私は少し幽々子とお酒を飲んでくるわ 折角の宴会の時だけでも楽しみたいもの」

 

そう言って紫は自分の座っている場所に裂け目を作り出すと、そのまま裂け目の中へ落ちていき裂け目は閉じた。そして夜見は再び宴会の様子に目を向けると先程より人が増えており、より賑やかな様子になっていた。

 

夜見(騒がしくなってきたな...)

 

すると夜見は立ち上がって振り返ると博麗神社の裏側に降りたのだが、そこでも表の賑やかな声が聞こえてきたので夜見は血の耳栓を嵌めた。そして夜見は博麗神社の縁側に寝転がると、早朝に起きたのと春の暖かさが相まって眠気を感じたので、夜見は咲夜に呼ばれるまで少しばかり眠ることにした。

 

しばらくして夜見が完全に寝ているところにある人物が夜見の元に近付くと、夜見の体を揺すりながら声をかけて起こし始めた。すると夜見はすぐに目を覚まして血の耳栓を分解して起き上がったのだが、目の前にいたのは何故か魔理沙だった。

 

魔理沙「よぉ、夜見 よく眠れたか?」

 

夜見「...魔理沙さんか、一体何のようだ?」

 

魔理沙「いや、特に用はないぜ?ただ前の宴会にはいたから、今日もいるだろうなと思って探してたら見つけただけだぜ」

 

そう言って魔理沙は夜見の隣にある袋の向かい側に座ると魔理沙は袋にゆっくりと手を伸ばしてきたので、夜見は魔理沙よりも先に袋を掴むと反対側に袋を置いた。

 

魔理沙「何だよ、私はただ袋の中身を見ようとしただけだぜ?それなのに私の手が届かないように反対側に置くなんてひどいぜ」

 

夜見「袋にゆっくりと手を伸ばす時点で中身を見る気なんか無かっただろ そもそも中身を見たいだけなら、俺に袋の中身を見ていいか聞くのが当たり前だ」

 

魔理沙「うーん...それもそうだな、それは悪かったぜ それじゃあ夜見、その袋の中身を見せてくれないか?」

 

そう言って魔理沙は夜見に袋の中身を見せてくれるように頼んだのだが、夜見は魔理沙にプリンを見せると絶対に欲しがると思ったので、夜見は袋の中からおにぎりの入った血のケースを取り出してケースの中身を見せた。

 

夜見「ただ昼食のおにぎりが入ってるだけだ、ちょうどいい大きさの袋が無かったんだ」

 

魔理沙「昼食のおにぎりって...もうお昼は少し前に過ぎたぜ?」

 

夜見「そうなのか?それじゃあ食べるとするか」

 

魔理沙はもうお昼は過ぎていることを伝えると、夜見はそう言っておにぎりを食べようとアルミ箔を丁寧に剥がした。すると中から出てきたのは、お世辞にも綺麗とは言えないおにぎりだった。

 

魔理沙「へぇ、夜見っておにぎり作るの下手なんだな 夜見のことだからてっきり綺麗なおにぎりかと思ったぜ」

 

夜見「まぁ、見た目はともかく、味がよければいいだろ?」

 

魔理沙「まぁ...確かにそうだな、見た目が悪くても意外に美味しい食べ物もあったりするもんな」

 

夜見「さてと、いただきます」

 

そして夜見は仮面を外しておにぎりを食べてたのだが、こいしはおにぎりを作るのに強く握りすぎたのか内側の米は潰れており若干固く、調味料を入れすぎたのか口の中に大量の粉が混じっている感触がした。しかし夜見はそのおにぎりを食べれないことはないので普通に食べ続けた。

 

魔理沙「なぁ、夜見 結局味はどうなんだ?」

 

夜見「まぁ、食べれないことはないな 普通に食べられる」

 

魔理沙「へぇ、そうか 私も一口食べてみてもいいか?」

 

魔理沙は人差し指を立ててそう言うと、夜見は口を付けていない部分を少し手で取ると魔理沙に差し出した。

 

夜見「...別に構わないが、口から出したりするなよ?」

 

魔理沙「夜見は何を言っているんだ?そんな真似を私がするわけないだろ」

 

そう言って魔理沙は夜見からおにぎりの一部を受け取って口に入れたのだが、その瞬間に魔理沙は手で口を押さえて咳き込んだのだが案の定、口からおにぎりの一部を吐き出した。

 

夜見「あぁ、勿体ない どうしてくれるんだ」

 

魔理沙「げほっ ごほっ な、何だよこれ!?何でおにぎりに砂糖が大量に入ってるんだよ!?しかも、何で夜見はそんなおにぎりを平然と食べてるんだよ!?」

 

なんと実はこいしが作ったおにぎりには塩ではなく、大量の砂糖が入っていたのだ。そして夜見はそのおにぎりを平然と食べながら、魔理沙の質問に答えた。

 

夜見「何でって...普通に食べられるから食べてるんだが?」

 

魔理沙「いやいやいやいや!こんな甘すぎるもん平然と食べれるだなんておかしいぜ!?」

 

夜見「そうなのか?まぁ、確かに俺も甘いと思いはするが...」

 

魔理沙「いや、もう、夜見の味覚はどうなってるんだ?訳がわからないぜ...」

 

そして夜見は1個目の食べ終えると2個目のおにぎりを取り出して食べ始めたが、やはり2個目のおにぎりにも塩ではなく砂糖が入っていた。しかし夜見は顔色を何一つ変えずに食べ終えて仮面を被ると、その様子を見ていた魔理沙は唖然としていた。

 

夜見「ふぅ、ごちそうさま」

 

魔理沙「...」

 

そして夜見はアルミ箔を小さく丸めて片付けをしていると、いきなり目の前に咲夜が現れて話し掛けてきた。

 

咲夜「黒夜様、こんなところにいらっしゃったのですか」

 

夜見「あぁ、咲夜さん レミリアさんが呼んでるのか?」

 

咲夜「えぇ、その通りです ご案内いたしますので付いてきてください」

 

夜見「あぁ、わかったよ じゃあな、魔理沙さん」

 

夜見は袋を持つと魔理沙に向かってそう言いながら咲夜に付いていくと、魔理沙は「え?あ、じゃあな?」と我に返って咄嗟に返事をしたような反応をしていた。そしてしばらく夜見は咲夜に付いていくと、レミリア達は桜の木の下で料理を食べ終えていた様子だった。

 

フランドール「遅いよ黒夜ー!早くプリン食べたいのに!」

 

咲希「そうだそうだー!」

 

するとフランドールと咲希は夜見の姿を見るなり、早くプリンが食べたいと言うことを騒ぎ始めた。そして夜見は袋からプリンを取り出すと、真っ先にフランドールと咲希に渡した。

 

フランドール・咲希「やったー、プリンだー!いっただきまーす!」

 

そう言ってフランドールと咲希はプリンを受け取るとアルミ箔の蓋を外してプリンを食べ始め、その間に夜見はプリンをレミリア達にも渡し始めた。するとレミリア達はプリンを受け取った瞬間にお礼を言ってきていたのだが、夜見は素っ気ない返事を返していた。

 

レミリア「それにしても、黒夜がまさかプリンを作ってくるだなんて思わなかったわ それに味も食感も、全て素晴らしいわ」

 

レミリアはプリンを一口食べるとそう言って夜見のことを褒めたのだが、夜見はこんなことを言い始めた。

 

夜見「そうは言っても、もともとは小悪魔さんへのお詫びだ 昨日はすまなかった、小悪魔さん」

 

夜見はそう言うと小悪魔の方を向いて頭を下げたのだが、小悪魔は夜見が頭を下げてきたことに困った様子でこう言った。

 

小悪魔「い、いえ、大丈夫ですよ!別に仕事が沢山あったわけでもありませんし、寧ろちょっとした息抜きになったので良かったです」

 

パチュリー「というかそもそも、小悪魔に気を使う必要なんてないわよ?そもそも小悪魔は使い魔なのだから、気を使ったところで無意味よ」

 

パチュリーがそう言うと小悪魔は少ししょんぼりとしたのだが、夜見はパチュリーに対してこう言った。

 

夜見「いや、使い魔とか言う以前に小悪魔さんは小悪魔さんだ それに本の管理や片付けを手伝ってもらっているのに、そんな言い方は無いんじゃないか?」

 

パチュリー「別に気を使っていないだけで、感謝はちゃんとしてるわよ?いつもありがとうね、小悪魔」

 

小悪魔「え?あ、はい どういたしまして、パチュリー様」

 

夜見(...何だ、ちゃんと感謝はしているのか それなら良かった)

 

そして夜見は小悪魔に謝った後はレミリア達と談笑をしていたのだがフランドールと咲希がいち早くプリンを食べ終えると、レミリア達も次々とプリンを食べ終えていった。

すると夜見はみんなから容器を回収して袋の中に入れていると、周りの宴会に来ていた人達は少しずつ帰り始めていた。その様子を見ていた夜見は自分もそろそろ帰ろうと思うと、袋を持って背中に血の翼を作り出した。

 

夜見「さて、そろそろ俺も帰るとするかな じゃあな、今度暇な時にはクッキーでも作ってくる」

 

レミリア「別に気を使う必要はないわ、気軽に来なさい」

 

夜見「そうか?それじゃあ、そうしておく」

 

そう言って夜見は血の翼を羽ばたかせて宙に浮き始めると、夜見は昼過ぎではあるが何か依頼がないかどうか確認するために人里へと飛んでいった。




どうも皆さん、お風呂場の蓋です。
前回の後書きに1週間のペースで投稿と記載したのに前回の投稿から1週間を過ぎてしまいました。
今回も前回と同じように話の構成が全然思い浮かばずにグダグダと書いてしまったせいです。申し訳ありません。
1週間ずつの投稿は難しそうなので、無理なく出来るだけ早めに投稿をするのを目標にしていきたいと思います。
よければ、また次回も見てください。
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