そして夜見は月夜によって振り下ろされた白刀にトドメを刺される筈だったのだが、月夜の振り下ろした白刀は夜見に当たることはなく、いきなり現れた刀の刀身によって防がれた。
月夜「なっ!?」
すると月夜は振り下ろした白刀がいきなり現れた刀の刀身によって防がれたことに驚きの声を出した瞬間に、霊力が尽きかけて動けない筈の夜見は勢いよく立ち上がると同時に月夜の顎に目掛けて拳を放った。
しかし月夜は夜見の拳が顎に当たる寸前に能力を使って一瞬で後ろへ下がって距離を取ると、夜見の拳はむなしく空を切った。
月夜「...君、一体何をしたんだい?エネルギーはもう尽きかけている筈だったよね?」
夜見「...」
月夜(...本当に、一体何をしたんだ?)
月夜はそう思ってチラリと白刀を防いだ刀の方に目を向けると、その刀は夜見の近くに突然現れた黒い魔方陣から出てきていた。
実は夜見は自分の霊力が尽きかけていることを理解した瞬間、残りの霊力を全て2倍にできる魔力に変換したことにより再び動けるようになったのだ。
そして夜見は月夜の問いかけに対して何も答えることなく黒い魔方陣から出てきている刀の柄を右手で掴み、残りの柄の部分まで引き抜くと黒い魔方陣は霧のように消えた。
すると夜見はその引き抜いた刀の刃先を月夜の方に向け、月夜のことを鋭い目付きで睨みながら口を開いた。
夜見「LAST TIME、延長だ」
そう一言だけ夜見は言って刀を下ろし、その言葉を聞いた月夜は嬉しそうに口元をニヤリとさせた。
月夜「...いいねぇ、そう来なくちゃ!」
すると月夜は能力で夜刀を持ち変えて白刀を右手で引き抜いた事を無かったことにし、右手に夜刀を構えて走り出した瞬間に能力を使って一瞬で夜見の目の前まで近付いた。
そして月夜は夜刀を振るうと夜見は刀で受け止めようとしたが、やはり月夜は能力を使って夜刀が受け止められたことを無かったことにして夜見は斬りつけられた。
夜見「くっ!」
月夜「さぁ、延長をしたところで一体どうするつもりかな!」
月夜はそう言いながら既に夜刀を振るってきていたので夜見は後ろに跳んで避けようとするが、月夜は夜見との距離を無くすことによって夜刀の刀身を届かせた。
しかし夜見は空中にいるのにも関わらず身体を捻って器用に1回転すると、夜刀の刀身は夜見の身体のスレスレを通過し、夜見は軽やかに着地した。
月夜「よく躱せたね でも、次は避けられるかな?」
夜見が着地をしたと同時に月夜はそう言って左手の親指と人差し指を立てると、銃口を向けるように人差し指で夜見を指した。
すると夜見の背後から強風が吹き荒れて月夜の指先に集まり始まり、しばらくして強風が止むと月夜が口を開けたと同時に夜見は横に跳んだ。
ドンッ
そして月夜の声を掻き消して大きな音が鳴ったかと思うと、先程夜見がいた場所の地面には直径約1cmの穴が空いていた。
そう、それは月夜がSTAGE1で使ってきた高密度に圧縮された空気を放つ砲撃だった。
月夜「さてと...次」
月夜はそう言って再び夜見の方に人差し指を向けて先程と同じように口を開いたので、夜見もその瞬間に先程のように横に跳んだ。
すると月夜は夜見が避ける度に次々と高密度に圧縮された空気の砲撃を放ち、それを夜見はひたすら横へ後ろへと跳んで避けた。
そして月夜は計10発の砲撃を放ち終えると圧縮させた空気が尽きたのか右手の夜刀を逆手持ちにすると、能力を使って後ろに跳んで空中にいる夜見との距離を一瞬で詰めた。
だが、夜見はいきなり月夜が距離を一瞬で詰めてきたことに一切驚くことはなく、冷静に月夜が振ってくるだろう夜刀を躱す為に夜刀をじっと見ていた。
夜見(焦る必要はない、ただ躱すだけだ)
しかし月夜は夜見の予想に反して夜刀を夜見に向かって振るわずに夜刀を勢いよく振り下ろして地面に突き刺した。
すると月夜が夜刀を地面に突き刺した瞬間に夜見は左足に激しい痛みを感じた。
夜見「がっ!?」
夜見は左足にいきなり感じた激しい痛みで着地の瞬間に足に力が入らずそのまま後ろに倒れた。
そして夜見は何が起こったのかを確認する為に頭を上げて自身の左足を見ると脛の真ん中に縦に細長い穴が空いており、しかもその穴は貫通しているのか左足の下から血が広がり始めた。
月夜「どうだい?流石にこの状態なら身動きは取れないでしょ?」
月夜はそう言って地面に突き刺した夜刀から手を離して夜見に近付くと倒れている夜見を見下ろした。
夜見「ぐ...うぅ な、何を...した?」
夜見は月夜に見下されながら左足の痛みに耐えつつ、月夜に何をしたのかを聞くと月夜はあっさりと話した。
月夜「夜刀は影に干渉する性質を持っている その性質を使えば影を斬って本体を斬ることができるし、相手の影に突き刺せば相手をその場に縛り付けることもできるってわけ」
月夜はそう言いながら左手を銃の形にして夜見の頭を人差し指で指すと先端付近の空気の質量が無くなり、空気はひたすら質量が無くなった空間へ吸い込まれて砲撃の準備が始まった。
夜見(くっ、まずい!このままだと確実に殺される!)
すると夜見はどうにかこの状況を打破できないかと色々な考えを浮かばせるが、左足を動かせる状況でないとどうすることもできなかった。
仮に右手に持っている刀で夜刀をなんとか引き抜くことができたとしても、月夜はそれを黙って見過ごすような真似はしないだろう。
夜見(くそ!どうしようもできな「さて、もう終わりにしようか」
そして夜見があれこれと考えているうちに無情にも時間は経っており、どうやら月夜は砲撃の準備を終えたようだった。
しかし何故か月夜は今すぐ砲撃を放つことはなく夜見の頭の近くまで来てこう言った。
月夜「...でもこのまま殺されるのも未練が残るだろうから、せめて遺言だけは聞いてあげるよ」
夜見「...随分と、優しいじゃねえか」
夜見は死ぬ一歩手前で急に与えられて慈悲に少し苛立ちを感じながらそう言うと月夜はこう返した。
月夜「まぁ、元々これはGAMEだしね それ位の慈悲はあげてもいいかと思ってね」
夜見「...そうかよ」
そして夜見は素っ気無い返事を返してしばらく考え込んでいると、夜見は月夜にこんなことを言った。
夜見「そうだな、お礼でも言おうか」
月夜「お礼?」
月夜は死ぬ一歩手前の夜見がお礼を言ってくることに驚いて思わず聞き返してしまったが、夜見はそんなことは気にせずにお礼を言った。
夜見「本っ当に、ありがとうな 月夜さんが慈悲として少し時間をくれたお陰で、まだ遺言を言い残す必要は無いようだ」
月夜「...それってどうい
月夜は夜見のお礼の意味がわからずに聞き返そうとしたのだが、月夜はある光景を見て夜見のお礼の意味がわかった。
月夜は完全に勝ちを確信して油断をしていたせいで、夜見が力ずくで縛り付けられている左足を無理矢理上げていることに気付けなかった。
夜刀が影に干渉できて相手の影に突き刺すことで動きを縛ることができるということは、影が何らかの理由で動けば夜刀も移動するということ。
つまり、縛り付けられている箇所を無理矢理にでも上げてしまえば夜刀が干渉しているの箇所も上がるので夜刀も地面から抜けていくのだ。
月夜「くっ!」
すると月夜は急いで砲撃を放つが、夜見が左足を無理矢理上げて夜刀を地面から引き抜くのが一足早かった。
夜刀が地面から抜けて夜見が地面を転がった直後、夜見がいた場所には大きな音とともに地面に穴が空いていた。
夜見「俺は確かに言った筈だ」
そして夜見はすぐに立ち上がると宙を舞っている夜刀に向かって跳んで左手で掴み、空中で体を回転させて月夜の方を向いて着地をすると夜刀と刀を構えた。
夜見「遺言ではなく、[お礼でも言おうか]とな」
しかし月夜は夜見の方を見ることなく穴の空いた地面を見ていると左手で身に着けている白いマントの首元の部分を掴んでこう言った。
月夜「俺とGAMEをして、こんなに生き延びたのは君が初めてだよ」
そう言って月夜は左手で身に着けていた白いマントを後ろに脱ぎ捨てると夜見の方に顔を向けた。
初めて見せた月夜の姿は白色のパーカーと白色のズボンを着て全体的に白色を基調とした服装をしており、髪は白色で少し伸びており右眼は綺麗な碧色だったが左眼は一瞬だけ眼が無いように見せるほど全体が真っ黒になっていた。
そして月夜は右手で白刀を鞘から引き抜くと白刀の
月夜「光は深く差し込めば遠くを照らし、永遠に伸びるだろう しかし光は翳されるだけで簡単に消え、形を変えてしまう」
そう言って月夜は白刀に翳していた左手をゆっくりと刀身の方へと移動させると刀身は2m程の棒となり、その先には大きな刃をつけて白刀は白い鎌に姿を変えた。
すると月夜はその大きな白い鎌を両手で持って構えると夜見に向けて言った。
月夜「さぁ、GAMEのLASTを始めようか!」
そして月夜は跳ぶと同時に夜見との距離を無くして間合いを一瞬で詰めて鎌を大きく回すように振るい、夜見は後ろに跳んで避けようとしたが月夜に後ろへ跳んだことを無かったことにされて身体を大きく斬られた。
夜見「ぐわっ!」
月夜「さぁ、まだまだぁ!」
すると月夜は上に大きく振りかぶった鎌を勢いよく振り下ろしたが夜見は右手の刀を上から迫る鎌に向けて構えながら再び後ろに跳ぶと、また月夜に後ろへ跳んだことを無かったことにされたが夜見が上に構えていた刀は鎌を受け止めていた。
月夜「ちっ!」
そして鎌を受け止められて月夜は舌打ちをすると後ろへ複数回にわけて能力を使って下がって距離を取ったかと思うと、月夜は鎌を後ろに下げたと同時に夜見との距離を再び詰めて鎌を大きく振るった。
しかし夜見は月夜の鎌斬られることはなく右手の刀に左腕を添えて受け止めると、刀と鎌の間からガチガチと金属同士が擦れ合う音が鳴り始めた。
月夜「くっ!うぅ!」
夜見「どうした?余裕が無いように見えるが?」
月夜「ちっ!うるせぇ!」
夜見が少し小馬鹿にしたような挑発をすると月夜は叫びながら鎌を無理矢理振り切ると夜見は前のめりになりながらも後ろへ大きくずり下がった。
そして夜見は止まった瞬間にすぐに顔を上げると月夜は空中で既に鎌を振るってきていたが大きく後ろへ身体を反らすと、刀を振るって上に軌道を逸らしてそのまま後ろにバク転して夜刀と刀を構え直した。
月夜「うおおおおぉぉぉぉ!」
すると月夜は雄叫びを上げながら夜見に向けてひたすら鎌を振り回すが夜見に全て刀で軌道を逸され、時には弾き返されて挙げ句の果てには僅かな隙を突かれて夜見の蹴りを腹に食らった。
月夜「がはっ!」
腹に蹴り入れられた月夜は思わず怯んで隙を晒してしまうと夜見は追撃として刀を振るったのだが月夜は能力を使い、夜見の振るった刀に斬られることを無くすと刀は月夜に届かず斬られることは無かった。
そして月夜は刀を振り切った夜見に向けて鎌を振るったのだが夜見は夜刀で鎌を弾いて軌道を逸すと鎌は夜見の頭上を通り、鎌を弾かれた月夜は舌打ちをしながら能力を使って後ろへ数m下がった。
月夜「クソが!ふざけんじゃねぇぞおぉ!」
月夜はもはや冷静さを失っているのか叫びながら再び夜見との距離を一瞬で詰めて乱暴に鎌を何度も振るうが、夜見は先程と同じように今度は夜刀と刀で鎌の軌道を全て逸して時には弾き返した。
月夜「ガアアアァァァ!いい加減にしやがれぇ!!!」
しかし月夜は鎌をしばらく振り回していると突然叫んで鎌を大きく横に薙ぎ払うように振るったのだが、夜見はその鎌を刀で受け止めようとした。
すると鎌が迫ってくる方に刀を構えた夜見は何故か自ら鎌を避けるように後ろに跳び、自ら後ろに跳んだ夜見は驚きの声を出した。
夜見「なっ!?」
月夜「はっ!掛かったなぁ!」
そして月夜は鎌が本来夜見の刀で受け止められる筈だった所まで鎌を振った瞬間に、能力で夜見との距離を無くして鎌を届かせると夜見は身体を横に深く斬られて怯んだ。
更に月夜は夜見との距離を能力で無くしたままにして一瞬で夜見との距離を詰めると、まだ地面に足を付けずに怯んでいる夜見にお返しと言わんばかりの蹴りを腹に入れた。
夜見「かはっ!」
すると月夜の蹴りを腹に受けた夜見は地面に足がつかないまま後ろに数m飛ばされて仰向けに倒れそうになったが、夜見は右手を地面に付けると鮮血を宙に撒きながらバク転をするように地面に着地した。
夜見「うっ げほっ!」
しかし夜見は身体に深く斬られたせいか口から血を吐くと身体から血か飛び散り、苦しそうな顔をしながら左腕で斬られた傷を押さえた。
すると月夜は鎌を右手で担ぎながら苦しそうな様子の夜見を見て急に笑い出した。
月夜「アハハハハ!まさか俺が、毎度毎度テメェが避けようとしてるのを特別な力で無くすとでも思ったか!?」
そう、実は夜見が先程まで月夜の鎌の軌道を逸したり弾いたりしていたのは月夜の鎌が刀に当たる瞬間に避けようとしていたからだったのだ。
つまり月夜は距離を離されるのを阻止する為に、夜見が避けるのを無かったことにしていたのだ。
だが、それなら刀が当たることも無かったことにすればいいだろうと誰もが思いつくことができるだろう。
しかし、これまで月夜が能力で無かったことにしていたのはいつも
そして先程も1つしか無かったことにしていたことを考えれば...
夜見「いや、流石にそれは無い だが、お陰で月夜さんの能力で無くせる対象は1つだけなのは確定した」
月夜「...あぁ、確かに俺の能力で無かったことにできるのは1つだけだ だが、それがわかった所で一体テメェは何ができる?」
夜見「残念だが、それは教えることはできないな これから何が起こるかわかってる
月夜「...ふっ、確かにそうだな どっちがGAMEに勝つのかは、目に見えているけどなぁ!」
すると月夜はそう叫んで夜見との距離を一瞬で詰めると右手にもっている鎌を振り下ろしたのだが、その鎌は血塗れになった夜見の左腕の先にある夜刀によって上へ弾き返された。
そこに夜見は流れるような動きで右手の刀で月夜を斬り上げようとしたのだが、月夜は刀で斬られる寸前に能力を使って後ろに下がった。
月夜「おいおい、左腕で傷口を押さえてねぇと血が流れ出てきちまうんじゃねぇか?それとも、最後の足掻きとして腹を
夜見「いや、残念だが月夜さんにさっき斬られた傷は無かったことにした」
月夜「...はぁ?血を流しすぎて遂には気でも狂ったか?」
月夜は夜見が振るった刀を避けると夜見を煽り始めたのだが夜見は何故か冷静な様子で返答をし、月夜は何故夜見が冷静なのかがわからなかった。
しかし月夜は先程の夜見の動きであることが起こらなかったことに気付いた。
月夜(そういや、何故アイツから血が飛び散らなかった?血を吐いただけでも血が飛び散るのに、あんな大きな動きをしたらいくらなんでも...)
そして月夜は夜見に深く斬りつけた筈の傷へ無意識に視線を向けると確かに夜見の斬られた箇所は血塗れになっていた。
そう、ただ斬られた箇所が血塗れになっていただけで斬られた箇所からは血が流れ出ていなかったのだ。
月夜(なっ、どういう事だ!?確かにアイツはエネルギーを使い果たして特別な力は使えない筈!)
月夜は夜見が能力を使えない筈なのに傷が治っているのを見て他の手があるのかと思ったのか、月夜は鎌を両手で構えて下手に手を出さないように警戒をした。
そんな月夜の様子を見ていた夜見は月夜の行動に対応できるように夜刀と刀を構えていたのだが、その様子とは裏腹に内心はかなりの不安で満ちていた。
夜見(魔法は奥の手として残しておきたかったが、まさか傷を治すのに使う羽目になるとはな あと1回は使えるだろうが、おそらく使ったら魔力切れで動けなくなるな...)
そして両者はお互いに中々動き出さずに睨み合いしている状況がしばらく続いたが、月夜が終止符を打った。
月夜は両手に力を入れると同時に夜見の目の前に現れて鎌を振るってきたのだが、夜見が今度は躱しながら刀で防ごうとした瞬間に月夜は目の前から姿を消した。
夜見(くっ!後ろか!?)
すると夜見は勘でなんとなく後ろに回り込まれた気がして振り返りながら刀を振るうと甲高い金属音が鳴り響き、夜見と月夜の武器はお互いに軌道が逸れて両者が斬られることはなかった。
夜見「くっ!」
月夜「チッ!」
そして夜見と月夜はお互いにまた武器を振るうと再び金属音が鳴り響き、先程と同じように武器の軌道は逸らされるとそこからは激しい攻防が始まった。
夜見は2本の刀と2つの行動を、月夜は鎌と能力を巧みに扱うが両者は一歩も譲る事はなく、ただそこでは両者の間で刃が交わる度に金属音を何度も鳴り響かせているだけだった。
そんな激しい攻防の中で月夜はあることで一瞬だけ顔をしかめたのだが、その一瞬の行動を夜見は見逃さなかった。
そして夜見は月夜が振るってきた鎌を刀で受け止めると刀に力を入れ、思いっきり刀を振るうと月夜は思わず後ろへずり下がった。
月夜「くっ!?」
すると月夜はずり下がっている途中で鎌の柄の下を背後の地面に突き刺すと鎌の柄が壁となり、月夜は鎌の柄に背中を強くぶつけて止まるという無理矢理な止まり方をした。
しかし月夜の目の前には空中で刀を大きく振りかぶっている夜見が迫ってきており、月夜は再び一瞬顔をしかめると背後の鎌の柄を掴んで能力で数m後ろへと下がると夜見の刀は空を切ったのだが...
夜見「これで、俺の勝ちだ!」
なんと、夜見は勝ちを確信して空を切った刀をもう一度振る瞬間に魔法で真っ赤な炎を刀に纏わせたのだ。
そんなことをしてしまえば夜見は魔力が切れて動けなくなるのだが魔力切れの身体に鞭打ち、刀を大きく振りきって炎の斬撃を放つとそのまま前へ姿勢を崩して倒れた。
月夜「くっ!」
そして月夜は炎の斬撃が避けられないと思ったのか迫ってきている炎の斬撃に左手を翳し、口を開いたと同時に能力を使った。
月夜「この斬撃を、無に!」
夜見(なっ!?)
すると炎の斬撃は月夜に届くことはなく消え去って後は月夜が動けない夜見を殺してGAMEが終わる...筈だったのだが、月夜は能力を使った瞬間に足がふらつくと夜見と同じようにそのまま倒れた。
月夜(エネルギー、切れかよ... でも...はは、ザマァねえぜ)
どうやら月夜が倒れたのは月夜の霊力が切れ、身体が動かなくなったのが原因だったようだ。
夜見(まじ、か... まさか...魔法を、無くされるとは...)
そして夜見が勝ちを確信して魔法を使ったのは月夜の霊力がもうすぐ切れるのがわかったのと、炎の斬撃を放ったことを無かった事にされることによって魔力を取り戻そうとしていたのが理由だった。
だが月夜は敢えて炎の斬撃が放たれたのを無くすのではなく、炎の斬撃を無くすことによって自分が霊力切れになりながらも夜見を再び動けるようになるのを阻止したのだ。
夜見(...だが、そんなのは関係ねえ)
しかし夜見は魔力が尽きて動かせる筈のない身体に力を入れると地面を両手でそっと触れる程度の非力な力で押した。
夜見(たとえ、霊力が...尽きても 魔力が、尽きても)
すると非力な力で地面を両手で押しているのにも関わらず何故か夜見の身体はゆっくりと持ち上がった。
夜見(俺が月夜さんに...負けたことには、ならねぇ!)
そして夜見は腕を伸ばしきるまで身体を持ち上げると両足にも力を入れ、フラフラとうなだれるようになりながらも立ち上がると足元の夜刀を右手で拾った。
月夜(もう、エネルギーは残ってないはずなのに...)
一方、倒れている月夜は目だけ動かして夜見が立ち上がった姿を見て少し口元を緩めると、ゆっくりと少しずつ両手に力を入れた。
月夜(...ははっ そんな姿を見せられちゃあ、答えない訳にはいかねぇよな!)
夜見の姿に感化された月夜は夜見と同じように身体を持ち上げるとふらつきながらも立ち上がり、足元に落ちている鎌を右手に持つと元の白刀へと姿を戻した。
夜見·月夜(これが...本当のLASTになるだろうな)
そして夜見と月夜は力の入らない身体でゆっくりと一歩ずつ足を前へと進めると両者の距離は短くなり、遂にお互いの距離が1mを切った所で両者は動いた。
夜見·月夜「うおおおおおぉぉぉ!!!」
2人は揃って雄叫びを上げると夜見は夜刀を上から下へ振り下ろしたが、月夜は逆に白刀を下から上へ振り上げるとお互いの刀は弾れた。
白刀は地面に突き刺さったのに対して夜刀は宙を舞ったが両者はお互いに目の前にいる相手しか見ておらず、雄叫びを上げ続けながら今度は拳を放ち始めた。
しかし両者はお互いに動かない筈の身体を無理矢理動かしているので身体は思うように動かず、拳を放つ度に振り切るような形になって隙を晒してしまっていた。
そして両者は隙を晒している間に相手を殴って隙を晒し、隙を晒している間に殴られてを何度も繰り返していた。
だが夜見はそんな中で何度殴られたか覚えていない頬を殴られたのだが、夜見は殴られた衝撃を利用してその場で回転すると強力な裏拳を月夜の顔へ放った。
すると月夜は裏拳がそんなに強力だったのか後ろに大きく仰け反ると、少しして後ろに倒れて仰向けに大の字になった。
月夜「ぐはっ! がっ!ぐぅ...」
夜見「くっ!はぁ、はぁ...」
そして夜見は倒れている月夜へとゆっくりと歩み寄って月夜の腹付近をを
すると夜見はすぐ近くの地面に突き刺さっている白刀に右手を伸ばそうとしたのだが...
月夜「...ははっ」
月夜は何故かマウントポジションを取られて不利な状況にいるのにも関わらず、夜見の顔をじっくりと見ながら笑ったのだ。
夜見「...何が、おかしい?」
月夜「さぁ、なんでだろうな?もしかしたら、俺が左手に持っている物が関係あるかも知れねぇな」
夜見(左手?)
夜見は月夜の言葉を聞いて月夜の左手の方に視線を向けてみると、月夜の左手はいつの間にかナイフを握っていた。
だが夜見は月夜が左手にナイフを握っていたことは気にせずに視線をゆっくりと戻した。
夜見「仕込みナイフか だが月夜さんには、左腕を動かす力すら残ってない筈だ」
月夜「あぁ、確かに...そうだな」
そして月夜はそう言いながらも左腕の肘から先を動かすと、ナイフの先端を夜見の方へと向けた。
夜見(一体、何をしたいんだ?)
夜見は月夜の行動に疑問を持ちながらも白刀に右手を伸ばそうとした時、無意識に月夜の握っているナイフをチラリと見てしまった。
しかし夜見はその瞬間に月夜の持っているナイフのハンドル(柄)に小さなボタンが付いており、月夜の親指がそのボタンを押そうとしているのを偶然見てしまった。
夜見(まさか!しまっ「あばよ、GAME OVERだ」
そして月夜がそう言ってボタンを押すと、ナイフの刀身が夜見の喉に目掛けて射出された。
月夜が持っていたのはただのナイフではなく、スペツナズナイフと言われる刀身が射出できるナイフだったのだ。
月夜はこの土壇場で逆転勝ちすることができる必殺の奥の手を、最後の最後まで隠し持っていたのだ。
そしてその必殺の奥の手であるナイフの刀身は夜見の喉に真っ直ぐ進んで行くと、そのナイフの刀身は...
何かが地面に突き刺さる音が鳴ると夜見の喉に刺さる寸前に空中で止まった。
月夜「なっ!?」
月夜は目の前で起きた光景が信じられずに思わず驚きの声を出し、一体何が起きたのかを知るために先程地面に何かが突き刺さる音が鳴った方向を向いた。
するとそこには夜刀が突き刺さっており、そしてその夜刀はナイフの刀身の影に突き刺さっていた。
夜刀が持っている性質は影に干渉することができる力。
夜刀が影を切れば本体が切れ、突き刺せばその場に縛り付ける。
月夜「まさか...こうなることを読んで、夜刀を弾かせたのかよ!?」
月夜はこんな奇跡が起こる理由は夜見が何かをしたのが理由だと思って夜見に向かって叫んだが、夜見はゆっくりと白刀ではなく夜刀に右手を伸ばしながら言った。
夜見「...いや、違う 俺は昔からこうなんだ」
月夜「昔から?どういうことだ!?」
夜見「そのままの意味だ」
夜見はそう言いながら夜刀の柄を逆手持ちになるように掴んで夜刀を地面から引き抜くとナイフの刀身が落ちた。
夜見「俺は、昔から運が良いんだ 俺の運だけはな」
そして夜見は夜刀を逆手持ちのまま上に持ち上げた。
するとその瞬間、月夜には夜見の顔が死神の顔に見えた。
月夜(あぁ、やっぱりな お前は...
夜見「
そして夜見は上に持ち上げた夜刀を勢いよく突き刺した。
どうも皆さん、お風呂場の蓋です。
また投稿が1ヶ月以上空いてしまい、申し訳ありませんでした。
前回と同様に言い訳になってしまいますが、月夜戦の最後はできるだけ凝った話にしたくて書き始めたものの、これじゃない、これじゃつまらないと色々書き直していた結果、また1ヶ月以上空いてしまいました。
月夜戦の後の話はある程度どんな話にするのかはまとまっているので、次回は早めに投稿できると思います。
よければ次回もまた見てください。